日向墨壺(ひなたぼっこ)の雑記帳

日向でボーっとする『ひなたぼっこ』が大好きなおじさんの備忘録がわりの雑記帳です

総集編 その3 サイクルトレイル
 
    今回の自転車旅の目的はふたつ、一つ目は主宰する「でこぼこ自転車旅研究会」の海外実地研究会(ツアー)を成功させること、二つ目は、次回以降のツアーのために、ニュージーランド(NZ)のサイクルトレイルをできるだけ多く走行することだった。
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バイクトレーラーからマイバイクを下し、出発です。
テカポカナルロードにて

    アウトドア天国のNZのバイクショップで売られるのは、マウンテンバイクが断然多い。また自動車にぶら下げて走っているのもマウンテンだ。
 
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 一昨年NZを走ったのは、ステートハイウェイを中心とする舗装路がほとんどだったが、そこで見るのは、大きなバッグを着けた旅する自転車ばかりだった。では、マウンテンバイクはどこを走ってるのだろう?それは、サイクルトレイル。
 サイクルトレイルの多くは、自動車の通行が禁止されていて、安全に走行できる。NZの道路の市外での制限速度は、100km/hだ。その路肩を自転車で走るのは、それなりの度胸と技術が必要だが、サイクルトレイルでは、自動車を心配することなく安全な走行が楽しめる。
    NZのサイクルトレイルは、2009年に首相の提案で始まった構想で、それらはグレート・ライド(Great  Rides)と呼ばれ、北島に10ルート、南島に12ルートが作られている。また、ハートランド・ライド(Heartland Rides)と呼ばれるトレイルも作られ、自転車で旅する人々に、通行量の多いステートハイウェイを避けた、景色の良い静かなバック・カントリーの道を推奨している。トレイルの多くは未舗装であり、ロードバイクやランドナーでの走行は難しいので、今回は、新たにグラベルロードと言われる自転車を購入して持って行った。

NZCycleTrail
 今回、COVID-19の世界的蔓延のため緊急帰国したが、滞在期間69日のうち、でこぼこ自転車旅研究会のツアーとその準備のために使った21日間を除いて、48日間に南島にある7つのトレイルをグラベルロードで走ってきた。
 以下に走ったトレイルについて順に解説する。

1.Molesworth Muster Trail
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日本では経験できない遥かに続くグラベル道路 
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陽が落ちると漆黒の闇と満天の星
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 ここはハートランド・ライドのひとつで、南島北端に近いBlenheimから温泉で有名なハンマースプリングまでの、207㎞の未舗装一般道路である。一般道路なので自動車も走るため路面はかなり荒れていて、拳大の石がゴロゴロしており、サスペンジョンのない自転車では走りにくいトレイルであった。両端の町には多くの宿泊施設があるが、途中には自然保護局(DOC)のキャンプサイトが2か所と、ファームステイが1か所あり、テント泊で3泊4日なら比較的ゆとりをもって走ることができた。

2.Around The Mountain Trail 
 南島南部にあるグレートライドのひとつで、クイーンズタウンからアーンスロー号という1800年代の蒸気船に乗ってワカティプ湖を渡り、放牧地内の未舗装一般道を走る。ステートハイウェイ部分にはサイクルウェイが並行しており、ワカティプ湖南端のキングストンまで続く180㎞のトレイルである。未舗装一般道部分の中間点にはマボラ湖がありここにDOCのキャンプサイトがある。モスバーンからキングストンまでには幾つかのキャンプサイトや宿がある。未舗装一般道部分は、自動車も走るため路面はかなり荒れているので、サスペンジョンの付いたマウンテンバイクが適している。また、キャンプ泊となるのでテント等も必要になる。
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蒸気船アーンスロー号で対岸へ
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ときにトレイルは小川を越える  Ford
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ステートハイウェイ部分には
並行してトレイルが
 
3.Clutha Gold Trail,
4.Roxburgh Gorge Trail,
5.Otago Central Rail Trail
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かつての鉄道をサイクルトレイルにしており傾斜は緩やか
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自動車が走らないので路面は良い
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断崖に作られたトレイル
ガードレイルなどなくスリル満点だ
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トレイルの途切れた部分は
ジェットボートでつながる
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ジェットボートの料金
100NZ$とちょっとお高い
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Otagoの中央平野
ただただ広い
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トンネルが幾つもある
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鉄路が残っている部分では、
観光列車が走っている

    この3つのトレイルは、ほぼ連続していて、あわせると260㎞になる。路面は小砂利の浮く締まったグラベルで走りやすい。
    Roxburgh Gorge Trail は渓谷の断崖に作られた道でスリル満点の走行が楽しめる。トレイルの途中20㎞ほどは道がなく、先に進むためには、ジェットボートによる移送を頼む必要がある。
    Otago Central Rail Trail は、30㎜幅のタイヤならランドナーでも走行可能な程度のグラベルで、鉄道跡で傾斜も緩やかなので、自転車初心者でも走行可能とおもう。
    終点のミドルマーチからダニーデンへは、Taieri Gorge Railway という観光鉄道があり、これを利用すれば、マイバイクをそのまま列車に乗せられる。

6.West Coast Wilderness Trail
    サザンアルプスを越えてNZの西海岸にでると風景が一変する。茶色だった風景が、南極ブナ(ビーチ)の緑で覆われた森に変わる。このトレイルは、その森の中を行く、緑のトンネルと海岸線の道で構成されている。両端の町には、宿泊施設が、中ほどには宿泊施設とDOCのキャンプサイトあり、海岸線にでれば、宿泊施設やキャンプサイトがある。トレイルの路面は、締まった砂利道で、標高差も300mほどで走りやすい。
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南極ブナの森の中をいく
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つり橋で川を渡る
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最高地点の標高は317m
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  農業用水の管理用の道が
          トレイルになっている

7.The Old Ghost Road Trail
 グレートライドは、政府予算と地域社会の出資によって維持管理されている。このトレイルは、The Mohikinui - Lyell Backcountry Trust によって管理運営されている。
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The Big Slips 
巨大なガレ場をトラバース

 標高差1300m、距離85㎞の山岳トレイルで、途中にある山小屋(Hut)利用が前提で、ここの予約がなければ入山できない。山小屋は4軒あり、利用料は4泊で150NZ$である。トランピング(トレッキングをNZではこう呼ぶ)と共用で、常に込み合っており山小屋の予約は余裕をもって行う必要がある。2週間前に予約した小生は、テントサイトしか残っていなかった。
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標高1,200mのテントサイト
MTB
マウンテンバイクはガンガンいく
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 トレイルは、ほぼ登山道といった感じで、60㎞ほどは平均5%の勾配があり、サスペンジョンの付いたマウンテンバイクでないととても走行できない。小生のグラベルロードでは、平坦な25㎞と下りの一部くらいしか乗れず、登りではトランピストに追い越されていた。


 トレイル間の移動にはステートハイウェイを自走するか、バス、鉄道などで輪行する必要がある。例えば東海岸のクライストチャーチから西海岸のグレイマスまで自走するには、サザンアルプス越えがあり3泊4日を要するが、トランツアルパイン鉄道なら4時間半で行ける。今回は出来るだけ多くのトレイルを走りたかったので、輪行を多用し効率的に回った。
 
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      地域経済に貢献するトレイル
こうした小さな内需の積み重ねで、豊かな国にしている。
 
    また、マイバイクに拘らなければ、トレイルに最適な自転車を現地で借りるという選択肢もある。トレイルの基地となる町で借りれば、ゴール地点でピックアップしてもらうこともできる。シャトルサービスをしている会社などもあり、マイバイクとともにピックアップしてもらうこともできる。

 次の「でこぼこ自転車旅研究会」主催のツアーでは、これらの経験いかし、参加者の希望にそえるものと思っている。COVID-19が終息して、自由に海外へ行けるようになるのは、まだまだ先になりそうだが、参加希望者をいつでも募集中だ。




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総集編 その2
 今回は、ニュージーランドで見た植物についてアップしてみようと思う。
 
    緊急帰国して10日間が過ぎたが、今のところCOVID-19の症状はない。外出は食品の買い出しくらいにして、自主隔離中なので学名などを調べる時間は十分だ。しかし写真しかないので多分これだろうという名前をあげていることを承知おき願いたい。

 鳥と同じように植物も固有種が多いのがニュージーランドである。そんな固有種を中心に紹介していく。

 ニュージーランドと言えば、オールブラックスや航空会社のエンブレムにあるシダ植物が有名だが、その種数は日本約700に対し、165種と少ない。しかしその約80%が固有種である。また、日本では、ワラビ、ゼンマイ、コゴミのように、シダ植物を食用に利用するが、NZでもマオリの人々は、いくつかの種を食用にしている。
Asplenium bulbiferum (2)
Asplenium bulbiferum
 この植物は、マオリ名をPikopikoと言い、固有種で食用だ。学名のbulbiferumが示すように、葉先に珠芽をつけるので見分けが付き、新芽を生のまま食べ香を楽しむ。
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   また、Mamakuという木性シダの巨大な新芽は、ワラビやゼンマイと同じように食用に利用するが、木性シダには、いくつもの種があり、その判別がつかずまだ食べたことはない。

 今回のニュージーランド自転車旅では、標高の高いThe Old Ghost Road Trailも走ったので、高山植物もいくつか見ることができた。ニュージーランドの高山植物で有名なのは、マウント・クック・リリーだろうが、時季が悪く花の付いたものを見ることはできなかった。
Ranunculus lyallii























  Mount Cook Lily  Ranunculus lyallii  
   
    今回、標高1,200mの岸壁の上にテントを設営したが、その周りには高山植物が白い花をつけていた。





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The Old Ghost Road Trail  Ghost Lake Hut 標高1,200m
Raoulia glabra (5)
Raoulia glabra (3)
Smooth Mat Daisy   Raoulia glabra
花の直径は5㎜ほどの小さなキク科植物

Wahlenbegia albomarginata (2)







           New Zealand Harebell     
        Wahlenbegia albomarginata

Gentianella montana (1)






 Mountain Gentian    Gentianella montana   
Euphrasia revoluta
                   New Zealand Eyebright            Tutumako     Euphrasia revoluta

    ニュージーランドの固有種には、白い花をつける植物が多い。植物が赤、黄、青と色鮮やかな花をつける理由は、花粉を運んでくれる昆虫や鳥を引き付けるためである。白い花はそういった意味ではあまり昆虫や鳥の目を引き付けるものではない。しかし、色が無くなる時がある。それは夜だ。暗くなると白と黒の世界となり、星や月明かりの中では白が一番目につく。そう、ニュージーランドの植物の多くは、夜に受粉すると考えられる。夜に活動する昆虫はというと、それは「蛾」である。ニュージーランドに生息する蝶はわずか26種で、「蛾」はなんと約1,300種と言われる。ちなみに日本には約240種の蝶が、約4800種の蛾がいる。

Rhopalostylis sapida (1)




                                                               
    Nikau Palm      Nikau          
                  Rhopalostylis sapida 
    ニュージーランドの先住民族のマオリは、約1,000年前に南太平洋の島から大型のカヌー7艘に乗ってやって来たといわれている。やって来た彼らは、まず食糧を探した。南洋の島々にはココヤシが茂り、その実は大切な食糧だった。やって来た彼らも当然これを探したのだろう。ニュージーランドは温帯でココヤシは生育していなかった。しかし彼らはヤシを発見した。その名は、Nikauである。Ni Kauとは「実のないヤシ」の意味なのだ。彼らはさぞやガッカリしたことだろう。その名前が物語っている。「ああ、このヤシ実がない」
このNikau は、南限のヤシと言われるNZの固有種である。

 一般にニュージーランドは西岸海洋性気候に含まれるが、東海岸側と西海岸側とでは植生が全く違う。ツソックと言われるイネ科草本に覆われる東海岸と、南極ブナと言われる広葉樹に覆われる西海岸は、南北に連なるサザンアルプスによって分かれる。タスマン海からの湿った風は、山脈に当たり、西海岸に多量の雨を降らせる。そのため、林床にはシダや蘚苔類、地衣類、キノコ類が繁茂する。
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Sphagnum cristatum  ミズゴケ
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                    ミズゴケもそのひとつである。その水苔は今は持続可能な形で採種され、日本を含む世界各国に輸出されている。
                                                                        
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ミズゴケ採取の様子


            Besgrow社ホームページより

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Bryum sp
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総集編 その1

    COVID-19 の世界的蔓延と言う事態に遭遇し、急遽帰国し一週間が過ぎた。自己隔離を実施中なので、さらに一週間家に閉じ籠るつもりでいる。この間を利用して旅の「まとめ」を行っている。

    ニュージーランドは、早期に南極大陸やオーストラリア大陸から分離しできた島々で、生物相が独自に進化したため、固有種が多い。少数のコウモリ以外哺乳類がおらず、地上で生きる道を選び、飛ぶことを放棄した種ものも少なくない。9世紀にマオリが来島するまでは人間もおらず、捕食者が少なかったためか、警戒心の薄い鳥も多い。中には好奇心旺盛で人の周りから離れないものもいて、スマホでも簡単に写真が撮れる。
    今日は、そんな写真をアップしようと思う。

        
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  英名:South Island Fantail 
            マオリ名:Piwakawaka 
和名:ミナミジマハイイロオウギビタキ 
学名:Rhipidura fulginosa fuliginosa

 ニュージーランドでは、多くの固有動植物に、英名とマオリ名が付いている。どちらがより一般的かは、種によって異なるようだ。また学術的には学名が使われ、日本人には和名の方が親しみ深い。ここでは、この順で名前を記していこうと思う。
 この小鳥も好奇心旺盛で、歩いているとチュ、チュと鳴きながら周りを飛び回る。The Old Ghost Road Trailの山の中で出会ったが、クライストチャーチの住宅街でも見られるという。
 

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     South Island Robin Tou Touwai
               ミナミジマロビン                Petroica australis australis  
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 この鳥、出会った中で最も警戒心がなく、好奇心の強い小鳥だった。The Old Ghost Road Trailで自転車を押し歩いているとついてくるし、Around The Mountain Trail のLake Mavora のキャンプサイトでは、停めた自転車のハンドルにまで乗っかって来た。

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    Mountain Parrot     
             Kea   ミヤマオオム 

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   WoodhenW  Weka 
              Gallirallus australis 
          ニュージーランドクイナ 
 ニュージーランドの代表的な飛べない鳥は、キュウイだ。しかし、夜行性のキュウイを見ることはまず不可能だ。同じように飛べない鳥のウエカは、草地や低木林を棲家としており、公園などで比較的簡単に見ることができる。沖縄のヤンバルクイナは北限の飛べないクイナで、ウエカは、南限の飛べないクイナである。

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           Tui    Tui   エリマキミツスイ 
          Prosthemadera novaeseeandia
 英名もマオリ名もTuiである。和名が示すように蜜が主食の鳥である。カラスのように黒い羽は、緑や紫色に輝いて見える。胸元の白い房が印象的な鳥である。

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    Australasian swamphen 
   Pukeko オーストラリアケイセイ 
         Porphyrio porphyrio melanotus
 この鳥は、固有種ではなくオーストラリアにもいる在来種である。ヨーロッパ、アフリカ、アジアなどにいるケイセイ(鶏青)6亜種の内のひとつである。公園などの草地に生息するので、よく見かける鳥である。飛ぶこともできるが走りが得意で、飛ぶ姿は、めったに見られない。プケコによく似た赤い嘴で青い羽のTakaheという飛べないニュージーランド固有種がいる。このタカへの先祖種は、1億万年前に渡ってきたプケコだと考えられている。

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Paradise duck     Puyakiyaki     Tadorna variegata    クロアカツクシガモ

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       マガモ?
 上の二種は、カモの仲間である。環境保護局(DOC)のキャンプサイトがある湖のほとりには、多くのカモの仲間がいるが、人を恐れることもなくテントサイトを歩き回っている。

    南半球のニュージーランド、北半球の日本、同じ島国で比較されることも多いが、鳥類の固有種の数では、NZに軍配が上がるようだ。しかも警戒心が薄い種類が多く、大きな望遠レンズが無くても、そこそこの写真が撮れる。

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