棲みかをつくる

達目洞には小さなネズミのカヤネズミが棲んでいます。
子育てや冬をすごすために、カヤで丸い小さな巣をつくります。

80代のご夫婦は体が衰えたときのために、介護ができるように水回りを広くしました。
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30代のご夫婦は昼間にお湯につかるために、川が眺められる場所を浴室にしました。
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大勢が集まるご近所の方たちは、みんなで食事ができるように台所を広くしました。
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あなたが大切にしたい棲みかはなんですか。どんな棲みかをつくりますか。

こよみのよぶね2016

12月21日 冬至の日 素敵な夜になりました。
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アートの力

      アートの力                          岐阜県高等学校PTA連合会 会長 加納一郎
             
今年の夏はリオ・オリンピックとパラリンピックがありました。毎日、真夜中にテレビをつけて寝不足になりながら、日本人の活躍に歓声を上げ感動もしました。また開会式に難民選手団が入場したことも話題になりました。内戦や政情不安で他国に逃れ難民となり母国から出場出来ない選手たちです。私たち日本人に何ができるかを考えさせられました。また、開会式や閉会式のパフォーマンスにも感動しました。特にパラリンピックの閉会式では、障がいのあるパフォーマーが生き生きと躍動していました。障がいがあることは、新しい可能性を持つことだと感じました。
 
一年の中で一番夜の長い冬至の夜に、岐阜市の長良川で「こよみのよぶね」というアートイベントがあります。1から12の大きな数字行灯を鵜飼観覧船に取り付けて、長良橋のあたりを回遊します。数字は1月から12月をあらわし、ゆく年の一年を振り返り、来る年の一年に想いを馳せるイベントです。11年前、アーチストで今は岐阜県美術館館長の日比野克彦さんの呼びかけで「こよみのよぶね」は始まりました。私も1年目から関わり、最近は事務局をしています。数字行灯は岐阜県各地でワークショップを開いて作ります。竹で作った骨組みに電球を入れ、色づけした和紙を張ります。始まったころは美術やデザインに関わる人たちが中心になって、子供たちと一緒にワークショップをしていました。大学2年と高校3年になる息子たちも、小学生のころは絵具まみれになりながら、和紙に色を塗り、紙を張ったりしました。柳ケ瀬でワークショップをしていた時は、弁当を持って通いました。そしてここ数年は、若者のチームや地域の親子などと、日頃アートに関わっていない方たちのグループでワークショップをするようになりました。あまり器用でない人たちのグループは、思ったような形にならないこともありますが、ちゃんと主張が表に出た数字行灯になります。日頃から物作りをしている男性陣がきれいな骨組みを作り、子供たちと和紙を張り、流しそうめんやランチを作って食べたりと、ワークショップをお祭りのように楽しんでいるグループも現れました。アートを通してたくさんの人と人とが関わっています。

最近、障がいのある方たちの作品がよく取り上げられます。自分の内から出てくるパワーが自然に紙の上に現れてくるような絵画もあれば、繰り返し同じモチーフを画面いっぱいに精緻に表現する作品もあります。また、街で見かけた看板や友達の名前を書にしたものもあります。毎年開かれる伝統工芸展では、緻密でたくさんの行程を経てやっと形となって表れる作品がありますが、どこか共通するものがあるような気がします。何かを表現したいという強い意志が見えてきます。自分の感じている大切なことをどのように伝えるか、そこにアートがあります。

東日本大震災では、津波によって多くの方々が亡くなられ、今でも不自由な生活をされている方がいます。6年近く経ってもなかなか復興されません。「こよみのよぶね」では毎年震災のあった日に東北に行き、「とうほくのこよみのよぶね」をしています。「3」「・」「11」の数字行灯を現地で作り、舟型行灯に取り付けて、海に浮かべます。幻想的な空間と時間を共有して、鎮魂の思いを捧げています。多くの方が海に向かって手を合わせられます。岐阜と東北が長良川と海をとおしてつながった思いがします。

アートは特別な場所や時間の中にある時もあれば、普通に生活している日常の中にもあります。美術館やギャラリーで作品に出会って感動をすることもあれば、偶然街で見かけた建物やポスターに、感動することもあります。それがアートの力です。

(岐阜県高等学校PTA連合会 第72号会報 より)
■加納一郎建築研究所 :一級建築士事務所
岐阜市福光東2-5-10-502
058-294-7671 ・ 090-1568-9796 
kano-k@triton.ocn.ne.jp
住宅の設計・建築の設計・デザイン・まちづくり

■達目洞自然の会(だちぼくぼらしぜんのかい):
岐阜市の金華山東山麓にある達目洞には、スイレン科の植物で絶滅が心配されるヒメコウホネが自生する。この自然環境を保全している。

■こよみのよぶね :
冬至の日の長良川、一夜っきりの時がながれる
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