―発想と思考のトレーニング―
(田中保成 PHP新書)

「 3 以上 9999 以下の奇数 a で、a2乗−a が 10000 で割り切れるものをすべて求めよ。」
(2005年度東京大学入試問題・数学第2問)


という問題は、東大を目指すような受験生であるならば、一般的には
a2乗−a の因数分解から始めて、

a・(a-1) = 10000・b = 2の4乗・5の4乗・b

あたりから、正解に辿り着くものらしいのだが、

冒頭に掲げられたこの例題を見た瞬間に、なぜか暇人の「ふやけた脳」に咄嗟にひらめいたのは、

「a2乗−a が 10000 で割り切れる」ということは、

「2乗しても下4桁が変わらない奇数」を求めればいいんだ、というものだった。

そこで、求める4桁の奇数を「100・p + q」( p、qは2桁の整数)とおくと、

(100・p + q) の2乗 = 10000・p2乗 + 200・p・q + q2乗

なので、(100・p + q) の2乗 の下2桁は q2乗 であることが分かり、

2乗しても下2桁が変わらない2桁の奇数は、01 と 25 以外に存在しないので、q = 1 or 25 となる。

これを元の式に代入すると、

200・p・q + q2乗 = 200・p + 1 あるいは 5000・p + 625

の下4桁の上2桁、つまり ( 2・p ) あるいは ( 50・p + 6 ) の下2桁が、p と一致するのは、p = 06 以外に存在しないことが分かる。

よって、求める奇数 a = 625 (解答終了)

で、これがなんと、巻末で示されることになる、

「順を追って地道に計算していけば、正解に辿り着くものなのです。洗練された方法とはいいがたいですが、これも立派な解法の一つです。」

という模範解答に、「やり方」は違っていたとはいえ、1個ずつ試していくような「考え方」はとてもよく似ていたのだった。

う〜む、なるほど。

「できない子」のつまずきを克服してきた指導方法には定評があるという、全人教育「音羽塾」を主宰する著者に言わせれば、

暇人はこれまで、「どんな難問でも、基本の積み重ねで」、問題によっては「小学生の算数レベルの知識で」解いてきたことになるらしいのだが、

これって、喜ぶべき? 悲しむべき?

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