(諏訪哲史 文芸春秋)

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例えばプロ野球選手が自分の引退会見の席上で唐突にベルばらのオスカル・ド・ジャルジェの死を悼む発言をすることは事実上許されないし、冬の日校舎の陰でバレンタインチョコを震えながら手渡してくれた少女に向かって脈絡もなくラバウル戦記における日本軍の玉砕の美談を熱く語り始めるということは、あってはならない、ありえない現実だ。

「世界には定式に適った言葉とそうでない言葉が存在する」という意味で、「この世界の中で発声されるべきでない言葉」としての「吃音」により、自らの人生観を決定づけられていたはずの叔父は、ある日突然、その「吃音」を失うことによってひどく戸惑うことになった。

吃音を失った叔父は、しばらくしてもう一度自ら「吃音的なもの」を求めはじめたのではないか。そして、それが他ならぬ「アサッテ」誕生の瞬間だったのではないだろうか。

今年度「芥川賞」受賞作品。

「ポンパ」「チリパッハ」「ホエミャウ」「タポンテュー」と、脈絡もなしに、意味不明の奇声を発するようになり、「アサッテ」の世界へと、突然失踪してしまった叔父の半生をたどる「小説」。

を書くために、私が書き溜めていた「草稿」の山と、失踪した叔父の部屋に残されていた彼自身の「日記」からの「抜粋」。

を「順を追って」紹介しながら、間に挟みこまれる「言語についてのある種の哲学的論考」(@宮本輝)。

これを「小説」と呼ぶのが「ふさわしい」かどうかは別として、(なぜか、読んでいる途中で、江戸川乱歩を読んでいるような「既視感」に襲われてしょうがなかったのだが)

冒頭に引用した部分までの「前半」のメタな展開と、
最後に引用する「付記」が(石原には「言葉の不毛」とこき下ろされていたが)

私は結構、気に入っている。

い涼賄世法悒團織蟷澆泙襦戮箸△蝓◆愆蕷Ωけてこんにちは。ニッコリ笑って、へえー、だって。』と続く。
この地点で「右を向く」というのは反対側の壁を向くことで、そこにはたしか朋子さんの写真が留めてある。それにニッコリ微笑むの意か。


「ポンパッカポンパ、ポンパッカポンパ。・・・へえー、だって。」

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