October 21, 2009

謝礼としてその15%を支払うべきだ

 預金通帳や印鑑が入ったかばんを拾った新潟県魚沼市の男性が、落とし主から謝礼の支払いがないのは遺失物法違反だとして、落とし主に255万円を求める訴訟を新潟地裁長岡支部に起こした。

 訴状によると、男性は8月中旬、市内の路上で預貯金通帳7冊や印鑑、給与明細などが入ったかばんを拾い、警察に届け出た。かばんはその日のうちに落とし主に返され、拾った男性は謝礼を求めたが支払われていない。男性は「通帳の預貯金残高は1700万円以上あり、謝礼としてその15%を支払うべきだ」と主張している。

 遺失物法では、遺失物の返還を受けた者は、遺失物の価格の5−20%に相当する「報労金」を拾得者に支払わなければならないと定めている。ただ、通帳が現金と同じ“価値”があるかどうかは微妙なところだ。

 法律漫画「カバチタレ!」や「特上カバチ」の原作者で行政書士でもある田島隆氏は、「落とし主にしてみれば、銀行に連絡すれば通帳は紙切れ同然になるから報労金は少なくと考えるだろうし、拾った側からすれば、悪意を持った人間が拾えばすぐに預金を引き出されてしまうから預金残高を基準にと考えるだろう」と指摘する。

 あとは裁判所の判断によるが、「こうした有価証券などの価格をどう評価するかは裁判官の裁量次第。判例が少ないこともあり“相場”が形成されていない。普通なら5−10万円の謝礼を包んで『ありがとうございました』と終わるような話。当事者の感情がこじれてしまったのだろう」と田島氏は話している。

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