http://www.sankei.com/west/news/160619/wst1606190044-n2.html


産経WEST

2016.6.20 05:00



沖縄県うるま市の女性会社員(20)が元米海兵隊員の男に暴行、殺害された事件を受け、那覇市で19日、事件への抗議や米海兵隊撤退を求める県民大会が開かれた。共産党や社民党、労働組合などでつくる「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」の主催で、会場は抗議の声であふれた。一方、参院選公示を3日後に控えての大会開催に、会場外では「事件を政治利用するな」との批判も根強い。自民党、公明党の議員や、県内11市のうち9市長は参加しておらず、どこまで“オール沖縄”の民意なのか、といった声も上がっている。

「一部議員の不参加、腹が立つ」

 暑い日差しの中、大会は那覇市の奥武山公園陸上競技場で午後2時から約1時間半にわたって行われた。翁長雄志(おなが・たけし)知事は「二度とこのような事件を繰り返さないと誓いながら、政治の仕組みを変えられなかったことは痛恨の極み」とあいさつ。

 主催者が「県民の人権と命を守るためには、米軍基地の大幅な整理・縮小、なかでも海兵隊の撤退は急務だ」と提案した決議が、参加者の拍手で採択された。

 大会に参加した那覇市内の無職男性(75)は「痛ましい事件が二度と起きないよう、全ての米軍基地撤去を求めるのは当然。政治方針の違いなどつまらない理由で一部の議員が大会に参加していないことに腹が立つ」と話した。 

 一方、会場の外では、大会を冷めた目で見る県民も少なくない。



「実のある抗議になるのか」

「超党派でない大会に何の意味があるのか」と語るのは、21年前の米兵少女暴行事件を受けた県民総決起大会で、当時県議会議長として実行委員長を務めた元衆院議員、嘉数知賢(かかず・ちけん)さん(75)。党派や思想を超えた当時に比べ、自公の議員や県内11市中9市長が参加しない今回は「違和感がぬぐえない。これでは本当に実のある抗議にはならない」と疑問を呈す。

 政府が米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設を目指す同県名護市辺野古の青年会長、徳田真一さん(31)は「もう米軍を辞めた男の犯行。当然、人として怒りは覚えるが、事件を米軍基地の必要性につなげる意味が分からない」と話した。

基地前で謝る米兵の姿

 辺野古では米軍基地前の歩道を基地反対派のテントが占拠。関係ない「原発反対」の旗を掲げたり、「お前らのためにやっている」と押しつけがましく言われることもある。「地域住民の多くが、反対派は自分たちの都合しか考えないイメージを持っている。今回も選挙前だから開いたのではと勘ぐってしまう」。

 同県北谷町で、逮捕された米軍属が所属していた米軍嘉手納基地の近くに住むアルバイトの女性(18)は、事件後、多くの米兵が基地前で謝っている姿を見た。

 「そんな姿には目もくれず、海兵隊撤退を求める大会は一方的。基地問題への意見は人それぞれあるのは当然で、あたかも全県民が撤去を望んでいるかのように言うのは間違い」と話した。