2009年02月09日
2月6日〜2月8日の全米映画ボックスオフィスBEST10!!

*数字は、週末の興行成績−(公開館数)−トータル成績 の順です。
第1位
第2位
第3位
第4位
第5位
第1位「そんな彼なら捨てちゃえば」
$27,465,000−(3,175館)−$27,465,000
第2位「テイクン」
$20,300,000−(3,184館)−$53,364,000
第3位「コラライン」
$16,335,000−(2,299館)−$16,335,000
第4位「ピンクパンサー2」(4月11日公開)
$12,000,000−(3,243館)−$12,000,000
第5位「ポール・ブラート/モール・コップ」
$11,000,000−(3,169館)−$97,002,000
第6位
第7位
第8位
第9位
第10位
第6位「PUSH/プッシュ」
$10,204,000−(2,313館)−$10,204,000
第7位「グラン・トリノ」(4月GW公開予定)
$7,420,000−(2,705館)−$120,280,000
第8位「スラムドッグ$ミリオネア」(4月公開)
$7,400,000−(1,724館)−$77,426,000
第9位「アンインバイテッド」
$6,400,000−(2,344館)−$18,379,000
第10位「ホテル・フォー・ドッグス」
$5,820,000−(2,734館)−$55,234,000
★各映画の解説はこちらです。→
★来週の月曜日16日はアメリカでは初代大統領ジョージ・ワシントンの生誕を記念した“大統領の日”という祝日。週末から3連休となり、映画館は稼ぎをあげるチャンスなので、映画会社はそれを睨んだ作品を先週末から公開し、来る週末へつなげようという動きに出ています。よって、つまらない映画や、オクラ入りの作品を放出する“映画の墓場”シーズンもこのタイミングでボチボチ終わりを迎え、映画館はまた活気を帯び始めてきました。映画興行は全体で先週から約28%の売り上げ増で回復傾向に入っています。その牽引役となったのは…、
★この週末は13日の金曜日という不吉な日に続いて、14日は愛の記念日バレンタイン・デー!!、という訳で、ラブコメ女王の出番となり、初登場でお役目通りの首位をもぎ獲りました!!
近代アメリカ映画の最高傑作の1本である前衛映画「ドニー・ダーコ」(2001年)を製作した偉大なプロデューサーとして、後世では尊敬を集め、映画史に名を残す予定のドリュー・バリモアが普段のラブコメ女王として製作した最新作の恋愛群像劇「そんな彼なら捨てちゃえば」(He's Just Not That Into You)は、1館あたりで約8,650ドルを稼ぎ、通常のランキングだけでなく、単館の売り上げでも首位を獲り、文字通り、この週末、最もお客さん…と言っても、主に8割は女性をかき集めた映画となっています。
本作は、映画版の第2弾の製作も決定した大ヒット・テレビシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ」のストーリー・コンサルタントをしていたコメディアンのグレッグ・ベーレントと、出演もしていた女優のリズ・タシーロが、シーズン6の第4話「あばたもえくぼ」から発想をふくらませて共同で執筆し、2004年に出版した同名ベストセラーの恋愛マニュアルの自己啓発本を映画化したものです。その本の邦題が「そんな彼なら捨てちゃえば」なので、ここではそのタイトルを、そのまま採用していますが、映画の日本公開にあたっては異なった邦題がつけられるのかもしれません。しかし、「そんな彼なら捨てちゃえば」はツカミのノリのいいキャッチーなフレーズですし、すでに本の題名が浸透しているので、映画は無理に別の邦題をつける必要はないと思います。
内容は、複数のカップルの恋愛エピソードが群像劇として描かれるので、ひと言で具体的に説明するのは難しいのですが、要するに男女の腹の探りあいがテーマとなっています。登場してくるスターは、コネリーとアニストンのダブル・ジェニファーに、スカーレット・ヨハンソン、ジニファー・グッドウィン(「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」2005年)、そして、もちろん、ドリュー・バリモアといった女性たちに対し、男の方は、ベン・アフレック、ケヴィン・コナリー、ブラッドレイ・クーパー、さらにスクリーンの外でドリュー・バリモアとつき合っていたジャスティン・ロングといった豪華な顔ぶれが、プロデューサー、ドリュー・バリモアの人望?で実現しています。ま、これだけ揃えてお客さんが来ない方が不思議なので、本作の初登場完全首位は当然ですね。
さらに本作の製作費は推定の概算で約2,500万ドルと、やりくり上手のドリュー・バリモアがお値打ち価格で仕上げているので、このオープニング成績からして、まず赤字になるとは考えられません。
ちなみに、2007年2月14日に、まさにバレンタイン向けのデート映画として公開された、ドリュー・バリモアとヒュー・グラントが共演のラブコメ「ラブソングができるまで」は、製作費4,000万ドルに対して、オープニング成績が1,362万ドル、最終興行成績は5,057万ドルだったので、それと比べても、この「そんな彼なら捨てちゃえば」は大変、効率のいい映画ビジネスが展開できていると言えます。
ただし、2004年に、やっぱりバレンタイン公開が指定打席のドリュー・バリモアが2月13日に封切ったアダム・サンドラーとの共演作「50回目のファースト・キス」は、オープニング成績だけで約4,000万ドルという大きな数字を叩き出し、最終興行成績も1億2,000万ドル強を上げているので、それと比べれば、本作は少し大人しめかもしれません。しかし、ドリュー・バリモアとアダム・サンドラーは過去にラブコメ史上の大感動作「ウエディング・シンガー」(1998年)を発表しているゴールデン・カップルなので、それに負けるのは仕方ないかな…という感じはあります。
本作の監督は「旅するジーンズと16歳の夏」(2005年)でも、複数のラブストーリーを同時進行でうまく描いたケン・クワピスです。
ココにポスターと予告編があります。下↓の動画は、恋愛下手なジニファー・グッドウィンが、電話番号をあげたのに、なかなか電話してこない男に対して、ジェニファー・コネリーの助けを借りながら、自分の方から電話して積極アプローチを試みますが…といった場面です。こうした身に覚えのあるようなシーンが連続の本作は、出足好調なことから、1億ドルを超える大ヒット映画になるのではないか?!と予測する声もありますが、果たして、そこまで好調を持続できるか?!、今後の展開に注目です。
ところで、ドリュー・バリモアは過去10年間に渡り、撮りためた写真があるそうで、今年はそれをまとめて写真集を出版し、写真家デビューを飾りたいそうです。
ラブコメ女王がどんな写真を撮っているのか?!、よくわかりませんが、そのうち日本でも写真家ドリュー・バリモアの個展が開かれたりするのでしょうか?!、ラブラブな写真ばかりだといいですね。
「そんな彼なら捨てちゃえば」 女の方から電話していいの?!的な場面
★第2位は、先週初登場第1位だった、名優リーアム・ニーソンの元秘密工作員のお父ちゃんが、娘が海外旅行先のパリで人身売買組織に誘拐されてしまい、モンスター・ペアレントとなって、犯人をブチ殺しにいく、リュック・ベッソン製作のサスペンス・アクション「テイクン」。トップの「そんな彼なら捨てちゃえば」以外の新作をおさえ、わずかにワンランク・ダウンという人気ぶりです。本作は売り上げの下げ幅がたったの約18%という小さな数字なのですが、これは口コミで映画のおもしろさが拡散してるせいもあるでしょうが、先週はNFLの頂上決戦スーパーボウルの試合中継を自宅のテレビで観て、映画館には足を運ばなかった人が、この週末にやってきたといった方が正解かもしれません。
トータルの興行成績では、「トランスポーター2」(2005年)の4,309万ドルを抜き去り、リュック・ベッソン・プロデュース作品史上最大のヒット作となっています。
また今後、リュック・ベッソンが監督したトンデモSF映画の「フィフス・エレメント」(1997年)の興行記録6,382万ドルを抜き、この「テイクン」がリュック・ベッソン関連作品中の最高のヒット作になることは間違いなさそうです。
オッチャンが主人公の本作を当たらないと思って、この閑古鳥が鳴く時期に封切ってしまった20世紀FOXは、社運を賭けて昨2008年末に封切った製作費1億3,000万ドルの恋愛大作「オーストラリア」(今月28日公開)の興行成績が約4,905万ドルと大コケで、早くもこの「テイクン」に抜かれてしまっているので、それぞれの映画の公開時期を間違えたような感じです。また、当初、この「テイクン」を封切る予定だった昨2008年秋の目玉映画であるマーク・ウォールバーグ主演のアクション映画「マックス・ペイン」も約4,068万ドルと散々だったので、それとも公開時期を間違えたような感じです。まぁ、映画は何が当たるか?!、わからないので、今さら、そんなことを言っても仕方ありませんが、とりあえず、「テイクン」はスマッシュ・ヒットとして大成功しています。本作の製作費は約4,500万ドルで、全世界では約1億2,241万ドルをすでに売り上げています。
★先週、予告しておいたダコタ・ファニング2作品同時公開で、ダコタ・ファニングVSダコタ・ファニングのダコタ・ファニング戦争勃発の勝者のダコタ・ファニングはアニメ「コラライン」のダコタ・ファニングで、予知能力者のエスパーとして危険を察知できるはずの「PUSH/プッシュ」のダコタ・ファニングはあえなく敗れてしまいました…!!
…という訳で、第3位に初登場したのは、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」(1993年)で有名なヘンリー・セリック監督が、約12年ぶりに発表したストップモーション・アニメの「コラライン」です。
本作は、海外ではタレントのような人気のファンタジー小説のベストセラー作家ニール・ゲイマンの代表作「コララインとボタンの魔女」をアニメ化したものです。
ダコタ・ファニングが声を担当した主人公の少女コララインとは、不思議な名前ですが、これは“キャロライン”の文字の綴りを入れ替えたアナグラムです。
そのコラライン?、それとも、キャロライン?は、引っ越した先の新居で見つけた秘密のドアの向こうに、理想の愉快なパラレル・ワールドが広がっているのを発見し、その世界の虜となりますが、そこの住人たちはなぜか、みんな目が洋服のボタンだった…ッ!!という、ちょっと怖いダークなお話です。子どもの時に、なんで、自分はこんなヘボい家や、こんなダサい親のところに生まれちゃったんだろう…とか、誰でも、ちょっとは思ってみたりする、いけないことがテーマとなっているようです。
ダコタ・ファニングのママの声を担当したのは、人気テレビ・シリーズ「デスパレートな妻たち」のスーザンとして知られるテリー・ハッチャーですが、彼女は11歳になる娘が「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」の大ファンなので、セリフを録音するスタジオに娘を伴い、ヘンリー・セリック監督に会わせてあげたところ、ヘンリー・セリック監督が、娘のためにひとつふたつのセリフを与えてくれ、娘は大よろこびで、一緒に録音し、声優デビューを果たしたそうです。母ひとり娘ひとりの仲良し母娘にとって共演はよい思い出になりましたね。

しかし、この「コラライン」は、オレゴン州ポートランドのニュース・メディア、ウィルメット・ウィークが伝えたところによれば、大きな問題を抱えています。
オレゴン州ポートランドは、本作を製作したアニメ製作プロダクション、ライカ(Laika)がスタジオを構える土地で、この「コラライン」はライカの第1回作品です。
地元の経済界も大きな期待をかけていたライカですが、同社は「コラライン」の封切りを待たずして、昨2008年12月に65名のアニメーターを解雇したのを皮切りに、現在は大部分のスタッフが一時解雇され、会社は休業状態に入っています。
このアニメ製作プロダクション、ライカの前身は、アカデミー賞を受賞したこともあるアニメ作家のウィル・ヴィントンが立ち上げたヴィントン・スタジオで、それをスニーカーやスポーツ用品のナイキの共同創業者である超億万長者フィリップ・ナイトが買い上げ、ライカ/ハウスという、主にCMなどの商業映像のストップモーション・アニメを受注するスタジオに生まれ変わらせました。
ナイキのフィリップ・ナイトがなぜ、アニメ産業に参入したか?!というと、その答えはカンタンで、自分の息子トラヴィスがヴィントン・スタジオのアニメーターだったからです。
ウィル・ヴィントンは自分のスタジオがナイキ親子に乗っ取られたことで、訴訟を起こしたりもしたのですが、現在は無関係で、ライカ/ハウスは新たに同社の看板アニメーターとして、本作のヘンリー・セリック監督を迎え、スタジオをロサンゼルスからナイキの本社があるオレゴンに移転し、アニメ映画の製作部門である別会社のライカを立ち上げた…というのが、「コラライン」=ライカ設立の流れです。
このライカ及び、ライカ/ハウスのオレゴン移転に関しては、そもそもオレゴンにアニメーターが元から、たくさんいる訳もないので、ほとんどのアニメーター、クリエイターたちが、ナイキのような潤沢な資金を持った大スポンサーがバックについて立ち上げたアニメ・スタジオであるライカは、将来は“第2のピクサー”になる!!と夢見て、よそからオレゴンに移り住んで来たので、それが事もあろうか、第1回作品の公開を待たずして、資金が底をつき、仕事が無くなってしまうとは、他にアニメの仕事を探しようもないオレゴンでアニメーターたちは生殺しのようになってしまいました…。もちろん、地元からライカに務めた人たちも職を失った訳で、地域経済を活性化させる新事業と思われたアニメ・ビジネスは、「コラライン」さながら、その中身はダーク・ファンタジーだったと言うしかありません。
ただし、アニメ映画を作るライカは休止したものの、CMを作るライカ/ハウスは機能しているようなので、映画ができたことで、要するに当面、映画のスタッフはいらない…といったことなんでしょうか?!
ライカでは、「コラライン」に続くアニメ映画として、「パラノーマン」というゾンビのアクション・ロマンス・コメディなど、数本の企画を用意し、スポンサーを募っています。その営業活動など、スポンサー探しに「コラライン」の興行成績は判断材料として直結するので、ポートランドで立ち往生のアニメーターたちは復職が叶うのか?!、「コラライン」の数字の動向を固唾を呑んで見守っているはずです。
NHKなど、この“ナイキの億万長者とその息子が設立したアニメ映画スタジオ”と、“アメリカの深刻な不況を象徴するポートランドの地域経済”なんかをテーマにして、ドキュメンタリーを作れば興味深いものができるのではないでしょうか?!、でも、どこもかしこも不景気で困りますね…。
「コラライン」 予告編
★さて、順番が前後しますが、ついでにもう1本のダコタ・ファニング主演作のサイキック・バトル・アクション・ムービー「UP/アップ」に移ります。
初登場で第6位と、残念なスタートの本作は、「HEROES/ヒーローズ」+「X-メン」+「ジャンパー」などと揶揄されているように、超能力者を洗脳して戦闘員にしようとする政府の闇の組織ディビジョンと、それに立ち向かうエスパーたちのサイキック・バトルが見もののアクション映画です。タイトルの「プッシュ」とは、他人をマインドコントロールする超能力のことで、テレキネシス=念動力は「ムーブ」、予知能力は「ウォッチ」など、本作は超能力に独自のネーミングをしており、他人が嗅いだ臭いを察知する「スニッフ」や、高周波の声で人を殺す「ブリード」、傷を癒す「スティッチ」など、様々なエスパーが登場しています。
ダコタ・ファニングが演じている13歳のキャシーはウォッチャー=予知能力者で、組織ディビジョンに父を殺され、復讐を誓ったムーバーのクリス・エヴァンスと共に、人類の未来の自由のために闘うことになります。クリス・エヴァンスは、「ファンタスティック・フォー」シリーズで、炎の使い手ヒューマン・トーチだったので、テレキネシスという新たな超能力も身につけられました?!
超能力者をハントするディビジョンのエージェントは、「ブラッド・ダイヤモンド」(2006年)のジャイモン・フンスーで、「紀元前1万年」(2008年)のカミーラ・ベルが、彼の右腕として働く「プッシュ」として出演しています。
香港を舞台にした本作はB級オタク臭ムンムンなので、あまり欧米の観客には歓迎されなかったのかもしれませんが、アジアのマーケットではウケるかもしれません。監督は、「ラッキーナンバー7」(2006年)のポール・マクギガンです。
製作費は約3,800万ドルなので、そう高くもありませんが、このオープニング成績では、ビデオ市場などでのガンバリを期待されそうです…。
ところで、ダコタ・ファニングは、今月23日がお誕生日。これだけ活躍してても、まだ15歳です…。
「プッシュ」 フィッシュ・マーケットでの対決
「プッシュ」 テレキネシス・ガンファイト!!
★2007年に東京・銀座の貴金属店を襲った犯人が、主にユーゴスラビア人で結成される国際的な強盗団「ピンクパンサー」の一味だということがわかった…という、映画とはまるで無関係なニュースのおかげで、検索ワード・ランキングの上位に顔を出させてもらった「ピンクパンサー」の最新作「ピンクパンサー2」が、期待を大きく下回る第4位で初登場しました。
期待を大きく下回るとはどういうことか?!というと、1980年に亡くなった稀代のコメディアン、ピーター・セラーズの当たり役を、スティーヴ・マーティンが引き継いで、2006年に再開した新シリーズの第1弾は、やはり、この時期、2月10日に公開され、初登場首位で、オープニング成績は約2,022万ドルだったからです…。
なので、この新作は第1作めと比べて、約40%もの売り上げの減少を示し、シリーズの続編をそもそも誰も期待していなかった…という現実が明らかとなる結果を出してしまいました。
この「ピンクパンサー2」を、いったい誰が観たいのか?!という疑問は製作の段階から呈されており、出来上がった映画のくだらない内容に対しては、映画の格付けサイト ROTTENTOMATOES は、わずか13%という、あり得ないほど低すぎる支持率を割り出しています。
さらに深めて言うなら、第1作の最終的な全米興行収入は約8,222万ドルで、全世界では約1億5,885万ドルの売り上げでしたが、そのために使われた製作費は異常に高く、約8,000万ドルをソニー・ピクチャズは「ピンクパンサー」の第1弾につぎ込んでいます。DVDの販売や、テレビなどの様々な放送権料で、第1弾はペイをしているのでしょうが、安く作って大きく儲けたいコメディ映画としては効率が悪く、多額の製作費に見合うようなスケールのアクション映画などを作った方がよかったのではないでしょうか?!、この早くもコケ気味の「ピンクパンサー2」の製作費は明らかにされていませんが、見た目では第1作め同様に、けっこう、ふんだんにお金は使われていそうなので、クルーゾー警部は借金を抱えたまま、引退となってしまうのかもしれません。
本作の出演は、エミリー・モーティマーの二コールが前作に引き続き、登場しているのに加え、アンディ・ガルシア、アルフレッド・モリーナ、ジョン・クリースといった無駄に豪華な顔ぶれ。
しかし、その中で注目なのはコメディエンヌの大女優リリー・トムリンが本作で久しぶりにスティーヴ・マーティンとの共演を果たしていることです。
スティーヴ・マーティンとリリー・トムリンは、「スタンド・バイ・ミー」(1986年)や、「恋人たちの予感」(1989年)などのメジャーな映画の名監督ロブ・ライナーの父ちゃんで、マイナー映画の名監督カール・ライナーがメガホンをとった1984年の大傑作コメディ「オール・オブ・ミー」で共演というか、スティーヴ・マーティンがリリー・トムリンを演じていた間柄。と言っても、観ていない方には訳がわかりませんが、同映画ではリリー・トムリンの魂がスティーヴ・マーティンに乗り移ってしまい、体の右半分を支配することになるのですが、スティーヴ・マーティンはその設定をSFXなど使わずに、右半身では女=リリー・トムリンを演じながら、左半身は男=自分であり続けるという、驚異的な左右非対象の演技をやってみせた訳です。
そのスティーヴ・マーティンのパフォーマンスの表現力には誰もが吹っ飛び、才能が絶賛された結果、1986年の名作「サボテン・ブラザース」などの80年代から90年代にかけてのスティーヴ・マーティン絶頂期となる名作コメディ映画連発の時代を迎えることになります。
そのように本来は素晴らしい才能の持ち主であるスティーヴ・マーティンは、だからこそ偉大なピーター・セラーズの後釜として、2代目クルーゾー警部に抜擢されたのでしょうが、芸だけではないピーター・セラーズのカリスマ性には及ばず、スティーヴ・マーティンの「ピンクパンサー」は二番煎じの域を出ていない感じです。
なので、本作はヒットしそうもないので、このシリーズはもう止めて、スティーヴ・マーティンは自分のオリジナリティを発揮できる映画を作った方がよさそうです。
本作の監督は次回作では、ウィル・スミスのガキを主演に名作「ベスト・キッド」をリメイクするというサイテーの企画を選び、キャリアを踏み外した感のあるノルウェー人のハラルド・ズワルト。この野郎は、ココで紹介したナチス・ゾンビのホラー・コメディ「デッド・スノー」を母国ノルウェーでプロデュースしていたりするのですけれど、ハリウッドでもそっちの路線でガンバッた方がいいのでは?!
「ピンクパンサー2」 予告編
★第5位は、先週第2位だった、なぜか?!大ヒットのコメディ映画「ポール・ブラート/モール・コップ」。相変わらず好調な本作は、新作が一気に4本もランキングに入ってきたというのに大きな影響を受けず、その売り上げのダウンをわずか2割におさえています。トータル・グロスも9,700万ドルに達し、1億ドル突破はもう間違いないので、ケヴィン・ジェームズは初主演作で、いきなりマネーメイキング・スターの仲間入り?!といった大出世です。
ところで、本作のプロデューサーであるコメディアンのアダム・サンドラーは、ロサンゼルス・タイムズの調べによれば、セス・ローゲンが主演する、かつての人気テレビ・シリーズの映画化「グリーン・ホーネット」に少ない出番ながら、重要な役どころでゲスト出演する可能性があるそうです。アダム・サンドラーとセス・ローゲンは、この「ポール・ブラート」を製作したソニー・ピクチャーズのコメディ映画の2大看板スターなので、その両者がそろうとなれば、「グリーン・ホーネット」にはまた注目が集まりそうですね。アダム・サンドラーが「グリーン・ホーネット」でどういう役か?!を憶測し、「エージェント・ゾーハン」(2008年)として出てきて、一緒に悪と闘うんじゃねぇか?!なんて、冗談で書いている映画メディアもあります。
なお、「グリーン・ホーネット」の監督は降りたチャウ・シンチーですが、ブルース・リーの後を継ぎ、グリーン・ホーネットの助手であるカトーの2代めに就任するキャスティングはまだ生きています。ただし、チャウ・シンチーは自身で、ジャック・ブラックとアン・ハサウェイを主演にしたヒーロー・コメディ映画のプランも進めているので、今後のスケジュール次第ではどうなるか?!はわかりません…。
★第7位は、クリント・イーストウッド史上最大の自己ベスト更新の大ヒット作となっている監督・主演引退作品「グラン・トリノ」が、公開9週めでついに上映館数が減少傾向に突入し、310館が打ち切って、先週の第5位からツーランク・ダウンしてしまいました。しかしながら、売り上げのマイナスは1割にも満たない程度なので、やはり、先週はスーパーボウルを自宅で鑑賞の影響で、普段よりもかなり映画のお客さんは少なかったようですね。クリント・イーストウッドは78歳の主演スターとして、これだけ観客を動員できているのですから、主役の座から退かなくてもいいように思います。
★アメリカでは昨夜となる7日(土曜日)に、ロサンゼルスのセンチュリー・プラザ・ホテルで行われた全米脚本家組合賞の発表授賞式で、サイモン・ビューフォイが最優秀脚色賞を与えられ、また一歩、オスカー獲りに近づいた、ダニー・ボイル監督の感動映画の大々傑作「スラムドッグ$ミリオネア」が、そうした映画賞総なめの人気により、さらに91館の映画館から、うちでも上映させてくれ!と引き合いを受け、興行枠を拡大しましたが、ランキングとしては、先週の第6位から第8位に後退してしまいました。ただし、売り上げの数値は先週から、たった3%だけのマイナスという、ほとんど横ばいの数字なので、新作が上位に入ったことで、ランキングは下がったものの、本作自体としては一定の売り上げを稼ぎ続けている安定感を発揮しています。
この「スラムドッグ$ミリオネア」は、すでに何度も紹介してきたように、日本ではみのもんたが司会していたことで有名な「クイズ・ミリオネア」というテレビ番組をモチーフに、ヴィカス・スワラップが書き上げた小説「ぼくと1ルピーの神様」を映画化したものですが、言わば、そんなテレビから生まれた本作をもう一度、テレビに戻そうという映画の成功にあやかったプランが進められているようです。
と言っても、本作のテレビドラマ化をするのではなく、この「スラムドッグ・ミリオネア」を配給している20世紀FOXのグループ企業であるFOXテレビが、昨2008年12月から放送しているリアリティ・ショー「シークレット・ミリオネア」のインド版をやろうということです。
日本では“ドキュメント・バラエティ”と言われたりもするタイプの番組であるリアリティ・ショーの「シークレット・ミリオネア」とは、そもそもはイギリスで2006年から放送が始まった人気番組です。
内容は億万長者のお金持ちがそのリッチな身分を偽り、貧困層の地域に潜入し、地元の貧しい人たちと約1週間程度、生活を共にして、庶民のビンボーのつらさを味わい、その貴重な素晴らしい人生経験?を元に、自分らが関わった地元のビンボー人どもに、どの程度、恵んでやればいいか?!、金額を割り出して、番組の最後で偽ビンボーの金持ちが水戸黄門のように素性を明かし、寄付を施すのが感動のクライマックス…という、せっかく、お近づきになった人たちとの友情や人情を金に変えてしまう、文字通りに現金な番組です。
リアリティ・ショーなので、どこまでがホントで、どこからがヤラセか?!、わかったもんじゃありませんが、とりあえず、企画されている悪趣味な新番組「シークレット・スラムドッグ$ミリオネア」と、映画の「スラムドッグ$ミリオネア」との間に、必然的な関連性は感じられません…。
まぁ、何はともあれ、「シークレット・ミリオネア」の感動のフィナーレの一部をご覧ください。
FOXテレビの「シークレット・ミリオネア」
お世話になった人に、ボクは本当は金持ちなんだぞと告げ、大金をプレゼントして、
みんな大よろこびで感動の場面。
そのうち日本でも真似した番組が出来るかも?!、貧乏脱出なので、司会はやっぱり、みのもんたですね。
★第9位の韓国ホラー「箪笥」のリメイク「アンインバイテッド」は、先週の初公開第3位から売り上げを約38%落としての急転直下。そして、第10位のイヌ映画「ホテル・フォー・ドッグス」は公開4週めで、興行の終わりが見え、426館が打ち切り、先週の第4位から約33%の売り上げダウンです。
この仲良く並んで落っこちてきた下位2本をなぜ、まとめて言及するか?と言うと、どちらもドリームワークスの作品だから(配給は旧業務提携先のパラマウント)。ココで伝えたように、お家?のあるユニバーサル映画への復帰を果たせなかったスピルバーグ監督のドリームワークスですが、スピルバーグ監督作品や、シャイア・ラブーフの「イーグル・アイ」(2008年)といった大ヒット作ならまだしも、こうした「アンインバイテッド」、「ホテル・フォー・ドッグス」などの小品の成績は、ご覧のようにそれほど優秀とほめられるものでもありません。なので、ユニバーサル映画としては、配給収益の分配条件の見直しを求められると、この手の小品からは利益を上げられないことになり、勢い“そんなスピルバーグなら捨てちゃえば”となってしまった訳ですね…。また、ドリームワークスの映画は見栄えのいいぶん、お金がかかっているので、そもそもビジネスの効率も、元からあまり良いとは言えなさそうです。世界的な不況の波に、庶民だけでなく、スピルバーグ監督まで圧迫されているような感じですが、新パートナーとなる見込みのディズニーとのチームワークが上手く進めばいいのですが…。
★さて、圏外の注目作ですが、1977年公開「スター・ウォーズ」シリーズ第1弾「エピソード4/新たなる希望」の30周年記念に引っかけ、本当は2007年に封切るつもりが、映画の出来がひどかったのに加え、ライセンス問題などもあったようで、オクラ入りになってしまった「スター・ウォーズ」オタクたちのロード・ムービーのコメディ「ファンボーイズ」が、“映画の墓場”シーズンよろしく、土中から掘り返され、やっと人様の目にふれることができました。
“ファンなおもしろい連中”という意味ではなく、“オタク野郎ども”といったニュアンスの題名である「ファンボーイズ」は、計44館で封切られ、1館あたりで約3,727ドルを売り上げているので、通常ランキング第4位の「ピンクパンサー」=1館3,243ドル、第5位「ポール・ブラート」=1館3,471ドルを抜き、この週末、コメディ映画のジャンルでは稼ぎ頭だったことになり、「スター・ウォーズ」オタク、SFオタクらが、この幻の映画を観ようと待ち受けていたことがわかります。
この「ファンボーイズ」の内容は、1998年のハロウィンに物語の時期を設定し、主人公の「スター・ウォーズ」オタクたちの仲間のひとりがガンを患い、翌年の1999年5月に公開予定の16年ぶりにシリーズが再開する第1作「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」を観ずに、この世を去ってしまうことから、どうにか、死んでいく仲間に「スター・ウォーズ」の新作を観せてやろうと一計を案じた一同が、「スター・ウォーズ」シリーズの製作者ジョージ・ルーカスのスタジオ、ルーカス・フィルムのスカイウォーカー・ランチまで、「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」のフィルムを盗みに行く…というお話です。映画はそんな彼らがオハイオから、カリフォルニアのルーカス・フィルムに行くまでの旅の珍道中を描き、果たして、警戒厳重なルーカス・フィルムに忍び込むことはできるのか…ッ?!ということですね。
サイド・ストーリーとして、「スター・ウォーズ」オタクVS「スタートレック」オタクのSF映画頂上決戦の戦いなども盛り込まれた本作は、話だけ聞けば、スゴクおもしろそうなのですが、監督をつとめた新人のカイル・ニューマンの力量不足で失敗してしまったようです。カイル・ニューマン監督は、まともな映画も作れない無能のくせに、嫁さんは「シン・シティ」(2005年)の美人女優ジェイミー・キングなので、不能ではないという、むかつく野郎です。
出演は、サム・ハンティントン(「スーパーマン・リターンズ」2006年)、ダン・フォグラー(「燃えよ!ピンポン」2007年)といった連中に加え、ダメなダンナのためにジェイミー・キングも出演してくれていますが、何と言っても、キャストの華はオタク男子の憧れ、女子高生探偵ヴェロニカ・マーズこと、年齢不詳のクリステン・ベルが出ていることです。また、元祖レイア姫のキャリー・フィッシャーや、ランド・カルリシアン男爵こと、ビリー・ディー・ウィリアムズといったカメオの出演者も本作は充実しているので、とりあえず、映画ファンには一見の価値のある作品ですね。本作の予告編はコチラで、「40歳の童貞ダース・ベイダー」のポスターはコチラです。
「ファンボーイズ」 「SW」オタのパーティーで映画強奪を誓う!!
「ファンボーイズ」 ヴェロニカ・マーズがおっぱい見せる場面
↓ ちなみに、ジョージ・ルーカスのスカイウォーカー・ランチはこんなところ。

↓ チューバッカにチュ−されて、うぷぷッ…状態のヴェロニカ・マーズ!!

★冒頭にも書いたように、今週末の映画封切りの初日は13日の金曜日という訳で、リメイク版「13日の金曜日」が日米で同時公開されるほか、クライヴ・オーウェンとナオミ・ワッツのサスペンス映画「ジ・インターナショナル」や、ディズニー映画「レベッカのお買いもの日記」などが登場!!、「レベッカのお買いもの日記」ではイースターエッグとして、映画中の場面の背景で、これから公開されるディズニーのあの超話題の最新作のポスターが初公開されているそうです。映画で次の映画のポスターを初公開とは、アノ手コノ手で宣伝を考えますね。何の映画のポスターが初公開か?!は、次週のお楽しみということで!!
【注意】本文の二重使用・無断転載厳禁。引用は当ブログ名を明記し、リンクをお願いします。特に某映画サイトのライターは文章を丸々コピーしないこと!!
★この週末は13日の金曜日という不吉な日に続いて、14日は愛の記念日バレンタイン・デー!!、という訳で、ラブコメ女王の出番となり、初登場でお役目通りの首位をもぎ獲りました!!近代アメリカ映画の最高傑作の1本である前衛映画「ドニー・ダーコ」(2001年)を製作した偉大なプロデューサーとして、後世では尊敬を集め、映画史に名を残す予定のドリュー・バリモアが普段のラブコメ女王として製作した最新作の恋愛群像劇「そんな彼なら捨てちゃえば」(He's Just Not That Into You)は、1館あたりで約8,650ドルを稼ぎ、通常のランキングだけでなく、単館の売り上げでも首位を獲り、文字通り、この週末、最もお客さん…と言っても、主に8割は女性をかき集めた映画となっています。
本作は、映画版の第2弾の製作も決定した大ヒット・テレビシリーズ「セックス・アンド・ザ・シティ」のストーリー・コンサルタントをしていたコメディアンのグレッグ・ベーレントと、出演もしていた女優のリズ・タシーロが、シーズン6の第4話「あばたもえくぼ」から発想をふくらませて共同で執筆し、2004年に出版した同名ベストセラーの恋愛マニュアルの自己啓発本を映画化したものです。その本の邦題が「そんな彼なら捨てちゃえば」なので、ここではそのタイトルを、そのまま採用していますが、映画の日本公開にあたっては異なった邦題がつけられるのかもしれません。しかし、「そんな彼なら捨てちゃえば」はツカミのノリのいいキャッチーなフレーズですし、すでに本の題名が浸透しているので、映画は無理に別の邦題をつける必要はないと思います。
内容は、複数のカップルの恋愛エピソードが群像劇として描かれるので、ひと言で具体的に説明するのは難しいのですが、要するに男女の腹の探りあいがテーマとなっています。登場してくるスターは、コネリーとアニストンのダブル・ジェニファーに、スカーレット・ヨハンソン、ジニファー・グッドウィン(「ウォーク・ザ・ライン/君につづく道」2005年)、そして、もちろん、ドリュー・バリモアといった女性たちに対し、男の方は、ベン・アフレック、ケヴィン・コナリー、ブラッドレイ・クーパー、さらにスクリーンの外でドリュー・バリモアとつき合っていたジャスティン・ロングといった豪華な顔ぶれが、プロデューサー、ドリュー・バリモアの人望?で実現しています。ま、これだけ揃えてお客さんが来ない方が不思議なので、本作の初登場完全首位は当然ですね。
さらに本作の製作費は推定の概算で約2,500万ドルと、やりくり上手のドリュー・バリモアがお値打ち価格で仕上げているので、このオープニング成績からして、まず赤字になるとは考えられません。
ちなみに、2007年2月14日に、まさにバレンタイン向けのデート映画として公開された、ドリュー・バリモアとヒュー・グラントが共演のラブコメ「ラブソングができるまで」は、製作費4,000万ドルに対して、オープニング成績が1,362万ドル、最終興行成績は5,057万ドルだったので、それと比べても、この「そんな彼なら捨てちゃえば」は大変、効率のいい映画ビジネスが展開できていると言えます。
ただし、2004年に、やっぱりバレンタイン公開が指定打席のドリュー・バリモアが2月13日に封切ったアダム・サンドラーとの共演作「50回目のファースト・キス」は、オープニング成績だけで約4,000万ドルという大きな数字を叩き出し、最終興行成績も1億2,000万ドル強を上げているので、それと比べれば、本作は少し大人しめかもしれません。しかし、ドリュー・バリモアとアダム・サンドラーは過去にラブコメ史上の大感動作「ウエディング・シンガー」(1998年)を発表しているゴールデン・カップルなので、それに負けるのは仕方ないかな…という感じはあります。
本作の監督は「旅するジーンズと16歳の夏」(2005年)でも、複数のラブストーリーを同時進行でうまく描いたケン・クワピスです。
ココにポスターと予告編があります。下↓の動画は、恋愛下手なジニファー・グッドウィンが、電話番号をあげたのに、なかなか電話してこない男に対して、ジェニファー・コネリーの助けを借りながら、自分の方から電話して積極アプローチを試みますが…といった場面です。こうした身に覚えのあるようなシーンが連続の本作は、出足好調なことから、1億ドルを超える大ヒット映画になるのではないか?!と予測する声もありますが、果たして、そこまで好調を持続できるか?!、今後の展開に注目です。
ところで、ドリュー・バリモアは過去10年間に渡り、撮りためた写真があるそうで、今年はそれをまとめて写真集を出版し、写真家デビューを飾りたいそうです。
ラブコメ女王がどんな写真を撮っているのか?!、よくわかりませんが、そのうち日本でも写真家ドリュー・バリモアの個展が開かれたりするのでしょうか?!、ラブラブな写真ばかりだといいですね。
「そんな彼なら捨てちゃえば」 女の方から電話していいの?!的な場面★第2位は、先週初登場第1位だった、名優リーアム・ニーソンの元秘密工作員のお父ちゃんが、娘が海外旅行先のパリで人身売買組織に誘拐されてしまい、モンスター・ペアレントとなって、犯人をブチ殺しにいく、リュック・ベッソン製作のサスペンス・アクション「テイクン」。トップの「そんな彼なら捨てちゃえば」以外の新作をおさえ、わずかにワンランク・ダウンという人気ぶりです。本作は売り上げの下げ幅がたったの約18%という小さな数字なのですが、これは口コミで映画のおもしろさが拡散してるせいもあるでしょうが、先週はNFLの頂上決戦スーパーボウルの試合中継を自宅のテレビで観て、映画館には足を運ばなかった人が、この週末にやってきたといった方が正解かもしれません。
トータルの興行成績では、「トランスポーター2」(2005年)の4,309万ドルを抜き去り、リュック・ベッソン・プロデュース作品史上最大のヒット作となっています。
また今後、リュック・ベッソンが監督したトンデモSF映画の「フィフス・エレメント」(1997年)の興行記録6,382万ドルを抜き、この「テイクン」がリュック・ベッソン関連作品中の最高のヒット作になることは間違いなさそうです。
オッチャンが主人公の本作を当たらないと思って、この閑古鳥が鳴く時期に封切ってしまった20世紀FOXは、社運を賭けて昨2008年末に封切った製作費1億3,000万ドルの恋愛大作「オーストラリア」(今月28日公開)の興行成績が約4,905万ドルと大コケで、早くもこの「テイクン」に抜かれてしまっているので、それぞれの映画の公開時期を間違えたような感じです。また、当初、この「テイクン」を封切る予定だった昨2008年秋の目玉映画であるマーク・ウォールバーグ主演のアクション映画「マックス・ペイン」も約4,068万ドルと散々だったので、それとも公開時期を間違えたような感じです。まぁ、映画は何が当たるか?!、わからないので、今さら、そんなことを言っても仕方ありませんが、とりあえず、「テイクン」はスマッシュ・ヒットとして大成功しています。本作の製作費は約4,500万ドルで、全世界では約1億2,241万ドルをすでに売り上げています。
★先週、予告しておいたダコタ・ファニング2作品同時公開で、ダコタ・ファニングVSダコタ・ファニングのダコタ・ファニング戦争勃発の勝者のダコタ・ファニングはアニメ「コラライン」のダコタ・ファニングで、予知能力者のエスパーとして危険を察知できるはずの「PUSH/プッシュ」のダコタ・ファニングはあえなく敗れてしまいました…!!…という訳で、第3位に初登場したのは、「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」(1993年)で有名なヘンリー・セリック監督が、約12年ぶりに発表したストップモーション・アニメの「コラライン」です。
本作は、海外ではタレントのような人気のファンタジー小説のベストセラー作家ニール・ゲイマンの代表作「コララインとボタンの魔女」をアニメ化したものです。
ダコタ・ファニングが声を担当した主人公の少女コララインとは、不思議な名前ですが、これは“キャロライン”の文字の綴りを入れ替えたアナグラムです。
そのコラライン?、それとも、キャロライン?は、引っ越した先の新居で見つけた秘密のドアの向こうに、理想の愉快なパラレル・ワールドが広がっているのを発見し、その世界の虜となりますが、そこの住人たちはなぜか、みんな目が洋服のボタンだった…ッ!!という、ちょっと怖いダークなお話です。子どもの時に、なんで、自分はこんなヘボい家や、こんなダサい親のところに生まれちゃったんだろう…とか、誰でも、ちょっとは思ってみたりする、いけないことがテーマとなっているようです。
ダコタ・ファニングのママの声を担当したのは、人気テレビ・シリーズ「デスパレートな妻たち」のスーザンとして知られるテリー・ハッチャーですが、彼女は11歳になる娘が「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」の大ファンなので、セリフを録音するスタジオに娘を伴い、ヘンリー・セリック監督に会わせてあげたところ、ヘンリー・セリック監督が、娘のためにひとつふたつのセリフを与えてくれ、娘は大よろこびで、一緒に録音し、声優デビューを果たしたそうです。母ひとり娘ひとりの仲良し母娘にとって共演はよい思い出になりましたね。

しかし、この「コラライン」は、オレゴン州ポートランドのニュース・メディア、ウィルメット・ウィークが伝えたところによれば、大きな問題を抱えています。
オレゴン州ポートランドは、本作を製作したアニメ製作プロダクション、ライカ(Laika)がスタジオを構える土地で、この「コラライン」はライカの第1回作品です。
地元の経済界も大きな期待をかけていたライカですが、同社は「コラライン」の封切りを待たずして、昨2008年12月に65名のアニメーターを解雇したのを皮切りに、現在は大部分のスタッフが一時解雇され、会社は休業状態に入っています。
このアニメ製作プロダクション、ライカの前身は、アカデミー賞を受賞したこともあるアニメ作家のウィル・ヴィントンが立ち上げたヴィントン・スタジオで、それをスニーカーやスポーツ用品のナイキの共同創業者である超億万長者フィリップ・ナイトが買い上げ、ライカ/ハウスという、主にCMなどの商業映像のストップモーション・アニメを受注するスタジオに生まれ変わらせました。
ナイキのフィリップ・ナイトがなぜ、アニメ産業に参入したか?!というと、その答えはカンタンで、自分の息子トラヴィスがヴィントン・スタジオのアニメーターだったからです。
ウィル・ヴィントンは自分のスタジオがナイキ親子に乗っ取られたことで、訴訟を起こしたりもしたのですが、現在は無関係で、ライカ/ハウスは新たに同社の看板アニメーターとして、本作のヘンリー・セリック監督を迎え、スタジオをロサンゼルスからナイキの本社があるオレゴンに移転し、アニメ映画の製作部門である別会社のライカを立ち上げた…というのが、「コラライン」=ライカ設立の流れです。
このライカ及び、ライカ/ハウスのオレゴン移転に関しては、そもそもオレゴンにアニメーターが元から、たくさんいる訳もないので、ほとんどのアニメーター、クリエイターたちが、ナイキのような潤沢な資金を持った大スポンサーがバックについて立ち上げたアニメ・スタジオであるライカは、将来は“第2のピクサー”になる!!と夢見て、よそからオレゴンに移り住んで来たので、それが事もあろうか、第1回作品の公開を待たずして、資金が底をつき、仕事が無くなってしまうとは、他にアニメの仕事を探しようもないオレゴンでアニメーターたちは生殺しのようになってしまいました…。もちろん、地元からライカに務めた人たちも職を失った訳で、地域経済を活性化させる新事業と思われたアニメ・ビジネスは、「コラライン」さながら、その中身はダーク・ファンタジーだったと言うしかありません。
ただし、アニメ映画を作るライカは休止したものの、CMを作るライカ/ハウスは機能しているようなので、映画ができたことで、要するに当面、映画のスタッフはいらない…といったことなんでしょうか?!
ライカでは、「コラライン」に続くアニメ映画として、「パラノーマン」というゾンビのアクション・ロマンス・コメディなど、数本の企画を用意し、スポンサーを募っています。その営業活動など、スポンサー探しに「コラライン」の興行成績は判断材料として直結するので、ポートランドで立ち往生のアニメーターたちは復職が叶うのか?!、「コラライン」の数字の動向を固唾を呑んで見守っているはずです。
NHKなど、この“ナイキの億万長者とその息子が設立したアニメ映画スタジオ”と、“アメリカの深刻な不況を象徴するポートランドの地域経済”なんかをテーマにして、ドキュメンタリーを作れば興味深いものができるのではないでしょうか?!、でも、どこもかしこも不景気で困りますね…。
「コラライン」 予告編
★さて、順番が前後しますが、ついでにもう1本のダコタ・ファニング主演作のサイキック・バトル・アクション・ムービー「UP/アップ」に移ります。初登場で第6位と、残念なスタートの本作は、「HEROES/ヒーローズ」+「X-メン」+「ジャンパー」などと揶揄されているように、超能力者を洗脳して戦闘員にしようとする政府の闇の組織ディビジョンと、それに立ち向かうエスパーたちのサイキック・バトルが見もののアクション映画です。タイトルの「プッシュ」とは、他人をマインドコントロールする超能力のことで、テレキネシス=念動力は「ムーブ」、予知能力は「ウォッチ」など、本作は超能力に独自のネーミングをしており、他人が嗅いだ臭いを察知する「スニッフ」や、高周波の声で人を殺す「ブリード」、傷を癒す「スティッチ」など、様々なエスパーが登場しています。
ダコタ・ファニングが演じている13歳のキャシーはウォッチャー=予知能力者で、組織ディビジョンに父を殺され、復讐を誓ったムーバーのクリス・エヴァンスと共に、人類の未来の自由のために闘うことになります。クリス・エヴァンスは、「ファンタスティック・フォー」シリーズで、炎の使い手ヒューマン・トーチだったので、テレキネシスという新たな超能力も身につけられました?!
超能力者をハントするディビジョンのエージェントは、「ブラッド・ダイヤモンド」(2006年)のジャイモン・フンスーで、「紀元前1万年」(2008年)のカミーラ・ベルが、彼の右腕として働く「プッシュ」として出演しています。
香港を舞台にした本作はB級オタク臭ムンムンなので、あまり欧米の観客には歓迎されなかったのかもしれませんが、アジアのマーケットではウケるかもしれません。監督は、「ラッキーナンバー7」(2006年)のポール・マクギガンです。
製作費は約3,800万ドルなので、そう高くもありませんが、このオープニング成績では、ビデオ市場などでのガンバリを期待されそうです…。
ところで、ダコタ・ファニングは、今月23日がお誕生日。これだけ活躍してても、まだ15歳です…。
「プッシュ」 フィッシュ・マーケットでの対決
「プッシュ」 テレキネシス・ガンファイト!!
★2007年に東京・銀座の貴金属店を襲った犯人が、主にユーゴスラビア人で結成される国際的な強盗団「ピンクパンサー」の一味だということがわかった…という、映画とはまるで無関係なニュースのおかげで、検索ワード・ランキングの上位に顔を出させてもらった「ピンクパンサー」の最新作「ピンクパンサー2」が、期待を大きく下回る第4位で初登場しました。期待を大きく下回るとはどういうことか?!というと、1980年に亡くなった稀代のコメディアン、ピーター・セラーズの当たり役を、スティーヴ・マーティンが引き継いで、2006年に再開した新シリーズの第1弾は、やはり、この時期、2月10日に公開され、初登場首位で、オープニング成績は約2,022万ドルだったからです…。
なので、この新作は第1作めと比べて、約40%もの売り上げの減少を示し、シリーズの続編をそもそも誰も期待していなかった…という現実が明らかとなる結果を出してしまいました。
この「ピンクパンサー2」を、いったい誰が観たいのか?!という疑問は製作の段階から呈されており、出来上がった映画のくだらない内容に対しては、映画の格付けサイト ROTTENTOMATOES は、わずか13%という、あり得ないほど低すぎる支持率を割り出しています。
さらに深めて言うなら、第1作の最終的な全米興行収入は約8,222万ドルで、全世界では約1億5,885万ドルの売り上げでしたが、そのために使われた製作費は異常に高く、約8,000万ドルをソニー・ピクチャズは「ピンクパンサー」の第1弾につぎ込んでいます。DVDの販売や、テレビなどの様々な放送権料で、第1弾はペイをしているのでしょうが、安く作って大きく儲けたいコメディ映画としては効率が悪く、多額の製作費に見合うようなスケールのアクション映画などを作った方がよかったのではないでしょうか?!、この早くもコケ気味の「ピンクパンサー2」の製作費は明らかにされていませんが、見た目では第1作め同様に、けっこう、ふんだんにお金は使われていそうなので、クルーゾー警部は借金を抱えたまま、引退となってしまうのかもしれません。
本作の出演は、エミリー・モーティマーの二コールが前作に引き続き、登場しているのに加え、アンディ・ガルシア、アルフレッド・モリーナ、ジョン・クリースといった無駄に豪華な顔ぶれ。
しかし、その中で注目なのはコメディエンヌの大女優リリー・トムリンが本作で久しぶりにスティーヴ・マーティンとの共演を果たしていることです。
スティーヴ・マーティンとリリー・トムリンは、「スタンド・バイ・ミー」(1986年)や、「恋人たちの予感」(1989年)などのメジャーな映画の名監督ロブ・ライナーの父ちゃんで、マイナー映画の名監督カール・ライナーがメガホンをとった1984年の大傑作コメディ「オール・オブ・ミー」で共演というか、スティーヴ・マーティンがリリー・トムリンを演じていた間柄。と言っても、観ていない方には訳がわかりませんが、同映画ではリリー・トムリンの魂がスティーヴ・マーティンに乗り移ってしまい、体の右半分を支配することになるのですが、スティーヴ・マーティンはその設定をSFXなど使わずに、右半身では女=リリー・トムリンを演じながら、左半身は男=自分であり続けるという、驚異的な左右非対象の演技をやってみせた訳です。
そのスティーヴ・マーティンのパフォーマンスの表現力には誰もが吹っ飛び、才能が絶賛された結果、1986年の名作「サボテン・ブラザース」などの80年代から90年代にかけてのスティーヴ・マーティン絶頂期となる名作コメディ映画連発の時代を迎えることになります。
そのように本来は素晴らしい才能の持ち主であるスティーヴ・マーティンは、だからこそ偉大なピーター・セラーズの後釜として、2代目クルーゾー警部に抜擢されたのでしょうが、芸だけではないピーター・セラーズのカリスマ性には及ばず、スティーヴ・マーティンの「ピンクパンサー」は二番煎じの域を出ていない感じです。
なので、本作はヒットしそうもないので、このシリーズはもう止めて、スティーヴ・マーティンは自分のオリジナリティを発揮できる映画を作った方がよさそうです。
本作の監督は次回作では、ウィル・スミスのガキを主演に名作「ベスト・キッド」をリメイクするというサイテーの企画を選び、キャリアを踏み外した感のあるノルウェー人のハラルド・ズワルト。この野郎は、ココで紹介したナチス・ゾンビのホラー・コメディ「デッド・スノー」を母国ノルウェーでプロデュースしていたりするのですけれど、ハリウッドでもそっちの路線でガンバッた方がいいのでは?!
「ピンクパンサー2」 予告編★第5位は、先週第2位だった、なぜか?!大ヒットのコメディ映画「ポール・ブラート/モール・コップ」。相変わらず好調な本作は、新作が一気に4本もランキングに入ってきたというのに大きな影響を受けず、その売り上げのダウンをわずか2割におさえています。トータル・グロスも9,700万ドルに達し、1億ドル突破はもう間違いないので、ケヴィン・ジェームズは初主演作で、いきなりマネーメイキング・スターの仲間入り?!といった大出世です。
ところで、本作のプロデューサーであるコメディアンのアダム・サンドラーは、ロサンゼルス・タイムズの調べによれば、セス・ローゲンが主演する、かつての人気テレビ・シリーズの映画化「グリーン・ホーネット」に少ない出番ながら、重要な役どころでゲスト出演する可能性があるそうです。アダム・サンドラーとセス・ローゲンは、この「ポール・ブラート」を製作したソニー・ピクチャーズのコメディ映画の2大看板スターなので、その両者がそろうとなれば、「グリーン・ホーネット」にはまた注目が集まりそうですね。アダム・サンドラーが「グリーン・ホーネット」でどういう役か?!を憶測し、「エージェント・ゾーハン」(2008年)として出てきて、一緒に悪と闘うんじゃねぇか?!なんて、冗談で書いている映画メディアもあります。
なお、「グリーン・ホーネット」の監督は降りたチャウ・シンチーですが、ブルース・リーの後を継ぎ、グリーン・ホーネットの助手であるカトーの2代めに就任するキャスティングはまだ生きています。ただし、チャウ・シンチーは自身で、ジャック・ブラックとアン・ハサウェイを主演にしたヒーロー・コメディ映画のプランも進めているので、今後のスケジュール次第ではどうなるか?!はわかりません…。
★第7位は、クリント・イーストウッド史上最大の自己ベスト更新の大ヒット作となっている監督・主演引退作品「グラン・トリノ」が、公開9週めでついに上映館数が減少傾向に突入し、310館が打ち切って、先週の第5位からツーランク・ダウンしてしまいました。しかしながら、売り上げのマイナスは1割にも満たない程度なので、やはり、先週はスーパーボウルを自宅で鑑賞の影響で、普段よりもかなり映画のお客さんは少なかったようですね。クリント・イーストウッドは78歳の主演スターとして、これだけ観客を動員できているのですから、主役の座から退かなくてもいいように思います。
★アメリカでは昨夜となる7日(土曜日)に、ロサンゼルスのセンチュリー・プラザ・ホテルで行われた全米脚本家組合賞の発表授賞式で、サイモン・ビューフォイが最優秀脚色賞を与えられ、また一歩、オスカー獲りに近づいた、ダニー・ボイル監督の感動映画の大々傑作「スラムドッグ$ミリオネア」が、そうした映画賞総なめの人気により、さらに91館の映画館から、うちでも上映させてくれ!と引き合いを受け、興行枠を拡大しましたが、ランキングとしては、先週の第6位から第8位に後退してしまいました。ただし、売り上げの数値は先週から、たった3%だけのマイナスという、ほとんど横ばいの数字なので、新作が上位に入ったことで、ランキングは下がったものの、本作自体としては一定の売り上げを稼ぎ続けている安定感を発揮しています。
この「スラムドッグ$ミリオネア」は、すでに何度も紹介してきたように、日本ではみのもんたが司会していたことで有名な「クイズ・ミリオネア」というテレビ番組をモチーフに、ヴィカス・スワラップが書き上げた小説「ぼくと1ルピーの神様」を映画化したものですが、言わば、そんなテレビから生まれた本作をもう一度、テレビに戻そうという映画の成功にあやかったプランが進められているようです。
と言っても、本作のテレビドラマ化をするのではなく、この「スラムドッグ・ミリオネア」を配給している20世紀FOXのグループ企業であるFOXテレビが、昨2008年12月から放送しているリアリティ・ショー「シークレット・ミリオネア」のインド版をやろうということです。
日本では“ドキュメント・バラエティ”と言われたりもするタイプの番組であるリアリティ・ショーの「シークレット・ミリオネア」とは、そもそもはイギリスで2006年から放送が始まった人気番組です。
内容は億万長者のお金持ちがそのリッチな身分を偽り、貧困層の地域に潜入し、地元の貧しい人たちと約1週間程度、生活を共にして、庶民のビンボーのつらさを味わい、その貴重な素晴らしい人生経験?を元に、自分らが関わった地元のビンボー人どもに、どの程度、恵んでやればいいか?!、金額を割り出して、番組の最後で偽ビンボーの金持ちが水戸黄門のように素性を明かし、寄付を施すのが感動のクライマックス…という、せっかく、お近づきになった人たちとの友情や人情を金に変えてしまう、文字通りに現金な番組です。
リアリティ・ショーなので、どこまでがホントで、どこからがヤラセか?!、わかったもんじゃありませんが、とりあえず、企画されている悪趣味な新番組「シークレット・スラムドッグ$ミリオネア」と、映画の「スラムドッグ$ミリオネア」との間に、必然的な関連性は感じられません…。
まぁ、何はともあれ、「シークレット・ミリオネア」の感動のフィナーレの一部をご覧ください。
FOXテレビの「シークレット・ミリオネア」 お世話になった人に、ボクは本当は金持ちなんだぞと告げ、大金をプレゼントして、
みんな大よろこびで感動の場面。
そのうち日本でも真似した番組が出来るかも?!、貧乏脱出なので、司会はやっぱり、みのもんたですね。
★第9位の韓国ホラー「箪笥」のリメイク「アンインバイテッド」は、先週の初公開第3位から売り上げを約38%落としての急転直下。そして、第10位のイヌ映画「ホテル・フォー・ドッグス」は公開4週めで、興行の終わりが見え、426館が打ち切り、先週の第4位から約33%の売り上げダウンです。
この仲良く並んで落っこちてきた下位2本をなぜ、まとめて言及するか?と言うと、どちらもドリームワークスの作品だから(配給は旧業務提携先のパラマウント)。ココで伝えたように、お家?のあるユニバーサル映画への復帰を果たせなかったスピルバーグ監督のドリームワークスですが、スピルバーグ監督作品や、シャイア・ラブーフの「イーグル・アイ」(2008年)といった大ヒット作ならまだしも、こうした「アンインバイテッド」、「ホテル・フォー・ドッグス」などの小品の成績は、ご覧のようにそれほど優秀とほめられるものでもありません。なので、ユニバーサル映画としては、配給収益の分配条件の見直しを求められると、この手の小品からは利益を上げられないことになり、勢い“そんなスピルバーグなら捨てちゃえば”となってしまった訳ですね…。また、ドリームワークスの映画は見栄えのいいぶん、お金がかかっているので、そもそもビジネスの効率も、元からあまり良いとは言えなさそうです。世界的な不況の波に、庶民だけでなく、スピルバーグ監督まで圧迫されているような感じですが、新パートナーとなる見込みのディズニーとのチームワークが上手く進めばいいのですが…。
★さて、圏外の注目作ですが、1977年公開「スター・ウォーズ」シリーズ第1弾「エピソード4/新たなる希望」の30周年記念に引っかけ、本当は2007年に封切るつもりが、映画の出来がひどかったのに加え、ライセンス問題などもあったようで、オクラ入りになってしまった「スター・ウォーズ」オタクたちのロード・ムービーのコメディ「ファンボーイズ」が、“映画の墓場”シーズンよろしく、土中から掘り返され、やっと人様の目にふれることができました。“ファンなおもしろい連中”という意味ではなく、“オタク野郎ども”といったニュアンスの題名である「ファンボーイズ」は、計44館で封切られ、1館あたりで約3,727ドルを売り上げているので、通常ランキング第4位の「ピンクパンサー」=1館3,243ドル、第5位「ポール・ブラート」=1館3,471ドルを抜き、この週末、コメディ映画のジャンルでは稼ぎ頭だったことになり、「スター・ウォーズ」オタク、SFオタクらが、この幻の映画を観ようと待ち受けていたことがわかります。
この「ファンボーイズ」の内容は、1998年のハロウィンに物語の時期を設定し、主人公の「スター・ウォーズ」オタクたちの仲間のひとりがガンを患い、翌年の1999年5月に公開予定の16年ぶりにシリーズが再開する第1作「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」を観ずに、この世を去ってしまうことから、どうにか、死んでいく仲間に「スター・ウォーズ」の新作を観せてやろうと一計を案じた一同が、「スター・ウォーズ」シリーズの製作者ジョージ・ルーカスのスタジオ、ルーカス・フィルムのスカイウォーカー・ランチまで、「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」のフィルムを盗みに行く…というお話です。映画はそんな彼らがオハイオから、カリフォルニアのルーカス・フィルムに行くまでの旅の珍道中を描き、果たして、警戒厳重なルーカス・フィルムに忍び込むことはできるのか…ッ?!ということですね。
サイド・ストーリーとして、「スター・ウォーズ」オタクVS「スタートレック」オタクのSF映画頂上決戦の戦いなども盛り込まれた本作は、話だけ聞けば、スゴクおもしろそうなのですが、監督をつとめた新人のカイル・ニューマンの力量不足で失敗してしまったようです。カイル・ニューマン監督は、まともな映画も作れない無能のくせに、嫁さんは「シン・シティ」(2005年)の美人女優ジェイミー・キングなので、不能ではないという、むかつく野郎です。
出演は、サム・ハンティントン(「スーパーマン・リターンズ」2006年)、ダン・フォグラー(「燃えよ!ピンポン」2007年)といった連中に加え、ダメなダンナのためにジェイミー・キングも出演してくれていますが、何と言っても、キャストの華はオタク男子の憧れ、女子高生探偵ヴェロニカ・マーズこと、年齢不詳のクリステン・ベルが出ていることです。また、元祖レイア姫のキャリー・フィッシャーや、ランド・カルリシアン男爵こと、ビリー・ディー・ウィリアムズといったカメオの出演者も本作は充実しているので、とりあえず、映画ファンには一見の価値のある作品ですね。本作の予告編はコチラで、「40歳の童貞ダース・ベイダー」のポスターはコチラです。
「ファンボーイズ」 「SW」オタのパーティーで映画強奪を誓う!!
「ファンボーイズ」 ヴェロニカ・マーズがおっぱい見せる場面↓ ちなみに、ジョージ・ルーカスのスカイウォーカー・ランチはこんなところ。

↓ チューバッカにチュ−されて、うぷぷッ…状態のヴェロニカ・マーズ!!

★冒頭にも書いたように、今週末の映画封切りの初日は13日の金曜日という訳で、リメイク版「13日の金曜日」が日米で同時公開されるほか、クライヴ・オーウェンとナオミ・ワッツのサスペンス映画「ジ・インターナショナル」や、ディズニー映画「レベッカのお買いもの日記」などが登場!!、「レベッカのお買いもの日記」ではイースターエッグとして、映画中の場面の背景で、これから公開されるディズニーのあの超話題の最新作のポスターが初公開されているそうです。映画で次の映画のポスターを初公開とは、アノ手コノ手で宣伝を考えますね。何の映画のポスターが初公開か?!は、次週のお楽しみということで!!
【注意】本文の二重使用・無断転載厳禁。引用は当ブログ名を明記し、リンクをお願いします。特に某映画サイトのライターは文章を丸々コピーしないこと!!
