汚染地域からの物品は食品に限らず、出来るだけ移動するべきではありません。放射性廃棄物、放射性瓦礫は除染不可能なほど汚染された地域へ集約するしかないのです。

 9/19放送のNHKニュース7にて、福島第1原発周辺20km以内の警戒区域へ自家用車で一時帰宅が実現したというニュースを見ました。見ていると、冬服やストーブなど仮設住宅に入るだけの荷物を車いっぱいに積み込んで50年書き続けた日記はいつか戻るからと置いていかれました。これには非常に違和感を持ちました。

 高放射線量の警戒区域内にあった冬服やストーブを使用せず、放射能に汚染されていないものを新たに購入したほうが安全に決まっていますし、持ち帰るとしたら日記や位牌のような思い出の品だけの最小限に留めるべきと考えておりましたので、全く逆の行動が当たり前のように報道されていたのに衝撃を受けました。

 また、テレビ東京で09/06に放送されたガイアの夜明け「福島に生きる」では創作和菓子の店、木の幡が紹介されていました。この中で、警戒区域から40-80cpmが検出される餅つき機を持ち出す映像がありましたが、これにも驚きました。

ガイア餅つき機

 シーベルトに換算すると0.33uSv/h-0.66uSv/h。放射線管理区域に指定されてもおかしくないほどの線量が検出される機械で餅をついて売る。その感覚が私には全く理解できませんでした。最終的にはつくれる餅の量に限界があるということで九州の餅吉に頼んでつくってもらうことになりましたが、消費者に被曝させないという観点が全く欠けていると感じました。

 京都の大文字の薪や日進市の花火をはじめ、様々なところで放射性物質への懸念から物議を醸しているようですがそもそも検査もせずに汚染地域から物品を移動することが間違っているのです。食品に至ってはいうまでもありません。

<花火大会>福島産打ち上げ中止 愛知・日進市に抗議殺到
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110920-00000047-mai-soci

 日進の花火については、結局70ベクレル/kgを超える放射性セシウムがその後の調査で検出されています。

日進の花火中止問題、放射性セシウムは微量
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011092790140643.html

 マスコミは放射性セシウムは微量で、来年の打ち上げに問題ないという方向に必死で誘導していますが、同じ事実から中止は適切だったという記事を書くことも出来ます。

 マスコミは偏向フィルターをかけず、屋内にあったはずの花火からも合計70ベクレル/kg超のセシウムが検出された事実だけ伝えてあとは読者に判断させてはいかがでしょうか。

 70ベクレル/kg以上のセシウムをマスコミは微量と表現していますが、青酸カリを致死量の1/100混入した花火をメーカーが出荷した場合、近隣から打ち上げないでくれとメールや電話が来るのは当然ですし、まともなメーカーなら打ち上げずに回収するでしょう。

 汚染された物品は移動させない。この原則を守らないと今後もこうしたトラブルが頻発するでしょう。こうしたイベントの実行委員会には自己満足で近所の方を被曝させるような支援策を安易に企画しないことを強く求めたいと思います。

 自動車の汚染も深刻です。浪江町のWEBサイトには次のような記載があります。なんと10万cpmつまり約833μSv/h以内なら放射線が検出されても自動車を持ち出してよいのだそうです。

浪江町WEBサイト
http://www.town.namie.fukushima.jp/?p=2895
>・スクリーニングの結果、10万cpm未満の車は、そこで一時立入りは
>終了しますので、解散となります。そのままお帰りいただいて結構です。

 こうして持ち出された車が各地へ売り飛ばされていき汚染を拡大しています。発見されて記事になるのは氷山の一角でしかなく、海外にまで汚染車が輸出されていると思われます。

[朝日新聞] 2011/08/11 輸出用中古車から放射線検出
大阪で、X線検査2回分 「福島で登録抹消」 110.0μSv/h
http://www.asahi.com/national/update/0811/OSK201108110142.html

[産経新聞] 2011/07/02 川崎港で輸出用中古車から放射線
業者「福島で登録抹消」 62.6μSv/h
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110702/dst11070200230000-n1.htm

[産経新聞] 2011/09/09 福島の中古車から放射線
名古屋港、輸出前に検査 10.5μSv/h
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110909/trd11090913420016-n1.htm

 さらに、汚染車両はガソリンスタンドなどにも汚染物質をまき散らしていきます。

[新潟日報]新潟県内ガソリンスタンド洗車場汚泥からセシウム
最大9万ベクレル検出
http://www.niigata-nippo.co.jp/news/pref/25699.html

 花火や薪のひとつひとつを見れば影響が小さいと思われるかも知れませんが、こうしたことが積み重なれば被曝量はどんどん増えていくことになりかねません。放射性物質に汚染された瓦礫を受け入れたり、下水処理場からの放射性物質が濃縮された汚泥がセメント材料として全国に出荷されたりすればどこから被曝するのかもうわからなくなります。

放射性物質含む汚泥でセメント生産、「安全」と出荷再開
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20110520/547521/

 汚染地域からの物品移動は厳重な検査の上、必要最小限に制限する。これを直ちに実施して頂きたいと思います。