綾部市役所
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黒谷町
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黒谷和紙組合の若き理事長さん
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今回の目的は、6月の半ばから撮影に入る映画製作第二弾『なまくら』の撮影ロケハン、そしてロケ場所の相談でございます。


なにせ余所者が撮影したいという勝手な思いで、大切な皆様のふるさとに乗り込んでいくのですから
基本的には甘えにいく形です

その中で、主旨を理解していただく

お金儲けでつくるわけじゃなく、
『作った作品を皆で共有し』

未来の子供たちにどうしても映画を作りたい

という思いを話さなければ話しは一歩も進みません

撮影がロケ場所にお邪魔するということは

本当は物凄くありがたいことを

常に噛みしめ

感謝を忘れたら撮影する資格はありません


なぜなら撮影は

相手の時間を奪い

拘束し

無謀とも、現代の奇跡ともいえる押し掛け行為だと思うからです

だから

撮影するがわは、相手の気持ちや利点も考えねばならない。

楽しく発展的な意味を成さないとならないと
思います

傲慢このうえない撮影スタイルはやめなければなりません



今回は、「黒谷和紙」という伝統工芸技術を物語の中で表現したいと思っています


午前10時。

太秦から車で綾部市に向かう中、先ず綾部市役所を訪ねる事にしました。

到着すると、とても丁寧な応対で驚きました。


黒谷で撮影させて頂くにあたり、何処に許可を得たら良いか、相談させて頂きました。

『綾部市 定住交流部 観光交流課』という部署のやさしい方々でした。

綾部市には、時代劇の撮影に適した場所などあるのか

よく把握していないといわれながら

私たちには
地域を愛し、平等な目線をもたれている職員さんの気持ちは新鮮でありがたいものでした。


こちらは今後

俳優の榎木孝明さんがあらたな映画をつくることも前提に

“時代劇は日本人の心の元気の源!”

を基本軸に
目標に進んでいきたいと考えます。


中野監督は、どんな場所が時代劇の撮影に適しているかを話され、

また担当の方からも地元の情報を頂き、理想的な情報交換をさせて頂きました。

今後、お役にたてることを探して
綾部市に恩返しするつもりです。

ご紹介頂いたのは
黒谷町の自治会長、市田様
そして
黒谷和紙協同組合の
林理事長様です。


林理事長は、
黒谷和紙の先生ですね

黒谷和紙工芸の里
に今日はいらっしゃるそうです

前回、和紙作り体験をさせていただいた場所!

再び、工房になっている旧小学校にむかいました。
校庭に車を止めて外に出ると、建物の向こうから短髪にTシャツ姿の精かんな青年が歩いてきました。

格闘家のような風貌に
人懐っこい笑顔

初対面とは思えない態度で接してくださったのが、
林理事長でした。


中野監督が会の主旨を話され、和田監督が今回撮影したい映画の内容を話しました。

しかし

こちらから何かお願いしょうとした瞬間!

『いいですよ!』

の一言。

黒谷和紙発展のためや
子供たちへの良質な教育のためなら
なんでもやります!

おっしゃってくださいました。

“なんてかただ!”

人柄
まなざし

我々はそれだけで、黒谷和紙の発展が見えてしまいました


続いてお会いさせていただいたのは

黒谷町の市川自治会長です


お仕事がまだあったにも関わらず
夕方、黒谷に戻って来て頂けました。

寡黙に話を聞いていただき
眉ひとつ動かさず

“わかりました。
みなに話しましょう
できることは協力させていただきます”

と言って頂きました

帰りの車のなかで
我々は
静かに決意しました。

我々の考える
新しい撮影のやりかたで
みんなに楽しんでもらい
いい作品を残そう!

と。




会長は、撮影日程をメモに取り
「ならばこの日に自治会員全員が集まりますから、協力出来ることは何か、話し合いましょう」

と、言ってくださり
神社の氏子さん総代に話を通し
必要であれば、近隣の山の持ち主を調べましょうと提案してくださいました。



そして、そこには利益、損得感情が一切ない

映画がおわっても
ずうっと恩返しをしていこう

そう思いました


たぶん我々の間には

大切な技術を途切れさせないで
次世代に、子供たちに繋げていきたいという
共通の思いがあります



こんな映画づくりもある
あって赦される


行政の担当の方、理事長様、自治会長様と監督とのやり取りを見ていて

わたしは勝手にそう思いました。


映画づくりが、地元を愛する人の心を

いい意味で揺らし、共に作品を作ることが出来たら幸いです。



帰り際に和田監督がひとこと


「こりゃ、真剣にやらなあかんな」


「和田さん!手を抜こうと思ってたんですか!困るなあ~」と中野監督が笑って言うと


「いやいや、そういう訳じゃないけどな。皆さんええ人やったからな、がんばらなあかん」と和田監督が返しました。


日が落ちる前に黒谷を後にした
『なまくら』ロケハン隊


綾部の里山に吹く風が
爽やかに車中に流れてきました。

冷房聞かせている車の中より
外の方が涼しい

古い車もまた
愛しい!