2013(平成25)年

October 28, 2013

10.31狭山事件寺尾差別判決きゅうだん



狭山裁判 上 野間宏 頁四四七〜四四八より


部落問題を理解することなくして、この裁判を
進めてきた、第一審、原審の裁判官は、この
裁判を行う資格を欠いていたというべきだろう。
これらの裁判官は憲法第一四条も十分に読み
とってはいなかった。部落問題を理解すること
なくして、憲法第一四条がそのもっとも深い
内容を担って実現するその「差別されない」と
いう言葉の包みこんでいる意味を理解する
ことは出来ない。・・・
最高裁判所第二小法廷の裁判官もまた、この点に
おいて、第一審、原審の裁判官とまったく変わる
ことがない。


このように言ってもこの私の言うところについて、
これらの裁判官がただちに受け入れるなどという
ことは、考えられない。
私は、部落問題の何たるかをここで、まだ解明する
ことをしていないし、さらにまた、この文章の中で
それをするなどということは出来ないからである。
とはいえ、これらの裁判官たちも、やがて、私の
言うところに、真があるということに思いあたる
時が、必ず訪れるということを私は考えている。
そのとき、これらの裁判官は、もちろん、各自の
根底からの自身のあやまりに気づいて、自分自身に
ふるえおののくだろう。
そして差別的審理と判決の責任の重大なことを
考えつくす、その入り口のところに立つほか
ないのである。・・・

狭山裁判 上 頁四五三より


寺尾裁判長は、青木英五郎弁護人に島崎藤村の
『破壊』を読んでいることを語っているが、この
藤村のすぐれた作品、部落民である瀬川丑松を
主人公にした作品も、まことの被差別部落に生を
うけたものの心と肉体を欠いているのであって、
『破壊』を読んで、被差別部落に生まれ、部落
差別を受けてきたもののすべてを、とらえている
との判断に立っているとすれば、それは、
まことに誤りというべきものである。




昭和四六年一一月一一日 二審第五五回公判調書


昭和四一年四月一四日 二審第一五回公判


昭和四六年一一月九日 二審第五四回公判




狭山裁判 中 野間宏 頁一二九二より


(寺尾裁判長が判決で一言も触れなかった
戸谷鑑定人提出の筆跡鑑定については)
似ている、違っているなどという余りにも
主観的すぎる鑑定方法によって、すぐにも
犯人と決定されるような従来の筆跡鑑定
方法に代わる、精密にして誤ること少ない、
筆跡鑑定は如何なるものか考えつくそうとし、
その鑑定方法作成に全力を傾けている
戸谷鑑定人の苦闘の跡を 私は出来る限り、
解りやすく伝えることにより、日本の犯罪
捜査と裁判制度を、人権にふさわしい
ものにし、冤罪を一切なくすために生命を
削っている方々の努力によって日本の裁判は
必ずよくなるとの希望が多くの人々のもとに
生まれることを願いながら 書いたのである。




狭山裁判 下 野間宏 頁一三九七 より


裁判所は・・・世論はすぐには動きはしない
だろうと判断したとするならば、それは世論
なるものを余りにも、ないがしろにしている
と言ってよいのであって、(小名木証言は)
非常に有力な、それ以前の異議申立棄却決定、
再審請求棄却決定、上告棄却決定、二審の
確定判決いずれをも、破り去る力をもって
いるのである。・・・
本事件の捜査担当の司法警察員、検察官、
また本事件について「罪となるべき事実」を、
もっぱら石川一雄申立人の「自供」のみに
基づいて、作成した検察庁、さらにまた
同じくただただこの検察庁検察官の作成した
「罪となるべき事実」に拠って行った
論告求刑を採用してきた地方裁判所、
高等裁判所、最高裁判所に於ける「公判」、
「審議」を重ねての判決決定の、誤りに
誤りを重ねるものであることを 白昼の光の
ただなかにひきだしているということが
できるのである。



狭山裁判 中 野間宏 頁八七九より


証拠開示をいつまでもすることのない
東京高等検察庁は・・・これをこの問題に
強い関心を持っている人々
の前に提出し、
その人々の意見もまた素直に受け入れ、
裁判は決して被告人、裁判官、検察官、
弁護人だけのものではなく、日本国民
大衆のものでなければならないという
意味を、その胸中深くに収めて、
狭山裁判の新しい出直しがすでに来ている
こと、はじまっていることを銘記すべきで
ある。・・・
もともと証拠は非常に重大であって、
これを一つでも欠くことがあっては公正な
真実追求の裁判はすすめられないのである。
・・・

これがいかに大切であるかを考えて
こなかった東京高等検察庁に対して、私は、
心のない検察庁という言葉を提出しなければ
ならない。
法というものを考える場合に、一つ一つの
法を支えている憲法は、決して心がないと
いうようなものではない。それは基本的人権
という、少し武ばった言葉になってしまうが、
一人一人の人間を大切にしようという深い
心がそこに集めよせられているのである。
私はこのことを裁判にかかわる人々が、もう
一度その心中に呼びだし、法を生きた心の
あるものとしてもらいたいと願うのである。



higurashi at 19:25|PermalinkComments(0)

October 18, 2013

2013(平成25)年10月18日冤罪・田園調布資産家殺人事件で最高裁第三小法廷は判断とはいえない判断によって特別抗告棄却

*折山敏夫さんのツイートより
  田園調布資産家殺人事件・再審請求の特別抗告が棄却決定されました。申し立ててからわずか2週間。冤罪を申し立てている事件なのに、事件記録もほとんど読まずに最高裁は棄却したのです。http://bit.ly/H6gmlv

最高裁判所は 無実の人が誤判決から解放されるために申し立てた事件に対し 再審の門を開いて 裁判をやり直す決定をしてください

*本判決でも、以下の本部長と捜査員の捜査のような、誤りを正すべき裁判所が、同じ体質に犯されてしまっている 

 

本部長 犯行の目撃者は?
捜査員 ありません
本部長 自転車や脅迫状に指紋は?
捜査員 ありません
本部長 害者の爪に犯人の皮膚は?
捜査員 ありません
本部長 犯行現場のルミノール反応は?
捜査員 陰性です
本部長 死体を隠した芋穴は?
捜査員 陰性です
本部長 犯人の着衣のルミノール反応は?
捜査員 陰性です
本部長 着衣に被害者の毛髪などは?
捜査員 ありません
本部長 よし、そいつが犯人だ!

    狭山裁判・下(野間宏) 頁一八八三より

*冤罪・田園調布資産家殺人事件を、ひとりでも多くの方にご紹介ください。
 冤罪・田園調布資産家殺人事件。目撃者なし、直接証拠一切無し、自白調書なし、犯行時刻も、凶器も、犯行態様も、犯行動機も不明の冤罪事件です


*田園調布資産家殺人事件 原審・1審判決文(有罪懲役20年)控訴審判決文(控訴棄却)においては、以下のようなまことに簡単な「決定」が見られます
 
 「検察官が取調べをした際に、供述調書を作成するか否かは、刑訴法上、その裁量に任されていると解するのが相当である」
 「捜査官が被告人を取り調べて聴取した内容を、公判定において証人として供述した場合に、その供述に刑訴法324条の適用がないと解すべき法令上、実質上の根拠は見当たらない」
 「刑訴法324条1項が『被告人以外のもの』の範囲について、法文上なんら限定を加えていない」
 「被告人の供述がその署名・押印のある供述調書に記載されている場合と比較して、証人の供述により公判廷に顕れた被告人の捜査官に対する供述内容のほうが、その信用性や証明力が劣るということは出来ない」

*それに対する折山さんの反論の部分抜粋です
即時抗告申立補充書(平成25年7月15日)より
  しかし、裁判の一方の当事者である検事が偽証するだけで、被疑者の自白が存在することや、その内容が真実であると認定してよいとしたら、憲法で保障された黙秘権は全く無意味になる。もはや刑事裁判での正しい事実認定は不可能であろう。刑訴法324条の意味するところが原審判示の通りなら、刑訴法324条は憲法38条1項に違反する。

特別抗告申立書(平成25年9月30日)より
  仮に、捜査当局によって証拠物が偽造されたとまでは認定できなかったとしても、このようなすり替えが何者かの手によって行われた事実だけは、証拠で示すまでもない客観的な事実である。
 一審に提出されたものとは別のレントゲン写真といつの間にかすりかえられて、現在は、すり替えられたレントゲン写真が証拠物として保管されていることが明らかである。にもかかわらず、「レントゲンがすり替えられたとの証拠は一切ない」と認定することは、明白な客観的事実に反しており、裁判官の自由心証主義として許容されている範囲を逸脱しているもので、憲法31条に違反する。・・・

再審請求書で記載したとおり、上記8月27日には福岡市において、歯科医師河原英雄が本件レントゲン写真を見せられて事情聴取を受けている客観的事実がある。同日の午前中に渋谷において伊波医師に示されたレントゲン写真が同時に福岡市に存在することはありえず、少なくともどちらかが偽造物であることは明らかである。
事案は、任意提出された経緯も不確かで、しかも偽造を疑われる赤色マジック写真を基にして、伊波証人等を誘導し、捜査当局の意向通りに供述を訂正させるという捜査の手法が露呈した事件である。
 そもそも、このように不確かな証拠で事実認定することは許されない。憲法31条に違反する。


*まことに簡単な日本の最高裁棄却「決定」文を批判する

狭山裁判・上( 野間宏) 頁四三八


・・・憲法違反の主張は、違法な上告理由に当たらないと
ただ簡単に述べるのである
・・・まことに簡単なものである。
しかし私はただ簡単であるからといって、それだけでその
一つの言い分を否定したり、非難するものではない。
というのは、そこに理由となる根拠があるならば、その
理由とする根拠に支えられてその言い分は成立するから
である。・・・
最高裁判所第二小法廷は、記録を調査したというならば、
それがどのような記録なのか、その記録によれば、
弁護人の主張がいかに破ることができるのか、その
記録の内容をここに引き出して、公にそれが確実に
認められるようにしてみせなければならない。・・・
いかに「・・・ものでないことは明らかである・・・」といって
みても、その「明らか」なことが公の場所において確かに
認められることにはなりはしない。ここに判断といいうる
ものが成立しているとすることは出来ない
。・・・
この判断の成立は、ただ形式論理学のみが認めるところ
であって、・・・裁判における審理をすすめるなかで成立する
判断などとは到底認めることなど出来ないのである。

同 頁四三五


(最高裁判所は、その「決定」にあたっては)総合の立場と
でもいうような、あたかも客観的で、法的に効力があるか
のような、まったく主観的にして、予断の入り込んだ、判断
といえない判断によって有罪との判定を出したのである


この最高裁判所の「決定」は、まさに今日の日本の裁判を
根底から疑わせるものであるが、・・・このような「決定」は
この日本の不幸であり、また日本についての正しい国際的な
評価を失わせるものである。

さいわい、この最高裁判所の「決定」について心から憂慮し、
この日本にこのような「決定」が出されることがないように
しようという実に多くの人々は、この「決定」によって、有罪が
さだめられたなどとは決して考えない・・・
私もまた同じ考えである。再審の道へと、さらに同じ道の
上を歩かなければならない。
この最高裁判所第二小法廷の「決定」を前にしたとして、
これによって、有罪であり、犯人であることが真実となった
わけではないからである。

同 頁四三五


この最高裁判所第二小法廷は、何を恐れたのであろうか、
余りにも突然、急ぎ足で今度の決定を出したが、その決定
にいたる通常の手続きにさえ実に多くの、そして大きな
裁判には欠くことのできない欠落がある故である。
何を恐れたのだろうか。もちろん真実をである。

裁判は、殊にもっとも重要と考えられ、また法律上
定められている最高裁判所の裁判は、このように慌ただしく、
突然その「決定」を公にするなどということがあっては
ならないのである。
・・・しかし最高裁判所第二小法廷は
そうしなかった。その決定の突然の公表は違法では
ないというのであろう。
しかしそのように言い、それを通すことによって、
日本の裁判はもっぱらその威信を失うばかりである。

*田園調布資産家殺人事件裁判の経過と現在

折山敏夫さん(昭和18年7月6日生)は、2011(平成23)年4月8日に 
「自分ひとりだけの孤独な戦いの開始です(雪冤闘争宣言)」とのご決意のもと再審請求されたが、
その後、2013(平成25)年4月3日付で 東京地方裁判所刑事第3部が、再審請求棄却を決定し、同年4月8日、折山さんは東京高裁に即時抗告を申し立てられた。
 
1985(昭和60)年7月16日 田園調布資産家殺人事件発生
1988(昭和63)年4月21日 有罪判決 東京地方裁判所刑事第12部
1991(平成3)年6月18日 控訴棄却
1995(平成7)年3月29日 上告棄却
2011(平成23)年4月8日 再審請求 東京地方裁判所刑事第3部
2012(平成24)年10月5日 再審請求申立補充書 
2013(平成25)年4月3日 請求棄却決定
    東京地方裁判所刑事第3部 裁判長 斎藤啓昭 / 裁判官 肥田薫 中山登
2013(平成25)年4月8日 即時抗告申立

即時抗告申立(平成25年4月8日)以降
 
即時抗告申立補充書(平成25年7月15日
即時抗告棄却決定(平成25年9月24日)
    東京高等裁判所第6刑事部 裁判長 山崎学 / 裁判官 井上豊 大野洋
特別抗告申立書(平成25年9月30日)

特別抗告申立書(平成25年9月30日)以降
・2013(平成25)年10月18日再審請求 特別抗告 棄却決定 
    最高裁判所第三小法廷 裁判長 岡部 喜代子 
    裁判官 大谷 剛彦 寺田 逸郎 大橋 正春 木内 道祥




*「冤罪・田園調布資産家殺人事件の1審判決文は「判例タイムズ」に掲載されました。読みこなすには大変なエネルギーの要る分量です。研究者の方はどうぞ。」にリツイートお願いします。

*獄中からや、
仮釈放中・満期出所後に、冤罪を訴えている事件や、
獄中で闘病中の方に代わってご親族が、再審請求中に死去された方に代わってご遺族が申し立てておられる事件の
早期の再審開始全面証拠開示と取り調べの全面可視化を求めます



*sayama25
10.31寺尾裁判長無期懲役判決から39年きゅうだん!



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higurashi at 06:18|PermalinkComments(0)TrackBack(0)