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毛細血管


 「11月から売れていないんです。」

若いセールスマンは不安そうな目で私を見ていた。

「特別仕様車なので売れてますよ! 私以外は…。」

ウソがつけない性格なんだろう。 真面目な好青年だった。


 見積を出してもらった。


「今なら20万円位ならなんとか頑張れます。」

「色はパールかブラックならお値引きもし易いですし、ディーラー発注しているので、納期も早いですよ!」


 一生懸命な応対だったが、セールスは二流だ。



 私には答えが解ってしまった。



本当に売れていないんだろう。 彼だけでなくディーラーとしてメーカーとして。

メーカーからは捌け易いパールとブラックをディーラーノルマとして落としている。

決算までに是が非でも捌きたい。若いセールスマンにも値引き交渉枠を緩目にみている。

ここまで解ると、価格競争以外になくなってしまう。





私の車が見えなくなるまで頭を下げ見送ってくれていた。

彼の熱は十二分に伝わったが、もう一度言う。

セールスは二流だ。



ただ、問題は彼のセールスの経験不足ではなく、彼のセールスを監視している目が全く無かった事だ。

店舗に入るときから、商談中、見送り、この全てに他のスタッフからの視線を感じなかった。

彼の課題は自分で見つける事が重要だ。

彼自身が見つけれない課題を与えていくのも重要だ。



今回は初歩的なセールスに問題があった。

売れない彼のセールスにもっと関心を持つべきではないだろうか。

彼が車を売る事=店舗の売上である。

このご時勢だからこそ私事より公事を優先するべきだと思う。

それは細部まで教育が行き届いていないと考えられるのではないだろうか。




組織が機能しているか判断する時、一つの手法として末端を見ることがある。


毛細血管にも血は流れている。


なぜならそこにも血が必要だから。






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