
大阪新世界
ねっとりと
こってりと
町の至るところに看板が
“存在”する光景は子供も大人もハシャギたくなる世界観だ。
新世界のシンボルになっているビリケンさんは、巨大造形物そのものが看板
空にブラリクラリ揺れる
いかにも張りぼてな
ふぐ屋さんの
空を飛ぶチョウチンは
新世界だからこそ化違和感なく存在し
まるで生きているようだ
この町に、あと何が欲しいかと問われたら
わたしは即答でいうだろう
巨大な空飛ぶ将棋の駒だ!それも“香車”なんてどうだろうか
地面には
巨大たこ焼きがいくつもゴロコロ転がっていたら楽しいだろうなあ
しかし
なにがあろうが
天高くそびえ立つ通天閣は、
すべてを包み込んでくれている
なにせ
イルミネーションで明日の天気を
分け隔てなく知らせてくれるのだから、面倒見の良さは半端ではないだろう。
しかし
こう何件もある串カツ屋さんは、なぜいつも長蛇の列なんだろう
どの町よりも新世界は
串カツが人気がある
わたしの仮説だが
通天閣の形は
どうも、立たせた串カツを連想させるからではないだろうか?
夜中にほとんどの店が閉まり
朝早くから
まず開くのが
160円で食べられるうどん屋さん!
じゃんじゃん横丁を越えて、この看板が見えてくると、ワサワサと湯気に乗って出汁の匂いがしてくる。
一番出汁のきいた、うどん!は
は、やはり最初に頂かねば~美味しくて安いから、いつでも混んでいます。
日活劇場の前にいるおじさんは、ヤクザ映画の看板をしげしげとみている。
将棋道場の外から、対局している人の将棋の手を考えているおじさん。
街角に貼ってある大衆演劇のチラシからは、おばちゃん達がごひいきにしている劇団の役者さんが流し目を送っています。
大きなたこがお客様の頭上にある
たこ焼屋さん。
道端の立て看板にはどて焼きに、ネギがたっぷりとのっていて、ビールがのみたくなります。
そこから屋台風の居酒屋さんが狭い道の奥まで続いています。
歩いたらほんの10分でぐるりと出来る
新世界の町歩き
来る度に変わる看板もあれば
いつも変わらぬ風景もある。
昭和の香りがいまだ残る新世界。