宅建試験の受験者の皆様、お疲れ様でした。


令和元年問5を国語的解法で解いてみましょう。
ところで、社内の受験者で「『けだし』って『ただし』だよね。」と言っている社員がいましたが、「けだし」と「だだし」は意味が違いますし、ましてやミスプリではありません。
「けだし」は、思うに、確かにという意味で、法律を勉強されている方なら、判例文でよく見る言葉です。でも、ただしと読み違えるよりは、意味が解らなければ飛ばして読んでも正解にたどり着くことはできると思います。

まず、判例文を短文に分けます。判例が前提です。判例文の吟味をしてはいけません。


A
①本人が無権代理人の行為の追認を拒絶した。
②無権代理人が本人を相続した。
③無権代理行為は有効とはならない。

Bけだし=思うに
①無権代理人がした行為は、本人が追認しなければ本人に対して効力を生じない。
②本人が追認を拒絶すれば無権代理行為の効力は本人には及ばない。そして確定する。
③追認拒絶の後は本人であっても追認によって無権代理行為を有効とすることはできない。

C
①追認拒絶後に無権代理人が本人を相続したとしても、追認拒絶の効果に何ら影響を及ぼすものではない。


これを踏まえて、誤っているものはどれか。

肢1 本人が無権代理行為の追認を拒絶した場合、その後は本人であっても無権代理行為を追認して有効な行為とすることはできない。(B②③)

肢2 a.本人が追認拒絶をした後に無権代理人が本人を相続した場合(A①②で結論は③有効ではない。)と、b.本人が追認をする前(B①まだどちらかわからない。)に無権代理人が本人を相続した場合とでは法律行為は同じである

肢3 無権代理行為の追認は、別段の意思表示がないときは、契約時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。(判例文になし。知識問題)

肢4 本人が無権代理人を相続した場合、当該無権代理行為は、その相続により当然には有効とはならない。
(B①本人が追認しなければ本人に対して効力は生じない。この肢はCとの対比ですね。)


肢3を知っていれば、消去法でも正解を導くことができるでしょう。知らなかったとしても、aとbは同じではありませんから、同じと言っている肢2は誤りで、正解となります。