とうとう恐れていたことが明らかになった。
いや、当然予想されたことだ。

母乳から微量の放射性物質=市民団体が検査―福島
http://news.livedoor.com/article/detail/5504907/
>福島など4県の女性9人の母乳検査で、
>茨城、千葉両県の4人から1キロ当たり
>最大36.3ベクレルの放射性ヨウ素131が
>検出されたと発表した。


 36.3ベクレル/Kgの母乳を1日1L飲んだ場合、下記資料を参考に乳児の経口実効線量係数 1.4x10^-4 と365日を掛けて1年間の放射性ヨウ素による被曝量を計算することが出来る。

緊急時における食品の放射能測定マニュアル P37(実効線量係数)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r98520000015cfn.pdf


 36.3bq/kg * 1L(≒1Kg) * 365日 * 1.4x10^-4(実効線量係数) = 1.85[mSv]


通常、人工的な放射線の年間被曝線量の目安はこんな感じになる。

1.0[mSv]・・・一般公衆が1年間にさらされてよい人工放射線の限度。
5.0[mSv]・・・放射線業務従事者(妊娠可能な女子に限る)が法定の3か月間にさらされてよい放射線の限度。
50.0[mSv]・・・電離放射線障害防止規則による放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く)が1年間にさらされてよい放射線の限度。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88#.E6.94.BE.E5.B0.84.E7.B7.9A.E9.98.B2.E8.AD.B7.E3.81.A8.E3.82.B7.E3.83.BC.E3.83.99.E3.83.AB.E3.83.88


 一般成人が1年間にさらされてよい人工放射線の限度を超えているのに、これを微量と報道する日本のマスコミの意識の低さにはあきれかえるばかりだ。なお、セシウムやストロンチウムについては測定されていないのか言及がないため不明である。

 問題は、福島県周辺にこのような乳児をかかえたお母さんがまだ居住しているということにある。母乳にこれだけの放射性物質が含まれるということは、母体はさらに高レベルな内部被曝をしていることも考えられる。

 さらに、福島原発周辺県では飛散している放射性物質を吸入することで呼吸による内部被曝も考慮する必要がある。乳児はこれによりさらに被曝量が増え、数mSvに達することが予想される。

 政府とマスコミが安全だ、風評被害だと毎日連呼するせいで暫定基準値以下の流通野菜はスーパーに平気で並ぶようになっている他、農家は出荷自粛野菜等を自家消費する可能性があるため、福島県周辺の住民は常に放射能汚染野菜を摂取する危険性にさらされている。

 福島県内でも特に放射性物質の汚染が酷い飯舘村で入学式が行われたというニュースをみてさらに心が痛んだ。まだここに子供達がこんなに残っているとは・・・。

計画避難の飯舘村で新学期 21日から村外通学
http://dailynews.yahoo.co.jp/photograph/pickup/?1303306525

 一刻も早く政府は強制的に避難させるべきであるし、住民も危険を感じたら政府を信用せず逃げることが必要である。政府の言うことがころころ変わって信用出来ないから避難しないというバカな発言をする老人がいたが、信用出来ないなら真っ先に避難すべきだ。

 安全・安心をアピールする政府と、危険を指摘するそれ以外という状況では政府を信用するのも無理はないが、その情報が間違っていた時でも安全な方を信じるのが正しい。危険と信じて避難した場合は将来に影響はないが、安全と信じて避難しなかったことが後で間違いだとわかっても遅いのである。本当に安全かどうか、避難先で見極めてから判断するくらいの冷静さを持って欲しい。

 ところで、放射能汚染野菜を風評被害と言い張ることで消費者に安全をアピールする政府とマスコミの罪は重い。こうしたキャンペーンに騙されて自治体の長である都道府県の知事たちにまで愚か者が出現しはじめた。

出荷自粛外の本県農産物 東京で引き受け 石原都知事 「福島には恩がある」
http://www.minpo.jp/view.php?pageId=4147&blockId=9812223&newsMode=article
京都、滋賀の知事が福島県入り 風評被害をなくす支援表明
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20110417000103
>嘉田知事と京都府の山田知事の2人が福島県を訪れ、
>福島県産の農作物などに対する風評被害をなくすため、
>関西でも消費者への呼びかけに全力をあげる考えを示した。

 滋賀県知事の話には実は後日談がある。毎日放送MBSの報道番組VOICEが4/19(火)の夕方のニュースで次のような報道をした。

滋賀県の学校給食に福島県産野菜を採用?

アナウンサー「嘉田知事は福島県の風評被害の防止に特に力を入れたいとしていて、今月末からは学校給食に福島県産の野菜などを取り入れたり、県内で販売会などを催したいと話しています。」

 この報道はNHK等では流れなかったためあまり広くは知られなかったが、滋賀県内の一部ではちょっとした騒動になり、県庁にも確認の電話が何本も入り対応に追われたようである。

 その後、滋賀県庁ホームページに緊急のお知らせとして番組の誤報を知らせる記事が掲載され、4/20の同番組内でも給食ではなく県職員食堂での採用と訂正が読み上げられました。

滋賀県庁 緊急のお知らせ
http://www.pref.shiga.jp/hodo/news/shinsai/20110420.html

 結果として、放射能汚染野菜が児童の給食に採用されるという最悪の事態は避けられたがいつまたこういう愚か者が出現しないとも限らない。販売会で買う人は自分の判断で買うのだろうが、食堂に汚染野菜を導入される県職員も気の毒である。職員の中に妊婦さんがいないことを祈るばかりだ。

それから今後もお母さん達は自治体や教育委員会がとんでもないことを言い出さないか気をつける必要がある。世の中には他人の子どもに平気でこういうものを食べさせようとする人間がまだまだいるようだ。

福島産に「がんばれ!」県特産物取扱店売り上げ3割増し
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:zX_8cmPtDsoJ:hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20110330-OHT1T00344.htm+http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20110330-OHT1T00344.htm&cd=1&hl=ja&ct=clnk&source=www.google.com
>「学校の給食で使うんです。もちろん安全な野菜ですから」

 その後中日新聞でこの顛末が記事になったが、マスゴミフィルターを通すと放射能汚染野菜への正常な親の拒否反応は風評被害と名称を変えられ、県庁や教育委員会に電話した人が過剰反応をしていて悪いかのような記事に仕上がっている。このマスコミの徹底した風評被害宣伝にはあきれるばかりだが、自分の記事で将来の小児ガンを増やす片棒を担いでいる可能性があるのによく平気でこのような記事が書けると逆に感心する。本当に自分の子供に食べさせたいと思って書いているのかは大いに疑問である。

誤報道で苦情殺到 「学校給食で福島産野菜」
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20110421/CK2011042102000123.html
>県の担当者は「福島県産の野菜にこんなに過剰反応があるなんて。まさに風評被害の一端」と戸惑っている。
中略
>知事は会見で「風評被害をどう防ぐのか、力を合わせようと福島県の佐藤雄平知事と約束した。
>情報を正しく伝えて、恐れるところは恐れるが、過剰に恐れてはいけない」と話していた。

 ところで滋賀県と京都府が関西広域連合内で福島県の支援担当になったことは既に報道のとおりであるが、やはりがれきの処理も福島県担当になるのであろうか。

がれき30都道府県受け入れ意向 処理量最大281万トン
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041901000888.html

 川崎市が福島県のがれき受け入れを表明し物議を醸したが、その後放射能に汚染されたものは処理しないと苦し紛れの発表を行った。


「福島のゴミ受け入れ」に苦情 川崎市「汚染廃棄物は処理しない」
http://www.j-cast.com/2011/04/14093153.html
武田邦彦(中部大学) 生活と原発 07 汚染された瓦礫の処理
http://takedanet.com/2011/04/post_29f3.html

 そもそも土壌が数千万ベクレル/Kg単位で汚染されている福島県で放射能に汚染されていないがれきなどありえない。またがれきにいちいちガイガーカウンターをあてて測定しながらトラックに乗せていくような非効率な作業が行われることもまたありえない。

IAEA、検出はヨウ素 測定値を2千万ベクレルと修正
http://www.sakigake.jp/p/special/11/eastjapan_earthquake/news.jsp?nid=2011040101000115

 放射能汚染されていない廃棄物とはいったいどうやって判断すればよいのだろうか。おそらく現実的には無理だ。もし出来るとしたら「20km圏内を除く、30km圏内を除く、あるいは計画的避難区域までを除く」というような机上でしか通用しない放射能汚染区域を避けましたと主張することくらいだろう。これでは全国に放射能汚染がれきが散らばることになる。

 特に、滋賀県は近畿のみずがめ琵琶湖を擁する環境立県だ。埋め立てにせよ焼却にせよ放射能に汚染されたがれきを処理すれば京都や大阪の水道水にまで影響が及びかねない。安易ながれき処理の引き受けは絶対にやめて頂きたい。

04/26追記 ここを見る限り、滋賀県は03/25時点でがれきの受け入れは表明していなかったようだが、西日本から九州、沖縄、北海道まで幅広い自治体が受け入れを表明している。自治体の長たちは放射能汚染地域を日本全国に拡大することになるのがわからないくらい愚かなのであろうか。

 通常のがれきなら受け入れも当然だが、放射性物質を含むがれきは焼却も埋め立ても出来ない。検査もせずに処理をしようとする自治体とそれを容認する政府。誰も日本の将来を守ろうとしない。こんな国は滅びて当然なのかも知れない。

環境省災害廃棄物対策特別本部長協力要請に対するレスポンスについて(3/25)
http://www.env.go.jp/jishin/waste/response110325.pdf

 最後に、わたしの言いたいことを全て言ってくれている武田先生のブログを紹介しておこう。

中部大学 武田邦彦
大人は子供たちを被ばくさせたがっている・・・
http://takedanet.com/2011/04/post_faf5.html
●「雄々しく放射線に立ち向かう」というのが立派なことだろうか?
●60の爺さんが「大丈夫」とパフォーマンスをして、その野菜を子供が食べるというのはどういう意味があるのだろうか?
●なぜ、給食に地産地消を強調するのだろうか?
●福島が汚染されたのは福島の人の責任だろうか?
●東電のミスを福島の子供に転嫁するのは正しいのだろうか?
●被ばくしている児童生徒を疎開させるのは面倒なのだろうか?
●東電のミスで汚染された食材を消費者に転嫁するのが魂のある農業だろうか?
●なぜ、福島の大人は子供を被ばくさせたいのか?
●放射線に高いところの人はなぜ、避難しないのだろうか?
● なぜ、突然、放射線が安全になったのだろうか?

 今からでも福島県周辺に住んでいて避難可能な人はすぐに避難しよう。そして食べないですむ危険なものは食べないようにしよう。自分を守れるのは自分だけ、家族を守れるのはあなただけなのだから。