箱根
2011年01月14日
2日以上かかっちゃいましたが,ようやく主目的のアンリ・ルソー展@ポーラ美術館の鑑賞です.
アンリ・ルソーは,ルネ・マグリット,ピーテル・ブリューゲルと並んで私の最も好きな画家です.彼らの作品が見られる展覧会にはどんなに忙しくても見に行く,そのくらいの勢いで好きな画家たちです.
ルソーを初めて知ったのは中学生の時.美術の教科書に載っていた『税関』 という作品でした.
豊かな木々の緑の中にぽつんと描かれた黒服の人物に目が吸い寄せられ,あっという間に画面の中に引き込まれていました.パリ郊外の自然と黒服の人物の組み合わせは,ルソーのもう一つのモティーフ・ジャングルと並んでたびたび描かれていますが,私は黒服の人物付きの風景画により魅力を感じます.まるで物語の一風景を切り取ったような画面.そこからさらに物語が広がるような,不思議な感覚を覚えます.
今回の展覧会では主にポーラ美術館の所蔵品からルソーと同時代人,及びルソーの影響を受けた後継者の作品49点が紹介されています.ルソーの作品は16点と決して多くありませんが,私には初見のものばかりで興味深く鑑賞しました.目玉はポスターになっている『エッフェル塔とトロカデロ宮殿の眺望』ですが,個人的に気になったのは『廃墟のある風景』.廃墟はルソーの他作品ではあまり見られないモティーフですが,その奇妙なシルエットと前方に描かれた農婦が何やらいわくありげな,人を不安にさせる雰囲気を醸し出していて,妙に引きつけられました.「その昔,このあたりには○○という魔女が住んでいたのです・・・」なんて物語が始まりそうな雰囲気じゃありませんか?
ルソーは20世紀初頭の素朴派の画家と位置づけられるのが一般的ですが,その生没年(1844-1910)を見ると実はルノワール(1841-1919)やモネ(1840-1926),ゴーギャン(1848-1903)らと同世代だった,というのも驚きでした.この展覧会では彼らの作品との比較も大きな主題でしたが,特にゴーギャンとのそれが大変興味深いものでした.ゴーギャンには今まであまり注目したことがなかったのですが,『小屋の前の犬、タヒチ』の屋根の赤さにとても引きつけられ,同時に作品タイトルと画面構成の絶妙なバランスに圧倒されました.
とまあ,書き始めるときりがないのですが,稚拙な私の文章をお読みいただくよりも実際の作品を鑑賞していただき,幻想世界に浸っていただければと思います.以下のページに上記でご紹介した作品を始め,一部の展示作品が見られますので,ぜひクリックしてみて下さい.
アンリ・ルソー パリの空の下で--ルソーとその仲間たち
2010年9月11日(土)〜2011年3月13日(日) ※会期中無休
ポーラ美術館(神奈川県足柄下郡箱根町仙石原)
tel: 0460-84-2111(代表)
あと,ポーラ美術館は建物自体がとても素敵です.
木立の中にすっくと立つ白いゲート.そこはもう物語の入り口.
どんな世界が待っているのかしら?
自然との調和がよく考えられており,木立の中で白さがより美しく鮮やかに輝きます.
館内にも太陽の光が降り注ぎ,そこにいるだけでもなんだか明るい気持ちになれる,そんな素敵な空間.
レストランではこんな景色を目前にしてお食事がいただけます.
ミュージアムグッズも充実.
常設展にあったモディリアーニのレターセット.中島みゆきに似てません?
ちょっと足を伸ばして一息入れてみませんか?
アンリ・ルソーは,ルネ・マグリット,ピーテル・ブリューゲルと並んで私の最も好きな画家です.彼らの作品が見られる展覧会にはどんなに忙しくても見に行く,そのくらいの勢いで好きな画家たちです.
ルソーを初めて知ったのは中学生の時.美術の教科書に載っていた『税関』 という作品でした.
豊かな木々の緑の中にぽつんと描かれた黒服の人物に目が吸い寄せられ,あっという間に画面の中に引き込まれていました.パリ郊外の自然と黒服の人物の組み合わせは,ルソーのもう一つのモティーフ・ジャングルと並んでたびたび描かれていますが,私は黒服の人物付きの風景画により魅力を感じます.まるで物語の一風景を切り取ったような画面.そこからさらに物語が広がるような,不思議な感覚を覚えます.
今回の展覧会では主にポーラ美術館の所蔵品からルソーと同時代人,及びルソーの影響を受けた後継者の作品49点が紹介されています.ルソーの作品は16点と決して多くありませんが,私には初見のものばかりで興味深く鑑賞しました.目玉はポスターになっている『エッフェル塔とトロカデロ宮殿の眺望』ですが,個人的に気になったのは『廃墟のある風景』.廃墟はルソーの他作品ではあまり見られないモティーフですが,その奇妙なシルエットと前方に描かれた農婦が何やらいわくありげな,人を不安にさせる雰囲気を醸し出していて,妙に引きつけられました.「その昔,このあたりには○○という魔女が住んでいたのです・・・」なんて物語が始まりそうな雰囲気じゃありませんか?
ルソーは20世紀初頭の素朴派の画家と位置づけられるのが一般的ですが,その生没年(1844-1910)を見ると実はルノワール(1841-1919)やモネ(1840-1926),ゴーギャン(1848-1903)らと同世代だった,というのも驚きでした.この展覧会では彼らの作品との比較も大きな主題でしたが,特にゴーギャンとのそれが大変興味深いものでした.ゴーギャンには今まであまり注目したことがなかったのですが,『小屋の前の犬、タヒチ』の屋根の赤さにとても引きつけられ,同時に作品タイトルと画面構成の絶妙なバランスに圧倒されました.
とまあ,書き始めるときりがないのですが,稚拙な私の文章をお読みいただくよりも実際の作品を鑑賞していただき,幻想世界に浸っていただければと思います.以下のページに上記でご紹介した作品を始め,一部の展示作品が見られますので,ぜひクリックしてみて下さい.
アンリ・ルソー パリの空の下で--ルソーとその仲間たち
2010年9月11日(土)〜2011年3月13日(日) ※会期中無休
ポーラ美術館(神奈川県足柄下郡箱根町仙石原)
tel: 0460-84-2111(代表)
あと,ポーラ美術館は建物自体がとても素敵です.
木立の中にすっくと立つ白いゲート.そこはもう物語の入り口.
どんな世界が待っているのかしら?
自然との調和がよく考えられており,木立の中で白さがより美しく鮮やかに輝きます.
館内にも太陽の光が降り注ぎ,そこにいるだけでもなんだか明るい気持ちになれる,そんな素敵な空間.
レストランではこんな景色を目前にしてお食事がいただけます.
ミュージアムグッズも充実.
常設展にあったモディリアーニのレターセット.中島みゆきに似てません?
ちょっと足を伸ばして一息入れてみませんか?
2011年01月11日
前日から「ポーラ美術館に行く箱根の旅」をお送りしていますが,行きあたりばったりの為,なかなか美術館に到着できません(笑)
せっかく箱根まで来たんだからケーブルカーとロープウェイにも乗らなきゃ,ということで,強羅から早雲山を経て大湧谷にまいりました.
大きな地図で見る
標高1044m.寒いのなんのって,帽子を持ってこなかったことを即座に後悔しましたよ.マフラーで町子巻きにし,とりあえず寒さをしのぐことに.
眼下に広がる大湧谷.
ぜひ,別ウィンドウを開いてご覧ください.
そして反対側には
美しき富士の山.
来日した外人は必ずといっていいほど富士山に登りたがりますが,「下界から眺める富士山も素敵だよ」とここからの眺望を薦めるのもいいかもしれません(って既に Lonely Planet で紹介されてるかな?)
一瞬にして清々しい気持ちにしてくれる富士山はやはり「日本一の山」ですね.
せっかく箱根まで来たんだからケーブルカーとロープウェイにも乗らなきゃ,ということで,強羅から早雲山を経て大湧谷にまいりました.
大きな地図で見る
標高1044m.寒いのなんのって,帽子を持ってこなかったことを即座に後悔しましたよ.マフラーで町子巻きにし,とりあえず寒さをしのぐことに.
眼下に広がる大湧谷.
ぜひ,別ウィンドウを開いてご覧ください.
そして反対側には
美しき富士の山.
来日した外人は必ずといっていいほど富士山に登りたがりますが,「下界から眺める富士山も素敵だよ」とここからの眺望を薦めるのもいいかもしれません(って既に Lonely Planet で紹介されてるかな?)
一瞬にして清々しい気持ちにしてくれる富士山はやはり「日本一の山」ですね.
2011年01月10日
ポーラ美術館のアンリ・ルソー展に行くなら今日しかない! 急に思い立ち,日帰りで箱根に行ってきました.
箱根に行くならロマンスカー.
中国語では「浪漫特快」.昭和初期のかほりが漂ってくるのはなぜでしょう?
展望席が自慢のロマンスカーですが,なんと出発時間30分前にこんな席が取れてしまいました.
1号車2Bってほとんど真ん前ではないか!
ちょっと背筋をのばすとこんな感じで目前に線路が伸びています.電車の運転手さんに憧れはなかったけど,電車でGo!にはまる人の気持ちが少しわかるような・・・
トンネルだ!
鉄橋だ!
た〜のし〜いな〜!
小田原以降は箱根登山鉄道.ここから単線です.
そして,箱根湯本からはスイッチバックで有名な登山電車に乗り換え.当然ですが,車両の端の席をゲット.
いや〜 電車の旅は楽しいな〜
自宅最寄りから片道2時間30分の電車の旅.車で行けばもっと速くそして楽なのでしょうが,電車だとその倍以上楽しめると思うのはやはり鉄子だから? 図らずも自分に鉄子要素があることを認識することになった旅でした.
箱根に行くならロマンスカー.
中国語では「浪漫特快」.昭和初期のかほりが漂ってくるのはなぜでしょう?
展望席が自慢のロマンスカーですが,なんと出発時間30分前にこんな席が取れてしまいました.
1号車2Bってほとんど真ん前ではないか!
ちょっと背筋をのばすとこんな感じで目前に線路が伸びています.電車の運転手さんに憧れはなかったけど,電車でGo!にはまる人の気持ちが少しわかるような・・・
トンネルだ!
鉄橋だ!
た〜のし〜いな〜!
小田原以降は箱根登山鉄道.ここから単線です.
そして,箱根湯本からはスイッチバックで有名な登山電車に乗り換え.当然ですが,車両の端の席をゲット.
いや〜 電車の旅は楽しいな〜
自宅最寄りから片道2時間30分の電車の旅.車で行けばもっと速くそして楽なのでしょうが,電車だとその倍以上楽しめると思うのはやはり鉄子だから? 図らずも自分に鉄子要素があることを認識することになった旅でした.