打倒!インデックス投資

資産運用業界の片隅から、相場の見通しや経済への考えを語ります。個別銘柄でなく、グローバル経済・マルチアセットを絡めたβ戦略が基本です。 個人的な資産運用はETFと投資信託のみを使い、アクティブな資産配分でインデックス投資における「BUY&HOLD」を超える資産の成長を目指します。 twitteer @hippoasset 

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基準価格(2015年末を10000とした時の価格の推移)
※2017年末基準BMは、2017年末スタートと仮定してBMと比べたものです。 
※当ファンドは個別株なし、指数のアロケーションのみを使い、税引き後でGPIFをアクティブに上回れるかを個人資金で検証するファンドです。

3月のファンド収益率は+1.43%でした。 ベンチマークである仮想GPIFポートフォリオは+0.54%でしたので、ベンチマークを約0.9%アウトパフォームしました。(2/28~3/31の収益率) 
アロケーション効果は内外債券のUWがマイナスに影響しました。選択効果はEM株式のOWがマイナスに影響しました。トレーディングについては、国内株式の戦術的ショートがプラスに影響しました。 

今月は先月とは様相が異なり、株式については概ねフラットから小幅上昇といった形で、大幅な金利低下による債券価格上昇やリートの上昇が目立ちました。
金利低下の要因については、経済指標はマチマチではあるものの、ECBが成長見通しを大幅に引き下げて利上げをギブアップし、早期のTLTRO導入を決定したことや、FEDが早期BS縮小を示唆したことが挙げられます。一方で逆イールド発生による景気後退懸念が意識され、株式については金利低下幅ほどの追い風はありませんでした。
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政治面では米中貿易交渉結果が後ろ倒しになったほか、Brexit関連で合意案投票が否決され続けるなど、ネガティブなヘッドラインが目立ちました。一方で、4月からは中国でVAT引き下げがあることなどはプラスに働きました。

金融政策については足元FEDの利下げが織り込まれており、小さなところではRBNZなども含め各国がハト化している現状で、金利は上がりにくい環境が続くと想定されます。株のバリュエーション修正は先月の見通し通り天井圏であり、これ以上の株のラリーは業績がついてこない限りは苦しいと考えられます。リビジョンを見てみると、底を打ったような雰囲気もあるものの、未だ低位であり、製造業主導で業績悪化の懸念は根強いと考えられます。一方で半導体など、悪材料の織り込みが一旦済んだように見える企業もちらほら見え始めました。
そのような中で米国は1Q決算、日本は通期決算を控え、業績を見極めようと動意の薄い展開になると想定しています。

ファンドについては、先月と変わらず足もとの株高はファンダメンタルズを反映していないと考えており、弱気バイアスのポジションを維持しようと考えております。一方で、今朝の中国のPMI改善や政策効果への期待を勘案し、リスク資産は基本維持でタクティカルにショートをしようと考えております。為替はドル安維持ですが、一旦ギブアップしようと思います。

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基準価格(2015年末を10000とした時の価格の推移)
※2017年末基準BMは、2017年末スタートと仮定してBMと比べたものです。 
※当ファンドは個別株なし、指数のアロケーションのみを使い、税引き後でGPIFをアクティブに上回れるかを個人資金で検証するファンドです。

2月のファンド収益率は+1.3%でした。 ベンチマークである仮想GPIFポートフォリオは+2.3%でしたので、ベンチマークを1.0%アンダーパフォームしました。(1/31~2/28の収益率) 
アロケーション効果は内外株式のUWがマイナスに影響しました。選択効果は債券領域における高利回り債のOWがプラスに寄与しました。トレーディングについては、国内株式の戦術的ショートやドルショートがマイナスに影響しました。 

今月も先月に引き続きグローバルに株価が上昇し、特に海外株については12月の下げはなかったことになり一部新興国は昨年6月来の高値を取り返してすらいます。
要因についてはFEDが早期BS縮小を匂わせるなど金融政策については当面ハト化が続く見通しであるほか、一部の経済指標が持ち直したことや決算の無難な通過で企業業績への過度な不安が後退し、センチメントが改善したことが最も大きいと考えられます。事実、予想EPSはフラットかやや低下気味ながらバリュエーションが拡大したことが今回の上げのほぼ全てであることからそれが伺えるように思います。
政治面では米中貿易交渉も関税賦課の延期が決定されるなど概ねポジティブに推移しており、また、中国経済についても全人代を控えて更なる経済対策が期待されていることが景気へのプットとして作用している格好です。

インフレ期待も低下しており、金利が上昇しない中で株のバリュエーションが拡大していくゴルディロックス・金融相場となっています。足もとFEDの利上げ織り込みはほぼ0回まで低下しており、またECBも相次ぐ欧州の経済指標悪化を背景に利上げは不可能とみられていることから、昨年懸念されていたグローバル流動性枯渇のリスクはほぼなくなったとみなされており、低金利の中で株式などのリスク資産に再びお金が回帰している状態です。また、VIXに代表されるボラティリティ指標も軒並み低下しており、リスクパリティやCTAなどモメンタムプレーヤもこの流れに乗っています。
つまり1月は総悲観からのリバーサルであったものが、2月は金融相場+ボラ低下によるモメンタム発生+中国プットで想定以上のバリュエーション拡大をもたらしているというのが印象です。実際問題、PERなどはすでに長期平均に回帰しており、指標面での割安感はだいぶ薄れたように思われます。

ファンドについては、足もとの株高はファンダメンタルズを反映していないと考えており、向こう3カ月程度は引き続き弱気バイアスのポジションを維持しようと考えております。一方で、選択面では中国を中心とした新興国及び米国資産へのOWを継続しようと考えております。為替はドル安維持ですが、年度跨いでダメだったらちょっとギブアップかなとも思います。

無題
基準価格(2015年末を10000とした時の価格の推移)
※2016年末基準BMは、2016年末スタートと仮定してBMと比べたものです。2017年も同様 
※当ファンドは個別株なし、指数のアロケーションのみを使い、税引き後でGPIFをアクティブに上回れるかを個人資金で検証するファンドです。

1月のファンド収益率は+4.6%でした。 ベンチマークである仮想GPIFポートフォリオは+2.9%でしたので、ベンチマークを1.7%アウトパフォームしました。(12/31~1/31の収益率) 
アロケーション効果は全ての資産クラスがプラス寄与しました。選択効果はEM資産のOWがプラスに寄与しました。トレーディングについては、国内株式の戦術的ロングや原油のトレードがプラスとなりました。

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今月は、世界的に株価が大きく上昇しました。
年初こそ、米国のISMが悪化して株が売られたほか、アップルの下方修正等が報道される中で日本が休日の中でドル円が一時104円を付けるなど荒れる場面がありました。しかしながら、好調な米雇用統計を背景に株式市場が改めて米景気の強さを確認したことや12月末の行き過ぎた売りの買い戻し、中国の財政刺激や貿易交渉進展期待、そしてハト化したFEDなどの材料を背景にリスク資産全体としては単月で2年ぶりの上昇を演じました。
また今回はドル安を伴う株高だったので、新興国の資金流出懸念が和らぎ、特にフラジャイルな地域のEM株が大きく上昇しました。
足もと米企業の決算が始まっていますが、こちらも一旦は悲観を織り込んだ形となっており、期待が下がっている分ある程度ポジティブなネタには素直に反応しているように見受けられます。一方で円株については為替がやや円高に振れる中で他市場比較では物足りない戻りになっています。

ファンドについては、年初のショートカバーにうまく乗れたことや戦術的なポジションのクローズを機動的に行ったことが幸いし、超過収益を獲得することができました。一方で1月の戻しは短期的であり、どこかで2番底を付けに行く場面があるという期待の下、2月もロングは自然体、ショートで機動的に株式エクスポージャーを調整するスタンスで臨もうと思います。また、どこかでドル安がはっきりとトレンド化すれば乗りたいと思います。

私は毎年年末になると11月末~12月半ばに発行される各証券会社の来年見通しのレポートなどを確認して来年のコンセンサスを整理しておくのが恒例にしている。
しかしながら、今年は年末にとんでもないクリスマスプレゼントが来てしまい、「景気後退は2020年」と言ってやや楽観的だった市場参加者はまとめてお寒い年末年始を過ごすことになってしまい、また、証券会社のハウスビューはほぼ全部書き直しを強いられそうな結果となった。とはいえ、それでも資産間の相対感や織り込まれているストーリー程度であれば確認して置く意義はあると考える。

なおコンセンサスとはいいつつ、あくまでも私が感じている範囲内であり、決して正確性やリアルタイム性を反映しているわけではないことはご了承願う。特に、参照している証券会社のレポートのいくつかはクリスマスショックを織り込んでいないことは注意が必要である。
また、資産一般について話す場合、特段の断りがなければ米国を念頭に置いている。


【株式/全体観】
多くの参加者は、世界経済の成長は2020年に向けて減速に向かい、株式のリターンはそれほど大きくないが、しかしプラスリターンを確保できると考えている。概ね5-10%前後のリターンで、足もと予想されるEPS成長+配当に沿ったものであるという認識だ。(しかしながらクリスマスショックの暴落は来年の0%成長を織り込んでいるように見える。)

・一方で、昨年の今頃は割高感満載だったバリュエーション(PERなどの指標)は割安状態にあり、下値への警戒はある程度解消されているという意見が多い(クリスマスショックも含めれば、彼らのうちの幾人かはこのトーンを強めるだろう)。また、FRBの利上げが最終局面に来ているという点もバリュエーションのこれ以上の調整を阻む要因との声がある。

・これらの点から、まだ株式をショートすべきではないという意見が多く、引き続きややブル目線が多い。しかし、リスクは下方に偏っており、バリュエーションが拡大するとみる人はほぼいない。またボラティリティは高く推移することが想定されており、ベタっと持つにしてもストレスフルな環境になると見込まれる。

【株式/国別】
・国別のアロケーションでは、消去法的に米国をマイルドにOWする向きが多いが、EMを推す声も聞こえる。理由としてはFRBの引き締めの終わりが見えてきたことで後述するようにドル安が見込まれること、バリュエーション面では極めて割安な地域であること、中国は財政政策による景気浮揚が期待できることなどがある。貿易戦争については、リスクは織り込まれており、何らかの合意に至るというのが期待されている。なお、「お前ら去年もバリュエーションでEM推してなかったか」というツッコミは野暮である。

・欧州については基本的には政治的な混迷がとにかく嫌気されている。独伊に加えて、ここにきてフランスもまずいことになってきたためユーロ内で内政がまともな国を探す方が難しくなっている。また、域内の産業として自動車や金融のウエイトが高く、指数に景気敏感株が多いこともマイナス要因だ。また、ECBが量的緩和拡大を終了し、年末にかけてマイナス金利の解除に入る観測があることもネガティブ視されている。OW方向を見る向きは、バリュエーションを頼りにしているか、逆張りが効く環境を想定している。

・日本については、欧州よりマシだが、OWするかどうかは疑問といったスタンスだ。世界的な引き締めブームの中では珍しく中銀のサポートが途切れないことが唯一のプラス材料ではあるが、10月に増税を控えていることや資本財などシクリカルセクターが大きく、世界景気減速に伴う影響が大きいことなどからリスクも大きい。確かにバリュエーションは相当程度割安なので、そこを信じきれる手合いはOWを推奨している人もいる。

【株式/セクター/スタイル】
・セクターについては、意見が分かれるがクォリティを選好する向きが多く、景気が減速する中ではこうなるだろうとは思われる動き。インフレによるマージン悪化に懸念があるため労働集約的なセクターは避けられるほか、世界景気との連動性の低いグロース銘柄が選好される見込み。

・悩ましいのはディフェンシブ/シクリカルである。ディフェンシブに強気派は、景気後退をより強く懸念し、シクリカル銘柄の減益を織り込んでいる。一方でディフェンシブに弱気派はバリュエーション格差がすでに過去最大級であり、明確な景気後退に入る前にここまでの状態になるのは異例であると指摘する。また、金利が上昇する中で高デュレーションのディフェンシブは買いにくいという声もある中で、両論拮抗というところ。ディフェンシブ/シクリカル内での工夫がいるだろう。

・シクリカル内では利益率の高いITセクターが選好される傾向にあるほか、エネルギー・素材という意見ある。素材系はインフレ予想からというところか。

・ディフェンシブ内ではヘルスケアが一番人気に見える。公益・不動産はリスクオフ対応ではあるが、金利上昇懸念見合いであることや、不動産価格の低下が懸念されていることから賛否がある。

・グロース/バリューはバリュー優位の意見が多い。この10年間、QE環境下で不遇であったバリューだが、この先のQTに伴う調整である程度その差が解消されるとの見込みだ。また、配当やキャッシュ比率などのクォリティも支持されている。低ボラファクター今年の一年では好調であったが、クラウディングによるリバーサル懸念か、人気がない。

【債券】
強い雇用情勢を背景に、インフレのアップサイドリスクが大きい。

世界的に中銀は正常化に向かう。FED,ECB,BOJの3中銀の資産買入額(ネット)は2019年にマイナスに向かう見通しであり、流動性は低下し続ける。

・また、来年は利上げする中銀も多いため、世界的に金利は上昇する見込み。

・一方で、世界景気の減速懸念は金利の上昇を抑える見込み。足もとの供給過剰懸念による原油価格の下落もインフレ率の上昇をマイルドにする見込みだが、コンセンサスベースでは原油価格がこれ以上の下がるという弱気派は少ない。

・FRB:12月初時点では2019年は2-4回のレンジであったが、足もとは0-2回のレンジに引き下がっている。とはいえ0回の織り込みもあるがそれは流石にやりすぎで、順当にいけば2回か。貿易戦争の影響次第だが、リスクは下方向。

・ECB:QEは予定通り12月で終了し、来年はマイナス金利政策終了が観測されている。10月にドラギ総裁が退任する見込みであり、退任前に1回利上げするのではないかとの声もある。マイナス金利さえ解消すればその後の継続的な利上げはないと見込まれるので、もしそうであれば欧州銀には意外とプラスではないか。

・BOJ:増税を控えていることもあり、政策変更は難しい。一方で、買い入れ額が減っているのは周知されており、テーパリングは着々と進行。ただ、ETFの方をどうするのかは不透明感がある。

・その他:BOC、ノルゲスバンク、リスクバンク等利上げ方向の中銀が多い。ドル高一服とインフレ鎮静でフラジャイルな新興国は通貨防衛の利上げを一旦ストップできる環境か。

・結果、USTについては上値のめどは3.25%程度、キャリーもあるので、金利が上がったとしてもトータルリターンは先進国内ではマシとの見方。BUNDsはやや上昇見込みで0.8%との意見もあり、選好度が低い。われらがJGBについては0~20bpと意味があるのかないのか分からない予想である。とにかく、特に動く見通しはないということだろう。EMについてはローカルカレンシーはやや脆弱もハードカレンシーであれば投資妙味アリとの意見も。

クレジットはあまり意見が分かれず、圧倒的に弱気の意見が多い。理由としては、QTによる金利(+スプレッド)上昇圧力、発行市場の需給バランスの歪み(供給増・需要減)、利払い負担増などによる企業クレジットの影響、景気減速に伴う格付け低下懸念などが挙げられる。株に強気でクレジットに弱気というのも意味不明だと思われようが、株を企業価値に対するコールオプションの買い、社債を企業価値に対するプットオプションの売りと捉えた場合、デルタの符号は同じであるが、ベガに対する符号が違う。そのため、株に強気で社債に弱気という主張を合わせると、来年は企業価値のボラティリティが上がるという解釈になる。

【為替】
圧倒的にドル安見通しが多い。理由としては、FRBの引締め路線に終わりが見えてきたからというのが一番である。また、単純にREER的に高いとか、テクニカル的に高いだとか、財政面から売りだとかいう意見も少数ある。いずれにせよ、2018年はドル高であったので、来年はその逆になろうという主張だ。

・ユーロについては年後半の利上げ期待がドライバー。リスクは政治。米国との成長率格差は改善見込みでECBの政策下方リスクは少ない。

・円については、大きな円ショートポジションのアンワインドが目下のリスク。政策変更はまずありえない。市場のボラティリティが高まる中で、低インフレ通貨であることも通貨高を促す恐れ。

・豪ドルは中国の景気リスクや国内のインフレ動向を考えるとRBAが利上げに動くことは難しく、伸び悩む。

・EMについては、FEDの利上げが止まることがはっきりすればドル安見合いで強くなるとの想定。ここまで売られ過ぎていたということも買い材料。
・ただ、米国の金利が高いこともあり、全体的にそこまで大きく動くことを想定していない
※書いてる途中にドル円が暴落しました・・・スピード感のなさを大いに反省します

概ね、
株式市場は「高いボラティリティが続くも、バリュエーションは既に十分に割安であり、リスクは織り込まれている。リセッションはまだ先であり、売るほどでない。ただ、リターンは低めなので、PL/BS面でのクォリティを選好。中小型・ボロ株が上がるような相場ではない。」

債券市場は「インフレのアップサイドがリスクであるが、米については利上げの終わりが見えてきているためUST選好。クレジットは弱気。全体的に指数レベルではなかなか儲からなそう。」

為替市場は「ドル安が主要なドライバーだが、動意の薄い展開。αがあるとすれば利上げする先進国通貨を取るかどうかだが、現状金利の高いドルを捨ててあえて他に行くのも筋は悪い。」

といった感覚にあるように見受けられた。

2018年は株式・債券については久しぶりに苦しい年となった。その原因は前半はインフレ⇒金利上昇⇒ボラティリティ上昇、後半はそれに加えてQTがついに効いてきてバリュエーション調整が発生したということころだろうが、それぞれの(特に債券)市場の今年のコンセンサスからは「流石に調整はもう終わりにしてほしい」という願望が透けて見える。

政治については、貿易戦争やBrexit、欧州政治動向などが来年の懸念であり、年前半に集中して日程が入っているが、市場には「まぁとは言え何だかんだ解決するんでしょ」感があるように思える。貿易戦争については中国側が折れざるを得ないという分析のほか、関税の発動は一旦12月の合意前に織り込みに行っていたという指摘もあるなど、やや以前よりこなれてきている感はある。(それ以前に米国の足元がふらつき始めてそれどころではないというのもあるだろうが)

マクロ経済についてはほぼ全員が2020年にかけての減速途中であるとの見通しである。その割には株は強気にも思えるが、確かにバリュエーション調整自体はかなりの程度進んでおり、2016年前半以上に売り込まれている。あの時も中国理財商品やらドイツ銀やらトドメにBrexitやらであわやリセッションかと思いきやトランプ当選で(実際はその少し前から)景況感は底入れし、上昇相場に繋がった。そのため、今回の景気後退も深刻なリセッションにはつながらず、一時的な調整に終わるという声もある。
また中国を除けば全体的には米国一強が修正され、政策的な乖離の少ない中で、多くの国が潜在成長率並みの水準に回帰するとの見通しだ。


さて、ここまで書いたのはマーケットコンセンサスだ。昨年と同じことを言うが、1つだけ言えることは年初の期待(予想)などほとんど当たったためしがない。
全員が懸念していることは起こらないし、逆に誰もが予想しなかったことが必ず起こる。

昨年も「売る理由はないが楽観的に過ぎる」と書いたそのすぐ後にVIXショックが発生した。
終わってみれば確かに低ボラ環境下でポジションがボラ売り戦略に集中していたこと、リスクパリティやボラティリティターゲットのようなファンドの残高が非常に大きかったことなどから、起こるべくして起こったように見える。しかし、2017年後半のブル相場や2018年初のメルトアップを経てほぼ全員が「売る理由なし」に転換していたことを思えば、それを当てるのはやはり難しかったように思う。(仮に思いついていたとしてもそれ以前に踏まれており、市場から退出している)

今年は景気減速が予測に入っており、そういう意味では昨年よりだいぶ保守的な見通しである。もちろん、当面はボラタイルな展開が続こうが、バリュエーション調整も10-12月で相当程度進行したことや景気後退リスクを大分織り込んでいることを思えば、個人的には年後半に今回の景気サイクルの底が見えるにしたがって投資環境は回復していく可能性も十分あると思っている。また、雇用環境が強く賃金が上昇傾向にあることは個人消費にプラスであり、個人消費が思いの外底堅くなる可能性もある。
一方で、米国については成長率の発射台がまだ高いことや中国の構造的な成長率低下は避けられないこと、そして何よりQTが始まっていることを考えれば、2割くらいの確率で深刻なリセッションに陥る可能性も否めない。
日本市場については、世界景気減速に加えて増税が控えていることや、中銀の追加対応がまず不可能なことを考えると株式のアップサイドはなかなか見込みづらい。足もとの生産動向を考慮すれば米国よりリセッションリスクは高く、株式は引き続きタクティカルな対応が必要だろう。

というわけで、今年については個人的には前半は悲観・後半は懐疑の中での根固めパターンを念頭に置きたい。年前半は景況感が悪くなっていく中で株の上値がさらに重くなる+世界的な流動性低下により、2018年後半のような相場が続くと見込まれる。早ければ米1Qか2Qの決算が出たあたりでEPS成長マイナスが見え始め、景気後退が全員の目に明らかになるあたりでクレジットや株式は総悲観を迎えるだろう。後半戦(年末よりのイメージだが)は2020年大統領選挙が見え始めることで政策対応期待や、景況感の減速サイクルの一服、利上げサイクルの終焉などを背景に、相場が底入れすると見込む。
リーマンショックのような金融市場がクラッシュするようなシステミックリスクやITバブルのような極端なバリュエーション拡大は今のところは観察されていないため、半値レベルの下落は一旦は想定の外に置いている。つまり、リセッションは深刻にはならない。

リスクとしては、
・貿易戦争が解決せず、企業収益の悪化が想定以上に続くこと
・それが雇用情勢に影響すること
・インフレが想定以上に強く、中銀の利上げペースが加速してしまうこと
・中国の政策対応の効果がなく、景気後退が深刻化し、景気の循環的な回復を阻害。長期停滞に突入。
・株安が想定以上の逆資産効果を発揮し、個人消費が落ち込む。
あたりだろうか。

また、テールのイベントとしては
・企業債務がかなりのレベルまで拡大していることから、金利上昇と景気後退によって企業の資金繰りが悪化、銀行はPE向け貸し出しが焦げ付き融資余力が低下しており、結果的に資金調達が追い付かず連鎖倒産発生
・金融危機以降、金融機関の自己勘定は相当程度規制されており、今の市場の資金源はファンド勢であることから、儲からなくなった個人の厭市場感の高まりから(オープンエンド)ファンドの解約が連鎖し、低流動性資産を中心に流動性がひっ迫。自己資金組も減損リスクの高まりに伴い投げ売りが発生し、市場がクラッシュ
といった感じだろうか。

とはいえ、先ほども書いたが年初の予想などまずあたらない。ほとんど願望か意気込みのようなものなので、ストラテジーの策定というより、今の市場のお気持ちくらいに捉えておくのが無難だろうと思われる。

無題

基準価格(2015年末を10000とした時の価格の推移)
※2016年末基準BMは、2016年末スタートと仮定してBMと比べたものです。2017年も同様 
※当ファンドは個別株なし、指数のアロケーションのみを使い、税引き後でGPIFをアクティブに上回れるかを個人資金で検証するファンドです。

12月のファンド収益率は-7.2%でした。 ベンチマークである仮想GPIFポートフォリオは-4.9%でしたので、ベンチマークを2.3%アンダーパフォームしました。(11/30~12/31の収益率) 
アロケーション効果は全ての資産クラスがマイナス寄与しました。選択効果はEM資産のOWがプラスに寄与しました。トレーディングについては、国内株式の戦術的ロングや原油のロングが大きくマイナスになり、トータルでマイナスとなりました。
年間ではファンドが-6.1%,ベンチマークが-7.5%でしたので、3年連続でベンチマークをアウトパフォームしました。

無題2

今月は世界的に株式市場が軟調となった10月とほぼ同程度の大幅下落に見舞われました。
下落の要因としては、米国の景気減速懸念、今年パフォーマンスが軟調であったリスク資産の解約売りによる流動性懸念、市場予想よりハトにならないFRB、タリフマン発言など相変わらず市場を感じないトランプ氏による舌禍、政府閉鎖懸念、CLOなどクレジットスプレッドの継続的なワイドニング等ですが、今のところこれだというハッキリしたコンセンサスはなく複合要因とみられています。また、原油価格も引き続き軟調ですが、減産うんぬんよりも需要面での懸念が強まっている印象です。

ハッキリしているのは、今回は震源地が中国ではなく米国であるということで、そのため新興国より先進国を中心に多くのリスク資産の価格が低下しました。特に米国は月末4日で8%落ちてVIXが終値で35ポイントを超え多と思えば次の1日で1000ドル上げるなど、通常おとなしい12月にしては非常に荒れた1月となりました。値幅も上下500ドルくらいは平気で出るようになり、市場のボラティリティは高原状態が続いています。

ファンドについては、下旬からクリスマスラリーを期待して株式指数の戦術的ロング、原油の反発期待でロングを行いましたがいずれも逆行したことや、年末の資金投入を控えてTE縮小のためUWを解消に向かったことがアダになり、ベンチマークをアンダーパフォームしました。暦年ベースでは超過収益を確保したものの、今年は後半戦が安定せず、指数が9月に最高値を付けながら12月に最安値をつけるなどボラティリティが激しい中、機動的に動けなかったことが反省点です。

来年の見通しについては別記事で書きますが、今年以上に難しくなりそうで悩ましいです。しかしながら、景気後退に入る中で中長期のベータ部分でリスク資産を逆張り的に積み増そうと考えていますので、来年末はリスクが資産OWの姿になっていると思います。

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