(橘玲 幻冬舎)

「お金持ち」になるのは簡単で、「収入を増やす」「支出を減らす」「運用利回りを上げる」の3つの方法しかない。

最近巷にあふれる「金持ち本」もこのどれか(或いはすべて)に分類されるが、その胡散臭さは、

「あなたもお金持ちになれる」という本は「書いた人だけが儲かる」ところにある。

誰だってお金持ちになりたいだろうが、「誰でもお金持ちになれる」なら、結果は「誰もお金持ちになれない」ことと同じであるし、

「あなただけがお金持ちになれる」という本は書かない方が儲かるはずだ。さらに言えば、

「あなたも(勉強しさえすれば)大学に合格できる」
「あなたも(努力さえすれば)やせられる」

という本は、まことに正論ではあるが、えてして( )内が省略されがちなのであり、

実際には、こういう本は努力したくない人が読む場合が多いので、まったく無意味なものになるということなのである。

でこの本の場合も、読んでもお金持ちにはなれないと思うけれど、

「支出を減らす」ためのファイナンシャルプランの王道について、とても参考になる好著であると思う。

(2003年2月)

付録:

『世界にひとつしかない「黄金の人生設計」』
(橘玲 講談社+α文庫)

「不動産」と「生命保険」と「公的年金・医療保険」

という、人生設計における最大の選択肢がはらむ問題点を徹底的に暴き出した名著。

実は1999年のベストセラー(以前に、この続編ともいうべき『黄金の羽根の拾い方』はご紹介しましたね。)の文庫化なんですが、

現時点でも、何の違和感もなく成立するというのが、凄いというよりも、日本という国が無駄にしてしまった時間の大きさを思うと空恐ろしいという本です。

で、この本の中で論じられている「少子化」の問題について。

世界最高額の教育費
←まともな親は私立を選択(いわゆる「お受験」とは別問題)
←公立中学では子供の安全は保証されない(私立には退学処分という暴力装置がある)
←授業が成立しない公立小学校(ゆとり教育の弊害で塾に頼った中学受験)

という「風が吹けば桶屋が儲かる」のような筋道で議論が組み立てられ、

「子供がいるなら家は買うな」
「教育サービスに市場原理を」
「教育費は親が負担して当然という常識を変えよ」

という処方箋が提案されているわけですが、トリッキーなようでいて、かなりの妙案と感じた次第です。

(2004年8月)

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