活動写真雑記帳<映画備忘録>

映画は楽しい。好きな映画は何回でも観てしまう。この楽しさが少しでも伝わると良いのだけどなぁ。観た映画を忘れないように、あらすじ・キャスト・スタッフ・裏話などをつらつらと書き綴ってまいります。 ネタバレも多々ありますので、平にご容赦お願いします。

危機一髪、出るかガメラの宇宙投げ!
ガメラ01
 植民星を探していたバイラス星人が見つけたのは青く輝く地球。しかし、宇宙船1号機が地球侵略を始めようとした矢先、現れたのは我らがガメラであった!1号機はガメラによってあえなく大宇宙の塵となり、地球の危機は去ったかのように思われたが……。

 その頃の地球、茅ヶ崎海岸では海洋研究所の協力の下、日米ボーイスカウトがキャンプを張っていた。リーダの島田伸彦を悩ませているのは、正夫とジムの二人のいたずらっ子であった。二人が乗り込んだのは新開発の小型潜航艇、潜行中に出くわしたのはなんと我らがガメラ!

 子ども好きのガメラは潜航艇と共に海中散歩を楽しんでいたが、その時すでに地球に近づいていたバイラス 2号機からスーパーキャッチ光線が発射されて、ガメラは囚われの身となってしまう。スーパーキャッチ光線は15分しか効力を持たないが、その間にガメラの記憶は分析され、「子ども好き」というガメラ最大の弱点を知られてしまう。

 バイラス星人は正夫とジムの二人を人質に取り、ガメラを意のままに操るのであった。国連も二人の子供のいのちを犠牲にはできないと、バイラス星人からの降伏勧告を受託。ついに地球とガメラはバイラス星人の手に落ちてしまったのであった。

 そんな中、正夫とジムは宇宙船内の脳波コントロール装置とスーパーキャッチ光線を操作、ガメラの解放に成功する。自分たちも無事に宇宙船から逃げ出し、さあガメラの反撃の始まりだ!!!
ガメラ02
 大映制作ガメラシリーズ第4弾であります。本作からは本格的に内容を子供寄りにして、主人公も子供というシリーズ体制になる。ガメラはアメリカでのテレビ放映契約も結んでいたそうで、そのために主人公は日本人と外国人の子供ということになったらしい(欧米人には日本人の顔の見分けが付かないから…?ちなみにアメリカ版タイトルは「DESTROY ALL PLANETS」)。

 前作から更に予算を削られた本作は、尺が72分(輸出版は流用部分を増やして90分)、ガメラの記憶を探る場面では第1〜3作までのフィルムを使い、街を破壊する場面は第1作の流用となっている。これだけ書くと酷い映画のように思えるが、当時はテレビ放映もビデオも無かったので、前の作品をまた観られるということで喜ばれたらしい。そして、それだけ流用していながらも、現在観ても不自然さがないのがまた素晴らしい(街を破壊する場面になると画面が白黒になってしまうのはさすがにどうかと思ったが…)。

 ガメラの造形は前作と一緒とのことだが、微妙に眼球の血管が増えているような気がする。しかし、見慣れたせいもあり、見た目の不自然さはまったくなく、こっちのガメラもやっぱりかっこいい。後ろ足を引っ込める飛行形態も予算の都合上の苦肉の策(飛行シーン用花火が一本3000円もした)だったらしいが、瓢箪から駒的な感じで今後の主流となっていく。”子供好き”という性格付けは、現在大人になってしまった我々にとってはつまらないものに感じる、だがガメラに明確な性格付けをおこなったおかげで立ち位置がはっきりして、感情移入がしやすくなったのも確かである。アメリカからの要請もあったであろうが、子供のために地球を守るという勧善懲悪的なポジションを本作で造り上げて、この後1980年までの4作に繋がっていく。

 対するは宇宙怪獣バイラス、見たまんまのイカの怪獣ですな。6本足を器用に操り、頭部は槍状になり突き刺さるようになっている。バルゴン、ギャオスと見てきた筆者にはあまり魅力的な怪獣には見えなかった、だってイカだもん。でも、造形では一番の苦労作だったらしく、柔らかい質感やそのなめらかな動きを見るとその苦労が察せられる。でも…イカなんだよなぁ。そして、最終決戦、ガメラの前に巨大イカ…じゃなくて宇宙怪獣バイラスが立ちはだかる!触手だけじゃ勝てないでしょ?なんて思ってたら、ひっくり返ったガメラの腹部に槍状の頭部が突き刺さった!!やるじゃないかバイラス!ただのイカだなんて言ってごめんよ!でも、ガメラのお腹に刺さったまま遥か上空まで上昇され、低温で凍ったところを振り落とされてあえなく墜落死(粉砕死?)…ダメじゃないかバイラス!やっぱりイカだ!
ガメラ03
 さて「大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス」の稿でも描いたように、本作から「ガメラマーチ」が使用されている。冒頭、バイラス宇宙船をガメラが撃退してすぐに流れてくる勇壮な音楽、素晴らしくワクワクさせてくれます。これから先、もしもガメラ映画が作られるとしてもこの歌はかからないのだろうなぁと思うと一抹の寂しさも感じたり、それくらいの名曲なのですよ。

 映画自体は特筆する部分もなく、敵怪獣も平凡(でも本稿を書いているうちに、徐々にバイラスが好きになってきてしまた。もしかしたら異常な魅力を秘めた怪獣なのかも?)。それでも、今後のガメラシリーズの指針を決めた重要な一作である。色々無理はあるもののストーリーは破綻していないし、ドラマパートも工夫されて飽きないように作られているところは湯浅監督のさすがの力量であろう。

 本作は子供向け路線が功を奏して大ヒットしたが、大映を立て直すところまで行かなかった。なんだかんだ言っても、大映レーベルのガメラは8作しか撮られていないのだから大事に観ていかないといけない。ちょろっとだけど”ウルトラマンタロウ”篠田三郎も出演している本作、必見!

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ガメラ対宇宙怪獣バイラス [Blu-ray]
本郷功次郎
角川エンタテインメント
2009-07-24



 
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