(佐々木チワワ PHP新書)
一部の経営者や資産家を除き、ホストクラブで高額を使う女性のほとんどは夜の仕事で大金を稼ぎ出している。身体を売って、はたまた詐欺行為を働いてまでホストに全財産を投げ打つというのは、一般的には理解しがたい感覚であろう。
ホストは売上を上げるためにどんな仕事をしているのか、ホストクラブで女性客が自分の身体を売ってまで大金を使ってしまうのはなぜなのか。
<歌舞伎町をめぐる若者たちの姿は、彼ら彼女らのどんな価値観を表しているのか?>
というこの本は、高校生の頃から歌舞伎町に足を運び、自身もホスト通いを重ねながら、「歌舞伎町の社会学」を研究してきたというZ世代ライターが、
ホストの労働内容や売掛金問題など、「歌舞伎町の病」とも言える価値観を社会学的に分析した卒業論文を下地に、大幅な加筆修正を施したものなのである。
ホストは「永久指名制」なので、指名するキャストを一度決めてしまうと基本的には変えられなくなることが、客がホストの歓心を買おうとする構図を作るとか、
ホストクラブには「男らしさ」というジェンダー規範が残っているため、店外で客と会うときの支払いはすべてホストが負担する(知らんかった〜)など、
騒がれてはいてもイマイチその実態が報道されない、「ホストとはどういう仕事なのか」という分析も目から鱗だったが、圧巻はなんたって客の視点からの分析だ。
「最初は、好きな人を応援したいって気持ちだったのに、気付いたら自分のプライドのために、稼いだ金額を注ぎ込んでたかも」(24歳:キャバクラ嬢)と、
使う金額が毎年上がって、みんなからすごいと言われることで「承認欲求」が満たされて、彼女は結局自分のために、担当ホストに5年間で2億円以上を注ぎ込んだ。
ホストクラブで女性客が得られる承認には、大きく分けて3段階あるのだという。
1.自分が指名しているホストから受ける「個別の承認」
2.自分と同じホストを指名している客との「比較による承認」
3.SNSでつながった顧客同士間での「集団的な承認」
ホスト通いで大金を投じる女性の多くは「女らしさ」を資本として金を稼いでおり、「外見が良い=稼げる女」という価値観が根付いているのだという。
歌舞伎町とは、金さえ払えば表面上は「姫と王子」という関係性が生まれ、一般的な人間関係を築くことが苦手な女性でも、自分に興味を持ってもらえる場所なのだ。
行政が現代の若者を経済面には支援できても、「女の子として自分を見てもらえる」という福祉を提供することは難しい。じつはホストが顧客に提供している「関係性」は、福祉的な側面もあるのではないだろうか。
とホストクラブの構造を掘り下げれば、歌舞伎町ではどんな男女に価値があり、何をもって評価が下されているのかという根本的な価値観が紐解けてしまうのは、
この空間がただの色恋を演出するための場所ではなく、金銭を投じることで評価される舞台装置としての優れたシステムを有しているからだというのが、
「『研究未満』かもしれない。しかし唯一無二の試みだ」(@研究会恩師・小熊英二)という絶妙のコメントも裏切ることのない、若者のリアルに迫る怪著である。
歌舞伎町という街のシステム・価値観の沼にハマってしまう若者たちの深層心理は、現代の日本が抱える諸問題にも通ずるはずだ。
本日もお読みいただいた皆様どうも有り難うございました。
今後も読んであげようと思っていただけましたなら、
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一部の経営者や資産家を除き、ホストクラブで高額を使う女性のほとんどは夜の仕事で大金を稼ぎ出している。身体を売って、はたまた詐欺行為を働いてまでホストに全財産を投げ打つというのは、一般的には理解しがたい感覚であろう。
ホストは売上を上げるためにどんな仕事をしているのか、ホストクラブで女性客が自分の身体を売ってまで大金を使ってしまうのはなぜなのか。
<歌舞伎町をめぐる若者たちの姿は、彼ら彼女らのどんな価値観を表しているのか?>
というこの本は、高校生の頃から歌舞伎町に足を運び、自身もホスト通いを重ねながら、「歌舞伎町の社会学」を研究してきたというZ世代ライターが、
ホストの労働内容や売掛金問題など、「歌舞伎町の病」とも言える価値観を社会学的に分析した卒業論文を下地に、大幅な加筆修正を施したものなのである。
ホストは「永久指名制」なので、指名するキャストを一度決めてしまうと基本的には変えられなくなることが、客がホストの歓心を買おうとする構図を作るとか、
ホストクラブには「男らしさ」というジェンダー規範が残っているため、店外で客と会うときの支払いはすべてホストが負担する(知らんかった〜)など、
騒がれてはいてもイマイチその実態が報道されない、「ホストとはどういう仕事なのか」という分析も目から鱗だったが、圧巻はなんたって客の視点からの分析だ。
「最初は、好きな人を応援したいって気持ちだったのに、気付いたら自分のプライドのために、稼いだ金額を注ぎ込んでたかも」(24歳:キャバクラ嬢)と、
使う金額が毎年上がって、みんなからすごいと言われることで「承認欲求」が満たされて、彼女は結局自分のために、担当ホストに5年間で2億円以上を注ぎ込んだ。
ホストクラブで女性客が得られる承認には、大きく分けて3段階あるのだという。
1.自分が指名しているホストから受ける「個別の承認」
2.自分と同じホストを指名している客との「比較による承認」
3.SNSでつながった顧客同士間での「集団的な承認」
ホスト通いで大金を投じる女性の多くは「女らしさ」を資本として金を稼いでおり、「外見が良い=稼げる女」という価値観が根付いているのだという。
歌舞伎町とは、金さえ払えば表面上は「姫と王子」という関係性が生まれ、一般的な人間関係を築くことが苦手な女性でも、自分に興味を持ってもらえる場所なのだ。
行政が現代の若者を経済面には支援できても、「女の子として自分を見てもらえる」という福祉を提供することは難しい。じつはホストが顧客に提供している「関係性」は、福祉的な側面もあるのではないだろうか。
とホストクラブの構造を掘り下げれば、歌舞伎町ではどんな男女に価値があり、何をもって評価が下されているのかという根本的な価値観が紐解けてしまうのは、
この空間がただの色恋を演出するための場所ではなく、金銭を投じることで評価される舞台装置としての優れたシステムを有しているからだというのが、
「『研究未満』かもしれない。しかし唯一無二の試みだ」(@研究会恩師・小熊英二)という絶妙のコメントも裏切ることのない、若者のリアルに迫る怪著である。
歌舞伎町という街のシステム・価値観の沼にハマってしまう若者たちの深層心理は、現代の日本が抱える諸問題にも通ずるはずだ。
本日もお読みいただいた皆様どうも有り難うございました。
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