今回はE.W.&F.40周年という事で、CBSより発表の諸作の中から代表作が紙ジャケ化されたラムゼイ・ルイスの諸作をまとめて〜です。

買い直しも少々〜(苦笑)。

番外1:「太陽の女神(紙ジャケット仕様)太陽の女神(紙ジャケット仕様)」:Sun Goddess〜Ramsey Lewis
アーティスト:ラムゼイ・ルイス
SMJ(2011-10-19)
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オリジナル音源は1974年発表。

本作抜きにラムゼイは語れません〜(苦笑)。買い直しです〜(苦笑)。全7曲収録。

かつて、ラムゼイ・バンドに属していたモーリス・ホワイトをプロデュースに迎えて、冒頭M-1「Sun Goddess(邦題:太陽の女神)」やM-5「Hot Dawgit」らでスキャット導入。その宇宙的な響きに、色褪せないサウンドに昇華させてますが、その他スティービー・ワンダーのカバーM-2「Living For The City」やM-3「Love Song」など、メロディアスな楽曲が多いのも人気の理由かと…。

ただそのM-2、Blu-spec CD化に伴うリマスターにより、エレピの音が割れ気味なのが不満〜。

1:「ドント・イット・フィール・グッド(紙ジャケット仕様)ドント・イット・フィール・グッド(紙ジャケット仕様)」:Don't It Feel Good〜Ramsey Lewis
アーティスト:ラムゼイ・ルイス
SMJ(2011-10-19)
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オリジナル音源は1975年発表。

モーリスらが忙しかったそうで〜。ただし1970年代のE.W.&F.のブレーンであったチャールス・ステップニーとラムゼイの共同プロデュース作。全10曲収録。

まあ上の番外1や下の番外2の方がよく知られているラムゼイですが、ラムゼイの幅広さがいい意味でごった煮されてる点から、実は本作はかなりツボかも…。

女性スキャットやらにメロを取らせながら、裏でサラッとエレピ奏でるM-1「Don't It Feel Good」で幕を開け、同様のM-2「Juaacklyn」。またシンセがウネウネと彩るファンキー系のM-3「Spider Man」、更に後半は男性ボーカルが面白おかしく歌う軽妙なM-7「Fish Bite」にM-10「Can't Function」。

そんな一方で、センスよくまとめたE.W.&F.のカバーM-6「That's The Way Of The World(邦題:暗黒への挑戦)」や、レア・グルーヴっぽさが濃厚?M-5「Something About You」や、宇宙路線?M-9「I Dig You」と、スロー系は美しくまとまってます。

そんな振れ幅、演出したのはステップニーだろうが、それを見事に吸収、形にするラムゼイのスゴさ、只者ではないなぁ〜。

参加ミュージシャン。Byron Gregory(g)、Tiaz Palmer(b)、Morris Jennings(ds & perc)、Derf Reklaw(vo,flu & perc)、Paul Serrano(horns)、Morris Stewart(vo)、Brenda Michell(vo)。

番外2:「サロンゴ(紙ジャケット仕様)サロンゴ(紙ジャケット仕様)」:Salongo〜Ramsey Lewis
アーティスト:ラムゼイ・ルイス
SMJ(2011-10-19)
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オリジナル音源は1976年発表。

再びモーリス・ホワイトをプロデュースに迎えて制作された1枚であります〜。買い直しです〜。全7曲収録。

モーリス迎えての出世作「番外1」よりも派手で、冒頭のM-1「Slick」やM-4「Salongo」では、スキャットに加えてブラス隊が賑やか〜であります。特にM-1はブラス・ロックに仕上がっていて、E.W.&F.ブラス隊の活躍&自己表現の場となってます〜(笑)。また殊更ファンク色が強いM-2「Aufu Oodu」なども秀逸。

そしてピアノとオケ隊らによるM-6「Nicole」は、ラムゼイのリリカルさが表現されている名曲かと…。

番外3:「ラヴ・ノーツ(紙ジャケット仕様)ラヴ・ノーツ(紙ジャケット仕様)」:Love Notes〜Ramsey Lewis
アーティスト:ラムゼイ・ルイス
SMJ(2011-10-19)
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オリジナル音源は1977年発表。

こちらはE.W.&F.抜きに制作された1枚。買い直しです〜。全7曲収録。

以前にレビューしましたが、スティービー参加のM-1「Spring High」、同じく楽曲提供のM-4「Love Notes」が目玉。M-1ではラムゼイと共にシンセを重ねてメロを奏で、その軽妙さは◎。

またM-4に加え、M-2「Love Theme From "A Star Is Born"(Evergreen)」におけるリリカルなラムゼイのピアノは秀逸です。

2:「テキーラ・モッキンバード(紙ジャケット仕様)テキーラ・モッキンバード(紙ジャケット仕様)」:Tequila Mockingbird〜Ramsey Lewis
アーティスト:ラムゼイ・ルイス
SMJ(2011-10-19)
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オリジナル音源は1977年発表。

こちらはE.W.&F.の協力を少々得て制作された1枚です。全8曲収録。

少々というのは、E.W.&F.よりラリー・ダン(kbds)をプロデュースに迎えて、タイトル曲のM-1「Tequila Mockingbird」とM-3「Skippin'」、M-8「That Ole Bach Magic」が制作されている。これらはブラス隊らも軽やかに、いわゆる”E.W.&F.らしい”仕上がり。凝ったリフも少々、M-3のタイトなギター・カッティングはアル・マッケイ(g)だったりする。

しかしそういった”定番”より、Bert DeCotequxがプロデュースした残る5曲の中で、M-6「Caring For You」やM-7「Intimacy」といったラムゼイのリリカルさが十二分に表現されている楽曲の方が面白かったりする。凝った仕掛けがない分、シンプルに上手さが表現されててね〜。M-7のピアノソロは素晴らしい。

その他参加ミュージシャン。Byron Gregory(g)、Verdine White(b)、Ron Harris(b)、レオン・”ンドゥグ”・チャンドラー(ds)、Fred White(ds)、Keith Howard(ds)、フィリップ・ベイリー(perc)、Derf Reklaw(perc)、ロニー・ロウズ(flu)など…。

3:「ラムゼイ(紙ジャケット仕様)ラムゼイ(紙ジャケット仕様)」:Ramsey〜Ramsey Lewis
アーティスト:ラムゼイ・ルイス
SMJ(2011-10-19)
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オリジナル音源は1979年発表。

今回はE.F.&F.関係の関与はなく、元クルセイダーズのウェイン・ヘンダーソン、そしてJames L.Mackのプロデュースによって制作された1枚。全9曲収録。

ウェイン・ヘンダーソンは、M-1「Aquarius / Let The Sunshine In(From "Hair")」とM-2「Wearin' It Out」の2曲を担当。賑やかにブラス隊らも加えながらファンキーに!といった、E.W.&F.らしくまとめた楽曲。

以降はJames L.Mackが担当も、色々だなぁ〜(苦笑)。女性コーラス隊を加えたM-4「Every Change I Get(I'm Gonna Love You)」やM-5「Dancin'」は、当時のディスコ・ブームにすり寄った感あるし、M-7「Medley:Intermezzo」からの3曲(組曲です!)は、ボレロ風で、クラシカルにまとめた3部作であるし〜。

そんなごった煮感が強いんだが、多作家のラムゼイですからあまり驚かない(苦笑)。

参加ミュージシャン。Mike McGlory(g)、Pat Ferrari(ac-g)、Bobby Lyle(clavinet)、Vince Willis(clavinet)、Ed Reddick(b)、Ron Harris(b)、Steve Rodby(b)、James Gadson(ds)、Morris Jennings(ds)、Derf Reklaw(perc)など…。

4:「ルーツ(紙ジャケット仕様)ルーツ(紙ジャケット仕様)」:Routes〜Ramsey Lewis
アーティスト:ラムゼイ・ルイス
SMJ(2011-10-19)
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オリジナル音源は1980年発表。

再びE.W.&F.よりラリー・ダン(kbds)を迎えて制作された1枚。とはいっても、M-1「Whisper Zone」からM-5「Looking Glass」まで、そしてM-7「Colors In Space」の6曲のみのプロデュースに留まり、その他はアラン・トゥーサンがプロデュース。全10曲収録。

ラリー・ダンが関与といっても、全体的にパッとしない(苦笑)。正直、モーリスやJon Lindがスキャットで参加した冒頭M-1のみが突き抜けていて、その他はイマイチ〜。ラムゼイの必勝パターンであるM-1は、そのスキャットらは非常にシルキーで聴きやすいんだけどね〜。

この頃、ラムゼイは自身はピアノまたはエレピを弾き、シンセ類は他に任すというスタイルに転じ、それが結果的にサウンドをつまらなくしているように感じます。この時期、シンセの使われ方も一定の確立がなされ、かつての実験的要素が影を潜めたから〜かな…。

そんな中、アラン・トゥーサンが手がけたM-8「Crystals 'n Sequence」はムーディに、M-9「You Are The Reason」やM-10「Hell On Wheels」はその軽やかさがラムゼイに合ってます〜。結局、時に披露するリリカルな楽曲の有無なのかも…。

参加ミュージシャン。アル・マッケイ(g)、Roland Bautista(g)、バイロン・ミラー(b)、Kenny Burke(b)、レオン・”ンドゥグ”・チャンドラー(ds)、James Gadson(ds)、パウリーニョ・ダ・コスタ(perc)、フィリップ・ベイリー(perc)、Donald Myrick(sax)など…。

5:「トゥー・オブ・アス(紙ジャケット仕様)トゥー・オブ・アス(紙ジャケット仕様)」:The Two Of Us〜Ramsey Lewis & Nancy Wilson
アーティスト:ラムゼイ・ルイス&ナンシー・ウイルソン
SMJ(2011-10-19)
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オリジナル音源は1984年発表。

スタンリー・クラークのプロデュースにより制作された1枚。スタンリーの名前があるので紙ジャケ化されたんだろうなぁ〜。全9曲収録。

といっても、ナンシーが参加したのはデヴィッド・ロバーツのカバーM-2「Midnight Rendezvous」に、リオン・ウェアの代表作(デビッド・ペイチやデビッド・フォスターらtが作曲に参加)M-4「Slippin' Away」、タイトル曲のM-5「The Two Of Us」にM-7「Never Wanna Say Goodnight」の4曲のみ。他にM-5でナンシーとデュエットしたDaryl Coleyの単独ボーカル曲M-8「Closer Than Close」もあったりと、発表に際して、ラムゼイと同列でナンシーの名前があるのはどんなモンよ!と(苦笑)。

しかしナンシーが関わった4曲はまずまずですね〜。スロー系ばかりであるが、主役であるナンシーが輝いている。とにかく世の歌モノブームに便乗しようとしたラムゼイであったようだが、M-7は結構売れたようで、後に角松の楽曲(「It's Hard To Say Good-Bye」)に似たフレーズあるのもご愛嬌。

一方で歌モノ以外は〜尖がってますね〜(苦笑)。ジョージ・デュークとのプロジェクトでポップな路線に目覚めたスタンリーですから、M-1「Ram」やM-3「Breaker Beat」と打ち込みバリバリ。M-1においては日本語による「あ〜なんて気持ちいいのかしら…」という語りもあったり。なかなか笑えます〜。

で、最後のM-9「Song Without Words(remembering)」はソロ・ピアノで締めくくる。しっかりソロを挿入するあたり、やはりラムゼイです〜。

参加ミュージシャン。ポール・ジャクソン(g)、Vassal Benford(p)、Don Freeman(kbds)、Robert Brookins(synth)、フレディ・ワシントン(b)、ジョン・ロビンソン(ds)、リッキー・ローソン(ds)、Lynn Davis(back-vo)、Celia Kitengeth(narration…M-1)など…。勿論、スタンリーもM-2やM-5に参加し、M-5ではシタール弾いてます〜。

6:「マザー・ネイチャーズ・サン~ビートルズ・ソングブックマザー・ネイチャーズ・サン~ビートルズ・ソングブック」:Mother Nature's Son〜Ramsey Lewis
アーティスト:ラムゼイ・ルイス
ユニバーサル ミュージック クラシック(2011-10-26)
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オリジナル音源は1969年発表?

あまり詳しくないんだが、ビートルズの名盤として挙げられる事の多い「ザ・ビートルズ」、通称「ホワイト・アルバム」が発表となったのが1968年11月22日(英)。その1か月後にそこからのカバー作として録音されたのが本作であります〜。全10曲収録。

スゴいなぁ〜ラムゼイ。とかく2枚組で31曲収録の「ホワイト・アルバム」から、10曲を選んで、オケのスコアを用意して録音〜であります。売れるビートルズの新作をラムゼイ流に解釈して、売れる時に売っておこうという商魂、見事です(苦笑)。

エレピでエキセントリックに賑やかに〜という編曲も多いが(M-4「Back In The USSR」もその1曲)、丁寧にピアノでメロを紡ぐM-5「Dear Prudence」やジョンがジュリアンに書いたというM-7「Good Night」、そしてオケとピアノで叙情的に始まるM-10「Black Bird」らが◎でした〜。

伴奏は"Charles Stepney Orchestra"だそうです。

7:「ソーラー・ウィンド」:Solar Wind〜Ramsey Lewis
ラムゼイ・ルイス〜ソーラー・ウィンドアーティスト:スティーヴ・クロッパー(g)
インディペンデントレーベル(2011-12-10)
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オリジナル音源は1974年発表。

こちら、代表作たる「太陽の女神」の前作にあたる。こちらも同様にCBSより発表も、モーリスいないせいで不遇な1枚。全9曲収録。

基本は、ラムゼイとCleveland Eaton(ac-b & b)、Morris Jennings(ds)らとのトリオ編成であるが、今回、ブッカー・T.&ザ・MG'sのスティーブ・クロッパーが客演し、M-1「Sweet And Tender You」やタイトル曲M-3「Solar Wind」、M-7「Loves Me Like A Rock」やM-9「Love For A Day」でギター演奏及び楽曲提供(除くM-7…こちらはサイモン&ガーファンクルのカバー)をしています。

とにかく過渡期かと…。シンセでどれだけの事ができるのかを試していて、M-2「Hummingbird」の裏で鳴り響くサイケなシンセや、クロッパー提供のタイトル曲M-3では、(恐らく)シンセ初期型モデルを使い、メロを奏でています。元々、シンセの導入に積極的ではなかったラムゼイが、何とか使いこなそうとはしているものの、出来はイマイチ〜でしたね〜。

結果、ピアノやエレピを使った楽曲の方が出来が良く、トリオで録音したラテン曲M-5「The Everywhere Calypso」や、ピアノを存分に弾きまくるM-9なんかがラムゼイらしかったりする訳です。

その他参加ミュージシャン。James L.Hersen(moog…M-2,6&8)、Calvin Barnes(perc…M-4&5)、Carl Marsh & Ron Capone(ds…M-3)。