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暗闇を見よ――先週の読了本

 先週は体調を崩して、特に前半はほとんど読めず。これ一冊だけ。

2011年2月14日 - 2011年2月20日の読書メーター
読んだ本の数:1冊
読んだページ数:369ページ

最新ベストミステリー 暗闇を見よ (カッパ・ノベルス)最新ベストミステリー 暗闇を見よ (カッパ・ノベルス)
★★★☆ 昨年の推協アンソロジー三部作の二つ目。このシリーズは三冊のタイトルが韻を踏んだものになっていたはずなのだが、今回は一冊目の「訊け」、未読の三冊目の「臨め」なのに本作は「見よ」という何だかちょっぴり残念なタイトル。さらに裏表紙の推協理事・道尾秀介の一文、「恐怖と理性 現代日本ミステリーの両義性」という序文がいささかチグハグな気がする。要するにホラーっぽい作品ということか。一冊目の『名探偵に訊け』よりは楽しめたかな。
読了日:02月19日 著者:


ザ・ベストミステリーズ2008 4

 毎年出る「推理小説年鑑」と銘打つ推協編の短編集。以下は大沢理事長の序文の抜粋である。
 プロのミステリー作家が一度ならず読者からうける質問の代表的なものとして、
「あなたの頭の中はどうなっているのですか」がある。
(〜〜思いっきり中略〜〜)
 さて、本書に収録あsれた作品は、そういうプロたちですら、作者に、「あなたの頭の中はどうなっているの」と良い意味で訊ねたくなったものばかりを集めている。
 驚きと不気味さの双方を味わっていただきたい。

講談社 2008/7/9 第1刷発行

長岡弘樹「傍聞き」(かたえぎき) 巻頭を飾るのは日本推理作家協会賞短編部門の受賞作。絶品である!
 タイトルの意味は他人の会話を傍らで漏れ聞くことで、直接聞かされるよりもその方が話の内容信じやすいのだという。そのタイトルからして伏線とも言える重要なキーワードであるにもかかわらず…やられた!

 この長さ(短さ)でこれほど完成度が高く密度の濃い短編には、そうそうお目にかかれない。横山秀夫の『影の季節』、『動機』に巡り合った時以来の衝撃を覚えた。

 そのあまりの面白さにさっそく購入して既に読み終えた(恐らくは受賞がきっかけとなって文庫落ちしたのであろう)『陽だまりの偽り』の解説によれば、有栖川有栖、山田正紀といった選考委員も同様の感想を抱き、ぶっちぎりの受賞となったらしい。

 しょっぱなにこれほどの秀作を読まされては後に続く作品は霞んでしまおうというものだが、蒼井上鷹ととただ二人2007年版に続いて選ばれた薬丸岳「黒い履歴」も良い。昨年の「オムライス」も面白かったが、これも最後にサプライズがある。ただし推協賞の候補作にもなっていない作品であり、多少ひいき目の評価かも知れない。(^^;

 他の作品は以下の通り。「◎」は推協賞候補作となったもの。
 蒼井上鷹「堂場警部補とこぼれたミルク」◎、初野晴「退出ゲーム」◎、逢坂剛「悪い手」、佐野洋「選挙トトカルチョ」、今野敏「薔薇の色」、柴田哲孝「初鰹」、新津きよみ「その日まで」、新野剛志「ねずみと探偵―あぽやん―」、沢村凛「人事マン」◎、西村健「点と円」◎、田中啓文「辛い飴」、黒田研二「はだしお親父」、法月綸太郎「ギリシャ羊の秘密」。

【日本推理作家協会編】不思議の足跡 4

 『名探偵の奇跡』『事件の痕跡』とともに3年に一度の推協編アンソロジー三部作の一冊。もともとこれが読みたくて予約して、一度順番が回ってきたのだが、よんどころない事情で借りに行くことができず。期限切れとなった後に再予約して、待つこと3ヶ月。

カッパ・ノベルス 2007/10/25 初版1刷発行

 本書に収められた作品は 《2004年から2006年にかけて発表された、広い意味で幻想的・超自然的要素を帯びた短編》 である。

 待ったかいはあったかな。それぞれに収録された作品のテーマやテイストが異なるので、好みの分かれるところかも知れないが、3冊の中では一番面白かった。

 本書には推協常任理事でもある福井晴敏が、次のような一文(抜粋)を寄せている。
 ご存知だろうか? 世に傑作と謳われる映画の多くは、短編小説を原作としている事実を。発想と構成という点において、作り手が投入するエネルギーは長編も短編も変わらないのだということを。本書に収録された玉編の中に、十年後の伝説が潜んでいる可能性は十分にある。決めるのは時間、確かめるのはあなただ。
 なるほど、それは分かった。どうでも良いけど福井よ、いい加減(ガンダム以外の)新作を出してくれ! という話はさておき、最も印象に残ったのは、2007年版このミス1位の『独白するユニバーサル横メルカトル』所収の平山夢明「オペラントの肖像」

 ひと言でいえば「囮捜査」のお話で、そのこと自体はありきたりとも言えるが、その時代・背景設定のありきたりでない不可思議さに引き込まれる。『独白する〜』は内容紹介を見ただけで個人的にはまったく食指が動かなかったのだが、この一編で俄然読みたくなってきた。

 他の執筆陣(超豪華!)は以下の通り。
 伊坂幸太郎、石持浅海、恩田陸、鯨統一郎、桜庭一樹、柴田よしき、朱川湊人、高橋克彦、畠中恵、松尾由美、道尾秀介、宮部みゆき、山田正紀、米澤穂信。

【日本推理作家協会編】事件の痕跡 2

 『名探偵の奇跡』に続く推協編アンソロジーの第二弾、といいたいところだが、刊行順ではもうじき回ってくる『不思議の足跡』がこの間にある。もともと『不思議の足跡』が読みたくて予約したのだがなかなか回ってこないので、え〜い、だったら他の2冊も読んじまえ〜、と思ったらこっちはすんなり借りることができたという次第。

カッパ・ノベルス 2007/11/25 初版1刷発行

 「当たり」のアンソロジーに巡り合えた時の喜びは格別である。だがどうもアンソロジーには当たり外れが多い。そもそもがあるテーマや基準に沿った作品を集めたものであるし、そこには「選者」の好みというのも介在するであろうし…何を言いたいかというと、要するにこれは個人的には「外れ」だったということである。(^^;

 以下は『名探偵の奇跡』での大沢理事長に対し、推協常任理事・東野圭吾が本書に寄せた「最高の出会い」と題した一文からの抜粋。
 読者の好みというのは千差万別だ。(中略)だが、自分に合う小説を書けそうな作家を探し出すのは至難の業だ。金だってかかる。
 そんな時にはアンソロジーを読むことをお薦めする。特に本書は、新人、中堅、ベテラン、大ベテランの自信作が揃った豪華版だ。きっと最高の出会いがあるだろう。
 金だってかかる、ってのは笑えるが事実でもあろう。執筆陣も確かに新人から大ベテランまで、さらにジャンルもバラエティに富んでいる。だが、「最高の出会い」となるかどうかは…あなた次第である。最後に著者とタイトルを列挙する。

 蒼井上鷹「私はこうしてデビューした」、五十嵐貴久「女交渉人ヒカル」、乾くるみ「五つのプレゼント」、歌野晶午「玉川上死」、逢坂剛「ツルの一声」、垣根涼介「コパカバーナの棹師……気取り」(『ギャングスター・レッスン』のオマケ)、加藤実秋「ラスカル3」、佐野洋(大ベテラン!)「通夜盗」、夏樹静子「ほころび」、新津きよみ「二度とふたたび」、馳星周「世界の終わり」、光原百合「希望の形」、連城三紀彦「ヒロインへの招待状」

【日本推理作家協会編】名探偵の奇跡 3

 2001年 『名探偵で行こう』、『M列車(ミステリー・トレイン)で行こう』、『事件現場に行こう』
 2004年 『名探偵を追いかけろ』、『暗闇(ダークサイド)を追いかけろ』、『事件を追いかけろ』

カッパ・ノベルス 2007/9/25 初版 1 刷発行

 そして2007年は本書の他に『不思議の足跡』(予約中)と『事件の痕跡』(読書中)。推協が3年に一度、3冊ずつ出すタイトルが楽しいアンソロジーの1冊である。

 シャーロック・ホームズのような名探偵ばかりが出てくるという訳ではない。以下は、大沢推協理事長が本書に寄せた一文。
 ミステリーにおける事件には、解決するのに見合った探偵が必要とされる。横丁の御隠居が、日常のちょっとした謎を解くのと猟奇連続殺人の犯人をつきとめるのとでは、どちらがふさわしいだろう。
 人物と事件のバランスは重要である。その上で、読者の心に印象を残す人物造形に、作者は心を砕く。
 そうして作られた人物のみに、“名探偵”の称号が与えられるのだ。
 ということんなんだが、執筆陣にお気に入りの作家が少ない上に収録作品はシリーズ物が多いようで、いまひとつ楽しめなんだ。

 全12作だが、独断と偏見によりほんのちょっとだけ紹介。
 「雷鳴」(大沢在昌)は『鼓動』というアンソロジーにも収められている。探偵役は鮫島、となれば当然再読である(ていうか忘れてるし (^^;)。

 「カランポーの悪魔」(柳広司)で探偵役を務めるのは、アーネスト・トンプソン・シートン、とフルネームが書かれるとかえって分かりづらいかも知れないが、『シートン動物記』のシートンである。そのシートン氏がホームズばりの名推理を披露するというギャップもあって、お気に入り作家以外の作品では一番面白かった。

 取りを務めるのは横山秀夫。「永遠の時効」は「小説すばる」2006/3月号初出なので、単行本未収録である。横山ファンならタイトルを見てもしやと思われるだろう。その通り「F県警」の面々が登場する。別な短編にも仕立てられそうな二つの事件を、惜しげもなく一話で解決に導くあたりは横山さんらしい。秀逸。

深夜バス78回転の問題―本格短編ベスト・セレクション 3

 本格ミステリ作家クラブ・編のアンソロジーである。本格モノはほとんど読まないといいながら性懲りも無くこんなのを借りたのは、大好きな横山秀夫と高橋克彦の作品が収録されていることと、何やらとっても不思議なタイトルに惹かれたから。

講談社文庫 2008/1/16 第 1 刷発行

 だったんだけど、このタイトルは何かというと、「Y駅発深夜バス」(青木知己)、「78回転の密室」(芦辺拓)、「走る目覚まし時計の問題」(松尾由美)という3つの短編のタイトルを(意味も無く?)つなげただけのもの。

 ちなみにノベルス版のタイトルは『本格ミステリ04』という味も素っ気も無いもの。なんだかタイトルに騙された気がしなくもないが、まあカバーと帯を変えて売上アップということもあるので、出す方としても手を替え品を替え、ということなのだろうか。

 期待した横山作品は、残念ながら『臨場』に収められている「眼前の密室」。ただ短編集としての『臨場』は★5つの評価としてが、実はこの短編に限ってはどうぬも納得のいかない点があったので、再読してみた。で…一行読み飛ばしていたことに気付いた。(^^;

 高橋さんのは未読の完四郎シリーズから選ばれた「筆合戦」。この短編に限ればできすぎの感はあるが、いずれ読みたいシリーズである。

 その他の収録作品は以下の通り。
 鳥飼否宇「廃墟と青空」、法月綸太郎「盗まれた手紙」、石持浅海「顔のない敵」(『顔のない敵』収録)、柄刀一「イエローカード」(『OZの迷宮』収録)、東川篤哉「霧ケ峰涼の屈辱」、北森鴻「憑代忌」(『写楽・考』収録)。

【笠井潔他】吹雪の山荘――赤い死の影の下に 2

東京創元社 2008/1/25 初版

 「本格ミステリー作家によるリレー小説」という企画に惹かれて予約したのだが、執筆陣の作品はほとんど読んだことがないし、そもそも本格ミステリー自体をほとんど読まないんだよね。ちょっと無謀だった。(^^;

笠井潔、岩崎正吾、北村薫、若竹七海、法月綸太郎、巽昌章の順に第一章から第七章までを担当。数が合わないじゃないか、というツッコミに対する回答は法月が二つの章を(勝手に?)書いたから。この執筆陣が選ばれた理由は以下の通り。

 名探偵かそれに準ずるキャラクターを持っている作家の競作といたしました。というのは、以前からなされていきた同種の試みの場合、視点や文体が章ごとにがらりと変わってしまう不自然さが、読者の感興を殺いでいるおそれがある、と考えたからです。競作に参加する作家それぞれが、三人称でも一人称でも、すでに確立されている視点から作品空間を構成できるなら、そのような不自然さもかなりの程度まで解消できるのではないでしょうか。
 この狙いはある程度、途中までは成功しているが、第五章(書いたのは誰だ?)に至って修復不能な程に逸れてしまったような気がするのは、単に法月綸太郎(あっ、書いてしまった)が生理的に合わないからか。

 ど真ん中のストレートのごときタイトルの通り、雪に閉ざされた別荘地のコテージの一つで首無し死体が発見されることから事件が始まる。そしてその事件を解決する「名探偵かそれに準ずるキャラクター」は、以下の7人。

ナディア・モガール、若竹七海、ブッキー、法月綸太郎、有栖川有栖、刈谷正雄、広瀬敏孝

 ちなみに七海はOL、法月は作家であり探偵、有栖川は大学生という役どころ(何だか文士劇でも見ているような…)。ここでもまた数が合わないのは、言うまでもなく執筆陣に名前の無い有栖川有栖がいるからだが、その理由は、実は本書は十数年前に企画されたものだったてなことも含め、巻末の書き下ろしパートである各作家の「解決予想」で説明されている。

 なお「ブッキー」のみあだ名である。確か「彼女」は、登場する作品では常に 《私》 であって名前が無いのである。ヒントは春桜亭円紫、と書けば分かる人には分かるだろう。

【宮部みゆき選】スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎 002 3

 日本推理作家協会とサントリーは毎年「シングルモルト&ミステリー」というイベントを行い、そこで選ばれたブレンドのウイスキーを「謎」という名前で発売しているが、こちらはノン・アルコールのブレンド。ちなみに「ブレンダー」の宮部っちはお酒をたしなまないらしい。

講談社文庫 2007/9/14 第 1 刷発行

 昨年出た『スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎 001』(ブレンダーは圭吾りん)は1970年、1980年、1990年に発表された短編を選りすぐったものだったが、本作はそれより一年ずつ後に発表されたものから編まれたもの。少なくとも10年は続けたいということなのかな。

 「好きな作家の作品は面白い(正確には面白いから好きになる訳だが)。よって好きな作家が面白いと思う話は基本的に面白い」という論法は、基本的には正しいと思う。が、「基本的には」というのは裏を返せば「必ず例外はある」ということであり、残念ながらこのブレンドはおいらの口には合わなかった。『謎 001』は結構面白かった記憶があるんだけど。やっぱウイスキーよりビールの方が…。(^^;

 という訳で、今回は収録作を列挙するにとどめる。ついでに各年の出来事(これも本書に書かれていることで、こっちの方が懐かしくて面白かったりする)からちょっとだけ紹介。

1971年(昭和46年) ●カップヌードル発売●尾崎紀世彦「また逢う日まで」でレコード大賞獲得。ちなみにこの年みゆきちゃんは11歳。
 生島治郎「男一匹」、森村誠一「企業特訓殺人事件」、小松左京「闇の中の子供」

1981年(昭和56年) ●英国チャールズ皇太子がダイアナさんと結婚●レコ大は寺尾聰「ルビーの指輪」
 佐野洋「暗い窓」、都筑道夫「首くくりの木」

1981年(平成3年) ●NTT携帯電話発売●流行語はバツイチ、チャパツなど
 原リョウ「歩道橋の男」(『天使たちの探偵』収録)、夏樹静子「酷い天罰」

 なお、ブレンドのコンセプトは 《現代社会の世相や問題と、くっきりと太い線で結びついている作品》 とのことである。

ザ・ベストミステリーズ2007(推理小説年鑑) 4

 各出版社小説誌編集部が推薦する2006年の掲載作品から日本推理作家協会が選りすぐったミステリー短篇集。

 「買って損をした」と、決して読者にはいわせない――というのが序文の大沢理事長のお言葉。はい、損はしませんでした。図書館で借りたので…。(^^;

講談社 2007/7/10 第 1 刷発行

 全15編、諸般の事情で半分ちょっとしか読んでいないのだが、印象に残った数編を紹介する。

横山秀夫「罪つくり」 もう読めないだろうと思っていた『臨場』の倉石が登場する作品。

 ホテルで女性の変死体が発見される。犯人の行方はようとして知れないが、入院中の倉石のひと言が犯人とともに、もう一つの殺人事件を暴く。倉石はどちらかというと脇役だが、その観察眼は相変わらず鋭い。タイトルは意味深。

東野圭吾「落下る(おちる)」 勘の良い読者ならタイトルでピンとくるのだろうが、草薙が出てくるまで気付かなかった。そう、ガリレオこと湯川学が登場するのだ!

 『容疑者Xの献身』以来、警察の捜査に協力することをやめた(と思われる)湯川だったが、草薙の後輩・内海薫の熱意にほだされて、ある「実験」に協力することになる。

 もうじき月9で始まる「ガリレオ」では、草薙の代わりに柴咲コウ演じる内海が相方を務めるのだとか。調べてみると、この内海薫はそもそもがドラマスタッフの要請に応じて登場させたキャラらしく、「オール讀物」2006/9月号に掲載されたこの一編は、彼女のデビュー作ということのようだ。

 物語の最後、湯川は捜査への協力再開を匂わせる言葉を口にする。そして「オール讀物」2006/11月号から内海の登場する『聖女の救済』が連載中ということで、本になるのは年明けくらいでしょうか。

薬丸岳「オムライス」 焼死したと思われたろくでなしの男だが、義理の息子が警察に自首をする。母親を庇ってのことなのか――と、ここまではありきたりだが、オムライスによって暴かれる真実は、かなり意外性あり。

 その他の収録作品は以下の通り。
 春口裕子「ホームシックシアター」、蒼井上鷹「ラスト・セッション」、不知火京介「あなたに会いたくて」、桜庭一樹「脂肪遊戯」、大崎梢「標野にて 君が袖振る」(『配達あかずきん』収録)、石持浅海「未来へ踏み出す足」(『顔のない敵』収録)、北森鴻「ラストマティーニ」、菅浩江「エクステ効果」、門井慶喜「早朝ねはん」、三上洸「スペインの靴」、米澤穂信「心あたりのある者は」、柳広司「熊王ジャック」。

【アンソロジー】乱歩賞作家 青の謎 3

 乱歩賞受賞作家の作品を集めた中編アンソロジー。既刊で『赤の謎』『白の謎』『黒の謎』というのがあるそうで、たまたま最近文庫落ちした「青」に、大好きな池井戸さんの作品が入っているのが目に止まったので借りてみた。

講談社文庫 2007/7/13 第 1 刷発行

阿部陽一「沈黙の青」 親友の死に不審を抱いた女性が独自に調査を開始する。可もなく不可もなし。タイトルの「青」はここから来てる? 阿部さんは初読み。

藤原伊織「ダナエ」 かつてレンブラントの「ダナエ」が傷付けられたのと同じような事件が、銀座の画廊で起きる。く〜っ、主人公(絵の作者)かっこ良すぎ。乱歩賞受賞作は唯一読んだ『テロリストのパラソル』

渡辺容子「ターニング・ポイント」 主人公が女性保安士というのがちょっと変わっていて面白かった。この人も受賞作『左手に告げるなかれ』を読んで以来。

池井戸潤「サイバー・ラジオ」 SFを思わせるようなタイトルだが、不思議な能力を持った詐欺師のお話。受賞作は『果つる底なき』。そういえば少し前に文庫落ちした『不祥事』が買ったままになっているな…。

不知火京介「盗み湯」 この人は名前は知っているが初読み。落語みたいな話なんだが、さほど笑える訳でなく、ミステリー色も強くなし。

 当たり前の話だが、乱歩賞作家だからといってどの作品も面白いってことはない訳で、全体的にはやや外れな感じ。

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