(冨島佑充 PHP新書)

あなたは、微分積分とは何かと聞かれたら、どう答えるでしょうか?そんなこと、考えたこともないかもしれませんね。私はこう答えます。

<微分積分とは、「未来予測の数学」である、と。>

というこの本は、自身が金融機関のデータサイエンティストとして、金融市場の分析・予測に微分積分を使い倒してきたと豪語する専門家の立場から、

微分積分の本質や、それを理解することの具体的なメリットについて、「これ以上分かりやすくできない!」くらい丁寧に説明してくれるものだ。

高校時代にその計算方法や公式は学んでいても、それが「何の役に立つのか?」という根本的な疑問については、何の説明も受けた記憶がないという多くの人にとって、

微分積分が人類のどういうニーズから生まれ、なぜ重要で、どう役に立っているのかを、ロケットや天気予報の具体例なども交え知ることは、とても新鮮だろう。

この著者によれば、「未来予測の数学」である微分積分の基本的な考え方は、<「変化を積み重ねる」ことで未来を予測する>ものだという。

そのためには、まず第1ステップで、一つひとつの小さな変化を考え、次に第2ステップとして、その変化が積み重なっていくと最終的にどうなるかを把握する。

<小さな変化を考える>ときに使われるのが「微分」であり、<変化を積み重ねた結果を考える>のが「積分」だというのである。

古代ギリシャで、複雑な図形の面積を求めるために生まれた「とりつくし法」に起源をもつ「積分」が、グラフの面積を求める計算だったのに対し、

それよりずいぶん遅れた中世の戦場で、砲弾の軌道を正確に知るために生まれた「微分」は、グラフの接線を求める計算だった、なんて歴史的背景もさることながら、

地球の大気を格子状に細かく区切り、その一つひとつの格子について、気圧、気温、湿度がどうなるかを計算し、最後にその結果を足し合わせ予測している天気予報。

ドライバーが一定のペースでハンドルを回転させながら走行する、その瞬間瞬間の進む方向を計算し、その結果、車が描く軌跡に合わせて設計された高速道路のカーブ。

日々変動する株価を微分の発想で数式に落とし込み、リスクを伴う株式投資においても、最善の行動が取れるようにしてくれたオプション取引、などなど。

データや数学を駆使した高度な未来予測によって支えられている現代社会の、その未来予測を支えているのが微分積分の思考法であることが示されていく。

さらには、ここで学んだ微分積分の基本思想は汎用性が高いので、単なる教養の域を超えて、普遍的な問題解決のテクニックとしても使えるという。

・難しい課題は、考えやすい単位に細かく分けて考えること。(微分の発想)

・分けて考えた後、それらを集めて再び大きな視点に戻ること。(積分の発想)

これこそが、この著者が極力数式を使わず微分積分を解説しようとしたこの本で、特に強調したかったことのようなのである。

仕事や日常生活で直面する色々な課題にこうした発想を当てはめてみると、思いもよらぬ解決策に行き着くこともあるのではないでしょうか。

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