昨日、あんな「嫌味たっぷり」の「負け惜しみ」を書いたからといって、何もその通りに「負けることはないじゃあないか」と思ってはみても、後の祭り。

しかも、今度は「阿部」まで抜けて、「上から下までズラリ下位打線」は、ますます「完成」の域に近づいてしまいました。
(返り咲いたイ・スンヨプが、独り「徒花」を咲かせていました)

しかし、これだけ負けても「まだ3位」
という「読売巨人軍」の今年の「大躍進」の秘密は、実はこの「下位打線」のような「顔ぶれ」にある。
というのも、また、否定しようのない「事実」なんです。

バリー・ボンズに代表される「大砲」が「ホームラン競争」の花を咲かせる、という大味な野球は、もはや「終焉」を迎えようとしています。
(第一、巨艦主義では、選手の年俸が高騰して、チームの経営がもたなくなっているのです)

昨年のワールド・シリーズを制した「ホワイトソックス」が標榜する野球は、
「スモール・ボール」

「走者は塁を盗み、打者はそれを助ける。次は走者が小刻みに動いて投手を牽制し、打者を助ける。その連携の妙。現在の大リーグではみられなくなったものばかりだ」

実際、WBCでは「スモール・ボール」の標語を掲げて闘った「王ジャパン」と「アマ王者キューバ」が、「スター軍団」を尻目に決勝に進出し、時代の変革を印象付けてくれました。

ところで、大リーグの変革といえば

『マネー・ボール』
(Mルイス ランダムハウス講談社)

というのも、以前話題になりました。

「スモール・ボール」が、いわば「高校野球」のような「伝統派」とすれば
「マネー・ボール」は、コンピューターを駆使してデータを操る「統計派」

貧乏球団「アスレチックス」を立て直したのは、従来の野球観や球団運営に疑問符を突きつけ、GM(ゼネラル・マネジャー)ビリー・ビーンが導入した「セイバーメトリックス」という考え方でした。

「本来、盗塁の成功率は20〜30%程度、塁にため、長打を期待するほうが得点の確率は高い。確実にアウトが一つ増える犠牲バントはもってのほかだ」

元々は「金融派生商品」(デリバティブ)の仕組みを操っていた「統計学者」が、次に自分たちの知識を生かす場所として「野球」を選んだ

というだけあって、「打点を重視しない」などの新しい価値観で、評価の基準そのものを見直すことにより、高騰する年俸にも歯止めがかかる

それはつまり「少ない資金で投資効率を上げる」という
球団経営に苦慮する「貧しい」経営者にとっては、喉から手が出るような「画期的な戦略」であったわけです。

それでは、「スモール・ボール」と「マネー・ボール」はどちらが強いのか?

その理論の「性格」を考慮すれば
「短期決戦」では「スモール・ボール」
「リーグ戦」では「マネー・ボール」
の方に、どうやら「歩がありそうだ」ということになっています。