働く女性の頭のなか―彼女はなぜ、突然泣き出してしまうのか?
著者:大竹 のり子
販売元:PHP研究所
発売日:2006-11
おすすめ度:
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女性の扱いに困っている全ての男性へ(笑)
働く働かないにかかわらず、何かをまじめに頑張っている女性を理解するにはとてもいい本です。具体案もちょこちょこ載っていますが、心構え本としてもサクっと読めます。女性には、自分を素因数分解するのにいいかも。
アスペルガーどうこうを置いておいて、根本的に日本の企業社会はホモソーシャル、同質的だと言われます。大企業であればあるほどそうでしょう。同じように教育を受け、同じように新卒で入った男性社員達の軍団な訳です。中途入社の人や女性は、どうしてもマイノリティになります。
マイノリティサイドにおかれると、どうしても情報弱者になります。「気の合う」人とつるみたがり、「気を使う」人とはつるみたくない。そういう人の方が一見打たれ弱そうですが、なぜかそっちの方が情報面で有利という不思議な構造が生まれてしまうんですね。
これは普通に、学校のクラスでも起きてしまうんですよね。マイノリティな子が友達の輪から外れていく。まぁ、我々がクラスで味わってきたようなああいうのですよね。派手なイジメとかはなくても、なんかこう、っていう。
他文化、他者理解に対する障壁が高く、教わる機会にも恵まれないで育つ子供が多い現状、仕方ないのかなとも思いますが。ムラ社会における「よそもの」になってしまう。そして「しきたり」を教えてもらえない。これが我々が幼少期、成人期に体験する最大のハンデではないかなと私は思います。
でもよそものだからって、他に行くところもないわけで。ここで生きていくしかないんだぞと、腹をくくるしかないわけで。
ホモソーシャルと言われるビジネスマン社会に、こうして殴りこんでいっている女性達も、言ってみればこちら側に立たされているわけです。では彼女たちはどうやって成功を収めているか。
それは、「魅力的でいること」。
かつては社会に出る=女を捨てる、つまりホモソーシャルに迎合するというのが当然だったのでしょうが、今ブームを起こしている勝間さんなどは、逆に女であることをうまく利用しています。支持者に女性が多いこと、そこまでがんばれないよ、っていう内容が主張に含まれている点で個人的にはちょっと惜しい。ただ、「社会に自分の価値を認めさせた」やり方は非常に参考になります。
結局のところ人間は、自分にとって居心地のいい人間が好きなのです。前向きに頑張ること、そうすれば男性社会でマイノリティ側に立たされてきた女性も支持される。それも男性の足を引っ張るような方法ではなく。お助けします、というニュアンス付きで。そのための具体策を提示までした彼女は多くの人にとって居心地が良かった。そして新しいコンテンツを模索していた広告会社などの目にとまった。そういうことなんだろうなと私は考えています。
ただ、問題はホモソーシャルなマジョリティサイドがどこまでこの流れを許容できるか。彼らは実は、単体ではあっけないほど弱い。だから、群れる。群れの調和を崩されるのを恐れている。自分たちが不文律として従ってきた物を打ち壊すのは、いつだってマイノリティの挙げた強い声だ。
強そうにふるまう人ほど、怯えている。強くない自分を知っているから。
恐怖ほど人間の判断力を鈍らせ、防衛本能としての先制攻撃を命じる感情は、ありません。
その見えない壁を「魅力的」であることで果たして突破できるのか。
私たちがこれから発達障害当事者として声をあげるなら、まずこの戦いの結末を見届けておかなければならないのではないか。そう思います。
などと言いつつ、自分も割と保守的なマジョリティの一部に過ぎなかったりもするんですよねぇ・・・・・・・
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↑ようやく貼れました・・・・
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女性の扱いに困っている全ての男性へ(笑)
働く働かないにかかわらず、何かをまじめに頑張っている女性を理解するにはとてもいい本です。具体案もちょこちょこ載っていますが、心構え本としてもサクっと読めます。女性には、自分を素因数分解するのにいいかも。
アスペルガーどうこうを置いておいて、根本的に日本の企業社会はホモソーシャル、同質的だと言われます。大企業であればあるほどそうでしょう。同じように教育を受け、同じように新卒で入った男性社員達の軍団な訳です。中途入社の人や女性は、どうしてもマイノリティになります。
マイノリティサイドにおかれると、どうしても情報弱者になります。「気の合う」人とつるみたがり、「気を使う」人とはつるみたくない。そういう人の方が一見打たれ弱そうですが、なぜかそっちの方が情報面で有利という不思議な構造が生まれてしまうんですね。
これは普通に、学校のクラスでも起きてしまうんですよね。マイノリティな子が友達の輪から外れていく。まぁ、我々がクラスで味わってきたようなああいうのですよね。派手なイジメとかはなくても、なんかこう、っていう。
他文化、他者理解に対する障壁が高く、教わる機会にも恵まれないで育つ子供が多い現状、仕方ないのかなとも思いますが。ムラ社会における「よそもの」になってしまう。そして「しきたり」を教えてもらえない。これが我々が幼少期、成人期に体験する最大のハンデではないかなと私は思います。
でもよそものだからって、他に行くところもないわけで。ここで生きていくしかないんだぞと、腹をくくるしかないわけで。
ホモソーシャルと言われるビジネスマン社会に、こうして殴りこんでいっている女性達も、言ってみればこちら側に立たされているわけです。では彼女たちはどうやって成功を収めているか。
それは、「魅力的でいること」。
かつては社会に出る=女を捨てる、つまりホモソーシャルに迎合するというのが当然だったのでしょうが、今ブームを起こしている勝間さんなどは、逆に女であることをうまく利用しています。支持者に女性が多いこと、そこまでがんばれないよ、っていう内容が主張に含まれている点で個人的にはちょっと惜しい。ただ、「社会に自分の価値を認めさせた」やり方は非常に参考になります。
結局のところ人間は、自分にとって居心地のいい人間が好きなのです。前向きに頑張ること、そうすれば男性社会でマイノリティ側に立たされてきた女性も支持される。それも男性の足を引っ張るような方法ではなく。お助けします、というニュアンス付きで。そのための具体策を提示までした彼女は多くの人にとって居心地が良かった。そして新しいコンテンツを模索していた広告会社などの目にとまった。そういうことなんだろうなと私は考えています。
ただ、問題はホモソーシャルなマジョリティサイドがどこまでこの流れを許容できるか。彼らは実は、単体ではあっけないほど弱い。だから、群れる。群れの調和を崩されるのを恐れている。自分たちが不文律として従ってきた物を打ち壊すのは、いつだってマイノリティの挙げた強い声だ。
強そうにふるまう人ほど、怯えている。強くない自分を知っているから。
恐怖ほど人間の判断力を鈍らせ、防衛本能としての先制攻撃を命じる感情は、ありません。
その見えない壁を「魅力的」であることで果たして突破できるのか。
私たちがこれから発達障害当事者として声をあげるなら、まずこの戦いの結末を見届けておかなければならないのではないか。そう思います。
などと言いつつ、自分も割と保守的なマジョリティの一部に過ぎなかったりもするんですよねぇ・・・・・・・
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