福島原発事故の後、厚生労働省が慌てて定めた暫定基準値は、その後も暫定のままもうすぐ半年を迎えようとしています。暫定基準値の安全性と信頼性については下記の食品安全委員会の資料P25を見て頂ければ明らかである。

3/29 「放射性物質に関する緊急とりまとめ」暫定基準は充分に安全。
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/print/kai20110329sfc
3/30 「放射性物質に関する緊急とりまとめ」のポイント(事務局による要点整理)
http://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20110330ri1&fileId=130

「緊急的なとりまとめを行ったものであり、今後、諮問を受けた内容範囲について継続して食品健康影響評価を行う必要があること」、「発がん性のリスクについての詳細な検討は行えていない等、さまざまな検討課題が残っていること、特にウラン並びにプルトニウムなどについては、曝露状況等も把握した上での評価、遺伝毒性発がん物質としての詳細な評価、あるいは各核種の体内動態等に関する検討も必要である。」

 食品の抜き取り検査では、流水で洗ってから計測するという「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」にない作業もすっかり定着し、日々放射性物質まみれの野菜類が洗浄されることもなく出荷され続けていますが、こうした措置により日本国内では安全な食品の入手が本当に難しい状況になってしまいました。全国に流通してしまっている以上、西日本に住んでいても、福島県周辺産の食品を避けることはもはや困難です。

3/18 「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」には記載がないが、
洗ってから測定するようにという厚生労働省の通達
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014tr1-img/2r98520000015is5.pdf

 最も入手が難しいのはキャベツ。茨城県産、群馬県産が圧倒的に多く、時々長野県産を見かける以外は、他の産地のものをスーパーで見かけることはほとんどありません。季節的にも春夏は北関東の葉物野菜が出荷される時期ということもあるのでしょう。

 その日は自宅で焼肉をしようとしたのですが、スーパーで個体識別番号を確認したうえで鹿児島産の黒毛和牛を購入したあと、イトーヨーカドー、ダイエー、八百屋などスーパーを3店舗まわっても群馬県産のキャベツしか見つけることが出来ませんでした。結局キャベツなしという寂しい焼肉を食べる羽目になりました。

 ネットスーパーはどうか。これはイトーヨーカドーの事例ですが、産地表示に「○○県など」と表示されています。これでは安心して注文が出来ません。「香川県など」と書いてあるほうれん草を注文すると実際には福島県産が届くかも知れません。もはや詐欺同然といえます。画像の例は堂々と茨城県と書いてあるだけマシかもしれませんが、他に選択肢がないところが困ったものです。
IYネットの現実1
 同じ悩みをお持ちの方は、是非ご利用のネットスーパーに意見を出しましょう。意見を出さなければ改善されませんし、思いを伝えることも出来ません。本当に安全な食品を買いたいと思う方はどんどん意見を出しましょう。

イトーヨーカドー 御意見・御要望
https://www.itoyokado.co.jp/ap/voice/form
イオン イオンへのご意見・ご要望・お問合せ
https://www2.aeon.info/cs/index.html
ライフ お問い合わせ
https://www0.lifecorp.jp/toiawase/attention.html

 今のところ信頼出来そうな食品購入先として期待しているのはグリーンコープ(http://www.greencoop.or.jp/)です。もともと九州地方の生協として設立されたことから、契約生産地がほぼ西日本であること、検査基準が暫定基準値ではなく10ベクレル/Kgとなっていることが信頼出来ると判断している主な理由です。10月から2台の検査機器を導入するなど、外部委託なしでも検査できる体制に強化されています。

 ただし西日本でも兵庫大阪までしか進出しておらず、京都から東の地域では加入出来ません。また、野菜類は生育状況や需給によって注文しても届かないことが頻繁にあります。最近は改善されつつあるのですが、特に震災後は野菜が届かないことが毎週のようにあってほとんど注文しても意味がなかった時期もありました。このあたりが改善されればより信頼を得られるようになると思われます。

※グリーンコープの通販は宅配よりも送料が割高ですが、日本全国へ発送しているようです。生協への加入が必要ですが、関東・東北で信頼できる業者が見つからないなら加入してみてもよいと思います。
GCWEB
http://www.greencoop.or.jp/gcweb/index2.html

 本当に必要な地域である東日本で信頼出来る食品流通業者はまだ見つけていません。安心安全を売りにしている業者はいくらでもありますが、どこも風評被害応援キャンペーンなどと称して福島県周辺産の野菜類を平気で売りさばいていたり、検査はするが暫定基準値以内ならOKとしている業者がほとんどです。

 表面汚染しか検査していなかったり独自基準とうたっている基準値が対して低くなかったりする業者もありますので気をつけて下さい。京都以西の近畿・中部地方や東日本地域で良い業者をご存じの方はコメントを頂けると助かります。

 ところで、稲藁汚染による牛肉の放射性物質が昨今問題になりましたが、小学校や保育園の給食で牛肉から豚肉にメニューを切り替えるという報道があった時には驚きました。

 今一番危険なのは牛肉ではなく、豚肉・鶏肉です。なぜなら牛肉はトレーサビリティが確立されており、パックに記載された個体識別番号から産地や移動の情報が確認出来るからです。

牛の個体識別情報検索サービス
https://www.id.nlbc.go.jp/top.html

 このサービスは携帯電話でも検索出来ますし、画像等はないためパケット代もたいしてかかりません。スーパーの店頭で確認してから購入することが出来るのです。

※ちなみに国産とだけ表示されて個体識別番号が記載されていないものは、複数産地の肉を混ぜてパッキングされている可能性があります。

 しかし、豚肉や鶏肉はこうしたトレーサビリティが確立されていません。豚肉は鹿児島県産と表示されているものを選んで買うことができますが、鶏肉は国産としか書かれていないものがほとんどですから福島県周辺産を避けることは不可能です。

 グリーンコープなど契約農家が西日本にしかないとわかっている業者ならともかく、一般のスーパーではもはや避ける術がありません。

 加工食品や食用油、花壇の腐葉土など避けられないものはどんどん増えつつあります。暫定基準値さえなければ日本全国のスーパーに汚染食品が堂々と売られるような事態にはならなかったことは間違いありません。

 この暫定基準値が存続する限り、日本の家庭に安心・安全な食卓は戻ってこないでしょう。年間20mSv以上の内部被曝を前提とした暫定基準値の廃止を強く求めます。

※豚肉・鶏肉の産地確認について補足

イトーヨーカドー等のスーパー店頭において、国産としか表記のない豚肉・鶏肉パックでも店員さんに確認したらバックヤードに戻って産地を確認してきてくれました。ただし、口頭で聞くことが出来るだけなので、根拠となるものはありません。大手スーパーの店員さんが嘘をつかないだろうと信じられるのであれば、この手で最終的に出荷された産地は確認出来ます。

また、ヨーカドーのネットスーパーについても「○○県産など」と書かれていた場合でも、備考欄に次のように書いておくと配達前に連絡を頂けるそうです。

『ほうれん草は○○県産と認識して購入していますので、産地が異なる場合にはご連絡下さい』

このように対応頂けるというのはお客様相談室に確認しましたので、気になる人はどんどんコメントを書きましょう。