福島県内ではいまだに高い放射線量が計測されているにもかかわらず、避難どころか一時帰宅など住民を戻す方向に政府や自治体が動いているようです。

 もはやこの国の政府は国民の命などなんとも思っていないのでしょう。素人の住民が戻りたいと言うのはやむをえないですが、専門知識を持つ国の機関が危険な場所からの避難と立ち入り制限を行わなければ住人の安全を確保することは出来ません。

 自治体や政府の発表する放射線量の数値についても、測定地点が高いなどの問題があり人体への影響を測るには適切ではなく、民間の計測値との乖離から信頼性に疑問符がついています。

 最近では個人で放射線量計(ガイガーカウンター)を入手して測定する人が増えているようですが政府や自治体がいかに信頼されていないかを示しているように思われます。

 しかし、放射線量計を使う際には正しい使い方を知っておく必要があります。正しい使い方というと、線量計の使用方法を思い浮かべる方が多いと思いますが、本当に重要なことは機械の扱い方ではありません。(放射線量計の扱い方については下記のサイトなどを参照して下さい。)

放射線の正しい測り方
http://p.booklog.jp/book/30823

※なお、ガイガーカウンターで野菜や果物の放射性物質を計測することは出来ません。参考までに野菜類の検査について書かれた資料をあげておきます。切り刻んで測定する必要があるため、全品検査をすることは実質的に不可能で、抜き取り検査しか出来ません。従って、出荷されているものは全て検査済なので安全というのは真っ赤なウソです。

---ここから
【緊急時における食品の放射能測定マニュアル】 P8-P12
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r98520000015cfn.pdf
1 NaI(Tl)シンチレーションサーベイメータによる放射性ヨウ素の測定法

>2 野菜類(葉菜等)
>試料はあらかじめハサミ、カッター、包丁等で細切りし*3、
>機器校正で用いたものと同様の0.5〜1L 程度のタッパー容器
>又は2L マリネリ容器に入れて検出器を容器に密着させて測定する。
>機器・器具は牛乳の測定と同一のものとする。

2 ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロメトリーによる核種分析法

>(3)試料は、あらかじめハサミ、カッター、包丁等で細切りし、
>機器校正に用いたものと同じ2L ポリエチレン瓶、2L マリネリ容器、
>0.5〜1L 程度のタッパー容器又は容積100 mL(50 mmφ×50 mm)
>小型容器に入れて測定試料とする。
---ここまで

 話がそれましたので戻します。

 放射線量計(ガイガーカウンター)を使う際に最も重要なことは、測定結果に対する自分の行動を事前に決めておくことです。事前にと言うのがポイントです。一度計測してからでは、1度目の計測結果が判断に含まれてしまうため、客観的な判断が下せません。

 目安となる基準値をいくつか挙げておきたいと思います。これらのどの段階を超えたら妻や子供を避難させる、会社を辞めて家族で避難する、などの具体的な行動をあらかじめ決めた上で計測をして下さい。逆にどんな高線量が計測されても避難する気がないのなら計測しても意味がありませんので、高い機械を買うのはお金の無駄です。

 特に、水や食品そして空気まで汚染されている地域では内部被曝も考慮する必要がありますから、外部線量が高くて良いことはひとつもありません。震災後に緩和された基準ではなく、震災前の基準で冷静に考えることが大切です。

●1.0[mSv/年間]・・・一般公衆が1年間にさらされてよい人工放射線の限度。

 →(線量計換算値)0.114μSv/時≒13.70CPM/時

●1.3[mSv/3ヶ月]・・・放射線管理区域(放射線管理のため下記※1の措置を行う必要のある区域)。
 →(線量計換算値)0.600μSv/時≒72.11CPM/時

※1
a)関係者以外の立入りを禁止し放射線被ばくを防止する。
b)放射線モニタリング等を厳重に行い、被ばく防護対策を行う。
c)管理区域外への放射線の漏洩、放射能汚染の拡大を防止する。
d)標識・柵等によって境界を明示・区画し、出入り管理を行う。
e)被ばく管理を行う。
ウィキペディア-被曝-
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A2%AB%E6%9B%9D

●20[mSv/年間]・・・文部科学省が目標としている被曝上限。
 →(線量計換算値)2.28μSv/時≒274.0CPM/時
 
※2011/09/29 20mSvのCPM換算値に誤りがあったため修正しました。申し訳ないです。

 ただし、線量計で計測出来るのはあくまでも外部被曝線量のみであることにご注意下さい。上記の目安はどれも外部被曝線量に加えて呼吸や食品による内部被曝線量を含んでいますから、外部被爆だけなら上記の目安の半分以下あるいは1/3以下を目指すのが正しいのです。

 明らかに高線量が計測されているのに「周囲が逃げていない」、「昨日と変わっていない」、「先月よりは減っている」、「国や自治体がただちに危険はないと言っている」、などと自分の中で納得する理由をつけて何も行動を起こさないのであれば、線量計を使う意味がありません。

 個人で計測する方は、どのような数値が計測されたら避難するのかあらかじめ覚悟を決めてから計測しましょう。特に自治体関係者や学校関係者の皆さんは、放射線量計で高い線量が計測された時にどうすべきなのかもう一度しっかり検討して頂きたい。

 通学路も自宅の庭も汚染され食品も水も空気も汚染されていることは考えないようにして、学校や公園だけ計測し、高い線量が出ても「ただちに影響はありません」とコメントするだけで行動は起こさない、それで本当にいいのですか。

 福島周辺の自治体関係者や学校関係者の方々には、改めて線量毎の行動指針を定めて測定して頂きたいと思います。本来は厚生労働省や文部科学省が決めないといけないことなのですが、国はどういうわけか避難させることをまったく考えていないようです。

福島の子供が疎開求め政府と交渉―マイク押し付け合い回答避ける官僚たちのお粗末
http://the-news.jp/archives/6402

[5/7] 福島の子どもたちの声を政府に届ける集会&記者会見
http://www.youtube.com/watch?v=ncMwHR6PEAc&feature=player_embedded
[6/7] 福島の子どもたちの声を政府に届ける集会&記者会見
http://www.youtube.com/watch?v=6ViGSoLOYks&feature=player_embedded

[7/7] 福島の子どもたちの声を政府に届ける集会&記者会見
http://www.youtube.com/watch?v=K3II4P2zxUA&feature=player_embedded

 教師や親たちもいいかげん見切りをつけて子供たちを安全な場所に避難させることを考えましょう。子供たちのほうがよほど今の状況が危険であることを理解しているようです。