青い空をつきぬけるように
すっくと立つ5つの剣鉾
説明しますと
長い剣の下に鐘がついていて
左右に二つの鈴が紐でくくられています
でんでん太鼓の要領で
この槍のおばけみたいな棒を左右に回転させると
鐘に鈴があたり
カキ~ンと澄んだ音が鳴り響きます
この5~6メートルはあろうかと思われる剣鉾
をあやつるには
どうしたらいいのでしょう
よくみると皆さん
腰に帯をまき、へそのあたりに溝をつけて
なんとそこに50~60キロの鉾の一番下をあてる
それをみんなで垂直に立ててあげて
さあそこから個人の技が始まります!
しかし凄いです
これを、なんと!人間が握り
へそでコントロールしながら
スキップして腰を振り子のようにひねっていく
そうして初めてカキ~ンと音がなる
ほんま持って歩くだけでも大変なのに
バランスよくたて
ケンケンしながら
でんでん太鼓の要領で音を鳴らす
これは凄い
凄い!技です
鈴(りん)を鳴らすと
町中の邪気を払っていけるありがたいシロモノ。
5月28日(日)は、嵯峨祭り還幸祭。
このお祭りは450年以上も前から行われているそうですが、
あの台所の火の神様、
“愛宕神社”と
源氏物語で有名な巫女様の体を清める場
“野宮神社”の
二大巨大神社の祭礼として行われるそうです
午前10時
清凉寺まえにある愛宕神社の御旅所を出発します
鳥居本→大覚寺→嵯峨嵐山駅前→渡月橋を渡り→野宮神社といきます!
最後には再び御旅所へ戻る
絢爛豪華なお祭り!は見所満載でした。
初夏の日差しの照りつけるなか
子供御輿、獅子舞、剣鉾、二台の御神輿が
大勢の人を従えて進んでいきました。
行く先々の休憩所では、お茶やお酒、食べ物がふるわまれていました。
お祭りのメインはなんと言っても
渡月橋を渡る5つの剣鉾巡幸です
龍鉾
麒麟鉾
潟鉾
菊鉾
牡丹鉾
それぞれ町内で違う衣装を着て、独特のステップで歩きます
鈴の鳴らし方は、微妙に町内によって違うのがまた見所かもしれません!
鉾をたおさないようにバランスを取りながら練り歩く
昔の大名行列はこんなふうだったのではないでしょうか
剣鉾みたいな絵が大名行列絵巻にのっていたように記憶しています
倒れたら50キロの棒が
なんと人体に、百キロという不可をもたらすそうです
持っている本人も
回りの人も真剣です
上手くステップが踏め
鐘の音が出たら
観衆から大拍手がおこります。
中には長老の担ぎ手もおられましたが
これは力ではなく
テクニックでしょう
垂直にたてた棒は左右に微動だにしません
つまり、重たさを感じない無重力状態をつくります。
なんか合気道や剣の達人のような技があるのでしょうね
お祭りの一体感て
他にはないものですよね
老いも若きもいちにち一緒に神様につかえる。
その、役目を全うしていくなかで邪念が消え無心の境地でお祭りを支える
これは日頃の生活や仕事では味わえない
“充実感”があると思いました
夕方になり
御旅所に戻ったふたつの御神輿は、沢山の人が集まる中、大切に倉に戻されました。
ギラギラ照りつける太陽
日焼けして真っ赤になった
御神輿や鉾の担ぎ手の皆さんは
これから、足洗いの儀式
つまり、いいお酒を飲むのでしょうね
大昔から変わらない風景は、こうやって代々人間が世代をこえて、作り上げていくのだなあと思いました