さて、古い映画を見た。
1978年制作のアメリカ映画Pretty Baby
◆ プリティ・ベビー [DVD]
子供の頃のブルック・シールズが主役で、
無名子役だったブルック・シールズを一躍スターにした、
ルイ・マル監督のアメリカ進出作です。
1910年代のニューオリンズの赤線地区を舞台に、
淫売の子として生まれ育った12歳の少女の物語。
ストーリーはさっき書いてたんだけどやっぱり削除。見てみて下さいな。
古いアメリカの戦争時代での女郎屋の雰囲気、
女性の服装や男性の服装がノスタルジック。
女郎屋で、黒人のピアニストが演奏し始めるとお店がスタートのお知らせ。
ジェリー・ロール・モートンをモデルにしたピアニスト。ここも注目かなぁ。
個人的に女郎屋のマダムのキャラも好き。
オープニング辺りのこのシーンも好きなところ。
どう見ても体は思いっきり子供だけど、せり落とされて水揚げされた日、
周りの心配とは反対に、バイオレット(ブルック・シールズ)は
冗談を言いながらケロッと笑って勤めを果たした。
でも、それは本当にあっけらかんと笑っていたのかは人の取り様だと思う。
無邪気に笑う子供の顔と、娼婦としての大人の顔と言葉の複雑さ。
これが水揚げされる時のシーンなんだけど映像も曲も衣装もお洒落。
あえて、サラリと気持ちが入るようにしている感じ。
これが普通として育って麻痺はしているものの、
本当の気持ちとは違う・・・みたいな。
そこまで重い作りになっていなくって、サラリと描かれているのもいい。
映像もランダムにモノクロームが入ってくるのも好き。
いくら可愛くっても、顔は大人でも体があまりの少女なので
大人の男性と結婚って言うのはフに落ちなかったけど。(笑)
カメラマンの男性も、バイオレットと一緒になったけれど、
やっぱりまだまだ子供なので生活も上手くはいかない。
ラスト付近、男と結婚するからとバイオレットを置いて出て行った母親が
夫と一緒に連れ戻しに来るんだけど、
写真は娼婦の時代の母。
初めは拒もうと思ったベロック(バイオレットの夫)も、
バイオレットの母親の夫に言われた言葉が、
『バイオレットを学校へ通わせて世間並みに子供として育てたい』と。
むぅ。納得。
その言葉に対して、ベロックはただ茫然と連れて行かれるのを見ているだけ。
ここの『間』も好きだったし、バイオレットが何だかんだ言って
母親の元へ行ったのも、『子供』を表現しているなぁと。
そして、バイオレットが母親に化粧を落とされて、
子供らしいお洋服に着替えさせられてから父親に写真を撮られるラストシーン。
レンズを見ながらのバイオレットの表情がなんともいえなかった。
私は、今までの生活が全て夢だったかのように思えるような
現実とさっきまでの過去とのギャップを、
えぇ感じの表情と『間』で表現しているなぁと。
こういった時代と内容をサラリとピアノのメロディーに乗せて
撮っているところが私は好き。
ピアニストとカメラマンと少女の映画かな。
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