先日、聞いたこんな話。いつもは温厚な私だが、その場に居たら、間違いなく、血が出るほど殴っただろう。

 

 ある忘年会で

 

 昨年末、西日本のある小都市。

 従業員50人ほどの会社で、ある部署の忘年会があった。

 この業界はじり貧で、ボーナスも前年より下がった。

 部長で役員のXが、「私は役員だから、君たちよりたくさんもらっている。だから、これからこのお金を落とすから、それを箸でつまんだ人にあげる」と、財布から千円札を取り出して、立ち上がって上から落とそうとした。

 部員数人は、それを見て、背筋が寒くなったという。

 

 お金に縛られる人間

 

 多くの人間がお金に縛られている。

「お金がないと生きていけない」という強迫観念に追われている。

 そこで、お金がある人は優越感を持つ。

 忘年会のXは、自分の優越感を演じたかったのだ。

 しかし、それを見せつけられる部員はどうだったのか?

 自分たちが下位にいるという屈辱感を見せつけられ、いっそう侮辱を感じただろう。

 

 組織で生きる知恵

 

 会社という組織は階層があり、上下関係がある。

 上の者が下の者に命令し、指導監督する。

 そこで、下の者は上の者に屈従する。

 私はそんな組織は認めない。

 組織は理念のもとにある。その理念を実現するために、みんなで頑張る。

 管理者は、部員を鼓舞(encourage)することが最大の任務だ。

 

「状況は厳しいけど、頑張って行こう。大変な状況の中で本当によく頑張ってくれた」

 ――Xが言うべき言葉はこれだったはず。

 

 人間をバカにしてはいけない。優越感を見せびらかしてはけない。

 私がこの会社の社長だったら、Xをクビにするか、最低でも更迭する。

 人間としてやってはいけないことをしたのだから。

 

201732日 第42話 おわり)