(平川克美 洋泉社)

なぜ、人は自らが発明したビジネスという魅力的で豊穣なコミュニケーションを戦争というつまらないアナロジーで語りたがるのでしょうか。・・・ ビジネスを『お金』であれ、『達成感』であれ、あるいは経営者の自己実現であれ、明確な目的が事前にあるものだとする考え方そのものが、ビジネスをつまらなくさせている原因のひとつであるということなのです。

昨日とは少しだけ異なる今日があり、昨日より少しだけ進歩した自分を実感できるということ。

自らの「想い」と、いまここにある結果としての「会社の姿」の間の「ズレ」についての「物語」をつづること。

つまりは、そうした「プロセス」の中にこそ「ビジネス」というものの本質があり、本来の「ビジネスの風景」が垣間見えてくるものなのではないか?

日本の経営者にとって、喫緊の課題は方向を転換することではなく、これまで築いてきた無形資産のうえにオリジナルな経営システムを開発することであって、勝者の鋳型に自己の経営を当てはめることではないのです。

「顧客」はあなたの会社から「何」を買うのか?

その取引はただ単に「モノ」と「カネ」の交換ではありえない。提供される商品やサービスの差別化がその「質」に基礎付けられ、競争の優位性が「顧客満足」によって測られるとするならば、そこでは

金品の交換と同時に「見えない資産」というべきものの交換が行なわれていることが見えてくるだろうということ。・・・戦略的な成功は「見えない資産」の減少と引き換えに得られた成功である可能性が強いということ。「見えない資産」の蓄積は反戦略的な意思の持続によって誰にでも確実に達成できること。それは、具体的には企業を時間はかかっても着実な成長軌道に乗せる唯一の方法であること。

というのが、「反戦略的」という本書の骨子であるように思う。(なぜか、名著『エクセレント・カンパニー』と結論だけは似ている。)

しかし、この「インビジブル・アセット」以外にも「オーバーアチーブ」や「一回半ひねりのコミュニケーション」「攻略しないという方法」などなど、

新鮮で刺激的な「概念」が次から次に飛び出してきて、厳しい経済情勢の中で打ちひしがれている「へたれ経営者」の「ビジネス脳」を賦活させてくれる。

「すべての現場で逡巡する人たちへ」という帯の文句も泣かせてくれる、負け組必読の「応援歌」である。

(2005年1月)

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