(Fカフカ 頭木弘樹・編訳 飛鳥新社)
将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。
将来にむかってつまずくこと、これはできます。
いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。
―フェリーツェへの手紙―
―何事にも成功せず、失敗から何も学ばず、つねに失敗し続けた。
―結婚したいと強く願いながら、生涯、独身だった。
―身体が虚弱で、胃が弱く、不眠症だった。
―家族と仲が悪く、とくに父親のせいで、自分が歪んでしまったと感じていた。
生きている間、作家としては認められることなく、普通のサラリーマンとして、生活のためにイヤイヤ働き続け、
長編小説に取り組めば、すべて途中で行き詰まり、未完のまま、死ぬまでついに満足できる作品を書くことができず、
自分の作品はすべて焼却するようにという遺言を、ただ一人の親友、マックス・ブロートに託して、40歳で結核で死亡した。
「彼は、もはや断じて追い越すことのできないものを書いた。・・・この世紀の数少ない偉大な、完成した作品を彼は書いたのである」(ノーベル文学賞作家エリアス・カネッティ)
『変身』『城』『審判』などの珠玉の作品を残した、20世紀最大の作家、フランツ・カフカが、
「父が・・・」「仕事が・・・」「胃が・・・」「睡眠が・・・」といった、おそろしくネガティブな日常の愚痴を、大量の日記やノートとして残していた。
誰よりも落ち込み、誰よりも弱音をはき、誰よりも前に進もうとしない、カフカは「絶望の名人」なのだというのである。
しかし・・・ちょっと待てよ。
冒頭の文面が、実は恋人に宛てて書いたラブレターの一節で、結局、フェリーツェはカフカのプロポーズを受け入れて、二人は婚約することになったのだと聞けば、
これはもう、
「僕には君を幸せにする自信はないけれど、君と結婚すれば、僕が幸せになる自信はある」という、まるで根拠のない「自信」だけで、
ミチコたんのハートを射止めて見せた、ハマちゃん@「釣りバカ日誌」と、双璧の快挙と言わねばならず、
むしろ、
あらかじめ自分で自分にわざとハンデを与えておくことで、失敗したときに自尊心が傷つかずにすむ、
というあたりが、私のような自意識過剰人間にはよく理解できる、カフカお奨めの「幸せの処方箋」なのである。
幸福になるための、完璧な方法がひとつだけある。
それは、
自己のなかにある確固たるものを信じ、
しかもそれを磨くための努力をしないことである。
―罪、苦悩、希望、真実の道についての考察―
本日もお読みいただいた皆様どうも有り難うございました。
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将来にむかって歩くことは、ぼくにはできません。
将来にむかってつまずくこと、これはできます。
いちばんうまくできるのは、倒れたままでいることです。
―フェリーツェへの手紙―
―何事にも成功せず、失敗から何も学ばず、つねに失敗し続けた。
―結婚したいと強く願いながら、生涯、独身だった。
―身体が虚弱で、胃が弱く、不眠症だった。
―家族と仲が悪く、とくに父親のせいで、自分が歪んでしまったと感じていた。
生きている間、作家としては認められることなく、普通のサラリーマンとして、生活のためにイヤイヤ働き続け、
長編小説に取り組めば、すべて途中で行き詰まり、未完のまま、死ぬまでついに満足できる作品を書くことができず、
自分の作品はすべて焼却するようにという遺言を、ただ一人の親友、マックス・ブロートに託して、40歳で結核で死亡した。
「彼は、もはや断じて追い越すことのできないものを書いた。・・・この世紀の数少ない偉大な、完成した作品を彼は書いたのである」(ノーベル文学賞作家エリアス・カネッティ)
『変身』『城』『審判』などの珠玉の作品を残した、20世紀最大の作家、フランツ・カフカが、
「父が・・・」「仕事が・・・」「胃が・・・」「睡眠が・・・」といった、おそろしくネガティブな日常の愚痴を、大量の日記やノートとして残していた。
誰よりも落ち込み、誰よりも弱音をはき、誰よりも前に進もうとしない、カフカは「絶望の名人」なのだというのである。
しかし・・・ちょっと待てよ。
冒頭の文面が、実は恋人に宛てて書いたラブレターの一節で、結局、フェリーツェはカフカのプロポーズを受け入れて、二人は婚約することになったのだと聞けば、
これはもう、
「僕には君を幸せにする自信はないけれど、君と結婚すれば、僕が幸せになる自信はある」という、まるで根拠のない「自信」だけで、
ミチコたんのハートを射止めて見せた、ハマちゃん@「釣りバカ日誌」と、双璧の快挙と言わねばならず、
むしろ、
あらかじめ自分で自分にわざとハンデを与えておくことで、失敗したときに自尊心が傷つかずにすむ、
というあたりが、私のような自意識過剰人間にはよく理解できる、カフカお奨めの「幸せの処方箋」なのである。
幸福になるための、完璧な方法がひとつだけある。
それは、
自己のなかにある確固たるものを信じ、
しかもそれを磨くための努力をしないことである。
―罪、苦悩、希望、真実の道についての考察―
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