関係力で突破せよ

                  Ver1.0 2017.4.19 坪田知己

 

「関係」の価値を知ろう。

「関係」を武器に生きていこう。

 

 私たちは「関係」に囲まれて生きている。

 関係が良好なら楽しい人生を送れるが、それが悪ければストレスがたまり、悲惨な結果を招く。

そもそも「関係」とは何か?

「関係」をデザインすることはできるのか・・・を考えてみたい。

 

「関係性原理」とは

 

 いままでは「人」「もの」「こと」などに注目してきた。

「関係性原理」では、「人と人」「人とモノ」の間にある「関係」に注目する。

 人と包丁の関係が「殺意」なのか「調理」なのかで、結果が異なる。

 つまり、「関係性」がコントロール要因である。

 

 あらゆることを、「関係」に注目して解析する。

 さらに「関係」をコントロールすることで、生活や仕事の環境の改善を目指す。


関係性のチャートd

「関係」の発見

 

 私が「関係」に注目したのは「史上最大のスクープの大ウソ」に気付いたからだった。

「ニュースを早く知ることは重要だ」と言われている。マスコミは、特にそのことを強調する。

 そういう話にはからくりがある。

「史上最大のスクープ」とは、19世紀初め、英国の富豪、ネイサン・ロスチャイルドが、英軍がナポレオン軍に勝ったという情報を手に入れ、債権の取り引きで大儲けしたというものだ。

 これを使って、報道機関は「ニュースを早く知ったら得をする」という神話を作り、大衆にニュースを高く売ろうとしている。

 この話はとても奇妙だ。

 ネイサンは、自分が得た情報をどう生かせば、大金が得られるかを知っていた。取引所の会員権、そこで取引するお金も持っていた。大衆にはそれがなかった。そこが決定的に大きい。

 つまり、ネイサンを取り巻く関係性は、大衆のそれとは大違いだったのだ。

「大衆は、ニュースを早く知っても大儲けできない」のだ。

 これを知った時から、私は「関係性原理」で、世の中を読み解こうと考えた。

 

「分人論」と関係性

 

 芥川賞作家の平野啓一郎が、「分人」という概念を提起し、2012年に『私とは何か――「個人」から「分人」へ』(講談社現代新書)という本を出した。

「一人の人間が、誰から見ても同じ」というのはある種の寓話だと平野は指摘する。

 つまり、相手が違えば、状況が違えば、人間は別の顔を見せるというもの。

 分人論は関係性原理そのものだ。「関係」こそが真実であって、人間は関係性の客体に過ぎないと考えると、一挙に問題が解決する。

 要するに、私たちは関係性を操りながら暮らしているのだ。

 

 関係性を「主体」として考える

 

 私たちがモノを使うとき、自分が主体で、モノが客体と考える。

 これを逆にするとどうなるか。

 料理する時、私が玉ねぎを調理するのではなく、玉ねぎの側から考える。そのやり方はタマネギの魅力を引き出しているのか・・・と。

 また「調理」という関係性が万全であるかと?

 関係性のクオリティを最大にするにはどうすればいいか?

 

 関係性のチャート

 

 関係性の基本パターンは以下の3つになる。

関係性のチャート

 一般の会社は、左図のように「支配・従属」のピラミッド構造だが、Loco共感編集部は社員の協力を基軸にして、社長はサポート役になっている。

関係性のチャートb

 

 関係性のコントロール

 

「関係性」に注目すると、「関係性のコントロール」という発想が生まれる。

 関係性には、「あらかじめセットされた関係性」と「選択できる関係性」がある。

 家族は、あらかじめセットされた関係性だが、会社は、「選択できる関係性」である。

 

 関係性は、1)作る、2)維持する、3)発展する、4)解消する・・・の4段階に分かれる。

 

1)作る

まず「知る」==対象についての情報を得て、どういう関係が作れるかを考える。

「知ってもらう」==相手に情報を提供して、理解してもらう。

2)維持する

折に触れて状況報告する

3)発展する(発展させる)

相手の友人を紹介してもらい、グループとして交流する形にする。

相手と協働(コラボレーション)する。

4)解消する

自分にとって必要がなくなれば関係を解消する。

 

「関係」の設計

 

 関係が複数絡むと、「システム」になる。組織設計はそれである。

 Loco共感編集部の組織デザインで考えたことは、「上意下達」のピラミッド構造にはしないということだった。全員が伸び伸びと働くために、「命令の排除」を行った。組織内に階層構造を作らず、自主的に仕事をするスタイルにした。

 

       (以上)