福島県産野菜のネット販売に首都圏から注文が相次いでいるという記事を見つけた。

県産野菜「応援の輪」 ネット販売に首都圏から注文
http://www.minyu-net.com/news/news/0417/news6.html

 原発事故により、被害を被っている福島県の方々を支援しようという考え自体は問題ないが、汚染食品をわざわざ購入して食べようという考えには全く賛同しかねる。

 なかには自治体の長が汚染野菜を風評被害だと消費者にアピールする無責任な知事もいるようだ。こうした知事達は、十数年後に自分の選挙区で小児ガンが増えた時にどう責任をとるつもりなのか。本当に腹立たしい。

NHKニュース 嘉田知事が福島県を訪問
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20110417000103
>嘉田知事と京都府の山田知事の2人が福島県を訪れ、
>福島県産の農作物などに対する風評被害をなくすため、
>関西でも消費者への呼びかけに全力をあげる考えを示した。


 ところでエセ環境団体グリーンピースが福島県双葉郡浪江町津島周辺で農作物の放射性物質の調査を行ったところ、ほうれん草から7-8万ベクレル/Kg、白菜から9000ベクレル/Kgの高レベルの放射性物質が検出されたようだ。

2011/4/06 高レベルの放射線量を測定 ― 福島県双葉郡浪江町津島周辺で
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/pr20110406/
>4月4日、グリーンピースは福島県南相馬市や農家の了解を得て、
>農作物の放射性物質の調査を行いました。この調査では、
>ホウレンソウから1キログラム当たり70,000 - 80,000ベクレル、
>白菜から1キログラム当たり9,000ベクレルなど高レベルの放射性物質が
>検出されました。

 しかし、同じ日の福島県発表のデータを見るとそこまでの高レベルの放射性物質は検出されていない。

農林水産物に係る緊急時モニタリング検査結果について
H23. 4.13公表: 野菜[露地・施設栽培](H23.4.11採取分)(PDF形式)
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/mon230404.pdf

 どっちかがインチキをしているのかと思ったが、ふと思い当たったことがある。

3/18 厚生労働省が野菜類を洗ってから測定するよう通達
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014tr1-img/2r98520000015is5.pdf

 自治体の検査では野菜は洗ってから測定されている。しかし、検査は抜き取り検査である。検査対象の野菜は抜き取って流水でしっかり洗われた後に刻んで測定器にかけられるので検査した野菜自体は廃棄され、出荷されていない。

緊急時における食品の放射能測定マニュアル P8-P12
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r98520000015cfn.pdf
1 NaI(Tl)シンチレーションサーベイメータによる放射性ヨウ素の測定法

>2 野菜類(葉菜等)
>試料はあらかじめハサミ、カッター、包丁等で細切りし*3、
>機器校正で用いたものと同様の0.5〜1L 程度のタッパー容器
>又は2L マリネリ容器に入れて検出器を容器に密着させて測定する。
>機器・器具は牛乳の測定と同一のものとする。

2 ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロメトリーによる核種分析法

>(3)試料は、あらかじめハサミ、カッター、包丁等で細切りし、
>機器校正に用いたものと同じ2L ポリエチレン瓶、2L マリネリ容器、
>0.5〜1L 程度のタッパー容器又は容積100 mL(50 mmφ×50 mm)
>小型容器に入れて測定試料とする。

ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スベタトロメトリー(350MB) 文部科学省 P108
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/series/lib/No7.pdf
>2.野菜、果物等水分の多い生試料は包丁等で細かく刻む。
>繊維質でないものはミキサーの使用も考えられるが、試料が複数あると
>ミキサーの洗浄が大変なので、なるべく使用しない方がよい。


 抜き取り検査された野菜以外は、洗うことも検査されることもなく出荷されていく。ということは、暫定基準値の数倍〜数十倍の放射性物質が付着したままスーパーへ運ばれ、店頭に並んでいるということになる。

 以前、このブログでは野菜は洗ってから測定されているからこれ以上洗っても数値は変わらないと書いたことがありますが、それは間違いでした。洗ってから出荷されていると思い込んでいたのだが、検査のために洗うわけであって検査しない野菜を洗うほど生産者はヒマではありません。

 よって、スーパーに並んでいる野菜たちは、検査も洗浄も受けていません。洗って検査されたのは抜き取り検査されたほんの一部の野菜だけです。つまり、スーパーに並んでいる野菜は暫定基準値を大幅に超える放射性物質が付着している可能性があるのです。

 これを他の野菜と同じ袋に入れて持ち帰ると他の野菜も汚染されます。さらに、調理の際に自治体が検査したときよりもいいかげんな洗い方をすると暫定基準値を超えた放射性物質を野菜から摂取することになってしまうのです。

 特に、被災地や一部の地域では配布されたミネラルウォーターで炊事をしている地域があります。限られた水で野菜を十分に洗えないことは容易に想像がつきます。関東では水道水にヨウ素やセシウムが含まれている地域もあり、汚染された野菜を汚染された水で洗うしかない地域も存在する。こうして高濃度汚染野菜が日本国民の体内にどんどん摂取されることになっているのです。

 こんなことも知らずに首都圏から福島県周辺に注文が相次いでいるという記事を読むと暗澹たる気持ちになります。無知では自分と家族の健康を守れないという見方もあるでしょうが、無知な国民であっても被害を受けないようにするのが国の役割だと思います。

 現在の政府の対応は国を滅びに追いやるものとしか言いようがありません。一刻も早く、放射能汚染された食品の流通を止め、生産者に補償をする体制を整えないと日本の子供達の命が危ないのです。

 チェルノブイリ原発事故の被害にあった地域では子供達の免疫力が失われ、様々な疾患が表れています。

NHK チェルノブイリ原発事故その10年後
http://www.youtube.com/watch?v=SUP035x9d84#t=11m24s
>事故現場から200km以上離れた村で子どもの23%が白内障や失明
>同じ村では84%以上に不整脈がみられる。
>80%の子どもが胃炎や肺の疾患を持っており、特に12-15歳がひどい。
http://www.youtube.com/watch?v=SUP035x9d84#t=12m53s
>子どもには37ベクレル/Kg以上の食品を与えてはいけない。

※日本の暫定基準は放射性ヨウ素だけで2000ベクレル、
セシウムも含めると2500ベクレル/Kgまで摂取可能。
ストロンチウム他の核種は基準値すらないのが現状です。


 計画的避難区域の飯舘村での住民説明会の映像をニュースで見ましたが、まだ若いお父さんやお母さんたちの姿もたくさんあり、この人達がこの村でどれだけ被曝しているのか本当に恐ろしくなりました。

福山副長官、計画的避難区域の飯舘村で説明
http://www.news24.jp/articles/2011/04/17/07181091.html

 地域への愛着はわかりますが、自分と家族の命の危険を冒してまでその地にいるべきではありません。少しでも早く避難して欲しい。そう願います。

 そして、被曝するまえに強制的に避難する措置をとらなかった日本政府には怒りを禁じ得ません。この期におよんでまだ1ヶ月以内に避難とはどういうことか。あと1ヶ月も被曝していいわけがないのです。

 国民の安全を守ろうとしない政府など、一刻も早く退陣して頂きたい。今の率直な気持ちです。