2011年04月

日本政府が日本人を殺す

 日本政府が日本人の健康と生命を守ろうとしていない。それどころか日本人を殺そうとしています。この国はいったいどうなってしまったのでしょうか。


【1.作業員を殺す】

 たった今も福島第一原子力発電所で事故の収束に向けて作業している作業員の方々の年間被曝線量は100mSvから250mSvへ引き上げられ、さらに最近になって上限が撤廃されました。これは作業員に死ぬまで被曝しろと言っているに等しい暴挙です。

 被曝線量は作業時の外部被曝線量に加えて免震重要棟内にいる時や宿泊施設であるJビレッジ滞在時他福島県内を移動時の線量、そして呼吸や食事による内部被曝線量を全て含めて計算する必要がありますが東電のずさんな線量管理を見る限りではどこまで管理出来ているのか疑問です。

 さらに、こうした被曝線量基準の引き上げは新たな作業員の募集に重大な障害になる可能性があります。命の危険すらある被曝線量が設定されている上に勝手に基準を変更されるとあっては応募する人が激減し、全国の他の原発の作業員の補充すら難しくなる状況がこの先容易に予想されます。

 そうなったとき、今いる作業員たちに更に被曝させるつもりなのでしょうか。今いる作業員たちは責任感と使命感で現場に残っていますが、怒りや不安がそれを上回った時そこに留まってくれる保証はありません。彼らが政府を見放した時、それは原発事故の収束が不可能になる時です。

 原発作業員の生命と健康を最低限守れる基準にしなければその時はいつか訪れます。政府は被曝線量を少なくとも100mSvに戻すべきです。原発事故の短期収束が難しい現状では、線量管理を厳格化して安全を確保した上で新たな作業員を補充していくしか方法はありません。

 今からでも政府はこれまでの対応を作業員に謝罪し、被曝線量の上限を元に戻すべきです。


作業員の被曝量引き上げ、福島原発事故で厚労省(産経新聞)100mSv→250mSv
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110315/plc11031523070047-n1.htm
作業員の被ばく線量、さらなる引き上げ検討 (日テレNEWS24)
http://woman.excite.co.jp/News/economy/20110418/Ntv_20110418067.html
原発作業員の年間被曝量、上限撤廃へ 厚労省が特例措置 全国の原発保守を懸念
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110428/dst11042802000002-n1.htm
作業員の個人線量計が不足 東電福島第1原発
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110401/dst11040100180000-n1.htm


 なお、政府は100mSv以下の被曝で健康被害の事例はないと発表していますが、実際には原発作業員の労災認定等で50-80mSv相当の被曝で白血病等の病気になり労災認定されている方が多数いることが判明しており、労災認定の目安となる線量は5mSv×従事年数であると下記の記事で指摘されています。

被曝と人間 第3部 ある原発作業員の死 〔4〕2つの基準 「法定線量以下で労災」
http://www.chugoku-np.co.jp/abom/00abom/ningen/000325.html
>「八年十カ月の作業、計 五〇・六三ミリシーベルトの
>被ばく線量は労災の認定基準を満たし、 認められる自信はあった」

> 放射線被ばく者に対する白血病の労災認定基準は、七六年に
>労働基準局長通達として出された。

>〜蠹量の被ばく
>被ばく開始後少 なくとも一年を超える期間を経ての発病
>9髄性白血病またはリン パ性白血病であること

>の三要件を定めている。相当量の被ばくは
>「五ミリシーベルト×従事年数」と解説で明記している。

原発・核燃料施設労働者の労災申請・認定状況
http://www.geocities.jp/koshc2000/accident/hibakuninnteihyo.html
>支給  慢性骨髄白血病  11ヶ月で40mSv        死亡
>支給  慢性骨髄白血病  8年10ヶ月で50.63mSv    死亡
>支給  急性単球性白血病  11年で74.9mSv       死亡


【2.福島県周辺の子供達そして住人を殺す】

 現在福島県内にいる子供達は、原発から放射され続ける放射線による外部被曝と空気と水と食品による内部被曝の2重のリスクにさらされています。その子供達を大人が守ろうとしていません。

・生命及び健康を損なう恐れのある危険な場所から避難しない親たち
・学校と住民に疎開や避難を促さない自治体の責任者(社員を守らない経営者も同罪)
・給食に福島県産を出す市長と教育委員会
・放射性物質が降り注ぐ学校に通わせる学校関係者
・年間20mSvまで被曝を許容する文部科学省
・年間20mSvまで子供達の被曝を容認する原子力安全委員会
・上記を放置する日本政府

 上記は皆子供達を殺そうとする愚か者です。親御さんまで批判することについては賛否両論あろうかと思いますが、承知の上です。避難出来ない事情は数多くあるのはわかっています。それでも現状で福島県内に留まって自分の子どもに被曝させていることには変わりありません。どんな事情があっても放射線は考慮してくれません。避難する以外に避ける方法はないのです。


年20ミリシーベルト未満は通常通り=福島の13校、屋外活動制限−学校の安全基準
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2011041900812
学校再開の被曝量目安、安全委が撤回
http://www.asahi.com/edu/news/TKY201104140401.html
正気を疑う文科省の学校線量基準
http://wiredvision.jp/blog/gohara2/201104/201104201515.html
福島市の公園に注意の看板「利用は1日1時間」 基準上回る線量 
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110425/dst11042513070019-n1.htm
福島県いわき市が学校給食に福島県産の牛乳を使用予定
http://p.twipple.jp/KR3uJ
東日本大震災:福島・飯舘村3地区、子供45人残る 線量特に高く、早期避難呼び掛け
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110429ddm041040139000c.html
飯舘村「避難先ないのに避難しろは無理」
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp0-20110430-768578.html

 いまだに福島県から避難しない理由はなんですか。避難先がないといいますが、県内や近隣だけで探しているのではないですか。西日本や九州の自治体の多くが受け入れ支援を表明しています。広島県などでは学校単位での受け入れも表明しています。家も車も既に被曝しているのですから財産にとらわれてはいけません。西日本の自治体で受け入れてもらえば公営住宅等の斡旋を受けられ子どもを安全な学校へ通わせることが出来ます。財産も仕事もなければ生活保護の受給も可能です。

被災者受け入れ自治体リスト
http://d.hatena.ne.jp/kizuna311/
広島県教委、小学校の集団疎開を受け入れ
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110325/hrs11032522470006-n1.htm
小学校まるごと集団疎開支援プロジェクト
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/kyouiku/hotline/touhokujishin/marugotosokai.pdf

佐賀きずなプロジェクト
http://www.pref.saga.lg.jp/web/index/bousai-top/bousai-kinkyu/touhoku/ukeire/project.html

 今故郷を捨てて逃げたくないという気持ちはあるでしょう。しかし、遠く離れた地で生活を立て直し、原発事故が収束してからふるさとの復興に取り組んでも遅くはありません。既に放射性物質は大量に飛散し、今すぐ原発事故が収束したとしてもすぐに福島県が元に戻ることはありません。復旧までに長い時間がかかることは既に予想されているのです。


 政府と東京電力の工程表では半年以内に収束となっていますがあまりに楽観的すぎますし、既に工程表通りでない事がたくさん起きています。そして堆積している放射性物質を考慮すれば、事故が収束してすぐに住民が戻れるわけではありません。チェルノブイリ原発事故の現場から30km圏内は25年たった今でも居住禁止区域となっており、最近では石棺のコンクリートが放射線によって劣化し新たなリスクが明らかになってきています。廃炉までのみちのりは遠く、具体的な道筋はいまだに出来ていません。100年以上かかるともいわれています。

チェルノブイリ原発事故から25年 鳴り響く追悼の鐘 今も続く安定化作業
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110427/erp11042717020007-n1.htm
チェルノブイリ:30キロ圏今も居住禁止 事故から25年
http://mainichi.jp/select/today/news/20110425k0000m030059000c.html

 今避難できない理由はなんですか。もう一度自分に問いかけ、子どもを連れて避難することを真剣に検討して下さい。今なお福島県内に留まることは放射線による健康被害を将来受ける可能性を大幅に高めることになります。

 特に、子どもたちが学校で被曝する線量の上限20mSvについては放射線防護の専門家である東大の小佐古敏荘教授が辞任してまで抗議をしています。その説明記者会見は官邸からの圧力により中止となったようですが、小佐古氏にはそのような圧力に屈することなく国民に真実を伝えて頂きたい。日本人を守れるのはこうした専門家が声を上げるしかないのだから。

福島第1原発:内閣官房参与、抗議の辞任
http://mainichi.jp/select/today/news/20110430k0000m010073000c.html
>「容認すれば私の学者生命は終わり。自分の子どもをそういう目に遭わせたくない」
>「年間20ミリシーベルト近い被ばくをする人は原子力発電所の放射線業務従事者でも極めて少ない。
>この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたい」

「老婆心ながら守秘義務」と官邸、小佐古教授に
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110502-OYT1T01026.htm

 日本政府と文部科学省、原子力安全委員会には日本の子供達をどうにかして放射線のリスクから守ろうという気が全く感じられません。校庭の被曝上限を放射線管理区域の6倍超まで許容したり、放射性物質に汚染された野菜を安全だと食べさせようとしたりむしろ被曝量を増やそうとしているようにしか思えません。

 しかもこの重要な判断は、委員会すら開催せず議事録も存在しないまま決められていたことが明らかになっています。この国はいったい子供の命をなんだと思っているのでしょうか。わたしはこいつらを絶対に許すことはできません。

【 利用基準(年間20ミリシーベルト)の責任者一覧 】
 原子力災害対策本部本部長:菅直人
 原子力安全委員会委員長:斑目春樹
 文部科学大臣:高木義明
 内閣官房長官:枝野幸男
 首相補佐官:細野豪志

審議2時間で「妥当」判断 原子力安全委、学校基準で
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011043001000786.html
枝野長官会見(1)小佐古参与辞任理由「誤解か何かがあるのかな」
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110430/plc11043013400008-n2.htm
小佐古内閣官房参与の爆弾発言に注目せよ(小佐古氏配布文書を引用して掲載)
http://news.livedoor.com/article/detail/5527556/
校庭利用基準、変更せず=年間20ミリシーベルト−細野補佐官
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011043000008

 中部大学の武田邦彦氏も同じようなことをブログに書かれていますが同感です。


原発 緊急情報(61) 数値は一つ! 医療、職業、一般
http://takedanet.com/2011/04/61_161b.html
原発 緊急情報(59) 「外部被ばく」か「合計」か?
http://takedanet.com/2011/04/49_5e8b.html
大人は子供たちを被ばくさせたがっている・・・
http://takedanet.com/2011/04/post_faf5.html
緊急の訴え いわき市の市長さんへ、あなたは神ですか?
http://news.livedoor.com/article/detail/5519865/
給食 法律上(規制値以下の)汚染された食材は使えない!
http://takedanet.com/2011/04/post_f0cd.html

 この政府を信用するのか、小佐古氏や武田氏のような専門家の言うことを信用するのか選ぶのはご自身です。何度も繰り返しになりますが、迷った時は安全側に舵を切って下さい。

 入ってきた情報が間違っていた時でも大丈夫な行動を取るのが正解なのです。後に、なんだ気にしすぎて損したと思ったとしてもお金の損で済みます。健康や命が損なわれ、そんなこと今さら言われても手遅れだ、となってはいけないのです。

 数十年後に自分や家族がガンになったとき、放射線との因果関係を証明するのは困難です。そして今の政府や役人は誰も責任を取ろうとはしないでしょう。薬害訴訟のように長年国と裁判で戦うことは出来ますが健康と命は返ってきません。

 今どう行動するかが問われているのです。福島県の皆さん、もう一度原発からなるべく遠い地域への避難を真剣に考えて下さい。県内で移動しても意味はありません。

確実に広がる放射能、福島県内学校の75%が放射能「管理区域」レベルの汚染
http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/77b1f6c632e436b9bd3d14d5796877ee/
福島県放射線モニタリング小・中学校等実施結果
http://www.pref.fukushima.jp/j/schoolmonitamatome.pdf
福島県放射線モニタリング小・中学校等実施結果(土壌・ダスト)
http://www.pref.fukushima.jp/j/schoolairsoil.pdf
国立天文台の石原氏作成の放射線線量率マップ (添付ファイルを開くで画像が出ます)
https://472796153739076600-a-geogrid-org-s-sites.googlegroups.com/a/geogrid.org/geogrid/top/houshasenkyoudomappu/ishot-1.jpg?attachauth=ANoY7coICAxuFoXVtFV2JYnw9_nPdEXfBn4JsqSAhOzuGsdvofaZ1rLyA6Es9DfBvwoekxg1ASfP5iHW9qZQK4uHCMWPTboAYFj_y1FXAo2-1zx8Kd9LYS-tZtPeJ0Uf6wieVXioTFMpVBtyXd0r3lmFt0HxrXtbU0FJGhxrvED3yolpP1O1oEfsIyxSh33QQVcXDT5o09_doF1e_pbQkfpGtAhBelfANDbDxl-ulKXCnyaIusa--uY%3D&attredirects=0


 もうひとつ、気になるのは被曝上限250mSvとされていた福島原発作業員ですら妊娠可能な女性の被曝上限は5mSvのままだったことです。これは東電と政府の最後の良心だったのでしょうか。しかしながら、将来子供を産む可能性のある女児を含んでいるはずの子供の被曝線量の上限が20mSvとはあまりにひどくて言葉が出ません。しかも呼吸や食事による内部被曝は考慮されていません。いったどれだけ被曝させるつもりなのかと怒りがこみ上げてきます。

東日本大震災:福島第1原発事故 東電女性社員、免震棟で内部被ばく
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110428ddm003040120000c.html

女性社員1人が被曝線量超える 福島第1原発
http://www.nikkei.com/news/headline/related-article/g=96958A9C93819695E0E5E2E3978DE0E5E2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;bm=96958A9C93819595E0E5E2E2E18DE0E5E2E6E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
>東京電力は27日、福島第1原子力発電所で働いていた
>50歳代の女性社員が17.55ミリシーベルトの放射線量を被曝(ひばく)し、
>3カ月間で5ミリシーベルトという国の基準値を超えたと発表した。

「結婚して子供産みたい」 東電の住民説明会で怒り、困窮の声
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110430/dst11043023570031-n1.htm
>質問に立った高校1年の渡辺菜央さん(15)は
>「子供が産めない体になるのではないかと不安」と訴えた。
>東電側が「いろんな対策を取り、そうならないように努めています」と答えると、
>渡辺さんは「だったら、もっと早く避難を呼び掛けてほしかった」ときっぱり。
>参加者からは大きな拍手が起きた。

 子供の方がよっぽどまともなことを言っています。被曝する前に避難することが大切なのです。しかし、被曝量は累積です。今から何ヶ月、何年もそこに留まるよりも今すぐに避難した方がずっと安全なのです。まだ遅すぎると言うことはありません。

 今からでもすぐに避難をして下さい。まだ手遅れではありません。


 そしてこのような事態にいたるまで福島県住民を避難させなかった政府の対応には強く抗議したい。避難とは危険が発生する前に行うものであり、危険がふりかかってから検討するものではないのだ。それがわからないものが為政者の立場にあることが残念で悔しくてならない。

 ツイッターのログを見ると補償も受けられず、仕事も離れられず苦悩する村民のつぶやきが見られる。
http://togetter.com/li/129552

 しかし命以上に大切なものなどありません。早期避難することで、村や国そして東電が冷たい対応をしたとしても戦いは安全な場所に移ってからすればいいのです。重要なのはまず避難して放射性物質の危険から逃れることです。簡単に決められないとは思いますが、決断は早ければ早いほど被曝量を減らすことが出来ます。早めの決断をおすすめします。


【3.全国の日本人を殺す】

 日本政府が2011年3月17日及び2011年4月5日に定めた飲料水と野菜、魚介類の暫定基準値によって放射性物質に汚染された牛乳や野菜、魚介類が日本全国に出荷され続けています。

 産地表示があればある程度選択することが出来ますが、加工食品や外食産業では表示義務がないため防ぐことはほぼ不可能です。業者の良心にまかせるしかありません。

 しかし、世の中では被災地の野菜を食べることがまるで良いことであるかのような政府とマスコミ主導のキャンペーンが行われており、日本人は放射性物質が残留した食品を知らされないまま食べ続けることになってしまうでしょう。

 自治体や企業の職員食堂で導入するような愚かな取り組みも行われており、消費者に福島県産野菜を売りさばくスーパーや、さらには消費者に福島県周辺の野菜を食べさせると公言するような腐った企業まで出てくる始末です。もちろん、一方で汚染野菜を出荷する悪質な生産者から一般の消費者を守ろうとするまともな企業もありますが、もはや日本人が放射性物質を取り込むのは避けようがありません。

大手スーパー各社が被災地野菜のセール実施
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/business/retail/500951/

消費者に放射能汚染野菜を食べさせるセールを実施したスーパー一覧
・イトーヨーカ堂
・東急ストア
・サミット
・イオン

滋賀県庁 緊急のお知らせ
http://www.pref.shiga.jp/hodo/news/shinsai/20110420.html
>風評被害がある福島県を支援したいとの思いから、
>福島県産の野菜を滋賀県庁職員食堂における職員向けの食材として、
>利用していきたい、福島県産食品フェアのようなことができたらいい

クボタ、JX、住友化学…  福島、茨城県産野菜を社員食堂で
http://news.livedoor.com/article/detail/5513091/
モスフードサービス、放射性物質を独自検査 傘下店の使用野菜対象に
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110425/biz11042513360012-n1.htm
カゴメ、デルモンテが福島県産トマト契約せず
http://www.minyu-net.com/news/news/0411/news6.html


 福島県周辺で放射能に汚染された野菜は今も出荷され続けています。暫定基準さえ満たせないような野菜まで悪質な生産者によって出荷されていますが、暫定基準を満たしていても抜き取り検査の対象外となり洗浄もされていない野菜には数万ベクレル/Kgの放射性物質が付着したまま出荷され続けているのです。

 関東地方のお母さんたちからは母乳から放射性物質が検出されるようになってきています。厚生労働省は微量としていますが、放射性物質は累積していくので今後も汚染野菜や空気、加工食品によって被曝が進めば濃度が高くなっていくことが予想されます。

出荷制限作物の出荷量は計1万1379束に−−千葉・香取産
http://mainichi.jp/select/weathernews/news/20110429ddm041040141000c.html
出荷制限無視は「生活困る」から…大半高齢者
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110428-OYT1T00438.htm
7人の母乳から微量の放射性物質 厚労省「影響ない」
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819695E1E2E2E09E8DE1E2E2E6E0E2E3E39191E3E2E2E2

 日本人はただちに暫定基準を廃止させ、安全な食べ物を取り戻す必要があります。1日でも早く、この暫定基準を廃止させ、汚染野菜による内部被曝をなくせるよう我々は求めていく必要があります。

 福島県周辺の野菜を食べようなどという妄言に惑わされている場合ではないのです。自分と家族の安全は自分が守るしかありませんが、日本人の安全は日本人である我々が守らなければならないのです。

 今すぐ暫定基準値の廃止を強く求めます。

母乳による内部被曝と給食について

とうとう恐れていたことが明らかになった。
いや、当然予想されたことだ。

母乳から微量の放射性物質=市民団体が検査―福島
http://news.livedoor.com/article/detail/5504907/
>福島など4県の女性9人の母乳検査で、
>茨城、千葉両県の4人から1キロ当たり
>最大36.3ベクレルの放射性ヨウ素131が
>検出されたと発表した。


 36.3ベクレル/Kgの母乳を1日1L飲んだ場合、下記資料を参考に乳児の経口実効線量係数 1.4x10^-4 と365日を掛けて1年間の放射性ヨウ素による被曝量を計算することが出来る。

緊急時における食品の放射能測定マニュアル P37(実効線量係数)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r98520000015cfn.pdf


 36.3bq/kg * 1L(≒1Kg) * 365日 * 1.4x10^-4(実効線量係数) = 1.85[mSv]


通常、人工的な放射線の年間被曝線量の目安はこんな感じになる。

1.0[mSv]・・・一般公衆が1年間にさらされてよい人工放射線の限度。
5.0[mSv]・・・放射線業務従事者(妊娠可能な女子に限る)が法定の3か月間にさらされてよい放射線の限度。
50.0[mSv]・・・電離放射線障害防止規則による放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く)が1年間にさらされてよい放射線の限度。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88#.E6.94.BE.E5.B0.84.E7.B7.9A.E9.98.B2.E8.AD.B7.E3.81.A8.E3.82.B7.E3.83.BC.E3.83.99.E3.83.AB.E3.83.88


 一般成人が1年間にさらされてよい人工放射線の限度を超えているのに、これを微量と報道する日本のマスコミの意識の低さにはあきれかえるばかりだ。なお、セシウムやストロンチウムについては測定されていないのか言及がないため不明である。

 問題は、福島県周辺にこのような乳児をかかえたお母さんがまだ居住しているということにある。母乳にこれだけの放射性物質が含まれるということは、母体はさらに高レベルな内部被曝をしていることも考えられる。

 さらに、福島原発周辺県では飛散している放射性物質を吸入することで呼吸による内部被曝も考慮する必要がある。乳児はこれによりさらに被曝量が増え、数mSvに達することが予想される。

 政府とマスコミが安全だ、風評被害だと毎日連呼するせいで暫定基準値以下の流通野菜はスーパーに平気で並ぶようになっている他、農家は出荷自粛野菜等を自家消費する可能性があるため、福島県周辺の住民は常に放射能汚染野菜を摂取する危険性にさらされている。

 福島県内でも特に放射性物質の汚染が酷い飯舘村で入学式が行われたというニュースをみてさらに心が痛んだ。まだここに子供達がこんなに残っているとは・・・。

計画避難の飯舘村で新学期 21日から村外通学
http://dailynews.yahoo.co.jp/photograph/pickup/?1303306525

 一刻も早く政府は強制的に避難させるべきであるし、住民も危険を感じたら政府を信用せず逃げることが必要である。政府の言うことがころころ変わって信用出来ないから避難しないというバカな発言をする老人がいたが、信用出来ないなら真っ先に避難すべきだ。

 安全・安心をアピールする政府と、危険を指摘するそれ以外という状況では政府を信用するのも無理はないが、その情報が間違っていた時でも安全な方を信じるのが正しい。危険と信じて避難した場合は将来に影響はないが、安全と信じて避難しなかったことが後で間違いだとわかっても遅いのである。本当に安全かどうか、避難先で見極めてから判断するくらいの冷静さを持って欲しい。

 ところで、放射能汚染野菜を風評被害と言い張ることで消費者に安全をアピールする政府とマスコミの罪は重い。こうしたキャンペーンに騙されて自治体の長である都道府県の知事たちにまで愚か者が出現しはじめた。

出荷自粛外の本県農産物 東京で引き受け 石原都知事 「福島には恩がある」
http://www.minpo.jp/view.php?pageId=4147&blockId=9812223&newsMode=article
京都、滋賀の知事が福島県入り 風評被害をなくす支援表明
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20110417000103
>嘉田知事と京都府の山田知事の2人が福島県を訪れ、
>福島県産の農作物などに対する風評被害をなくすため、
>関西でも消費者への呼びかけに全力をあげる考えを示した。

 滋賀県知事の話には実は後日談がある。毎日放送MBSの報道番組VOICEが4/19(火)の夕方のニュースで次のような報道をした。

滋賀県の学校給食に福島県産野菜を採用?

アナウンサー「嘉田知事は福島県の風評被害の防止に特に力を入れたいとしていて、今月末からは学校給食に福島県産の野菜などを取り入れたり、県内で販売会などを催したいと話しています。」

 この報道はNHK等では流れなかったためあまり広くは知られなかったが、滋賀県内の一部ではちょっとした騒動になり、県庁にも確認の電話が何本も入り対応に追われたようである。

 その後、滋賀県庁ホームページに緊急のお知らせとして番組の誤報を知らせる記事が掲載され、4/20の同番組内でも給食ではなく県職員食堂での採用と訂正が読み上げられました。

滋賀県庁 緊急のお知らせ
http://www.pref.shiga.jp/hodo/news/shinsai/20110420.html

 結果として、放射能汚染野菜が児童の給食に採用されるという最悪の事態は避けられたがいつまたこういう愚か者が出現しないとも限らない。販売会で買う人は自分の判断で買うのだろうが、食堂に汚染野菜を導入される県職員も気の毒である。職員の中に妊婦さんがいないことを祈るばかりだ。

それから今後もお母さん達は自治体や教育委員会がとんでもないことを言い出さないか気をつける必要がある。世の中には他人の子どもに平気でこういうものを食べさせようとする人間がまだまだいるようだ。

福島産に「がんばれ!」県特産物取扱店売り上げ3割増し
http://webcache.googleusercontent.com/search?q=cache:zX_8cmPtDsoJ:hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20110330-OHT1T00344.htm+http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20110330-OHT1T00344.htm&cd=1&hl=ja&ct=clnk&source=www.google.com
>「学校の給食で使うんです。もちろん安全な野菜ですから」

 その後中日新聞でこの顛末が記事になったが、マスゴミフィルターを通すと放射能汚染野菜への正常な親の拒否反応は風評被害と名称を変えられ、県庁や教育委員会に電話した人が過剰反応をしていて悪いかのような記事に仕上がっている。このマスコミの徹底した風評被害宣伝にはあきれるばかりだが、自分の記事で将来の小児ガンを増やす片棒を担いでいる可能性があるのによく平気でこのような記事が書けると逆に感心する。本当に自分の子供に食べさせたいと思って書いているのかは大いに疑問である。

誤報道で苦情殺到 「学校給食で福島産野菜」
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20110421/CK2011042102000123.html
>県の担当者は「福島県産の野菜にこんなに過剰反応があるなんて。まさに風評被害の一端」と戸惑っている。
中略
>知事は会見で「風評被害をどう防ぐのか、力を合わせようと福島県の佐藤雄平知事と約束した。
>情報を正しく伝えて、恐れるところは恐れるが、過剰に恐れてはいけない」と話していた。

 ところで滋賀県と京都府が関西広域連合内で福島県の支援担当になったことは既に報道のとおりであるが、やはりがれきの処理も福島県担当になるのであろうか。

がれき30都道府県受け入れ意向 処理量最大281万トン
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011041901000888.html

 川崎市が福島県のがれき受け入れを表明し物議を醸したが、その後放射能に汚染されたものは処理しないと苦し紛れの発表を行った。


「福島のゴミ受け入れ」に苦情 川崎市「汚染廃棄物は処理しない」
http://www.j-cast.com/2011/04/14093153.html
武田邦彦(中部大学) 生活と原発 07 汚染された瓦礫の処理
http://takedanet.com/2011/04/post_29f3.html

 そもそも土壌が数千万ベクレル/Kg単位で汚染されている福島県で放射能に汚染されていないがれきなどありえない。またがれきにいちいちガイガーカウンターをあてて測定しながらトラックに乗せていくような非効率な作業が行われることもまたありえない。

IAEA、検出はヨウ素 測定値を2千万ベクレルと修正
http://www.sakigake.jp/p/special/11/eastjapan_earthquake/news.jsp?nid=2011040101000115

 放射能汚染されていない廃棄物とはいったいどうやって判断すればよいのだろうか。おそらく現実的には無理だ。もし出来るとしたら「20km圏内を除く、30km圏内を除く、あるいは計画的避難区域までを除く」というような机上でしか通用しない放射能汚染区域を避けましたと主張することくらいだろう。これでは全国に放射能汚染がれきが散らばることになる。

 特に、滋賀県は近畿のみずがめ琵琶湖を擁する環境立県だ。埋め立てにせよ焼却にせよ放射能に汚染されたがれきを処理すれば京都や大阪の水道水にまで影響が及びかねない。安易ながれき処理の引き受けは絶対にやめて頂きたい。

04/26追記 ここを見る限り、滋賀県は03/25時点でがれきの受け入れは表明していなかったようだが、西日本から九州、沖縄、北海道まで幅広い自治体が受け入れを表明している。自治体の長たちは放射能汚染地域を日本全国に拡大することになるのがわからないくらい愚かなのであろうか。

 通常のがれきなら受け入れも当然だが、放射性物質を含むがれきは焼却も埋め立ても出来ない。検査もせずに処理をしようとする自治体とそれを容認する政府。誰も日本の将来を守ろうとしない。こんな国は滅びて当然なのかも知れない。

環境省災害廃棄物対策特別本部長協力要請に対するレスポンスについて(3/25)
http://www.env.go.jp/jishin/waste/response110325.pdf

 最後に、わたしの言いたいことを全て言ってくれている武田先生のブログを紹介しておこう。

中部大学 武田邦彦
大人は子供たちを被ばくさせたがっている・・・
http://takedanet.com/2011/04/post_faf5.html
●「雄々しく放射線に立ち向かう」というのが立派なことだろうか?
●60の爺さんが「大丈夫」とパフォーマンスをして、その野菜を子供が食べるというのはどういう意味があるのだろうか?
●なぜ、給食に地産地消を強調するのだろうか?
●福島が汚染されたのは福島の人の責任だろうか?
●東電のミスを福島の子供に転嫁するのは正しいのだろうか?
●被ばくしている児童生徒を疎開させるのは面倒なのだろうか?
●東電のミスで汚染された食材を消費者に転嫁するのが魂のある農業だろうか?
●なぜ、福島の大人は子供を被ばくさせたいのか?
●放射線に高いところの人はなぜ、避難しないのだろうか?
● なぜ、突然、放射線が安全になったのだろうか?

 今からでも福島県周辺に住んでいて避難可能な人はすぐに避難しよう。そして食べないですむ危険なものは食べないようにしよう。自分を守れるのは自分だけ、家族を守れるのはあなただけなのだから。

放射能汚染野菜の危険性について

 福島県産野菜のネット販売に首都圏から注文が相次いでいるという記事を見つけた。

県産野菜「応援の輪」 ネット販売に首都圏から注文
http://www.minyu-net.com/news/news/0417/news6.html

 原発事故により、被害を被っている福島県の方々を支援しようという考え自体は問題ないが、汚染食品をわざわざ購入して食べようという考えには全く賛同しかねる。

 なかには自治体の長が汚染野菜を風評被害だと消費者にアピールする無責任な知事もいるようだ。こうした知事達は、十数年後に自分の選挙区で小児ガンが増えた時にどう責任をとるつもりなのか。本当に腹立たしい。

NHKニュース 嘉田知事が福島県を訪問
http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20110417000103
>嘉田知事と京都府の山田知事の2人が福島県を訪れ、
>福島県産の農作物などに対する風評被害をなくすため、
>関西でも消費者への呼びかけに全力をあげる考えを示した。


 ところでエセ環境団体グリーンピースが福島県双葉郡浪江町津島周辺で農作物の放射性物質の調査を行ったところ、ほうれん草から7-8万ベクレル/Kg、白菜から9000ベクレル/Kgの高レベルの放射性物質が検出されたようだ。

2011/4/06 高レベルの放射線量を測定 ― 福島県双葉郡浪江町津島周辺で
http://www.greenpeace.org/japan/ja/news/press/pr20110406/
>4月4日、グリーンピースは福島県南相馬市や農家の了解を得て、
>農作物の放射性物質の調査を行いました。この調査では、
>ホウレンソウから1キログラム当たり70,000 - 80,000ベクレル、
>白菜から1キログラム当たり9,000ベクレルなど高レベルの放射性物質が
>検出されました。

 しかし、同じ日の福島県発表のデータを見るとそこまでの高レベルの放射性物質は検出されていない。

農林水産物に係る緊急時モニタリング検査結果について
H23. 4.13公表: 野菜[露地・施設栽培](H23.4.11採取分)(PDF形式)
http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/mon230404.pdf

 どっちかがインチキをしているのかと思ったが、ふと思い当たったことがある。

3/18 厚生労働省が野菜類を洗ってから測定するよう通達
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014tr1-img/2r98520000015is5.pdf

 自治体の検査では野菜は洗ってから測定されている。しかし、検査は抜き取り検査である。検査対象の野菜は抜き取って流水でしっかり洗われた後に刻んで測定器にかけられるので検査した野菜自体は廃棄され、出荷されていない。

緊急時における食品の放射能測定マニュアル P8-P12
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r98520000015cfn.pdf
1 NaI(Tl)シンチレーションサーベイメータによる放射性ヨウ素の測定法

>2 野菜類(葉菜等)
>試料はあらかじめハサミ、カッター、包丁等で細切りし*3、
>機器校正で用いたものと同様の0.5〜1L 程度のタッパー容器
>又は2L マリネリ容器に入れて検出器を容器に密着させて測定する。
>機器・器具は牛乳の測定と同一のものとする。

2 ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロメトリーによる核種分析法

>(3)試料は、あらかじめハサミ、カッター、包丁等で細切りし、
>機器校正に用いたものと同じ2L ポリエチレン瓶、2L マリネリ容器、
>0.5〜1L 程度のタッパー容器又は容積100 mL(50 mmφ×50 mm)
>小型容器に入れて測定試料とする。

ゲルマニウム半導体検出器によるガンマ線スベタトロメトリー(350MB) 文部科学省 P108
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/series/lib/No7.pdf
>2.野菜、果物等水分の多い生試料は包丁等で細かく刻む。
>繊維質でないものはミキサーの使用も考えられるが、試料が複数あると
>ミキサーの洗浄が大変なので、なるべく使用しない方がよい。


 抜き取り検査された野菜以外は、洗うことも検査されることもなく出荷されていく。ということは、暫定基準値の数倍〜数十倍の放射性物質が付着したままスーパーへ運ばれ、店頭に並んでいるということになる。

 以前、このブログでは野菜は洗ってから測定されているからこれ以上洗っても数値は変わらないと書いたことがありますが、それは間違いでした。洗ってから出荷されていると思い込んでいたのだが、検査のために洗うわけであって検査しない野菜を洗うほど生産者はヒマではありません。

 よって、スーパーに並んでいる野菜たちは、検査も洗浄も受けていません。洗って検査されたのは抜き取り検査されたほんの一部の野菜だけです。つまり、スーパーに並んでいる野菜は暫定基準値を大幅に超える放射性物質が付着している可能性があるのです。

 これを他の野菜と同じ袋に入れて持ち帰ると他の野菜も汚染されます。さらに、調理の際に自治体が検査したときよりもいいかげんな洗い方をすると暫定基準値を超えた放射性物質を野菜から摂取することになってしまうのです。

 特に、被災地や一部の地域では配布されたミネラルウォーターで炊事をしている地域があります。限られた水で野菜を十分に洗えないことは容易に想像がつきます。関東では水道水にヨウ素やセシウムが含まれている地域もあり、汚染された野菜を汚染された水で洗うしかない地域も存在する。こうして高濃度汚染野菜が日本国民の体内にどんどん摂取されることになっているのです。

 こんなことも知らずに首都圏から福島県周辺に注文が相次いでいるという記事を読むと暗澹たる気持ちになります。無知では自分と家族の健康を守れないという見方もあるでしょうが、無知な国民であっても被害を受けないようにするのが国の役割だと思います。

 現在の政府の対応は国を滅びに追いやるものとしか言いようがありません。一刻も早く、放射能汚染された食品の流通を止め、生産者に補償をする体制を整えないと日本の子供達の命が危ないのです。

 チェルノブイリ原発事故の被害にあった地域では子供達の免疫力が失われ、様々な疾患が表れています。

NHK チェルノブイリ原発事故その10年後
http://www.youtube.com/watch?v=SUP035x9d84#t=11m24s
>事故現場から200km以上離れた村で子どもの23%が白内障や失明
>同じ村では84%以上に不整脈がみられる。
>80%の子どもが胃炎や肺の疾患を持っており、特に12-15歳がひどい。
http://www.youtube.com/watch?v=SUP035x9d84#t=12m53s
>子どもには37ベクレル/Kg以上の食品を与えてはいけない。

※日本の暫定基準は放射性ヨウ素だけで2000ベクレル、
セシウムも含めると2500ベクレル/Kgまで摂取可能。
ストロンチウム他の核種は基準値すらないのが現状です。


 計画的避難区域の飯舘村での住民説明会の映像をニュースで見ましたが、まだ若いお父さんやお母さんたちの姿もたくさんあり、この人達がこの村でどれだけ被曝しているのか本当に恐ろしくなりました。

福山副長官、計画的避難区域の飯舘村で説明
http://www.news24.jp/articles/2011/04/17/07181091.html

 地域への愛着はわかりますが、自分と家族の命の危険を冒してまでその地にいるべきではありません。少しでも早く避難して欲しい。そう願います。

 そして、被曝するまえに強制的に避難する措置をとらなかった日本政府には怒りを禁じ得ません。この期におよんでまだ1ヶ月以内に避難とはどういうことか。あと1ヶ月も被曝していいわけがないのです。

 国民の安全を守ろうとしない政府など、一刻も早く退陣して頂きたい。今の率直な気持ちです。

 

子供への放射線は成人の何倍影響するのか

 放射線が子供の身体に及ぼす影響が、成人の何倍くらいなのかについてはデータがあります。

 放射能の強さを表すベクレルに実効線量係数を掛けると、放射線の人体への影響を表すシーベルトという単位に換算することができます。

 この実効線量係数は放射性ヨウ素131や放射性セシウム137のような核種と年齢層によって数値が設定されているため、同じ放射性ヨウ素131が成人と乳児でどの程度影響度が異なるのかを簡単に概算することが出来ます。

放射線の子供への影響

 なお、年代別の実効線量係数はICRP-56等の報告書に準拠しています。年代別の分類は乳児(1歳未満)、幼児(1〜5歳)、少年(6〜12歳)、青年(13〜18歳)、成人(18歳以上)です。ICRPの報告書は有償なのでネット上では直接見られませんが、こうした報告書を引用している厚生労働省の資料などは参照可能です。

緊急時における食品の放射能測定マニュアル P36(暫定基準値)P37(実効線量係数)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r98520000015cfn.pdf

 これを見ると、成人と乳児では放射性ヨウ素131で8.75倍、ストロンチウム90で8.21倍、セシウム137で1.62倍も影響度が違うということがわかります。ストロンチウム89に至っては13.85倍にもなります。

 そこで暫定基準に話を戻します。

平成23年3月17日付「食安発0317第3号」
放射能汚染された食品の取り扱いについて
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf
平成23年04月05日付「食安発0405第1号」
魚介類中の放射性ヨウ素に関する暫定規制値の取扱いについて
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017z1u-att/2r98520000017z7d.pdf
飲食物摂取制限に関する指標
・放射性ヨウ素 (I-131)
 飲料水 300 Bq/kg・・・乳児は100 Bq/kg
 牛乳・乳製品 300 Bq/kg・・・乳児は100 Bq/kg
 野菜類 (根菜、芋類を除く。 ) 2,000 Bq/kg
 魚介類 2,000 Bq/kg
・放射性セシウム
 飲料水 200 Bq/kg
 牛乳・乳製品 200 Bq/kg
 野菜類  500 Bq/kg
 穀類  500 Bq/kg
 肉・卵・魚・その他 500 Bq/kg
※野菜類は洗ってから測定することとなっています。


 政府が3/17及び4/5に設定した暫定基準値は、乳児の飲料水・ミルクこそ成人よりも厳しめに設定されているものの、幼児や少年は成人と同じ扱いになっています。また、離乳食等に使われるであろう野菜類や魚、肉、卵、穀類については成人と全く同じ基準となっています。ストロンチウムに至っては基準すら設定されていません。

 先日、東京都の金町浄水場の210ベクレル/Kgの放射性ヨウ素131が検出されて以来、北関東では乳児の飲料水暫定基準値である100ベクレル/kgを超える放射性ヨウ素が各地で検出され、各自治体で1歳未満の乳児にミネラルウォーターが配られました。

 しかし、1歳以上のお子さんをお持ちの家庭には配られていません。成人の数倍以上危険にも関わらず幼児や小学生を放置して良いのでしょうか。本当に1歳半なら大丈夫なのか不安とコメントするお母さんがニュースに出ていましたが、その直感は当たっています。

 放射能は危険なものですが、目にも見えなければすぐに影響があるわけでもありません。十数年後に地域の小児ガンの発症率が上がってくるのが恐ろしいのです。

 十数年後に被害が出ても誰も責任を取ってくれません。自分と家族の健康はあなたが守って下さい。

 今あなたにできること、必要なことは放射性物質をいかに身体にいれないかを考え、実行することです。

原発周辺の食品生産者と国の対応はどうあるべきか

 福島原子力発電所の事故により、福島県及びその周辺県産の野菜や魚介類、米、畜産・酪農品の放射性物質濃度が高くなり出荷規制を受けることとなりました。これにより市場では出荷規制を受けていない品目でも価格が付かず、生産者の方は大きな打撃を受けているそうです。

 出荷規制を受けていない品目でも市場で価格が付かない理由はいくつかありますが、主要な理由は下記3点だと考えています。

1.放射性物質の検査が抜き取り検査であること

 生産者団体はコストの問題なのか、決して全品検査をやろうとしません。全品検査を行ってパッケージに表示するくらいのことをしなければ、消費者の不安が消えることはありません。

 野菜の全品検査をするには流水で洗って刻んで検査器にかける必要があるので商品の一部を使ってしまうことになりますが、消費者はそれを望んでいるはずです。抜き取り検査で洗浄後に暫定基準を満たしたとしても、それ以外の出荷される野菜は、検査も洗浄もしていない高濃度汚染野菜です。

 このようなものを出荷するのはもはやテロ行為といっても過言ではありません。

2.国の定めた暫定基準が一般公衆の被曝限度(年間1mSv)より大幅に緩いこと

 放射能は体内への蓄積によってリスクを増すことが一般的にも知られており、少しでも摂取しない方が望ましいことは言うまでもありません。さらに、厚生労働省の指導により洗ってから測定していることも不信感を増大させています。

 食品中のセシウムだけで年間5mSvという基準は震災前まで一般公衆が受ける全ての人工放射線の被曝限度とされていた年間1mSvを5倍どころか大きく上回っていることも信用されない大きな要因です。

 他地域産を買えば放射性ヨウ素や放射性セシウム、放射性ストロンチウム等がほぼ不検出の食品が購入出来ることがわかっているのに、わざわざ福島県周辺地域産の放射性物質が含まれる食品を購入しようとするのはマスコミに影響されやすい頭の弱い人だけです。

 生産者の方が本当に安全と胸を張っていうのであれば、一般公衆の被曝限度(年間1mSv)を満たせる独自基準をつくり、全品検査でそれを下回っている品物だけを出荷するくらいのことをしなければ、消費者の不安が消えることはありません。

3.生産者のモラル

 生産者の方にとって苦労して生産したものが売り物にならないのは大変ショックなこととお察しします。出荷出来なければ収入にはならず、生活が成り立たないのも理解出来ます。まさに死活問題です。

 しかし、生産者の方々は消費者に安全で安心な食品を送る使命をお忘れではありませんか。他地域産の放射性物質が含まれない食品と同じ棚に同じ値段で、暫定基準値以内とはいえ放射性物質が含まれる食品を並べることに抵抗を感じないのでしょうか。

 出荷規制を受けたほうれん草と同じ土地でとれた野菜でも、出荷規制を免れた野菜類をどんどん出荷していますがそれは本当に安全なのですか。自ら出荷を控えるというモラルはどこにもないのでしょうか。茨城県沖でとれた魚介類を千葉県の銚子港に持ち込んで、銚子産で水揚げしようとする漁業者は悪質ではないのでしょうか。

 福島県産の原乳は、他の市町村産と混ぜてから暫定基準値を下回っているか検査をすることになったそうです。そして今後の検査は1週間に1回だそうです。

原乳の放射性物質、基準値下回る 福島
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110409/dst11040900040000-n1.htm
>県によると、今回から検査方法を改め、
>前回(3月29日)に暫定基準値を
>下回った市町村の原乳は戸別検査をせず、
>県内10の乳業メーカーなどが、
>他の市町村産と混ぜた後の原乳で測定した。

>県は、約1週間後に予定する次回検査で、
>基準値を上回らなければ、国と調整して
>出荷制限を解除していく構えだ。

 この原乳でつくられた商品を私は食べたくありません。しかし、日本では加工食品に原産地表示義務がないためこの原乳は様々な加工食品に使用され、我々の食卓に上ってくることになるでしょう。

 それを知った上で出荷を自粛しない生産者のモラルの低さを私は許せません。

福島の原乳 制限解除後も検査
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110409/t10015206001000.html
>入荷したメーカーが顧客に販売する前に、県が原乳の検査を
>およそ1週間に1回行い、結果が分かるまでは原乳を
>とどめ置くよう求めていることが分かりました。

>生産者やメーカーで作る団体
>「検査結果が出るまでに原乳の鮮度が失われてしまい、
>牛乳としては事実上出荷できないのではないか」
>「仮に検査結果で問題が出て出荷できなくなれば、
>原乳の廃棄に大きなコストがかかる。」

 販売前に検査をするのは生産者の責任として当たり前のことではないでしょうか。検査が1週間に1回だと事実上出荷出来ないなら毎日検査してはいかがですか。

 仮に出荷してから検査結果で問題が出た場合、原乳の廃棄はしなくてすむでしょうがモラルがあれば回収に大きなコストはかかるはずです。出荷前に検査せずにどのように消費者に対して責任を取るつもりなのでしょうか。

 こうした消費者の安全を軽視し、生産者の都合だけを考えた対応が、結果として消費者の買い控えにつながっていくことを生産者側も真摯に考えるべきです。

 しかし、出荷制限解除要請の文書を見る限りでは今のところWHO基準以下の検査結果が出ているように見えます。きちんと戸別に毎日検査してWHO基準以下ですと表記して売り出せばいいと思うのですが、なぜわざわざ信頼を失う方向に進むのか理解に苦しみます。毎日の戸別検査にはコストがかかると思いますが、今はコストよりも信頼をつなぎ止める時期と考えて頂きたいと思います。

福島県知事の出荷制限解除要請文書
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000018l0s-att/2r98520000018lal.pdf

 まともな考えをお持ちの農家関係者のブログがありましたので紹介しておきます。
http://ameblo.jp/noukanomuko/

 こういう考えを持っていても補償が行われていないのが現実。正直者がばかをみるこんな世の中でいいのでしょうか。自治体も政府も全国の農家と消費者を守ろうという気がない。仕事してて情けなくならないのですかね。あきれます。

4.国(政府の対応のまずさ)

 生産者に同情すべき点としては、出荷自粛を決断できない最大の要因は、国がいまだに補償内容を明らかにしていないことです。本来、東京電力が補償すべきものですがこうした事態に陥ったからには国が主導して東京電力に責任を持って補償させること、東京電力の支払い能力を上回った場合には国が支援することを生産者に1日でも早く示す必要があります。

 本当にモラルがあれば自ら出荷を自粛し、あとは補償について国や東電と戦っていくというのが生産者としてのスジだと思いますが、そこまで気骨のある生産者は今のところ報道には出てきていません。(おそらくそういう方も大勢いらっしゃるのだと思いますが)

 東京電力は民間企業であるため、生産者に出荷を自粛するなどの補償額が膨らむようなことは言わないでしょう。自らのクビを絞めることになりますし、これまでの対応を見る限り誠意のある会社には見えません。

 政府は、1日も早く福島県周辺の生産者に対して今年の損失補償と新天地での再出発の費用を補償する旨を伝えた上で、出荷を自粛するよう求めるべきです。いや、出荷を禁止した上で補償を行うべきです。

 そうしなければ日本の農業、畜産・酪農業、水産業に未来はないでしょう。

今、私たちが出来る放射能対策

 災害や事故が発生すると、政府やマスコミは「冷静に落ち着いて行動しましょう」と連日のように報道します。今回の福島原子力発電所の事故でも同様の報道がさかんに行われ、政府は「ただちに健康に影響はない」という言葉を繰り返しています。

 放射性物質が大気中及び海中に放出され空気や土壌が汚染され、飲料水や食品が汚染されていく中で、我々はどのような行動をとるべきか。今一度考え直してみようと思います。

 まず、あなたが海外旅行へ行った際に、200km先で原子力発電所の事故があり放射性物質が飛散して飲料水や食品が汚染される可能性があると報道されたらどのように行動するでしょうか。

 たとえその国の政府が「ただちに健康に影響はない」と何度説明したとしても日程を早めて帰国するのではないですか。それは人間として正常な行動です。確実ではなくともリスクが高いと判断すればその場を離れるのが冷静で落ち着いた行動です。

 つまり、外国人が日本を離れるのは当然のことであり、日本から避難する外国人を罵倒するのはまさに筋違いのやつあたりにすぎません。このような行為はまさに慎まねばなりません。

 ただし、ここ日本で生活する我々日本人は帰国するわけにはいきません。そして関東に生活の基盤がある人は簡単に西日本へ避難することも出来ません。

 なにしろ周囲の人は普通に生活しており、会社は事業を継続していてまさか自分だけが放射能が危険だからといって会社を休んで避難するわけにはいきません。お給料がなければ生活だってしていけません。

 しかし、飲料水や食品まで放射性物質に汚染され、大気中にまで放射性物質が飛散し、原発事故がまだ収束の兆しすら見せないなかでこれまで通りの日常生活を送ることが果たして冷静で落ち着いた対応と言えるのでしょうか。

 現代人は危険にあまり縁のない生活をしているため、現在の生活環境を変えるようなことは出来るだけしたくないため心理的なバイアスがかかってしまいます。

 これを心理学では正常性バイアスといいます。そして、周囲の人が誰一人避難しようとしない。だから危険はあまりないんだ、私も逃げる必要はないんだ。危険だからって住み慣れた街を捨てて逃げるなんてむしろ格好悪い。私だけが野菜や肉の産地を選んで買うなんて自分だけが助かろうとしているみたい。こういう思考を多数派同調バイアスといいます。

 正常性バイアスと多数派同調バイアスについては、2003年の韓国地下鉄火災で煙が充満する車両の中で逃げようとせずおとなしく救助や指示を待っている乗客の写真がよく例に挙げられます。

防災心理学、正常性バイアス、多数派同調バイアス
http://www.bo-sai.co.jp/bias.htm

 今放射能汚染にさらされている我々は今まさに煙にまかれている乗客達と同じ状況にいると考えられます。放射能の危険性は、何mSv以下なら絶対に大丈夫という閾値はありません。出来るだけ摂取しないことが何よりも大切なのです。

 今の生活を守ることはもちろん大切ですが、自分と家族の生命と健康を将来に渡って守ることも重要です。みんなが避難していないのだから大丈夫という思考停止に陥ることなく、本当に今の行動が最善なのかを時々考え直してみるべきです。

・わざわざ原発周辺県産の食品を積極的に食べる必要はないのではないか
・宅配の水や生協を利用して出来るだけ安全なものを手に入れられないか
・マンションの管理組合に逆浸透膜ろ過が出来る給水器の導入を提案してみようか
・都内で引越を検討していたけど、少しでも離れて神奈川方面から通勤出来ないか
・妻と子どもだけでも実家に避難できるのではないか
・転職や転勤で数年間実家や安全な地方に引っ越すことはできないか
・福島原発の状況が悪化した時避難出来るように持ち出す荷物を整理しておこう
etc.

 少し考えて準備することで避けられるリスクもあるはずです。同じ場所に住んで同じ空気を吸っていても飲料水や食品に気をつけるのと気にしないのではリスクが格段に違ってきます。

 どのみち関東の人が全員避難してきたら西日本にも住む場所はありませんし、食料や水も奪い合いになります。政府は「ただちに健康に影響はない」としか言いようがないのもわかります。

 結果としては自分で判断出来る人だけが対策をして、放射能なんか気にしないという方は積極的に摂取することになってしまうのだと思いますが、自分がどちらのグループに入るのかは自分自身で決めるしかないと思います。

 ただひとつ、言えることは安全側に舵を切れということです。入ってきた情報が間違っていた時でも大丈夫な行動を取るのが正解といえるでしょう。後に、なんだ気にしすぎて損したと思えるのか、そんなこと今さら言われても手遅れだ、となるのか。

 どちらを選ぶのかが今問われているのです。

政府の発表する暫定基準値が信用されない理由

 日本政府は東日本大震災と福島原発事故のあと、飲料水や食品の放射性物質の暫定基準値を定めた。しかし、その決定プロセスの不透明さや不十分な説明によって国民の信用を得られていない状況にある。

 こうした暫定基準値への不信が被災地の農産物への風評被害につながっていると指摘する声もあるが、今回の暫定基準値決定のプロセスでまずかった点を検証し、どのようにすればよかったのかを考察してみたい。

【暫定基準に関する主な通達、報道の時系列まとめ】
3/17 飲料水と食品の暫定基準値を部長通知のみで決定
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf
3/18 「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」には記載がないが洗ってから測定するよう通達
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014tr1-img/2r98520000015is5.pdf
4/4 水道水の摂取制限に新ルール(3日間平均)を導入
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011040401001114.html
4/5 魚介類中の放射性ヨウ素に関する暫定規制値の取扱いについて
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017z1u-att/2r98520000017z7d.pdf


 今回の暫定基準値が国民の信頼を得られなかった原因について、下記の4つのポイントに絞って考察してみた。

---ここから

1.情報開示

 3/17の暫定基準は政府から国民への周知が行われないまま設定された。従って従来準拠していたWHO及びCODEXのガイドラインや、暫定基準値の前提となる年間被曝量、人体影響の閾値についても全く説明が行われないままである。

 厚生労働省の部長通知だけで終わらせるのではなく、政府が記者会見等を通じてきちんと説明した上で国民に周知すべきであったと思われる。

2.国際基準への準拠(独自設定)

 3/11に政府は原子力緊急事態宣言を発令しているが、このような非常事態下における暫定基準には国際基準をそのまま適用した方がよい。日本独自の基準に変更するのであれば安全である根拠を明示しなければならない。

 今回は、ただちに影響があるとはいえないと繰り返すばかりで安全性について国際基準との比較や安全とする根拠について説明がないのが問題である。

 なお、国際原子力機関(IAEA)が定めている原子力緊急事態(核戦争、原発事故等)発生時の飲料水及びミルクの基準値は下記の通り。

IAEA 核と放射線安全性:緊急時の対応のためのガイダンス
http://www.iaea.org/Publications/Magazines/Bulletin/Bull381/38102682327.pdf
 放射性ヨウ素131    1000Bq/Kg(成人) 100Bq/Kg(乳児)
 放射性セシウム137   1000Bq/Kg(成人)1000Bq/Kg(乳児)
 放射性ストロンチウム90 1000Bq/Kg(成人) 100Bq/Kg(乳児)

 さらに、IAEAはSafety Standardsという文書のなかで、核種を問わずβ線で100Bq/Kg,α線で5Bq/Kgを超えた場合は核種を判別するスクリーニングを行う必要があり、さらに下記のOIL6の値を超えた場合は、(脱水や餓死などですぐに命の危険があるような)例外的な場合を除いて飲むことには適さないかもしれないと記述されています。実際にはこのレベルを超えるような飲食物を摂取し続けたデータがないから不明ということなのでしょう。このレベルになると食品、ミルク、飲料水の代用品を探す必要があり、用意出来ない場合はその場所から避難すべきであるとしています。

IAEA Safety Standards
http://www-pub.iaea.org/MTCD/publications/PDF/Pub1467_web.pdf
P42(Table9 OIL5) ・・・超えなければ緊急時に摂取してよいレベル。超えたらOIL6を適用して核種毎のスクリーニングが必要。
 β線合計 100Bq/Kg
 α線合計 5Bq/Kg
P42(Table10 OIL6)
 放射性ヨウ素131    3000Bq/Kg(成人)
 放射性セシウム137   2000Bq/Kg(成人)
 放射性ストロンチウム90   2000Bq/Kg(成人)

P39(Table10)
> If the OIL6 levels in Table 10 are exceeded,
> consumption of non-essential food, milk or water
> should be stopped, and essential food,
> milk and water should be replaced or the people
> should be relocated if replacements are not available.

 日本の基準はIAEAの10倍厳しいから安全だという人は、このSafety Standardsを根拠に主張されているようですが暫定基準値に緊急時の対応のためのガイダンスと比較する方が適切であり、避難の基準であるSafety Standardsの数値と比較するのは乱暴といわざるをえません。

 他に食べるものがないのならともかく、東北及び関東以外の地域から食品の調達が出来る現状で非常時の基準を適用してまで放射性物質を含む食品を国民に食べさせる必要性は全くないと私は思います。

3.期限の明示

 3/11に政府は原子力緊急事態宣言を発令している。今回の暫定基準は、原子力緊急事態下における一時的な数値であるということが周知されていないのは問題である。

政府、原子力緊急事態宣言を発令
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110311/dst11031120090164-n1.htm

 現在の首都圏は原子力緊急事態下にあるため、IAEAの緊急時のガイドラインを暫定基準値として1年間に限り採用すると日本政府は国民に周知するべきであった。多少緩い基準値であっても期限が明確に設定されていれば人体への影響も限定的となり、理解を得られやすくなる。

 暫定基準値を、現行の平時の基準値とこっそり差し替えて知らんぷりを決め込むような態度では国民の信頼を失っても無理はない。パニックを起こさせないために情報を隠蔽するということを政府や役人はよくやるが、これはむしろパニックを誘発することになるのを肝に銘じてもらいたい。

 この情報化社会で隠すことなどもはや不可能なのだ。真実が明らかになって信頼を失うくらいなら最初から情報を開示して国民の理解を得るべきだ。それこそが信頼につながっていくのだ。


4.変更と緩和

 野菜を洗ってから測定するという通達は、実質上暫定基準値の緩和といってよい。洗う前なら基準値を超えている野菜が洗うことで基準値以内になる。こうしたマニュアルに記載されていない事項を国民への周知もないまま指示しており、なおかつ安全側ではなく危険側に舵を切っている点がフェイルセーフの観点から非常に問題がある。

 また、同様に水道水の取水制限等を3日間の平均で判断したり、原乳を集荷してから検査するなど、事実上の規制緩和措置を次々に打ち出しているが、こうした姿勢は国民の信頼を損なうものである。

 暫定基準値など設定せずWHOとCODEXの平時基準を満たせないものは出荷すべきでないというのが私の持論ですが、本当に他に食べるものがないような事態が発生したら期限を設定した上で非常時の国際基準値をそのまま採用するべきだ。

 IAEA等の緊急事態マニュアルにないような運用による基準値の緩和等行うべきではなく、状況をみながら厳しくする方向へ変更していくのが正しい。そうしないと国民の安心は得られない。

---ここまで

 今回の暫定基準に関しては、厚生労働省からの部長通知による決定の3日後に食品安全委員会に諮問を行い、その後に専門家による審議が行われている。専門家の評価は暫定基準を定める段階で行うべきであろう。

 また、その専門家である食品安全委員会は暫定基準を根拠もなく緩和しようとしたあげく消費者からの反対の声が大きかったため断念している。国民の食の安全を守る気がないのであれば、いったいなんのために存在している委員会なのであろうか。

3/20 厚生労働大臣が食品安全委員会に「食品中の放射性物質について指標を定めること」について諮問
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017tgn-att/2r98520000017tl9.pdf
3/22 食品暫定基準は適正か 食品安全委が評価作業に着手
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110322/trd11032213550007-n1.htm
3/25 放射性物質:食品や飲料水、規制値緩和へ 食品安全委
http://mainichi.jp/select/science/news/20110326k0000m040133000c.html
食品の基準緩めないで 消費者から意見100件
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/03/30/kiji/K20110330000531530.html
3/29 「放射性物質に関する緊急とりまとめ」暫定基準は充分に安全。
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/print/kai20110329sfc
3/30 「放射性物質に関する緊急とりまとめ」のポイント(事務局による要点整理)
http://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20110330ri1&fileId=130

 さらに食品安全委員会は、今回の検討について、次の点を指摘している。

「緊急的なとりまとめを行ったものであり、今後、諮問を受けた内容範囲について継続して食品健康影響評価を行う必要があること」、「発がん性のリスクについての詳細な検討は行えていない等、さまざまな検討課題が残っていること、特にウラン並びにプルトニウムなどについては、曝露状況等も把握した上での評価、遺伝毒性発がん物質としての詳細な評価、あるいは各核種の体内動態等に関する検討も必要である。」

 要するに急に決まったため、内容は全然精査出来ていないのでこれから検討するといういことだ。暫定基準値が妥当かどうかは専門家の間でもまだ検証が出来ていないと言うのが結論である。

 事故が起きてから後手後手にまわる対応を見ていると「泥棒を見て縄を綯う」という印象が否めない。それも信頼されない理由のひとつであろう。

 いずれにしても、政府が国民の食の安全を守るのは当然のことであり、損害を被る生産者に対しても東京電力の補償を受けられるよう政治的に主導すべきだ。どちらをおそろかにしてもいけないのだが、そのどちらも行っていない現政権にはもはやあきれるばかりというほかない。

2011/09/20追記
下記のエントリでどのような暫定基準値なら安心出来るかを考えてみた。やはり原発事故前の基準値である『年間1mSvという一般人の被曝限度を遵守する』というのは信頼される基準値として絶対に外せない点だと痛感した。これをないがしろにしていることが、信頼されない大きな理由の一つと考えるので、ここに追記しておきたい。

正しい食品暫定基準値のつくりかた
http://blog.livedoor.jp/hirezake_nomitaiyo/archives/1640485.html

食品と放射性ヨウ素131の半減期について

 放射性ヨウ素131は物理学的半減期が8日と比較的短期間であるため、数日置いておけば大丈夫と言われることがあります。

 そこで、暫定基準値をぎりぎり満たすような水や食品を何日置いておけばWHOやコーデックス委員会の国際基準を満たせるところまで放射線量が減少するのか調べてみました。

厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知
平成23年3月17日付「食安発0317第3号」
放射能汚染された食品の取り扱いについて
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf
平成23年04月05日付「食安発0405第1号」
魚介類中の放射性ヨウ素に関する暫定規制値の取扱いについて
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017z1u-att/2r98520000017z7d.pdf

飲食物摂取制限に関する指標
・放射性ヨウ素 (I-131)
 飲料水 300 Bq/kg
 牛乳・乳製品 300 Bq/kg
 野菜類 (根菜、芋類を除く。 ) 2,000 Bq/kg
 魚介類類 2,000 Bq/kg

WHO飲料水水質ガイドライン P203、表9.3
http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf
・放射性ヨウ素131     131I   10 Bq/L

CODEX委員会(FAOとWHOがつくった国際合同食品規格委員会)のガイドライン P33
http://www.codexalimentarius.net/download/standards/17/CXS_193e.pdf
・放射性ヨウ素 (I-131)
 乳幼児用食品 100Bq/kg
 一般食品 100Bq/kg

放射性ヨウ素の半減期と暫定基準

※投稿当初、魚介類の暫定基準値を1000Bq/Kgで記載する誤りがあったので訂正しました。
※半減期とは理論上の目安であり、実際にこの通りに半減するわけではありません。

 放射性ヨウ素131を300Bq/Kg含んだ水を、乳児の暫定基準である100Bq/Kgまで減少させるには約13日、WHOのガイドラインである10Bq/Kgまで減少させるには約40日かかります。

 放射性ヨウ素131を2000Bq/Kg含んだ魚や野菜類をコーデックス委員会の一般食品基準である100Bq/Kgまで減らすには35日かかることがわかります。

 これまでちょっと数日置いただけで劇的に放射性ヨウ素が減る印象を持っていた方は考えを改めて頂きたい。

 水道から出して2週間たった水をミルクに使いたいお母さんはいないと思います。ペットボトルで販売されているミネラルウォーターならともかく家庭の水道から出して40日経過した水は飲めません。

 最近では浄水器を使っている家庭も多く、塩素が除去されているため痛みやすくなっていますから、数日汲み置くのはおすすめしません。

 同様に35日経過した魚介類や野菜類も食べようと思う方は少ないでしょう。冷蔵庫や冷凍庫で保管すればなんとかなるかもしれませんが、放射性物質が半減するということは崩壊反応により放射線を周囲に出しているということになります。

 ヨウ素131がベータ崩壊によりキセノン131mに変わる時にβ線が、キセノン131mが最終的に安定物質であるキセノン131に変わる時にはγ線が放射されています。

 こういうものを他の食材と一緒に冷蔵庫や冷凍庫に詰め込むのはあまりおすすめ出来ないといわざるをえません。

 やはり、出来るだけ最初から放射性物質が含まれる可能性の低い水や食品を手に入れることが大切です。もはや避けることは出来ないから気にしても仕方がないという投げやりな方もいますが、意識して避けるのと何もしないのでは数年経過すれば蓄積量が全く違ってきます。

 最近は「原発周辺の被災地産の食品を食べて風評被害をなくしましょう」などという無責任極まりない報道等が見受けられますが、特に小さなお子さんや妊婦さんは惑わされることなく安全安心な食品を手に入れるように心掛けて頂きたいと思います。

 なお、生体内に入ってから半分が排泄されるまでにかかる期間は生物学的半減期といい、物理学的半減期とは全く異なるためご注意下さい。

【主な放射性核種の物理学的半減期】
ヨウ素131 8.04日
セシウム137 30.0年
ストロンチウム90 28.8年
プルトニウム239 2.4万年
ウラン238 45億年

チェーンメールの見分け方

 東日本大震災のあと、節電を呼びかけたり、地震で閉じ込められて救出を求めるチェーンメールなどが各地で蔓延していたという。

 世の中の混乱に乗じて現代版不幸の手紙とも言えるチェーンメールが蔓延するのはよくあることであるが、そろそろ受け手側も見分ける手段を身につけてはいかがだろうか。

 チェーンメールを見分ける手段とは実に簡単である。


「このメールを出来るだけ多くの方(不特定多数)に送って下さい。」


 こう書いてあれば100%チェーンメールである。そもそも誰だかわからない多数の人に送らなければならないメールは未承諾広告くらいしかありえない。

 関西電力が節電を呼びかけるなら、口コミメールではなくWEBサイトにその旨を記載し、マスコミを通じて呼びかけるであろうし、被災地で瓦礫に埋もれている人がいたとすれば、最初に受け取った人が消防に連絡すれば済む話である。

 チェーンメールの拡散は、他人に転送する前に自分で関西電力のサイトを閲覧するなり一次ソースを確認すれば防ぐことができる。

正しい情報は正しいルートでしか入ってこない。

 これだけ覚えておいて欲しい。裏ルートで入ってきた情報も、本当ならば正しいルートでもう一度入ってくるはずである。

 正規のルートで確認出来ない情報はうさんくさいと考えるくせを身につけよう。それがこの情報化社会を生き抜く基本中の基本なのだ。

水道水及び食品暫定基準の妥当性について

厚生労働省3/17通達の水道水及び食品の暫定基準の妥当性について検証してみた。

厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知
平成23年3月17日付「食安発0317第3号」
放射能汚染された食品の取り扱いについて
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf
平成23年04月05日付「食安発0405第1号」
魚介類中の放射性ヨウ素に関する暫定規制値の取扱いについて
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000017z1u-att/2r98520000017z7d.pdf

まず、産経新聞の記事(http://www.sankeibiz.jp/econome/news/110324/ecb1103240901000-n1.htm)によるとこうある。

> 原子力安全委員会などによると、指標の数値は、
> 国際放射線防護委員会(ICRP)の
> 勧告などを基に算出した。

>  放射性ヨウ素は年間約33ミリシーベルト、
> 他の放射性物質は年間5ミリシーベルトまでなら、
> 摂取しても安全と判断。その上で、日本人の平均的な
> 食生活のデータも取り入れた。

>  具体的には、成人の場合、1日の摂取量は
> 飲料水1・65リットル▽
> 牛乳・乳製品200グラム▽
> 野菜類600グラム▽
> 穀類300グラム▽
> 肉・卵・魚・その他が500グラム。
> 水など1日の摂取量が多いものほど、
> 基準を厳しくする必要がある。

 この数値をもとに、乳児(1歳未満)、幼児(1〜5歳)、少年(6〜12歳)、青年(13〜18歳)の1日の摂取量を次のように決めた。
※年齢別分類はICRP-56報告書に準拠。

飲料水・・・乳児 1.0L/日,幼児1.1L/日,少年1.2L,青年は成人と同じ。
食料品・・・乳児はミルクのみと仮定して0(ゼロ)、幼児は成人の1/2、少年は成人の3/4、青年は成人と同じ。

 放射性ヨウ素131及び放射性セシウム137の年代別実効線量係数はこちらの資料を参考にした。

緊急時における食品の放射能測定マニュアル P37参照
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r98520000015cfn.pdf
※ただし、放射性セシウム137の成人実効線量係数は1.3x10-4と記載されているが、青年の値と1桁も異なるとは常識では考えられない。1.3x10-5の間違いと思われるので1.3x10-5で計算するものとする。信じられないことだが、政府や役所の発行する資料にもこのような間違いは何カ所もある。本当に情けないことだ。

 上記の条件で暫定基準による1年間の被曝量を試算すると次のようになる。

暫定基準値の妥当性_20110831
  ※乳児の飲料水のCs137被曝量に数値の誤りがあったため修正しました。
 ※放射性ヨウ素(I131)の被曝量は「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」に従い甲状腺等価線量で算出しています。

【暫定基準による年間被曝線量】
乳児  6.64[mSv]
幼児 41.79 [mSv]
少年 31.24 [mSv]
青年 29.50 [mSv]
成人 20.45 [mSv]
※1 ただし、放射性ヨウ素131、放射性セシウム137に限定
※2 2011/04/05に魚介類の暫定基準が発表されたため、魚介類を含めて改訂済。

通常、人工的な放射線の年間被曝線量の目安はこんな感じになる。

1.0[mSv]・・・一般公衆が1年間にさらされてよい人工放射線の限度。
5.0[mSv]・・・放射線業務従事者(妊娠可能な女子に限る)が法定の3か月間にさらされてよい放射線の限度。
50.0[mSv]・・・電離放射線障害防止規則による放射線業務従事者(妊娠可能な女子を除く)が1年間にさらされてよい放射線の限度。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88#.E6.94.BE.E5.B0.84.E7.B7.9A.E9.98.B2.E8.AD.B7.E3.81.A8.E3.82.B7.E3.83.BC.E3.83.99.E3.83.AB.E3.83.88

 これだと、日本人は生まれた瞬間から放射線業務従事者と同じ扱いにされているということになる。妊娠可能な女性についてはこの基準にすらおさまっていない。

 医療による被曝や放射線業務従事者の被曝許容線量が高めに設定されているのは、被曝量を数値で管理しているから出来ることである。一般人はどれだけ被曝したかを把握することが出来ないため、同様の基準に当てはめるのは乱暴すぎるといえよう。

 また、今回の試算は飲料水と食品による放射性ヨウ素131と放射性セシウム137に限定しているので空気中の放射性物質が呼吸によって取り込まれる分や放射性ストロンチウム90、コバルト60等の他の放射性物質による被曝は考慮していない。このため被曝線量はさらに高くなる恐れがある。

 こうしてみるとWHO飲料水水質ガイドラインはよくできている。生涯摂取し続けても問題ない量におさまるようになっているのだ。

下記資料のP203、表9.3を参照
http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf
・ヨウ素131     131I   10 Bq/L
・セシウム137    137Cs   10 Bq/L

 今回の暫定基準のもとになっているICRPの基準は1年間の摂取を前提にしたものである。原子力事故を想定しているのだろうが、1年以上長引くようなケースを想定していないのだろう。

 普通に考えたら原子力事故が発生しても政府が国家を挙げて対処にあたるため、長期に渡って高レベルの放射性物質がまき散らされることなどありえないというのがICRPの考え方なのだろう。

 原発や核兵器を持っているような先進国で無能な政府と無責任な企業が対応に失敗して事故が長引くような間抜けなケースは想定されていないというのが実情だ。

 つまり、この暫定基準は原発事故という緊急事態によって一時的に決められた値であり、事故がおさまれば元の基準に戻すべきものであるということになる。

 しかし、国民の食の安全を守るための食品安全委員会がこの暫定基準をさらに緩和しようという動きがあった。

放射性物質:食品や飲料水、規制値緩和へ 食品安全委
http://mainichi.jp/select/science/news/20110326k0000m040133000c.html

 これに対して消費者が反発したのは当然といえる。なしくずしに基準が緩和されるようであれば消費者は店頭に並ぶ食品に対して不信感を抱かざるを得ないからだ。

食品の基準緩めないで 消費者から意見100件
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/03/30/kiji/K20110330000531530.html

 世論の批判にさらされて食品安全委員会はしぶしぶ緩和を取り下げたが、いったい誰のための食品安全委員会なのであろうか。

暫定基準値「十分に安全」食品安全委、緩和は判断せず
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110329/dst11032922330067-n1.htm

 ここで言えることは、暫定基準値は決して安全といえる数値ではないということだ。しかし、この基準を満たした食品は流通してしまうため消費者に出来ることは危険な地域を産地とする食品をなるべく買わないことしか出来ない。

 特に幼児は乳児のヨウ素基準を100Bq/Kgまでに限定したように暫定基準に配慮がされていないため、試算ではもっとも危険な被曝線量になっている。水道水が乳児の暫定基準を超えたとしても、幼児を持つ家庭には自治体から水が配られることもない。

 小さなお子さんをもつお母さんや妊婦さんは本当に水と空気と食材には気をつけて欲しい。被災地の野菜を買おうなどという馬鹿げた行動に煽動されて自分や家族を危険にさらすことがないよう、自分と家族をしっかり守って頂きたいと思う。北関東から避難出来るならば今すぐ避難した方がいいのはもう間違いないのだ。

 これからなしくずし的にこの暫定基準が緩和されてしまうようなことがあれば、日本の農産物はパッケージに放射性物質の残留濃度を表示するくらいのことをしなければ消費者は身を守る手段がなくなってしまうだろう。

 日本でも狂牛病騒動の際に全頭検査を実施したことがあったが、あれくらいやらないと神経質になっている消費者を安心させることはできない。特に欧米の消費者はチェルノブイリやスリーマイルの被害を受けているため放射性物質には敏感だ。

 今後は農産物に限らず日本から海外への輸出品には全て残留放射性物質を表示するような対策が行われるだろう。そうしないと売れないからだ。

 いずれにしても原発問題が長期化すれば日本人は飲料水に食品だけでなく輸出も含めた経済活動にまで大きく影響を受けることになる。事態は日々悪くなる一方で改善の兆しが見えない状況であるが、一刻も早い収束を祈るばかりである。

4/4 追記
残念なことに、東京では今後20ベクレル/kg以下は不検出とされるようですね。WHOガイドラインを満たしているのかそうでないのかは今後わからなくなるということです。残念です。
http://www.metro.tokyo.jp/INET/OSHIRASE/2011/04/20l44200.htm

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