足立光の『負けない日本人』

非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術



著者は広告代理店から独立し、「角ハイボール」や「ポケトーク」、最近なら「(タクシー配車アプリ)GO」など、誰もが知る数々のクリエティブを手掛けている、(ビジネスの)クリエイティブを行う会社「dof」の代表。「クリエイティブ=クリエイティブな専門家たちの独壇場」と考えられている中で、広告代理店時代はクリエイティブ畑ではなかった著者が、クリエティブ・ディレクターとして成功を収めているのが特筆もの。その著者が、「課題の本質を見つける」「仮説を立てる」「解決策につなげる」という章に添いながら、自身の生き方やマーケティング、広告に関する自らの考えを綴ったのが本書。

全く違ったキャリアを持つ著者と自分だが、「ギブできることは幸せ」「当事者意識(自責)が人を強くする」「(ビジネスは)総合力が求められる時代」「競合プレゼンは(クライアントにもエージェンシーにも)いいことがまったくない」「(仮説を考えるときはターゲットに)憑依する」「『セレブ』から『せんべろ』まで(トレンドは)すべておさえる」「人間関係もインプットの一形態」など、共感できる箇所がとても多くて驚いた。そのどれもが、長いキャリアの中で、成功も失敗もある数々のプロジェクトを手掛けてきた著者の言葉なのは、とても説得力がある。

よく知られている「角ハイボール」などの有名事例だけではなく、「天野エンザイム」(酵素の会社)などいろんな事例も多く、文体もまるで著者と(飲み会で)話しているような感じで、楽しくスラスラ読める。いろいろなトピックが次々と出てくるので、決して網羅的でも学術的でもないが、マーケティングやコミュニケーションに関わる人、またはベンチャーなどで自分でビジネスをやっている人は、いろいろなヒントを得ることができると思う。

「普通の人が発信すること」についての参考書

今年は、個人が複数の組織に属して働く人が増えましたが、企業自体の一般化、また兼業を許可する企業の増加にともない(まだまだ多くの企業で兼業規定は厳しく、「仕事に関係すること」はダメとか、実質的に兼業をしにくいような規定もありますが)、来年はさらにこのトレンドが続くのではないかと思います。この時に問題になるのが、「,覆鵑了纏ができるのか」ということと、「△修鵑併纏はあるのか(仕事は来るのか)」ということです。

まず、例えばいきなり造園業をやっていた方が、ウェブ制作の仕事を兼業として始めるのは、可能と言えば可能ですが、いままでやってきたこととの相乗効果もなく、それを専業でやっている人たちも多い中で、お金をもらってできるようなレベルに到達するのは至難の業です。多分、たくさんある兼業やジョブ・マッチングのサイトに登録してみればわかりますが、全く畑違いで実績もない仕事には、発注はきません。なので、,砲弔い討蓮崋分のこれまでの経験や知見を活かした仕事」がベストなのは間違いありません。もちろん、教会などでボランティアするなどして、複数の組織に属することは「いろんな経験を積む」という意味ではお勧めしますが、それで収入がないのでは「兼業」とは言えません。

さてここで重要なのは、このような兼業の場合、そのほとんどは「個人」に発注されることになります。ここで多くの方に抜け落ちてるのは、「個人のマーケティング(発信)」だと思います。例えば仕事で発注先を決めるときは、どんな実績があるかとか、調べますよね。同じことが個人への発注にも起こるにも関わらず、多くの方は「(実績や個人の経験の)発信」を十分にしていないので、「実績やどんな方なのかを調べても、わからない(ウェブ上に無い)」のが現状と思います。たとえきちんとした実績や経験があっても、それがきちんと(探せるような形で)ウェブ上になければ、誰にもわからないし、それでは∋纏も来にくいですよね。もちろん、有名なコンサルの方などは、仕事や実績を発信でしなくても、その広いネットワーク等があるので、わざわざ「発信」しなくても兼業のオファーはたくさんあるでしょうが、それは例外です。

その発信をするときの参考になる書籍を2つ。



著者はもともと普通のサラリーマンだったのに、ブログやSNSなどで発信を続けてきたことで、今やnoteのプロディーサーとなり、コメンテイターとしてテレビにも登場する方。そもそも個人がSNSで発信をすることの、何がいいのか、どうやるか(どうやるべきでないか)をわかりやすく解説しています。「自分は、普通の人なので、発信することなんてない」と考えられている方には、まずこれを読んで、その考えをひっくり返してほしいと思います。個人で発信を続けることは、それだけのメリットがあるのは間違いないので。



もうひとつは、具体的にどう発信しようかを練習できる本。著者は、連続起業家で、今はアーティスト件ビジネスマンとして活躍される方。少し「普通の人」からは遠い感じがしますが(笑)、本書は例えば「あなたにとって『努力』とはなんですか」等のいろいろな観点の質問に対して、有名な起業家、経営者、YouTuber、俳優、タレント、教育アントロプレナーなどの方が答えている内容を参考にしながら、自分ならどう発信するかを考えることができるという珍しい内容になってます。

私は常々、日本のビジネスマンは「会社の中」で活躍することだけに集中しすぎて、またはそれが当たり前だったので、「外の世界を広く見ること」、そして「外への発信」ひいては「自分自身のマーケティング」が足りないと感じていました。例えば自分が発信を始めて、その「いいね!」数が少なければ、どうやったら「いいね!」を増やせるか考えますよね?それがまさに、「外の世界を見ること」の第一歩です。自分の日記をつけるような感覚で、外への発信、始めてみませんか?「どんな実績のある、どんな性格の人なのか」をわけってもらえばもらうほど、「兼業」の可能性が増えますよ!

「嵐」に学ぶマーケティングの本質




「嵐」の熱狂的なファンであり、マーケティングのコンサルタントでアもある著者が、「嵐」が20年以上にもわたってトップアイドルとして君臨してきた理由を、マーケティングの教材として「後追い」的に分析した本。

解説される内容は「ブランドとブランディング」、「マーケティング」、「デジタル活用」など多岐にわたるが、どれもマーケティングの基本かつ重要な要素ばかり。「嵐」がいかにマーケティングの基本に忠実に数々の活動・発信をしてきたかについて、著者の過去のマーケティングのキャリアの中での数々の体験・学習や、コトラーやアーカーなどの著名なマーケティング学者の理論なども引用しながら解説されている。「嵐」というグループの過去の数々の偉業についてある程度知っている方が、「マーケティングとは何か」をわかりやすく学ぶことができる。

他にも、「Lessons Learned」という成功の再現性を高める方法や、SNSで拡散するには「ストーリー」が重要(必須)であること、データを活用したマーケティングでは「データだけを追いかけ、その先の『人』を忘れがちになること」など、近年のマーケティングでは重要な指摘がちりばめられている。

残念なのは、(当たり前だが)事例が「嵐」のことばかりなので、自分も含めて「嵐」についてあまり知らない人は、本書で登場する数々の事例について全くわからず、「あー、なるほど」という理解にはつながりにくいこと。また、あくまでも「後付け」の分析なので、このような素晴らしい数々の施策をどのように導き出して実施していくかに関しては、示唆が十分にあるとは言えない。

マーケティングにはどのような要素があり、何が重要なのかを学びたい方には、楽しんで読んで頂けると思うし、またすでにマーケティングを実践されている方にも、ケーススタディとして面白いと思う。

広報DX ~次世代の社会を担う情報発信の新指針






基本、政府や地方自治体などの公共機関で広報に携わる方のために書かれた、「広報を(デジタルで)どう革新していくか」の本。ぱっと見たところ、いかにも固そうな内容の、一般のビジネスマンには関係なさそうな本ですが、さにあらず。第三章「広報DXのグランドデザイン」で書かれているのは、どのようにターゲットして、発信する内容にどのように興味を持ってもらい(「自分ごと」かしてもらい)、どのようにブランド化をしていくのかという、まさに普通の企業が抱えている課題。執筆者の中にはB2CのビジネスをされてきたLINEの砂金さんやプリファードネットワークスの富永さんなどもいらっしゃるし、内容をページに詰め込み過ぎない読みやすいデザインで、広報の現場の方向けに書かれているので言葉も平易で、理解しやすい。しかも、謎に全ページカラー(笑)。

そもそも広報でもマーケでも、何かを人に伝えて、心を動かして、何か行動してもらうのが目的。なので、人間が「どのように働きかけると、どのような反応があるか」ということを理解しておくのが重要、とは全く合意。そこで解説されるのは人間の「私たちは決められない」とか「私たちは同調する」等の性質。そこから、「誰かに言われたから、やらなくては」ではなく「自分がいろいろと考えた結果、選んでいる」という状況を作り出すのが重要、とは全てのコミュニケーションに当てはまる。

ちなみに6章などは「国民の興味関心・行動データに基づく、意思決定支援広報の設計」というやたら固い名前がついているが、内容は「いかに(発信するメッセージを)自分ごとにするか」のポイントという、一般企業がPRやソーシャルで取り組んでいる内容そのまま。ちなみに、示されているポイントは、「マーケティング大原則」でも紹介している電通PRの「IMPAKT」と共通点も多い。本書によると、公共機関では広報の手段の一つとしてSNSが使われている(SNS担当は広報の中にいる)ようだが、やはり広報・PRとSNSはそのポイントがほぼ同じなので、同じ人が両方をリードすべき、と改めて確信した。

というわけで、マーケティングとしての広報・PR・SNSに、ちょっと別の視点が欲しいと思ってる方には、きっとお楽しみ頂ける本だと思います!



ザ・フード -アメリカ巨大食品メーカー



ある食品会社の方のお勧めで見た「ザ・フード」が、すごく面白かったです!あのコカコーラやハインツ(ケチャップ)やケロッグ(シリアル)やハーシー(チョコ)などの生い立ちが、ものの3時間くらいで見れてしまいます。

基本は当時の起業家の話なんですが、ケロッグがもともと医療発祥(!)だとか、マーケがいかに群を抜いていたかとか、兄弟で争ったとか、知らなかったネタ(情報)がいっぱい!第一次世界大戦が、アメリカの食品メーカーの大発展のきっかけだったとは知らなかった!あと、日本ではあまり聞くことのないバーズアイ(冷凍食品)とかcwポスト(シリアル)とかの話も出てきます。後半にはマクドナルド兄弟やカーネル・サンダースなども登場します(笑)。

ただ、製品もできてないのに「街」を作ってしまったハーシーとかの、当時の起業家のクレイジーさに感銘を受けますねえ。目指すところが、「ちょっと金持ち」レベルではなく、世界を変えるとか、街を作るとか(笑)。夢は大きく持たないと、ですねえ。普通の映画とかドラマとか見るくらいなら、ぜひこれを!

ヤッホーとファンたちとの全仕事

18年連続増収を導いた ヤッホーとファンたちとの全仕事
佐藤 潤
日経BP
2021-07-01






いわゆる「クラフトビール」の雄として、大手ビールメーカーとは全く異なる製品戦略を「ファンと共創」という信念で貫き通し、18年連続増収増益を続け、優秀な戦略をとる会社として「ポーター賞」を受賞するなど、最近の活躍目覚ましいヤッホーブルーイングが、何を考え、何を実践してきたかを余すところなく公開している本。

お客様は「神様」ではなく、「仲間や親しい友人のような存在」という考えで、ファンに喜んでもらうためのファンイベントなどを通じてビジネスを伸ばしてきた、まさに「ファン・マーケティング」の好例。実際、このような嗜好品は「2割のファンが8割の売上を支える」構図なので、(熱狂的な)ファンを増やしていく戦略も、「機能的ベネフィット」だけではなく「情緒的ベネフィット」が重要なのも理解できる。

ただし、このイベントなどの「顔が見える」ファンマーケティングで、どこまでビジネスを伸ばせるかがチャレンジだと思う。実際、ヤッホーと同様に、ファンとのイベントを中心に熱狂的なファンに支えられていたナイアンティックの「ingress」という位置ゲームは、やはりマスへの転換・拡大ができなかった。今後ヤッホー製品がコンビニやスーパーなどへの配荷や売上が増え、「マス」を相手にビジネスをしていくように大きくなる中で、ナイキなどのようなマスに対してファンを作れるようなやり方に転換していけるかどうか、注目したい。

成功=ヒトxDX デジタル初心者のためのDX企業変革の教科書







著者は、世の中に「DX」という言葉が存在するずっと前に、セブン&アイ・ホールディングスのCIOとして巨大企業のDXに取り組んだ方。そのへんの普通の会社で、アプリを入れるとか、マーケでデジタルを強化するとかの「小手先のDX」をしたとかではなく、本当に全社で「デジタルとリアルの融合」に、しかも日本を代表する企業で取り組んだ、苦闘から得た教訓は、とても参考になります。

まずは一般には混同されて使われている「デジタルシフト」と「DX」の違いの説明から入り、多くのDXを推進している企業の責任者には耳が痛いであろう「DXがうまく進まない5つの原因」を解説します。経営者にDXを決意してもらうために経営者を4カテゴリーに分類してどう説得するかとか、抵抗勢力との対峙の方法とか、変革を定着させることの重要さとか、「どうDXを進めるか・効果を出すか」に多くのページが割かれて詳しく書かれているのは、実際にそれをされていた方の言葉としてとても説得力があるし、なにより、「DXはこうあるべし」という理想を掲げるコンサル的指摘ではなく、「実際に実践してなんぼ」という実践者の視点が強いのが嬉しいです。

主に大企業でDXに関わる方は、読んで損はない、実践の書だと思います。

「心」が分かるとモノが売れる

「心」が分かるとモノが売れる
鹿毛康司
日経BP
2021-05-20


エステーで18年もの間、マーケティングやコミュニケーションを指揮し、「消臭力」や「ムシューダ」など数々の伝説的なキャンペーンを生み出した、間違いなく日本を代表するマーケッターである鹿毛康司氏が、昨年のエステーからの独立後に初めて出版した、エステーでの18年の仕事や、マーケティングの考え方をまとめた、ご本人の半世記ともいうべき著作。

海外でMBAも取得し、グロービスのマーケティングの講師でもある著者だからこそわかる、4PやSTPなどの「一般的なマーケティング」の限界についての解説から始まり、お客さまの「心」(インサイト)を理解して、「心のツボ」を動かすメッセージやコミュニケーションを考え抜け、と説く。「マーケティング調査のバイアス」の章などは、自分も全く同意だし、たくさんの調査を実践してきた著者だけに説得力がある。また、普通のマーケティング本にはあまり出てこない「マーケターがクリエイターと仕事をするうえで知っておきたい」ポイントなどは、クリエイティブ・ディレクターでもある著者だから言えることでもある、と思う。多くはエステーの事例(加えて、著者が関わっている学習塾「ベスト個別学院」など)だが、他の業種にも考え方を適用できるように、まるで著者の講義を聞いているかのように、わかりやすく普遍的に解説されている。

本書を読んで、優秀なマーケターは、その出自に関わらず、マーケティングにおいて近いポイントを重視しているな、と感じた。例えば「人間の思考や行動は95%が潜在意識」というのは大松孝弘市の「本当の欲求はほとんど無自覚」と近いし、「お客さまをデータとしてではなく、1人の人間として理解しろ」というのは、西口一希氏が「顧客起点マーケティング」で指摘していることでもある。また、自分自身がお客さまの立場になりきって考えるというのは、舛田淳氏が「憑依」という言葉で説いているし、森岡毅氏も極端なくらい「なりきる」ことで知られている。しかし、その中でも鹿毛氏が違うのは、徹底的に自分自身(の過去や、ダークな部分)と向き合い、自分の心を深く検証し、自分の心を揺さぶる何かを探り当てろ、指摘しているいることかもしれない。

マーケティングやコミュニケーション、クリエイティブに関する示唆が多い「マーケティング本」ながらも、「私の履歴書」のように著者の仕事感や人生観まで感じることができる、熱い著作。少なくとも、読後感は間違いなくマーケティング本、ではない(笑)。

ほんとうの欲求は、ほとんど無自覚
波田浩之
宣伝会議
2020-01-15



 
 

ナラティブカンパニー 企業を変革する「物語」の力



多分、初めてかつ唯一の、「ナラティブ」が経営・マーケティングでいかに重要かを、日米かつコロナ後まで含んだ豊富な事例で解説している本。著者は「戦略PR」の著者であり、PR・広報の日本の第一人者でもある、本田哲也氏。私の「マーケティング大原則」の中のインタビューにもご登場頂いている。

最近、よく聞くようになった「ナラティブ」と、これまでも語られていた「ストーリー」の違い(自分自身は、「ナラティブ」はお客様や世間が共感して行動を起こす・参加するような「ストーリー」だと理解していたが、そんなに違わなかった)や、「ナラティブ」と「パーパス」「パーセプション」「オーセンティシティ」などの関係を整理しているので、(少し似ているところもある)これらのl言葉を体系的に理解できる。加えて、本書は「ナラティブ」がなぜ現代の企業・ブランド経営に重要なのかを説くだけでなく、著者が実際に関わった豊富な事例で、それをどう「実践するか」を解説しているのが素晴らしい。 

何より、本書の特徴は、成功も失敗もカバーしたその豊富な事例だろう。パタゴニアやナイキ、アマゾンやネットフリックスやエアビーアンドビーといった欧米の企業だけでなく、味の素冷凍食品、ワールド(アパレル)、ウィル(パーソナルモビリティー)、ユニチャームやソニーやサンリオなどの日本企業、そしてUNO(資生堂)やポカリスエット(大塚製薬)やパンテーン(P&G)などのブランドや、「ボヘミアン・ラプソディ」や「 100日後に死ぬワニ」などの現象まで、広範囲の事例をカバーしているだけでなく、その日本での事例の多くに著者が関わっていたことには驚嘆する。

あえて難点をあげれば、企業がワン・アンド・オンリーなブランドである場合(パタゴニアやネットフリックス等)と、企業の中に複数の異なるブランドがある場合(パンテーンやUNO)の場合は、同じ「ナラティブ」といってもそのやり方や範囲が若干異なるはずなのに(例えばUNOの「パーパス」をもとにしたナラティブは現実的ではない)、両方の事例が一緒に語られてしまっていること。加えて、「オーセンシティ(自分らしさ)」や「パーパス」は確かに明確であったほうがいいが、それを決めきれない企業が多いという現実、かつそれを決めることは企業の最重要戦略(誰に何を提供するか)を決めることと同義であるにも関わらず、さらっと流されてしまっていることかもしれない。

「共感」「共創」「共体験」がさらに重要になってくる今の時代に経営・マーケティングをどう進めていくかについて 自分の考えを整理し、ヒントや視点を与えてくれる本。本書を読むなら、数年後ではなく、「今」がベストタイミング。


機動戦士ガンダムNT [DVD]
バンダイナムコアーツ
2019-05-24







追伸: でも、自分にとって「ナラティブ」とは、やっぱりこれなんだよなあ笑 


新版 戦略PR 空気をつくる。世論で売る。 (アスキー新書)
アスキー新書編集部
角川アスキー総合研究所
2012-10-09

 
 

マーケターのように生きろ



いろいろな会社のマーケティング担当を歴任された、ミュージシャン志望だったイケメン、井上さんの著書。「『あなたが必要だ』と言われ続ける人の思考と行動」というサブタイトルにもあるように、「個の時代」を迎える中で、自分自身をマーケティングしていくための方法が、ご自分の経験に基づいていながら、誰にでも実践しやすく、「(自分が活躍したい)市場を定義する」、「価値を定義する」、「価値を作りだす」、「価値を伝える」というように整理されて書かれている。

「マーケティングは顧客起点でないといけない」と常々主張してきている自分にとっては、著者の「(自分ではなく)相手からスタートする」という考え方は、極めて納得がいく。また、著者の「マーケティングはあらゆる人の役に立つ『思想』である」という主張も、「マーケティングは販促でも広告でもなく、相手の考え(結果として行動)を変えること」という自分の主張と相入れるものがある。

日本では、マーケティングを仕事にしている人でさえ、自分自身のマーケティングにはあまりに意識が低かった。トム・ピーターズの2000年の名著「ブランド人になれ」から約20年の時を経て、田端氏の「ブランド人になれ」(2018)や本著のようなセルフ・ブランディング的な本が日本でも出てきたのは、日本でも「個人」の意識がやっと一般化してきたのだと思いたい。

会社に頼ることなく「個人」として生きて行きたい方にはもちろん、独立する気はないけど仕事で成功したいサラーリマンの方も、いろいろ参考になる点が多いと思う。そして、マーケティングをされている方にも「マーケティングとは何か」を見直す(考え直す)きっかけとなる良書。あと、これを面白いと思ったら、ぜひトム・ピーターズも読んでみてください。

トム・ピーターズのサラリーマン大逆襲作戦<1> ブランド人になれ!
トム・ ピーターズ
CCCメディアハウス
2017-07-06



 
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