

『うどん棒・本店』(香川県高松市亀井町8-19 TEL.087-831-3204 営業時間;11:00〜21:00 年中無休)は、セルフではありません。一般店です。
お値段も、香川県のうどん店にしてはちょっと高く、かけうどんが320円もしますけど、これは、美味しいので当然ですし、注文してから茹でてくれますので、随分待たされますが、その期待を裏切らない、素晴らしいうどん店です。
このお店が出来たのは、そんな昔ではなく、高松出身のうどん店『かな泉』の全盛期(ぼくが中学生の頃)が終わった後ですので、高級だけど、ゆっくり出来る讃岐うどん店という、しっかりしたコンセプトで始めたお店です。
製麺所のうどんのような、イリコのきいたダシを期待してゆかれると、絶対に裏切られますよ(笑)。特に、やまうち、あたりや、等の西讃出身のお店ではないのです。香川県の県庁所在地で、四国の中心地の高松らしい讃岐うどん店なので、ダシは、昆布と鰹節です。
麺は、ここだけのオリジナルな細く伸びる麺ですので、こしは固いもの、という間違えた先入観を讃岐うどんに対して持っている方には、是非、おすすめしたいお店ですね。
また、かけうどん、という、一番シンプルなメニューにも、ゆずの皮が載っていて、香りを楽しみながらうどんをいただけますので、素晴らしいです。
以上のように、『うどん棒・本店』のうどんは、讃岐うどん攻略本に載っているようなうどん屋とは全然違いますので、ゆったりと行かれて、お座敷席でゆったりと食べていただきたいと思います。
そして、香りやダシを、細いしっかりした麺と共に楽しみながら、うどんを噛まずに、そのまま咽喉に流し込むという、正しい讃岐うどんの食べ方で食べていただければ、素晴らしい咽喉ごしが味わえる讃岐うどん店です。
大阪駅前ビルの中にも支店があって関西方面でも人気のあるお店になっていますので、関西方面の方は、是非、お試し下さい。
ぼくが、『うどん棒・本店』で気に入っているメニューは、『たこ天うどん』、『冷天ぶっかけうどん』、『カレーうどん』、『チャンポンうどん』、『卵とじうどん』、『肉めし』、です。
特に、たこの天麩羅は、素晴らしいです。
また、『吉野家』や『松屋』の牛丼しか知らない東京の皆様には、是非、『うどん棒・本店』の『肉めし』を、味噌汁ではなく、ここの『かけうどん』と一緒に召し上がっていただきたい、と思っています。
香川県人のぼくは、『うどん棒・本店』の、『肉めし』と『かけうどん』の組み合わせの方が、『牛丼』と『味噌汁』の組み合わせよりも、数段、レヴェルが高いと思っています。
早稲田大学進学のために初めて上京した1975年の18歳当時、ぼくは、新橋の『吉野家』の「牛丼」を生まれて初めて食べました。栄養もあって安いと思いましたけど、これを毎日食べるのは、嫌だな、と感じたものです。それよりも、ものすごい人混みでしたので、食べる気が失せてしまったことを思い出してしまいます。
また、1975年当時、大学入学と同時に入った、『早稲田大学音楽同攻会』というクラシックレコード鑑賞会(当時、早稲田大学には、ピアノ演奏の同好会はなかったので、仕方なく入ったものでした。)の先輩と一緒に入った喫茶店のメニューに、うどんがなかったので、ウェイトレスに、
「どうしてこの喫茶店には、うどんがないのですか。スパゲッティやピザがあるのに、変ですよね。だって、ここ、東京は日本でしょう。」
などと質問してしまい、先輩達に嘲笑われたことなんかを思い出してしまいます。
また、郷里の高松にいた母が時々、東京の野方の下宿に送ってくれた讃岐の郷土料理の代表格の、大西食品の「醤油豆」の真空パックを、(当時はコンビニもない時代でしたから)、秋葉原の電気屋街で買った小さな冷蔵庫に入れて大切にしていて、やはり、秋葉原の電気屋街で買った、小さな炊飯器でお米を研いで仕掛けた出来立ての温かいご飯に載せて食べてるのを見た、同じ研究室(堀家文吉郎教授の金融論の堀家ゼミ)で一緒に勉強していて、一番仲良しだった、今は、日経新聞本社の証券部のデスクになっている、浜松出身の近藤勝義君が、ぼくの野方の下宿に遊びに来た時に、ぼくが食べていた「醤油豆」について、「ゴキブリみたいな煮豆だね。こんなものを、君の郷里の高松では食べるのか。」なんて言われて、大変な衝撃を受けて、ショックだったことも思い出してしまいます。
当時に比べると、今は、ネット社会になって、全国の情報が瞬時にパソコンや携帯電話で集められるし、本場の讃岐うどんを食べるために、全国から香川県に遊びに来る若者も増えています。しかも、香川県内の大半の讃岐うどん店には、「醤油豆」も置いているので、真空パックで売っている、大西食品の「醤油豆」を販売したり食べさせるお店が、東京に開店したと、この前の『カミングアウトバラエティ 秘密のケンミンSHOW』で放映していたので、時代は変わったなあ、と思いました。
しかしですね、当時と今を比べて全く変わっていないことがあるのです。
それは、東京近辺に住んで一時間以上もかけて通勤している人達が、東京界隈にはいっぱいいて、地下街も多く空気が汚いこと、しかし、高松は人口も大したことなく、高松市内は大体、自転車で移動できる狭い場所で、空気が美味しい、という、環境面の落差なのです。この落差を解消することは、中央集権国家の、今の日本では、ほとんど、不可能だと思います。
名物であり、且、弘法大師が出身他の香川県に唐の国からうどんを持ち帰った平安時代からの1200年の歴史に支えられている香川県の偉大な文化の『さぬきうどん』についても、それを、食べる前後の空気の美味しさは、その味を決定してしまうのです。東京や大阪の地下街に、どんなに美味しい讃岐うどん店が開店しても、地下街は、食べる前後の空気が美味しくないので、こういった環境が悪ければ、讃岐うどんの風味は、なくなってしまうのです。
もうすぐ、政権交代があるのかもしれませんね。でも、新たに総理大臣になる人には、このあたりの、東京界隈や大阪近辺と、四国高松の、環境面の落差を是正するような、努力をしていただきたいと痛感しています。そして、このことは、世界規模の、環境問題よりも、優先順位を高くしていただきたいと願っています。
掲載写真は、『うどん棒・本店』の、『冷天ぶっかけうどん』、です。
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村
にほんブログ村