(奥克彦 産経新聞社)

8月24日。

爆破された国連事務所を訪れ、偶然にも、亡き友の血染めの名刺を拾う。友の遺志を継ぎ、復興への貢献を改めて心に誓う。

11月13日。

自動車爆弾テロでイタリア人18名、イラク人9名が犠牲に。テロとの闘いに屈しないという強い決意の必要性を訴える。

11月29日。

・・・(襲撃により死亡)。

これは<回想録>ではなく、<日記>なのであり、従ってリアルタイムの報告である。

だからもちろん、11月29日を予期して書かれたものではないし、

最後の日記となった11月27日分は、

「あと少しの辛抱で家族に会える。」

と、感謝祭の夜を楽しむ米陸軍のパーティの様子を伝えている。

緊張感溢れる現地のルポもあれば、意外にのんびりとした日常生活のスケッチもある。

それが余計に胸に応える。

テレビや新聞の報道などよりはよほど正確に、現地の雰囲気を伝えてきている、

その「息遣い」が突然断ち切られてしまうことを、

私は<知っていて>読むからである。

(2004年4月)

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