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かつての形へ。

マカロニの穴の空いている部分がパスタなんだと思う。

もともとパスタとはマカロニ程の太い麺のことを指したのだが、時代の流れで細い麺の需要が増えた。
そこで、内側をくり抜いて新しく細いパスタ作り、残りの外側部分をマカロニと呼ぶようになったのだ。
つまりマカロニはもともとパスタであった。以上が僕の仮説である。

ならば、マカロニをパスタにしてみよう。
かつての名を失ってしまったマカロニに、再びパスタという地位を与えてやろう。




地位復権

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この穴ですよ。


今ではマカロニは短く切られ、そこにパスタの面影はない。しかしかつて、この穴の中にパスタが入っていた。
試しにパスタにマカロニを通してみよう。

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パスタ2本でぴったり。

まるで元あった場所に戻るかのようにマカロニはすんなりと通った。断面を見ると、やや空間は残っているがほぼ生地で埋まっている。
マカロニをパスタにするには、パスタの長さだけマカロニを通してやればよいのだ。


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連結。

5,6本のマカロニが順調に入った。切り口はすべて同じなので、マカロニ間の隙間が空くことはない。


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極太麺(通常比5倍)。

パスタだ!やや曲がっているマカロニがあったせいか、すでに茹でた後のように全体として曲がっているが、風貌は完全にパスタである。
このパスタ麺を量産して茹でれば、マカロニパスタがきっと完成する。

しかしこのパスタ麺、当然だが市販されていないので一本一本手作りだ。マカロニにパスタを通すという、 調理実習の間の暇つぶしをする中学生くらいしかやらなそうな行為を延々と続ける。

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こういう内職。

やや曲がっているマカロニも無理に通していたので、頻繁に「パキッ!」「パキッ!」とあまりよろしくない音が聞こえた。一本のパスタとして成立しているが、満身創痍である。茹でる時にバラけないことを祈る。
約40分の作業で必要な分を作った。

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意思を持つパスタ達。

本数的には少なそうだが、なにせ一本あたりの重量が違う。おそらく、普通のパスタ1,5束ぶんの量はある。

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中身も詰まっている。

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竹林。 

さあ、茹でよう。これが一番不安な所だ。湯に入れた瞬間分解して水面にマカロニが浮いてきたら、多分ちょっと泣く。 

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さい箸じゃないのよ。

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おりゃ(手がかぶった)。

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お、パスタっぽい!

いつもパスタを茹でるのと同じように、徐々に全体が湯にひたされてゆく。 分解する気配はない。 
あとはもう普通のパスタと同じ扱いだ。 茹で具合をちょくちょく観察する。

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ちゃんと繋がっている。

問題は、ゆで時間だ。マカロニの内側にあるパスタ部分は、当然茹で上がりにくい。外側のマカロニとは差が出てくる。
「外はサックリ、中はフワフワ!」なんていう食感のギャップは受けがいいが、「外はモッチリ、中はガリッ!(芯)」 というのはノーサンキューだろう。

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一本一本の自己主張が激しい。

今回は、およそ15分程茹でた。パスタにしては間違いなく茹で過ぎである。 ややふとましくなった麺を皿に盛りつけた。 

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白い皿で申し訳ない。

率直な感想を述べてもらっていい。僕も最初そう思ったからそれが正解だ。
これはマカロニの盛り合わせだ。マカロニとマカロニの間が開いてしまっているため、繋がっている感じがまるでない。 

しかしここからである。フォークですくってみよう。

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のびーるのびーる。

麺だ!パスタだ!マカロニだ!なんだ!?
フォークを上げた瞬間、マカロニ達がズズズと連結されて持ち上がった。一本の麺というより、大量のマカロニという印象となったのが少し残念である。

しかしこれで、念願だったマカロニをちゅるちゅると食べることが可能になりそうだ。念願と言ったが、別にマカロニちゅるちゅるをかねてよりやりたかったわけではない。 

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何故わかりにくいカルボナーラを選んだのか。

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フォークで巻いて。

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食べる(太すぎて巻けなかった)。 

思惑通り、マカロニをパスタのようにちゅるちゅると食べる事が可能だった。
食べている間は多少の隙間は気にならず、ほぼ一本のマカロニといっても遜色なかった。長いマカロニをすすって食べるなんて、マカロニ工場の人が道楽で長いマカロニを作っていない限り、僕が初めてだろう。

麺の方だが、柔らかい表面のマカロニとやや硬めの内側のパスタという2層構造に見事になっていて、これが新食感で楽しい。
自分で作った食材で新しい食感を生み出すことが出来たというのはなんだか嬉しいものである。


極太麺誕生へ


これは自信がなかったためおおっぴらには言えなかったが、ペンネの穴の部分もパスタだと思うんですよ。 


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ペンネ。

最初記事にしようと計画した時、ペンネとマカロニを勘違いしていた。「グラタンに入っているギザギザした奴がマカロニでしょ?」という具合だ。だが、スーパーがペンネという名で売っていた時点で、反省すべきは僕なのだろう。

というわけで、次はペンネでやってみることにする。

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今度は5本!

同じようにパスタに通してゆく。穴のサイズがみな同じなので入らないものやブカブカのものがなくて助かる。

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雄々しい姿も、これで一本。

一本作った時点で、なんかどえらいものが出来たように感じた。端の斜め部分同士が互いに噛みあって隙間なく連結されている様子は、本当のパスタのようで気持ちいい。

量産体制に入る。テレビでニッポンの職人を応援する番組を見ながら作業していたので、気分はまるでパスタ作り名人である。

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職人歴30分。 

そうしてまた、必要分作り終えた。

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竹林、成長。

中からかぐや姫が出てきそうな立派な竹のようにも見えるが、残念ながら中はパスタでギッチギチなので女の子の入る余地はない。

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新しいタイプの占いです。

湯に入れた瞬間、恐れていた出来事が起こった。

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あっ。

ばらけた。ペンネはパスタを5本入れても、まだ半本分くらいの隙間があった。そのせいでうまく固定できていなかったのだ。 
一部は取れてしまったが、おおむねのペンネは崩れずに湯に収まった。

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残骸。

そうして茹でていく。前回に比べさらに内部が茹でにくくなっているので、悩んだ結果湯で時間は25分(!)。普通のパスタだったら、気の長いイタリア人でも出てくるまでの長さにキレて、出てきたものを見て二度キレるだろう。 

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ペンネの盛り合わせ。

やはり出来上がりはただのペンネだ。フォークを入れてみないと繋がりがわからない。

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でも、しっかりと繋がっている。

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ペンネが取れた部分はデロデロに。

しっかり成功している。ただのペンネと思いフォークを上げてみたら、ペンネがパスタのように連結されている。何も知らなかったら間違いなくびっくりするだろう。

候補2
ほ!

食べた感想であるが、まずは太すぎてちゅるちゅるできないというパスタの常識を覆す出来であったと言っておく。
食感は、25分も茹でたのに中のパスタの芯はしっかり残っていて後味が粉っぽいという、イタリア料理にこれまた一石を投じた結果となった。

生み出した身として、美味しく無いとは決して言わない。ただ、ペンネの穴の部分はパスタではなかったというだけなのである。




マカロニの穴はパスタだ

哲学的な問題定義をしてしまったと不安になったが、しっかりとしたアプローチをすることによって解答を得るに至った。
マカロニの穴やドーナツの穴など、穴には色々な哲学的問題が潜んでいる。しかし、1つ1つ的確に考察することによってきっと解決することができるだろう。
なので次は、法律の穴を探しだして利用してみようと思う。 

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買いすぎて余った。