(東京大学地文研究会地理部 マイクロマガジン社)
駒場キャンパス正門からスタートして駒場東大前西口まで坂を下り、坂下門を入ってすぐにあるのが目黒川の支流・空川の湧水池です。こんこんときれいな水が流れ出ています。
<この巡検は、武蔵野台地の高低差を感じながら、そこに刻まれた谷や河川(跡)などを巡ります。>
というのは、創設70年以上もの長い歴史を誇る「東京大学地文研究会地理部」、通称『東大地理部』が毎年春の新歓シーズンに挙行する「駒場巡検」である。
武蔵野台地の東南に位置する東大駒場キャンパス周辺、総距離約8キロを3時間30分かけて巡り、地形の謎に挑むという。知的好奇心満載の「散歩」なのだ。
<ここ数年「散歩」がトレンドとなるなか、毎週のように巡検を開催しているわたしたちが、「街歩き」の楽しさを世間に届けることができないか>
と思案していた東大地理部の面々に、「渡りに船」とばかりに舞い込んできた出版企画とはいえ、この本で紹介されているのは、すべて実際に開催されたものだ。
「本郷巡検」――台地に築かれた文京地区と区境の藍染川暗渠
台地、低地が入り混じり多くの坂が形成される本郷地区の高低差を体感しながら、「へび道」の歴史を遡る。
「渋谷巡検」――裏渋谷通りの歴史と渋谷川のすごい暗渠
新宿御苑を水源に深い谷を刻む渋谷川と宇田川が合流する、地形的に大問題だった浸水被害克服の歴史を巡る。
「皇居一周巡検」――江戸城の立地や江戸東京の歴史を体感
日比谷入江と呼ばれる遠浅の海を埋め立てた、江戸城東側の江戸の町を守るため開削された外濠川の工事。
「隅田巡検」――歴史濃い下町から急発展する湾岸地域へ
江戸時代に浅草と共に盛り場として賑わった隅田川沿岸部における水と暮らし、災禍と再生をテーマに歩く。
などなど、「地形」や「地質」をメインテーマとし、東京都内やその近郊で開催された16コースの「巡検」が紹介されているのだが、
地形の見所は言うに及ばず、「ちょっと寄り道」のポイントや、トリビアな話題ももらさず取り上げて、「ぶらタモリ」も軽く凌駕するディープな内容なのである。
暇人も少し前になるが、「金沢の歴史を歩く」という探検隊を結成して、裏道を中心に歩いてみた時期があったのだが、実際に歩いて見なければわからない、新たな「町の魅力」の発掘に、ワクワクドキドキしたことを思い出す。
皆さんも、もし歩いてみたいと思えるコースがあったなら、どうぞ本書を片手に「地理部の巡検」を追体験されることをお勧めする次第である。
この書籍が、読者の皆様にとって、日頃生活している街を「地理」「地形」といった視点から捉え直すきっかけとなれば、地理好きの集団として望外の喜びです。
本日もお読みいただいた皆様どうも有り難うございました。
今後も読んであげようと思っていただけましたなら、
どうぞ応援のクリックを、お願いいたします。
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駒場キャンパス正門からスタートして駒場東大前西口まで坂を下り、坂下門を入ってすぐにあるのが目黒川の支流・空川の湧水池です。こんこんときれいな水が流れ出ています。
<この巡検は、武蔵野台地の高低差を感じながら、そこに刻まれた谷や河川(跡)などを巡ります。>
というのは、創設70年以上もの長い歴史を誇る「東京大学地文研究会地理部」、通称『東大地理部』が毎年春の新歓シーズンに挙行する「駒場巡検」である。
武蔵野台地の東南に位置する東大駒場キャンパス周辺、総距離約8キロを3時間30分かけて巡り、地形の謎に挑むという。知的好奇心満載の「散歩」なのだ。
<ここ数年「散歩」がトレンドとなるなか、毎週のように巡検を開催しているわたしたちが、「街歩き」の楽しさを世間に届けることができないか>
と思案していた東大地理部の面々に、「渡りに船」とばかりに舞い込んできた出版企画とはいえ、この本で紹介されているのは、すべて実際に開催されたものだ。
「本郷巡検」――台地に築かれた文京地区と区境の藍染川暗渠
台地、低地が入り混じり多くの坂が形成される本郷地区の高低差を体感しながら、「へび道」の歴史を遡る。
「渋谷巡検」――裏渋谷通りの歴史と渋谷川のすごい暗渠
新宿御苑を水源に深い谷を刻む渋谷川と宇田川が合流する、地形的に大問題だった浸水被害克服の歴史を巡る。
「皇居一周巡検」――江戸城の立地や江戸東京の歴史を体感
日比谷入江と呼ばれる遠浅の海を埋め立てた、江戸城東側の江戸の町を守るため開削された外濠川の工事。
「隅田巡検」――歴史濃い下町から急発展する湾岸地域へ
江戸時代に浅草と共に盛り場として賑わった隅田川沿岸部における水と暮らし、災禍と再生をテーマに歩く。
などなど、「地形」や「地質」をメインテーマとし、東京都内やその近郊で開催された16コースの「巡検」が紹介されているのだが、
地形の見所は言うに及ばず、「ちょっと寄り道」のポイントや、トリビアな話題ももらさず取り上げて、「ぶらタモリ」も軽く凌駕するディープな内容なのである。
暇人も少し前になるが、「金沢の歴史を歩く」という探検隊を結成して、裏道を中心に歩いてみた時期があったのだが、実際に歩いて見なければわからない、新たな「町の魅力」の発掘に、ワクワクドキドキしたことを思い出す。
皆さんも、もし歩いてみたいと思えるコースがあったなら、どうぞ本書を片手に「地理部の巡検」を追体験されることをお勧めする次第である。
この書籍が、読者の皆様にとって、日頃生活している街を「地理」「地形」といった視点から捉え直すきっかけとなれば、地理好きの集団として望外の喜びです。
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