『なまくら』
10日前の衣装合わせの日のことです。
事務所に集まったのは、矢吉役の上田くん、トメ役の井上くん
和田監督、中野統括プロデューサー兼監督、杉原カメラマン、助手の川崎くん、美術担当の鷹羽さん、我が会の会長西村さんです。
子役さんのお母さん達も集まりました。
狭いスペースに10人プラスαで
初めは皆でわいわいと衣装と小道具合わせをして決めていきました。
時代劇をつくる上で大切なのは
『歴史考証』。私たちは、この段階から子供たちと一緒にやります。
明治の初め、どんな着物を着て仕事をしていたんだろう。
帯の結びかたは?
髪型は?
履き物は?
知りたいことが沢山出てきます
そんな中
今回、説教先生!で砥石山の頭役で出演してくださる
東映の役者、細川純一さんから役者の心得を聞かせて頂きました。
60歳後半の大先輩ですが
親方のかっこうをすると
地下足袋やパッチが足にフィットし
本物の臭いが一気に漂いました。
昔鍛えた役者さんは凄いなあと思いました
いなせでかっこいい
そして
草鞋の履き方を子供になんパターンも伝授してくださいした
はきなれてる
靴のようにはける
だから説得力がありました。
細川さんは、40年以上のキャリアを持つ役者です。あの『必殺仕事人』では中村主水役の藤田まことさんの殺陣の吹き替えをなん十年にわたりこなし
『鎌田行進曲』では
メインに!
他、多数の映画、ドラマ、舞台に出演している名優です。
気さくな方で、東映撮影所であったエピソードを色々話してくださるんですが、
すべて面白く下手すると衣装合わせもそっちのけに(笑)!
昔はアクションの吹き替えは役者の体力のあるものがやっていたこと
だから
どびおりの練習を日々練習し
今月は二階から落ちる練習
来月は三階から飛び降りの練習
再来月は四階から飛び降りる練習
と
撮影所の俳優会館から下のマット目掛けて練習に余念がなかったそうです
時速30キロで走る京福電鉄から飛び降りなければならず
大ケガをした話(勿論、撮影でです)には驚きました、、、
当時は、命を省みない
役者さんが沢山いたそうです。
熱い時代でしたね。
役者さんの存在感は、演技に向き合うその生き方と等しいのかもしれません。
ちょっと強面の細川さんが、子役さん達に指導している姿は、微笑ましく素敵でした。