October 27, 2022
寺尾不当判決48ヵ年石川一雄さん2022.10.31メッセージ
石川一雄さんの10.31に向けたメッセージです。
早智子さんのHPより全文掲載します。
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寺尾不当判決48ヵ年を迎えてのメッセージ
諺に「桐一葉(きりひとは)」といって、昔の人たちは、桐の葉が一枚落ちるのを見て、秋の気配を感じたそうですが、私の場合、秋を何十回迎えたであろうと思い返すと遣(や)る瀬(せ)無(な)い気持ちに駆られることは否定できないまでも、その事は禁句とし、近年では寿命が百年時代に突入といわれており、だとすれば、私はまだ十六年余りあるわけですが、新型コロナ感染拡大の関係で、今は家の中に居ることが多く、新聞、機関誌等に目を通していると不倶戴天(ふぐたいてん)の心境は払拭できませんが、今は兎に角、再審闘争に重点をおき、自分の逸(はや)る気持ちを抑えて闘いに専念しています。
当時、如何に無知とはいえ、警察の罠に嵌(はま)ってしまった自分自身に毎日が自責の念で一杯乍ら、冤罪を晴らすのに、このように長い年月が必要だとは想像もできませんでした。
この10月には寺尾不当判決48カ年糾弾集会が全国各地で開催され、然もコロナ禍の終息しない中での集会であるだけに、ただ只管(ひたすら)に大変申し訳なく、またご迷惑をおかけし、相済まない気持ちで一杯です。
然し一方、先般弁護団は、私の無実を明らかにする新証拠を作成した科学者や、元科捜研技官など専門家11人の、鑑定人尋問の必要不可欠性を求めた事実取り調べ請求書を東京高裁第4刑事部に提出しました。それらを裁判所が如何に重く受け止め、採否を判断するかに、私の生死がかかっているわけです。
想えば科警研の鑑定では私方から発見された万年筆のインクと被害者のインク瓶のインクの同一性を否定されていたにも拘わらず、科警研の鑑定は証拠として調べられることなく、確定判決もインクの違いに触れないまま誤判を招いてしまったのではないかと思われます。考えてみれば、常識的に有り得ないのです。例えばNさんは、本件の起きる一週間前頃、被害者にインク瓶を貸したが、入れるところは見ていないと供述しており、何よりも事件当日被害者が書いた日記、授業中に書いた浄書を含め、一貫してジェットブルーのインクを使用していた被害者が、わざわざ当日、異なるインクを補充する訳がないのです。
そういう意味で蛍光X線分析によるインク鑑定をはじめ、弁護団が請求している11人すべての鑑定人について証人尋問をおこない、裁判所は、大局的見地に立って、単に検討するのではなく、事の理非を熟慮され、法の下(もと)の平等の原則に基づいて裁判所が職権で持ってインクの違いについて鑑定して頂くことが公正な判断と確信しております。
私・石川一雄が、この先、30年、50年と生きられる訳ではありませんが、調べ官の陥穽に落ち、無実の罪で59年間も、苦悩し、83歳の今も、冤罪を晴らす闘いの日々を送っていることを裁判官にご理解して頂き、何としても鑑定人尋問と職権鑑定をして、真実を明らかにしていただきたいと願っています。
支援者皆様方には、裁判所に対し、弁護団請求の鑑定人尋問をし、もしくは自ら職権で鑑定されるよう声をあげてくださるよう心から願っております。
◎生死賭(せいしと)し 堅固豪傑(けんごごうけつ)三次(さんじ)に臨のぞみ 司法(しほう)の正義(せいぎ)で無罪判決(むざいはんけつ)
◎拋棄(ほうき)せず 慰藉(いしゃ)に吾(われ)は後押(あとお)しされ 科学(かがく)が暴(あば)く驚天動地(きょうてんどうち)
2022年10月 石川 一雄
寺尾不当判決48ヵ年糾弾
狭山再審要求集会参加各位
桐一葉(きりひとは)・・・・・・桐の葉が落ちるのを見て秋を知ること
堅固豪傑(けんごごうけつ)・・・意志が強く度胸のすわった人
慰藉(いしゃ)・・・・・・・・・なぐさめ助けること
拋棄(ほうき)・・・・・・・・・投げ捨てる
驚天動地(きょうてんどうち)・・世間を非常に驚かせること
October 31, 2021
石川 一雄さん、2021.10.31メッセージ
10月12日
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石川 一雄さんの10.31メッセージです。
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10.31メッセージ
寺尾不当判決糾弾集会を何年続ければ再審への道が拓けられるのか先の見通しも立てられない中、今年も寺尾不当判決から47年を迎え、全国各地の支援者皆様方が集会に決起くださったものと思われ、何時も乍ら感謝の念で一杯です。
東京高裁寺尾裁判長が憲法と法律を遵守していたならば、私自身を含め、支援者各位にもこのように長い年月、ご迷惑、ご心配をおかけせずに済んだ筈なのに、荒唐無稽な論法を用いて不当極まりない有罪の判断を下したのは断じて許せないことであり、それ故に、今日に至っても糾弾集会が継続される結果になっている訳でありますが、その後の裁判も許しがたい認定をしていたことは、周知の通りです。
言及する迄もなく、裁判とは予断を抱くことなく、十分に司法的抑制の理念に立って,事実を虚心に、真摯に精査され、大局的見地に立って検討される限り、最早再審開始以外の結論は出し得ないと思います。
下山第2鑑定が出され、私自身も今度こそとの思いがあります。裁判官に対し、鑑定人尋問の必要性を強く求め、訴えていきたい。正に下山第2鑑定は寺尾判決が有罪の決め手とした万年筆に関して、警察に因る証拠のデッチ上げ、捏造そのものである事を明らかにしました。
これまでの有罪判決や棄却決定が主観的な心証を客観的な証拠の上に置くことこそ予断がその根本にあってみれば、その誤りも厳しく指摘し、それを是正させる闘いも不可欠です。第3次再審請求を担当する裁判官には予断を持つことなく、公正・公平に審理をすすめてもらいたいと切に願います。
私自身も、如何なる時でも司法に幻想を抱くことなく、常に理路整然と闘って参る所存であることは言うまでもありません。
私は、第3次再審闘争の中で、今度こそ、冤罪の真相に蓋をすることは断じて許さないという姿勢で臨む決意であります。
また、刑事再審法改正についても、特に再審における証拠開示の保障や、検察官上訴の禁止等、変えさせていく闘いも急務です。
何時だったか失念いたしましたが、「裁判に勝利するには、いい裁判官にあたればいいね」と話された方に、私は迂闊にも「そう願いたいものです」と藁をもつかむ思いからお答えしましたが、裁判官に当たりはずれがあっていいわけではなく、法に従うことが求められるのであり、のちに自分の軽はずみな言葉を反省したものでした。
何れにせよ、現在裁判所に提出されている新証拠の検討は元より、隠されている全証拠の開示と同時にそれらを正しく判断され、刑事訴訟法第435条6号のいう新しい証拠が発見された時は、再審開始が法にうたわれているので、この法律に則って速やかに再審を開始されるよう裁判所に働きかけて頂きたく切に願っています。
昨年からの新型コロナ感染拡大の中で、この間、各地の集会も、昨年2回の狭山中央集会、また今年5月の中央集会も中止を余儀なくされました。まだまだ油断できませんが、全国の支援者の皆さんもひきつづき感染防止に留意され、ご支援頂きますようお願いいたします。今回は中央集会も開催され、闘いの中でまた皆様と元気に出会えますことに心から感謝し、私の挨拶と決意に変えさせていただきます。
2021年10月
寺尾不当判決47カ年糾弾!再審要求集会
参加者ご一同様
石川 一雄
higurashi at 10:31|Permalink│Comments(0)