56a410b0.jpg
9年前に『ゆめタウン高松』が出来たことで、高松の昔からの商店街が打撃を受ける等、いろんなことが起こりました。そのため、大型店舗規正法のようなものが必要な端緒になったのが、高松では『ゆめタウン高松』の開店でした。



『ゆめタウン高松』は、広島資本の飲食店と、電気のデオデオと提携して高松にやってきました。が、少しして、北海道のニトリの別館を作り、さらに、新レストラン街も広げ、ここには、東京の定食屋の『大戸屋』と、大阪の韓国料理の『市場(シジャン)』、岡山のパスタの『にんにく屋』も入ったので、レストラン街の充実度では、「三越高松店」「高松天満屋」や、その後出来た「イオン」よりもはるかに優れています。



当初から、新しい街を作るというコンセプトだった『ゆめタウン高松』は、これまでの大型スーパーのやらなかった次の三点を断行し、高松での絶対的優位性を確立しました。



1.敷地の広大な不動産購入代金約50億円は、通常は、メインバンクの「広島銀行」から借りるところですが、香川県の地銀「百十四銀行」から借りて、まず、地銀を味方につけ、その引き換えに、「百十四銀行」がメインバンクをしている、高松市中心部商店街の老舗の支店を全て店内に誘致しました。同時期、香川県の地銀「百十四銀行」は、既に倒産した「コトデンそごう」の開店に融資したのが焦げ付きましたから、助かったのでした。



2.『ゆめタウン』の社長が後援会会長をしていた広島の衆議院議員・亀井静香氏の働きかけで、空港通りという国道をまたがる陸橋の双方向通行可能な道をかけ、高松市南方面から来るお客様の車が右折せずに入店出来る様にしました。この道路のせいで、「サニーマート」「ジャスコ」「サティー」の近隣支店は閉店に追い込まれました。郵便局、宝くじ売り場の誘致も、亀井静香氏の働きかけによって成功させました。



3.空港通りという国道をまたがる陸橋の双方向通行可能な道は、当初は『ゆめタウン高松』の私道として建設しましたが、完成当日に、なんと、高松市役所に寄付し、その寄付贈呈式をテレビ中継しました。素晴らしい道路を寄付してもらった高松市長は「有難うございます。」と頭を下げ、『ゆめタウン高松』が高松の町の活性化に社会貢献していることをPRするとともに、「百十四銀行」に続いて、「高松市役所」を味方につけました。



『ゆめタウン高松』は、その後、これに加えて、ガソリンスタンドの経営にも乗り出し、買物に来たお客様が帰りにそのガソリンスタンドでガソリンを入れるとゆめカードがカウントされるようにしていますので、『ゆめタウン高松』店内のテナントに入っている、かつての高松の中心部の商店街のお店の支店、香川県の地銀の「百十四銀行ゆめタウン支店」「郵便局」「宝くじ売り場」「旅行代理店」「携帯電話店」もあわせ、大変な集客と売上になっています。



それに止めを差すように、『ゆめタウン高松』は、お店の空港通に面したところに豪華なバス停を作り、阪急、南海などの大坂の資本の私鉄高速バスの停留所の始発場所にして、大阪までの高速バスを発着させるようにしました。当然、安く関西まで遊びに行けるのですけど、旅行の荷物を持って自家用車で『ゆめタウン高松』までやって来て、何時間止めても無料の『ゆめタウン高松』駐車場に自分の車を止めて、関西方面までバスで遊びに行って帰って来れるようにしたのです。



このように、ガソリンスタンドや私鉄高速バスの停留所増設という『ゆめタウン高松』の施策は、全てお客様の導線を考えた、極めて合理的でスマートなやり方でしたし、テナントのレストランの並べ方も、イオンのようにただ雑然と集めるというものではなく、全体的な戦略に基づいたものでしたので、ぼくは、ただただ、「お見事」と脱帽いたしました。



その結果、香川県の民間企業の去年の年商第1位は、当然、『四国電力』でしたけど、第2位が『ゆめタウン高松』、第3位が『カトキチ』、第4位が『NTTドコモ四国』になってしまいました。もちろん利益率から言って、スーパーは、メーカーには遠く及びません。しかし、一店舗だけでこのようなことをなし継げたことはすごいことです。香川県の地場のスーパー『マルナカ』などは全店足しても、『ゆめタウン高松』一店舗の三分のニ程度の年商なのですからお話にならないのですけど、『マルナカ』はその後「パワーシティー」という名称の大型スーパーを出店しはじめましたけど、タウン(町)よりも、シティー(市)の方が大きくて偉いんだ、という、子供の喧嘩のようなネーミングに、香川県民は皆、呆れ返っているところです(笑)。このように、既に勝負はついているので、『イオン』はよほどのリサーチと戦略を持って高松に来ないと痛い目に合うことでしょう。まぁ、『イオン』は一度『ジャスコ』の高松進出に失敗していますから、また二の舞になるだけのことだから別にいいんでしょうけどね(笑)。



そのほかにも、『ゆめタウン高松』は、毎週火曜日を「ゆめカード5倍デイ」としていますが、この日の、『ゆめタウン高松』の生鮮野菜売り場は、100円均一になります。そして、真っ赤な100円の値札が、全て、来店するお客様の目の高さに並ぶような仕掛けをするのです。これは、アメリカのデイスプレイ行動心理学の「ヴィジュアル・マチーャンダイジング」を使った手法で、前も後ろも右も左も100円の物に囲まれた人間は、余分に買ってしまうのです。それまで、日本で「ヴィジュアル・マチーャンダイジング」を完全に使いこなしていたのは、「イトーヨーカドー」と「伊勢丹」だけでしたから、ぼくはびっくりしました。



ぼくの母は『ゆめタウン高松』が大好きでした。これまでのスーパーにはなかった、通路の広々とした店内、機能的なディスプレイ、かごを持ちやすいワゴン車に載せて押して歩くことが出来ることは骨粗しょう症で苦しんでいた母にとってはとても嬉しかったこと等、それまで高松では体験できなかったことが、『ゆめタウン高松』では可能でしたから喜んだことはあたり前です。一緒に買物をしながら、「お母さん、これが『ヴィジュアル・マチーャンダイジング』だよ。」と説明してあげられたことは、よい思い出になりました。



母は、その都度言っていました。「私がもっと若かったら、毎日買いに来たと思うで。ええ時代になったのう。」と。



そして、『ゆめタウン高松』に母と一緒に買物に行ったら、必ず寄ったのが、広島からやって来たケーキとパンの美味しい喫茶「バッケンモーツァルト」と、広島からやって来た、オタフクソースのオタフクグループが経営するお好み焼き店の『おたふく・ゆめタウン高松店』でした。



母は、「バッケンモーツァルト」のコーヒーに懐かしい香りがすると言っていましたし、アイスコーヒーを置いたコースタに印刷されている、モーツァルトのピアノ曲の楽譜が、モーツァルトの『ピアノソナタ K.545』の一部だということはすぐにわかりましたので、家に帰って、すぐにぼくがピアノで、モーツァルトの『ピアノソナタ K.545』を弾いて母に聴かせてあげましたので、母はとても喜んでいました。



一方、戦中派だった母は、「お好み焼き」が大変なご馳走だと思っていました。しかも、この、『おたふく・ゆめタウン高松店』では、母の大好きだった関西風のお好み焼きも焼いてくれるのです。ふわーっとした美味しいお好み焼きを食べることをとても楽しみにしていた母に、お好み焼きには、コーラが合うことを教え、母も気に入ったのでいつも注文しましたし、ここのヤキソバは「どっちの料理ショー」で勝ったので有名でとても美味しいかったので、母の嫌いだったモツの入ったモツヤキソバも、ここで、母に食べてもらい、好きなメニューに加えることが出来ました。



その頃から、ここのお店の素晴らしいところは、お好み焼きに入れるキャベツを全て手切りで切っていることでした。機械ではなく手で切ることにとてもこだわっているんだけど、手切りのキャベツがお好み焼きに入ると本当に美味しいのですよ。



この『おたふく・ゆめタウン高松店』(高松市三条町608-1ゆめタウン高松内  087-869-0155 10:00〜21:00)は、母の思い出の一番詰まっているところなので、今でも時々、弟と二人食べに行って、母の思い出話に花を咲かせています。まぁ、音楽同様、ノスタルジーを大切に生きたいぼくにとっては、食べに行くところが『お好み焼き店』であっても、「たかが、お好み焼き、されど、お好み焼き」なのですね。



主なメニューは、広島風おたふく焼/1,050円、広島風ミックス焼/945円、広島風いか天入/735円、関西風おたふく焼/945円、関西風もつ玉/735円、関西風いか玉/682円、焼そば・焼うどん/各525円、オムそば/630円、シーフード焼そば/735円、たこ焼/399円、とんぺい焼/525円、カリカリサラダ/525円、等となっていて、他のお好み焼き店よりも若干高いですけど、キャベツを全て手切りでやっている職人さんの人件費を考えると、とてもリーズナブルです。ただ、結果の美味しさと安さだけで評価するような、拝金主義に堕落したグルメには、決して、ぼくはなりたくないし、その程度の評価基準で、レストランを評価しておきながら、いっぱしのグルメだと思っている人たちのブログの溢れている、昨今、そのお店の歴史や大将のお人柄までサーチしていない自称グルメは、全員、外食を止めて欲しいとさえ思っているところです(笑)。



掲載写真は、『おたふく・ゆめタウン高松店』の外観、です。

人気ブログランキングへ