ネットでのニュースと言うのはどこまで信頼性が有るか分からない訳ですが、もしこれが本当なら大変な事だというのが有りました。
半導体韓国に半導体製造材料の主要3品目の輸出規制をしているのはご存じの通りだが、先日私も書いたがフッ化水素の国産化に成功したと言うニュース。どうやらとんでもない事が進んでいるらしい。民間レベルでソウルブレインは日韓合弁会社で需要の7〜8割を賄える工場を作って製造を始めるという。テュエルブナイン(不純物を1兆分の一に抑える)の高純度フッ化水素は世界の8割を日本がシェアしていたが、輸出規制で日韓双方の企業で業績に影響が出ていた。一般的には韓国のサムスンとSKハイニクスなどの半導体製造に影響が出ている事しか言われていないが、日本のステラケミファは売り上げが前年対比88%減banner1まで経営が悪化した。それに対して日本国家自体が何らかの手当てを出来ない(特例を作って保護してやってもええじゃん)から生き残り策とすれば韓国へ工場を作って製造する、つまり技術の流出だ。40〜50年かけて積み上げた日本の芸術的な技術がいとも簡単に流出するのだ。これで世界のシェアは大きく崩れ、横流しも何も韓国(政府)の意のままになるし、日本の重要度も格段に落ちる。圧倒的に得するのは韓国になる。有機ELなど日本の技術者を好条件で騙して、技術を蓄えたらポイとされて泣いた事を忘れたのかねぇ。他の技術にしても同様の危険を伴っている。
 日本のシェアといっても企業が“ちょっとづつ積み上げた業績結果”で、高純度フッ化水素といっても日本以外でも製造されている。ただ(高純度を)安定した量産が出来る技術が有ったわけだ。技術力は中国、台湾、韓国内、シンガポール、ロシアなどその他にも有るがコストパフォーマンスやら需要探しなどの営業も含めて金と時間がかかっている。その分かりにくいノウハウは工場一つ増設すればいいのと違って多大な忍耐も必要で、特別な需要が一気に増えることも無かったものだ。時間がかかったのには濃密な理由が有るはず。それを美味しいとこ取りされるのはなんともはや。
蛍石 元々、原料の蛍石に硫酸を反応させて作る無水フッ化水素の原料も中国製でステラケミファも森田化学も中国政府の意向も有って中国国内に工場を持っている。純度を高めるブラックボックスが日本に有ったというわけだ。日本が偉そうに輸出規制をするのはいいが、縦割り行政でそれぞれの部署が考えも無く言われた事だけをこなしていて、その間に数字で見えないツボ部分を他国にしてやられるのは下手糞としか言いようがない。これからの時代はここが重要になってくる。米国のデュポン社もこのゴタゴタ間に韓国内にフォトレジストの工場を作ったと言う。世界経済市場に容赦は無い。弱みを見せたらそこを突かれるのが当たり前。韓国のやり方も私が招待されて行った12年前と変わっていない。工場誘致には土地探しに協力し、税金免除(10~50年?)をするやり方だ。民間の権利もしっかりしている日本ではなかなか難しい。シェアを確保していたのは民間企業の努力だし、それを政府の鶴の一声で変えられるリスクは民間の責任でしょうか?それでも潰れる訳に行かない。小まめな言葉のやり取りに表と裏の使い分けが重要な時です。この生き馬の目を抜くシビアさを認識できない人は危機感の欠如と言われても仕方ありません。ボクシングでも攻撃と防御の両方を備えないと世界チャンピオンにはなれないし、先を読む力も大きいはず。一体感が無いと努力が無駄にもなります。輸出規制という切り札で有利になったのはいいが、今後も国としてしっかりしたプランを持っていることを期待したい。

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