こんにちは。
純炭社長@糖質制限387日目の樋口です。
昨日のブログ「ダステックが出すべきもの」では、
腎機能や心血管系に異常が無くても血清リン濃度が高いと
心血管病(心筋梗塞や脳卒中など)のリスクが増えることを紹介しました。
糖質制限を行っているとタンパク質摂取量が増えます。
ハムやソーセージ類、コンビニのサラダなどには食品添加物としてリンが使われています。

そこで気になるのが
タンパク質摂取量が増えると血清リンは増えるの?
心血管病による死亡リスクは増えるの?
という点です。
健康なヒトではありませんが血液透析患者でのタンパク質摂取量と死亡リスクの関係が報告されています。
Is controlling phosphorus by decreasing dietary protein intake beneficial or harmful in persons with chronic kidney disease?
Shinaberger CS, Greenland S, Kopple JD, Van Wyck D, Mehrotra R, Kovesdy CP, Kalantar-Zadeh K.
Am J Clin Nutr. 2008 Dec;88(6):1511-8.
原文はこちらで読めます↓
http://ajcn.nutrition.org/content/88/6/1511.long
↓のようにタンパク質摂取量が増えるほど血清リン濃度も上昇しています。

透析患者さんの場合、リン吸着薬を処方されている場合が多いので一般の人ではもっと上がるのか?
糖質セイゲニストのタンパク質摂取量と血清リン濃度の関係が知りたいところです。
血清リン濃度と死亡リスクの関係は昨日のブログで紹介した結果と同様です。

血清リン濃度は高すぎても低すぎても良くありません。
次にもっとも気になるタンパク質摂取量と死亡リスクの関係です。

このグラフを見るとちょっと安心します。
タンパク質摂取量が増えたからと言って死亡リスクが高まる訳ではなさそうです。
むしろ(透析患者においては)タンパク質が少ないほど死亡リスクが高くなります。
結論をまとめると↓の図になります。

透析患者の場合はリン吸着薬で血清リン濃度が上がらないようにコントロールしながら、
タンパク質はしっかり食べた方が良い。
この論文は
1)対象が血液透析患者であること
2)観察期間が3年と短いこと(昨日のブログで紹介した論文の観察期間は16年)
という点が気になりますが、
腎機能が正常な糖質セイゲニストにおいても同じ結論が当てはまると考えています。
自治医大の黒尾先生の説では、
腸から吸収されたリンはカルシウム、Fetuin-Aと結合してCPP(Calciprotein Particle)と形成します。
このCPPは腎臓の細胞を傷つけたり、血管に取り込まれて石灰化の原因になると考えられます。
更には、血中のリン濃度が高まると骨からFGF-23が分泌されて
過剰なリンを尿として排泄しようとします(リンの再吸収阻害)が、
FGF-23には長寿ホルモンである活性型ビタミンDを減らす作用があるのです。
健康維持のために糖質制限を行っている方も血清リン濃度に注意しながら、
タンパク質摂取量を増やした方が良さそうです。
44日目/365日
純炭社長@糖質制限387日目の樋口です。
昨日のブログ「ダステックが出すべきもの」では、
腎機能や心血管系に異常が無くても血清リン濃度が高いと
心血管病(心筋梗塞や脳卒中など)のリスクが増えることを紹介しました。
糖質制限を行っているとタンパク質摂取量が増えます。
ハムやソーセージ類、コンビニのサラダなどには食品添加物としてリンが使われています。

そこで気になるのが
タンパク質摂取量が増えると血清リンは増えるの?
心血管病による死亡リスクは増えるの?
という点です。
健康なヒトではありませんが血液透析患者でのタンパク質摂取量と死亡リスクの関係が報告されています。
Is controlling phosphorus by decreasing dietary protein intake beneficial or harmful in persons with chronic kidney disease?
Shinaberger CS, Greenland S, Kopple JD, Van Wyck D, Mehrotra R, Kovesdy CP, Kalantar-Zadeh K.
Am J Clin Nutr. 2008 Dec;88(6):1511-8.
原文はこちらで読めます↓
http://ajcn.nutrition.org/content/88/6/1511.long
↓のようにタンパク質摂取量が増えるほど血清リン濃度も上昇しています。

透析患者さんの場合、リン吸着薬を処方されている場合が多いので一般の人ではもっと上がるのか?
糖質セイゲニストのタンパク質摂取量と血清リン濃度の関係が知りたいところです。
血清リン濃度と死亡リスクの関係は昨日のブログで紹介した結果と同様です。

血清リン濃度は高すぎても低すぎても良くありません。
次にもっとも気になるタンパク質摂取量と死亡リスクの関係です。

このグラフを見るとちょっと安心します。
タンパク質摂取量が増えたからと言って死亡リスクが高まる訳ではなさそうです。
むしろ(透析患者においては)タンパク質が少ないほど死亡リスクが高くなります。
結論をまとめると↓の図になります。

透析患者の場合はリン吸着薬で血清リン濃度が上がらないようにコントロールしながら、
タンパク質はしっかり食べた方が良い。
この論文は
1)対象が血液透析患者であること
2)観察期間が3年と短いこと(昨日のブログで紹介した論文の観察期間は16年)
という点が気になりますが、
腎機能が正常な糖質セイゲニストにおいても同じ結論が当てはまると考えています。
自治医大の黒尾先生の説では、
腸から吸収されたリンはカルシウム、Fetuin-Aと結合してCPP(Calciprotein Particle)と形成します。
このCPPは腎臓の細胞を傷つけたり、血管に取り込まれて石灰化の原因になると考えられます。
更には、血中のリン濃度が高まると骨からFGF-23が分泌されて
過剰なリンを尿として排泄しようとします(リンの再吸収阻害)が、
FGF-23には長寿ホルモンである活性型ビタミンDを減らす作用があるのです。
健康維持のために糖質制限を行っている方も血清リン濃度に注意しながら、
タンパク質摂取量を増やした方が良さそうです。
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