(岩村暢子 新潮社)

サンタ人形が背負っている袋の中には、この家の子供たちが自分の欲しいものを書いた、サンタ宛の手紙が入っているそうだ。だから「サンタさんが手紙に気づいてくれるように、人形は窓辺のカーテンの外側に飾るようにしているんです」と、主婦は子供たちのために細やかな心遣いまでしている。

「クリスマスが近づくと、窓辺にツリーやサンタ人形をたくさん飾ることにしている」

と得意気に語る主婦(44歳)の家で、サンタクロースにプレゼントを貰おうと一生懸命に手紙を書いている二人の男の子は、

もちろん、可愛いお孫さんたち・・・ではなくて、なんと18歳の高校生と14歳の中学生だというのである。

「中高生くらいになると現実感が出てきて信じなくなっちゃう子も多いみたいですけど、サンタクロースを信じてるうちは、ウチの子大丈夫だって、私は思ってるんです」(別の41歳の主婦)

だから、たとえばイヴの日には近所の人に鍵を預けて頼みさえしてまでも、子供たちがいつまでもサンタクロースを信じ続けているようにと、涙ぐましいほどの演出や工夫を凝らす。

実はいま、中高生になっても、サンタクロースからプレゼントを貰っている子供たちが、急増しているというのだった。

「いま、ごく普通の家庭の日常の食卓は、想像を絶するほど凄まじく崩れ、激変している」ことを、あからさまに示してみせてくれた、

「変わる家族 変わる食卓」(勁草書房)

そこで紹介された「食卓の作り手である現代主婦」の「本当の母親」に『親の顔が見てみたい!』とばかりに詳細な個別面接調査を試みた、

「<現代家族>の誕生」(勁草書房)

この「あなたねぇ、言ってることと、やってることが、全然違うじゃないの」とでも言うような、いささか意地の悪い調査「食DRIVE」(@アサツーディケイ)が、

満を持して第3弾のテーマとして選んだのが、「クリスマス」の飾り付けと「お正月」の御節料理だった。

「袋入りのロールパン、菓子パン、シリアル、インスタントコーヒー、みかん」などが無造作に放り出されている。この家の主婦(41歳)に聞けば「これはみんな各自(子供11歳・9歳)勝手に起きて、バラバラに食べたものなんです」と言う。

「クリスマス気分を味わいたいから」と、11月になるやいなや、待ち切れなかったとばかりに、イルミネーションやら飾り付けやらに、せっせと精をだす、そんな彼女たちが、

「普段から家族で食卓を囲む習慣がこの家にはない」ので、「お正月だからといって食卓に御節料理が並ぶことはない」と言う。

「だってお正月はいつも両方の実家を掛け持ちで回りますから・・・」

つまりこれが、現代の日本の普通の家族の、お正月の食卓の風景なのである。

しかし、この調査が本当に「怖い」のは、実はそんなことではなくて、これもこの調査ではいつものことなのではあるが、

「義母任せで私は食べるだけよ」と悪びれることもなく語っている、その当の主婦が、

「私は日本の風習をきちんと子供に伝えて残していきたいと思っているので、御節料理も大事だと思っています。・・・そういうきちんとした(伝統行事の)けじめ(しきたりのことか?)を子供に伝えていくには口で言っただけでは伝わらないから、親の私が自分で作って、きちんと見せて体感させておかないと。それが親の役目だと私は思っています」

と、事前のインタビューには照れることもなく、しかも実に堂々と「正論」で答えていたことにある。

もちろん、彼女は見栄を張って嘘を吐いていたわけではない。

ただ、問われれば「正解」を答えねばならないように、育てられてきたということなのだろう。

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