あせの葉っぱ
笹みたいな香りがします
和歌山ラーメンを食べに行くと
必ずどこにでもおいてあるお寿司
それが
なれずし
お腹がすいているとき
これほど頼もしいものはない
また
なんにでもあう
飲み食いしたあとの
最後の〆としても
不思議と
胃袋にすんなりとおさまる
それは
発酵した
身体によい食物としての
技かもしれない
先人たちの智恵を深く感じるこの逸品
和歌山名物『なれずし』
週末ですが
舞台の稽古が終わり
地元の方に
何気なくいただいたお土産
自宅に帰り
開いてびっくり!
かなり大きな
いままで
みたこともない
かくかくした
偉大な
なれずしでした。
くれたおばさまは
あまりにも
あたりまえに
そのへんの紙にぐるぐる巻きにしてわたしに
ぽいっと
渡してくれた
こちらも適当にお礼をいって
すすす、と
帰路についてしまったのですが
しっかり
相手の目をみてお礼をしたら良かった
紙をくるくる
開いた中身は
青、青とした
《あせ》の葉っぱにくるまれた
鯖の
なれずしでした。
その葉っぱをパタンパタンと
ひらくと
きれいな鯖
その上に生の生姜がピタリと張り付いています
《美しい形!》
ご飯は
酢飯ではなく
塩ご飯でした
本を開き
作り方を読んでみると
かなり、手間のかかる製法でございました。
おいしく
皆に喜ばれるからこその
手間
手間がかかるからこそ
信頼のある
うまさとなり何年も語り継がれていく
い
保存が効くように
1ヶ月間、塩漬けにした鯖を
一昼夜かけて
塩抜きし
塩飯の上にのせる、
それを
あせの葉っぱにくるみ
上から、おし
1週間から10日自然に発酵させる、、
全工程、40日間
本当に手間暇かけてつくられています
和歌山から
京都についたのは
8時すぎでした
お向かいのお店で
お豆腐を買い
土鍋にお湯を沸かして
ワカメを入れてお醤油に鰹節をパラパラ
日本酒を
湯飲みにトクトクとそそぎ
しばし
凝視
たちのぼる湯気
ぐうっとなる胃袋
これぞ
幸せな優雅な時間
食べて
飲み
胃袋が満たされていく頃には
1日の疲労が
消えていき
逆に
むくむくと
仕事に!
生きることに!
力が湧いてきました。
ひとは
強いし
うまいものは
ひとに
生命を吹き込んでくれる