
京都 京福電鉄
通称【嵐電】には
四条大宮駅発→嵐山駅
四条大宮駅→北野白梅町駅
ふたつの経路があります
太秦のつぎの駅
帷子の辻駅【かたびらのつじ】駅を
中継地点として
嵐山と北野白梅町に
それぞれ終着駅があるのです
わたしは
まだ、知らない京都発掘のため
北野白梅町まで行ってみることに
しました
まだ少しあつい京都の午後
いつものように
リュックサックを、せおい
分岐点、帷子ヶ辻駅より
昭和の雰囲気ただよう
茶色のかわいらしいちんちん電車に
乗り込みます
ゴトゴト ゴトゴト
線路の凹凸と
体にくる振動
お年寄りや
通学中の学生さん
お母さんと子供
そんな方々を毎日運ぶ
町に溶け込んだ庶民のための電車です
時がゆっくりと動きます
台湾や韓国の旅行者が
カップルで
ゆったりと
乗り込まれ
楽しそうに景色をみています
いつもながら
日本に、いつまでもあって欲しい
風景をみるたび
しみじみしてしまいます
派手さはないのに
木漏れ日の光のように
優しく輝いている
そんな
野花のような
美しさが
京都にはあちらこちらに点在します
旅人は
それを
見つけるたびに
幸せな気分になる
さて
まもなく
北野白梅町に到着しました
ひなびた古い駅
しかし外にでて
広い交差点にでてみますと
意外にも若い方が
道を沢山行き交っています
聞くところによると
この界隈は、住みやすい家賃価格で
学生さんに人気のエリアだそうです
駅前商店街
『大将軍八幡神社』のある
妖怪ストリート(妖怪の置物がたくさん
あるのです)を通り抜けて
学問の神様
菅原道真公を祀る
『北野天満宮』
着いた頃には
日が暮れておりました
もう、神社は
閉まっているだろうか
半ば諦めながら
歩いて行くと
(夜七時半)
入り口の門が
大きくあいておりました
今日は特別な催しなのかな
そう思いながら
そっと
門をくぐると
そこには
見たこともない
幻想的な風景がありました
暗い夜空に
浮かび上がる
灯籠のほのかな灯り
まさに
神社が建てられた
947年、平安時代中期
そのものです
わたくしは
タイムスリップしたように
しばし呆然と
立ちつくしてしまいました
境内にも
たくさんの灯りが蝋燭を交えてともされ
本堂や
ほかの建物に、施された
金色や、赤や、緑が
えも知れぬ
光を放っています
中で作業を
していらっしゃる
神社の方の白装束さえ
光ってみえます
なんでも
毎月25日は縁日なので
夜9時まで
あいているそうです
1ヶ月に1日しかない
25日に
偶然にも
こられたこと
運に頼らないでいようと
思うわたしも
さすがに
運がよかったと
思いたくなりました
奥では
もうすぐ催される
秋の『ずいき祭』の準備
をしていました
毎年10月1日~4日
北野天満宮の神を
西ノ京の御所へお迎えし
本年の収穫を感謝する
という、農耕の神のお祭りだそうです
歴史がいまだ
息づく町を壊さず
残してゆく
街を残すことは
文化としての日常生活を
残すこと
価値をわかり
それを、生きる
その伝承のなかで
必ず
文化を大切にする次世代が
現れる
京都は
文化を守る方々の横のつながりも素晴らしいです
ずいき祭り
奉納の舞
お茶のわびさびの伝承
野菜だけでつくる
神輿
必ずいきたいです。