たまにはマリファナマーチについて書いてみます。
マーチ開催の裏側や主催者側の思惑など紹介できればと思います。

【マリファナマーチとは】

「マリファナマーチ」とは大麻の規制の見直しを掲げて1998年から毎年5月に世界の各都市で行われている世界同時開催のデモ・集会です。 これまでにマリファナマーチに参加した都市はアメリカ・ヨーロッパを中心に全世界で85ヵ国、1034都市以上に上ります。毎年世界中で900都市以上がマリファナ・マーチを開催しています。
少ない所では数10人程度、多い所では(CANADA・TRONTO)延べ35,000人もの参加者が集まっています。
日本では2001年から始まって今年で20年目になります。(デモ開催は2007年から始まって14年目)
(※2020年現在)

※大麻の使用や所持は法律で固く禁じられています。 マリファナマーチはそれらを推奨する為のデモではありません。
※マリファナマーチは日本国憲法第19条(感想・良心の自由)、21条(表現の自由)に基づくものであり、法律を厳守して行われます。

マリファナマーチはその名前や印象から否定的なイメージを持たれる事が多いデモです。
日本では、まだまだ麻薬というイメージを払拭できていないので「麻薬推進論者の集まりだろう」という固定観念があります。
又は「ヒッピーが集まってるだけだろ!」というマーチに参加した事のない人からの批判も多々受けます。 
最近のマーチに来た人なら分かると思いますが、決してヒッピーだらけではなく親子連れや車椅子など色んなタイプの人達が参加しています。 脱原発デモの参加者と変わりません。

日本では大麻解禁支持派はまだまだ少数派(マイノリティー)です。 
マーチを目にする通行人のほとんどが大麻は麻薬であり、危険なものだという認識を持っています。 テレビや新聞、その他のメディアでは大麻に関する正しい報道がされていません。 
政府は大麻に関する事実とは180度違う、間違った情報を私達の税金を使って発信し、国民を洗脳し続けています。
これでは日本は大麻に対して、いつまで経っても後進国であり続ける事になります。 
元々日本は昔から大麻を衣・食・住と多岐に亘って生活の中に取り入れてきた麻のエキスパートでした。
この事から日本では「大麻を解禁する」というよりも「大麻文化を取り戻す」と言った方が正しいのかもしれません。

真実を報道しないテレビや新聞では正しい情報が広まるどころか、逆の効果しかありません。
では、どうすれば国民に大麻に関する正しい知識を発信できるのか、と考えた時にその1つがマリファナマーチ(デモ行進)だった訳です。
最初の頃(2003年頃)は今のように脱原発デモなどはまだ少なく、日本人のデモに対するイメージは学生運動や他の暴力的デモと重なって見えていたように感じます。 
主催者側の私達にも、デモを開催するだけの度胸と経験が無かったので、マリファナマーチとして開催するものの、その中身は大麻に対して賛成的な意見を持つ者同志が閉じられた空間に集まって大麻イベントのようなものを開催しているに過ぎませんでした。
この頃のデモをしないマリファナマーチでは会場に集まる大麻解禁推進派同志の交流や意見交換ができて、参加された皆さんは、同じ気持ちを持った仲間がこんなに大勢居るんだ!と楽しまれていました。
勇気や、やる気が沸いてきた!と喜ぶ意見が多く、その当時としてはとても画期的でしたが、活動としては「大麻問題に対して理解してる者同志で内側に向けて発信する大麻イベント」の一線は越えられずにいました。 
身内だけで盛り上がっていたのでは、いつまで経っても世間に正しい情報が広まっていかない!という事でマリファナマーチ運営委員会のメンバーの中でも「デモをしましょう!」という意見が徐々に増えていきました。

デモ行進というのは一種のアピール活動であり、こういう考え方もあるんだよ。という事を訴える為の行動です。 他のデモでも言える事ですが、それだけで何かが劇的に変わるという事は中々ありません。
例えば、環境保護や動物愛護は大抵の場合において支持を得やすいテーマなので、開催する側も、参加者にとっても参加しやすいし、批判も受けづらいデモだと言えるでしょう。
一方マリファナマーチは真実を訴えてはいるものの、その内容が日本では、まだタブー視されているので世間の目や仕事の事などを気にして参加できないという人も多いデモです。
当然大麻は麻薬であり危険なものだという一般常識からすれば批判の的にもなりやすい特徴があります。
それでも素顔を晒してマリファナマーチに参加している参加者の皆さんは、この不条理に対して黙っていられない人や、実際に医療大麻が自分や家族、知り合いの病気に対して有効であると知っている人達です。

よく受ける批判として「国会議事堂や厚生労働省前でやらなきゃ意味が無い!」
というのがありますが、デモを成功させるのにはそれが行われる場所と時間がとても重要であり、誰も見ていない所で誰も居ない時間にいくらデモをしても意味がありません。 
マリファナマーチは結構な距離を歩く(2時間半程)ので、参加される皆さんは歩き疲れると思いますが、マーチは青山公園を出発してから表参道、原宿、渋谷を通って行くので、幅広い層にマーチが目撃されます。
おそらく日本で一番多くの人に目撃されるデモコースです。
以前、某署のデモ担当主任から「このコースはスゴイね!他には無いよ!」とマニアックな賞賛を受けた事もあります。笑
マーチがスクランブル交差点を通過する際には歩行者用、車両用の信号を一斉に赤信号に変えてもらっているので(信号2回分程)そこだけでも合計1万人近くにマーチが目撃される事になります。

サウンドデモ文化を知らない人からの、サウンドデモに対する批判も毎年あります。
では批判を受けながらも何故普通のデモではなく、わざわざサウンドデモをやるのか?という部分にも触れておきます。
マリファナマーチでサウンドデモに対する批判を受けて、自分自身でも色々考え、420 JAPANでは過去にサウンドデモではなく、普通のデモのようにただプラカードや横断幕を掲げて歩くというお行儀の良い大麻デモを2度開催してみました。 おそらく今となってはこれはほとんど知られていないでしょう。 それは話題性が無かったからだというのも理由の一つだと思います。 
アーティストもDJも呼ばなかったので、参加者も少ししか集まりませんでした。(その頃マーチの参加者が1000名位に対して80名程度)こうなると音楽目当て、アーティスト目当ての参加者は減ります。 
本気で大麻問題に対してNO!と声を上げる人達だけが80名集まりました。
それはそれで良い事だし、その方が良いんじゃないか?と言う人も居ますが、ハッキリ言ってデモというのは参加人数が全てと言っても過言ではありません。話題性が無いと意味がありません。
そのデモが巨大になれば自ずと注目度は上がり、メディアに取り上げられたりもします。
少人数の参加者が拡声器で大麻の真実を訴えて歩いていても、ほとんどの人は振り返りもしません。 
多くの通行人の目に留まり、話題にならなければ、せっかくのデモの効果が薄れてしまうのです。 
そこで考案された手法がサウンドデモです。
サウンドデモに対して「あいつらやかましいだけで逆効果だ」という意見もあります。
「レゲエやトランスじゃダメだ」という意見もありますが。実は音楽のジャンルは関係なくて、大きくてクリアな音が出ているかどうかが鍵になります。 
普通のデモには見向きもしない人でも、サウンドデモが通ると「おっ、なんか来たぞ?何のデモ?」と条件反射で振り向きます。これこそがサウンドデモをやる一番の理由なんです。音で注目を集めているんです。
BOB MARLEYでもTRANCE MUSICでも北島三郎でもAKB48でも何でもいいんです。
デカイ音で人々を強制的に振り向かせるというのがサウンドデモの持つ強みです。
※例年マリファナマーチに規格外のサウンドシステムを提供して下さっているランキンさんとTAXI Hi Fiクルーには頭が上がりません!音の質が良いという事は大きな要素です。声も通るし音楽もクリアに聞こえます。

マーチを目撃する人のほとんどは大麻の真実を知りません。そういう人の中には「麻薬推進論者が大麻は麻薬じゃない!って騒いでて怖かった」とSNSやTwitter、ブログ、または家に帰ってから家族と話題にする人が出てきます。(プラカードや横断幕が写っている写真付きなら、なお良い)
すると、それを見聞きした友人、知人、家族が大麻の真実を知っていた場合に「いや、どうも大麻はそこまで危険なものではないみたいだよ」というコメントを返します。 
すると、あちらこちらで小さな議論が始まります。
この時代、皆さんネットで何でも検索できますから、その結果、多くの人が大麻の真実に辿り着いてしまいます。大麻問題には既に答えが出ているからです。
実はサウンドデモの真の狙いはここにあります。 
批判から入ってもらっても良いんです。大麻問題について何も知らない日本人には、とりあえずこの問題に興味を持ってもらう、この問題について知ってもらう事が第一だと思っています。残念ですが、政府によって出鱈目を刷り込まれ続けて来た日本人に対しては、ここから始めていかないといけません。
マリファナマーチを始めた当初はまだネット上でも今のように大麻に関する情報やYou Tubeが少なかったので大変でした。
この頃はまだマリファナマーチのフライヤーすらも拒絶されて店舗に置いてもらえないほどでした。

2007年頃からはトランス号とレゲエ号2台のトラックが別々に大きなサウンドシステムとDJブースを載せて街中を走り、それぞれの音楽のファンはそのトラックの後を歌いながら、踊りながら歩いていました。
当時はここまでやってるマーチは東京の他にローマ、ロンドン、トロント位で世界でも話題になっていて、各国のマリファナマーチのHPで紹介されました。
大麻問題には興味が無くても、マリファナマーチはパーティーとして楽しいからと言って遊びに来る人が大勢居ました。 
この頃がマリファナマーチの参加者が一番多かった時期です。(参加者1200人、デモ参加者800人位)
そうなってくると路上パーティーのようになってきて、飲酒やタバコの喫煙などの問題も出てきました。
この頃から警察の規制も徐々に厳しくなっていきました。1000人も集まれば色んな人が居ますので、統制を取るのはもはや不可能です。泥酔者が大麻解禁を訴えてフラフラになって歩くという滅茶苦茶な状態に陥りました。
そこで運営側では唯一と言ってもよい、大切な収入源であった飲食(酒類)の販売を規制せざるを得なくなりました。
それでも酒はそこら中のコンビニや自販機で買えるので飲酒をしながら歩く参加者をゼロにするという事はなかなか難しい問題です。
「せっかくマーチをするのになんだあいつら、ただ酒飲んで酔っ払って遊んでるだけじゃないか!」という風に見られてしまっては意味がありません。
飲酒を規制し始めると、飲んで歩けない事に腹を立てる人も出てきました。
実際には飲酒しながらマーチに参加する人は極僅かなんですが、マーチに対して批判的な人は鬼の首を取ったようにそこを突いてきます。 最終的にこの辺は参加者のモラルに任せるしかありません。
イメージも大切なので運営側としてはここ数年はデモ隊最後尾にゴミ拾いのスタッフを配置して、マーチが通る前よりも道路を綺麗に!を心がけています。毎年たくさんのゴミ袋が集められます。
所轄の警察署との関係構築も非常に大切です。(マーチの場合は麻布署に始まり、赤坂署、原宿署、渋谷署と4つの警察署が関わっています)トラブルを起こさずに時間通りにデモ隊に歩いてもらう、など、警察との関係を良好に保つのも大切なこと。
2014年のマーチでは、警察側に脱法ハーブ(危険ドラッグ)と大麻を混同されていた所があり、その説明から入らなければいけませんでしたが、大麻と脱法ハーブの違いを理解してもらい、そもそも脱法ハーブの問題は大麻取締法が及ぼしている害であるという事も説明させてもらいました。
マーチでは「脱脱法ハーブ!」も訴えて歩いたんですが、デモ終了後に最初は難色を示していた警察のデモ主任隊長から「脱法ハーブについても訴えてくれてありがとう!」と声をかけられたのが印象的でした。
警察ですらも真実を知れば理解できる問題なんです。

このテーマでやっていてマリファナマーチを目撃する全ての人を納得させるのは不可能です。
その必要もないでしょう。それは他のどのテーマのデモにも言える事です。
デモを見ただけで全員が納得するなら、とっくに法律なんて変わっているはずですから。

幸いにも大麻問題には既に答えが出ています。 
大麻は危険な麻薬ではなく、難病を含む様々な病気を癒し、建材や紙の原料の代替にもなり、燃料としても使用可能で様々な問題に対して具体的な解決策を一つ一つ提供できる、地球の未来を考えていく上でとても大切な植物資源なのです。 
だから私達、大麻の素晴らしさを知り、解禁を願う者に負けはありません。
世界的に見れば既に法改正の動きが主流であり、いずれ日本もその波に飲まれる事は間違いの無い事です。
何度も言いますが、この戦いに負けはありません! 

地道な啓発活動で各自が、まずは身近な所から大麻の真実を広めていく事から始めましょう! 
その一番手軽な方法がマリファナマーチに参加して声を上げる事です。 
ほんの少しの勇気を持って立ち上がり声を上げましょう! 自分の気持ちに正直に生きましょう。
全ては出来なくても何かは出来るはず。 
1人じゃ出来なくても皆となら出来る事もある。
翻訳できる方は翻訳作業を、音楽やその他のアートでこの運動に参加するのもありです。
自分の得意な分野で出来る事をやる。 
マリファナマーチ運営委員会はマーチの主催者ではありますが、私達はただの幹事のようなもので、主役はいつだって参加者全員です。マーチはそれぞれの想いが創るものです。
 
マーチに年功序列の壁はありません。
若い人や女性などのやる気のある人の運営参加大歓迎です。 
私はもう、いい加減裏方に回らせて下さい。 笑
いつまでも他人任せではいけません。自分で感じて考えて行動に移していきましょう! 
脱他人任せ! 脱傍観者!
そこには明るい未来が待っています。