「寂光院」へ向かう入り口に
“乙が森”(おつうが森)
という小さな森があります。
大木に囲まれた敷地の中に
石組みの灯籠、祠があり
そこだけ異次元の空気が漂っていました。
看板に書かれた文字を読むと
昔“おつう”という美しい娘が
若狭の殿様にみそめられ
側室になったものの
やがて殿様の心が離れてしまい
寂しさで病気になったおつうは、
里へ帰らされました。
悲しみのあまり、大原川の女郎淵に
身を投げたおつうは、
たちまち大蛇に変わってしまいました。
ある日、殿様が都入する為に再び大原を
通った折、大蛇となったおつうは行列を襲います。
荒れ狂う大蛇を家来が切り捨てましたが、
その晩は、激しい雷雨と悲鳴が響き続けました。
おつうの怒りを恐れた里人は
大蛇の頭を“乙が森”に
尻尾を“花尻の森”に埋め
その霊を鎮めました。
今でも“乙が森”では鎮魂の行事が続いています。
という内容が書かれていました。
今も森の近くに大原川が流れ
遠くに比叡山を望む山々が連なっています。
大原の地に立ち
想像を巡らすと
伝説の物語が
目の前に広がってくる様です。
語り継がれてきた物語の中に
歴史の真実があるようで
ロマンを感じずにはいらせません。
次回は是非、“花尻の森”を訪ねたいです!