(Cシファキス 青土社)
この本の読者は、なぜ、そんなにたくさんの人々が、しばしば馬鹿げていると思われるような悪ふざけや詐欺に引っかかるのかと理解に苦しむだろう。
というこの本は、UPI通信の社会部記者からフリーのライターとなった著者が、1993年に出版した「ペテンの玉手箱」のような本である。
悪ふざけ、ホラ、作り話、でっち上げ、騙り、贋作、偽造など、何でもござれのオンパレードを、敢えてジャンル別に分けず、アルファベット順に羅列したのは、
いずれのペテン話においても、それが成功するのはむしろ被害者の側に、それを信じたいという大きな願望があるところが、共通していることを示したいからだろう。
騙される側は、彼や彼女の野心や優越感、偏見、金銭的利益などを、たとえそれが不当に得たものであったとしても、満足させてくれることを欲しているのだ。
騙されたくなかったら、「人はなぜ騙されるのか?」という原点に立ち返って、考えてみるべきだというのが、このユニークな大百科の狙いなのである。
ほとんどの悪ふざけ屋や詐欺師を「天性」またはそれに近いものと見るのは、的確ではないだろう。
騙す側にしても、アメリカ最大の詐欺師として名高い「イエローキッド」ウェイルを始めとして、この本で取り上げられている名詐欺師たちの立志伝を読んでみれば、
驚くほど多くの詐欺師が、自分自身がまず他の詐欺師に騙されたことによってその道に入った、という驚くべき事実を知ることになるだろう。
自分自身が被害者となったからこそ、他の被害者に対して、何が有効で何が有効でないかがよく分かる。プロでさえ、実地教育を受けて大きく育つのである。
さて、この本はいつも使っているほうのトイレに置いて読んでいたのだが、600ページ近い大部だったので、こちらも読み終えるのに随分時間がかかってしまった。
というわけで、少し古い話で恐縮だが、あの「ビッグ・モーター」事件の時に、絶妙のタイミングで「自動車に関するあの手この手」という項目にぶち当たったのだが、
他の項目とは違って、この項目だけはさらに小項目に分かれており、なんと50項目、20ページ以上に亘って、自動車修理と保険詐欺の手口が解説されていたのだ。
・ウィンドウワイパー詐欺
・オイルゲージのごまかし
・ガソリンの銘柄の神話
・汚いオイル詐欺 などなど
「人は、ナンバープレートにカモと書かれた車に乗っているようなもの」だと、著名な自動車評論家は言っているのだそうで、どうぞご用心ください。
真面目な方が、いくつかの項目が詐欺のやり方の「ハウツー」になってしまうのではないかと心配する必要はあるのだろうか?
<答えはノーである。>
なぜなら、詐欺という太陽の下には、実は何も目新しいものはなく、すべての手口は、古くからある詐欺の新しい形に過ぎないからである。
本日もお読みいただいた皆様どうも有り難うございました。
今後も読んであげようと思っていただけましたなら、
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この本の読者は、なぜ、そんなにたくさんの人々が、しばしば馬鹿げていると思われるような悪ふざけや詐欺に引っかかるのかと理解に苦しむだろう。
というこの本は、UPI通信の社会部記者からフリーのライターとなった著者が、1993年に出版した「ペテンの玉手箱」のような本である。
悪ふざけ、ホラ、作り話、でっち上げ、騙り、贋作、偽造など、何でもござれのオンパレードを、敢えてジャンル別に分けず、アルファベット順に羅列したのは、
いずれのペテン話においても、それが成功するのはむしろ被害者の側に、それを信じたいという大きな願望があるところが、共通していることを示したいからだろう。
騙される側は、彼や彼女の野心や優越感、偏見、金銭的利益などを、たとえそれが不当に得たものであったとしても、満足させてくれることを欲しているのだ。
騙されたくなかったら、「人はなぜ騙されるのか?」という原点に立ち返って、考えてみるべきだというのが、このユニークな大百科の狙いなのである。
ほとんどの悪ふざけ屋や詐欺師を「天性」またはそれに近いものと見るのは、的確ではないだろう。
騙す側にしても、アメリカ最大の詐欺師として名高い「イエローキッド」ウェイルを始めとして、この本で取り上げられている名詐欺師たちの立志伝を読んでみれば、
驚くほど多くの詐欺師が、自分自身がまず他の詐欺師に騙されたことによってその道に入った、という驚くべき事実を知ることになるだろう。
自分自身が被害者となったからこそ、他の被害者に対して、何が有効で何が有効でないかがよく分かる。プロでさえ、実地教育を受けて大きく育つのである。
さて、この本はいつも使っているほうのトイレに置いて読んでいたのだが、600ページ近い大部だったので、こちらも読み終えるのに随分時間がかかってしまった。
というわけで、少し古い話で恐縮だが、あの「ビッグ・モーター」事件の時に、絶妙のタイミングで「自動車に関するあの手この手」という項目にぶち当たったのだが、
他の項目とは違って、この項目だけはさらに小項目に分かれており、なんと50項目、20ページ以上に亘って、自動車修理と保険詐欺の手口が解説されていたのだ。
・ウィンドウワイパー詐欺
・オイルゲージのごまかし
・ガソリンの銘柄の神話
・汚いオイル詐欺 などなど
「人は、ナンバープレートにカモと書かれた車に乗っているようなもの」だと、著名な自動車評論家は言っているのだそうで、どうぞご用心ください。
真面目な方が、いくつかの項目が詐欺のやり方の「ハウツー」になってしまうのではないかと心配する必要はあるのだろうか?
<答えはノーである。>
なぜなら、詐欺という太陽の下には、実は何も目新しいものはなく、すべての手口は、古くからある詐欺の新しい形に過ぎないからである。
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